ボクたちは盗賊ラゴスを探してペルポイにやってきた。
ラゴスはペルポイの牢屋から逃げ出したと言うが、
ラゴスがいた牢屋を調べれば、
なにか手掛かりが残されているかもしれないからね。
現場百遍だよ。
ボクは名探偵カインなんだからね。
ボクたちは牢屋の鉄格子を調べてみた。
頑丈な作りだ。
カギを持たずに扉を開けることはできそうにない。
それにカギはボクたちが持っている。
世直しのために裏の業界から買ったんだ。
だから、結論として、
ラゴスは、牢屋からは出られないということだ。
つまり、今も牢屋の中にいることになる。
フッ。密室トリックか。おもしろい。
この謎、ボクが解いてあげようじゃないか。
名探偵と言われたボクのじっちゃんの名にかけてね!
ちなみに、ボクのじっちゃんの名前はカインだ。
サマルトリア王家は、
代々カインとミニロトが交互に襲名している。
だから、どの代のサマルとリア王も、
じっちゃんの名前は、常に自分の名前と同じなんだ。
そんなわけだから、ボクは、
名探偵と言われたカインの孫の名探偵カインというわけだ。
そんなボクに、解けない謎なんてないさ。
ボクは慎重に鉄格子のカギを開け、中を覗いた。
一見誰もいない。
しかし、ラゴスの考えていることはわかる。
椅子の下だとか壁紙の裏だとかに隠れていて、
「あれ?いなくなってる!逃げられた!」
と思って不用意に扉を開けた時に、
急に襲いかかって一気に脱出するつもりなのさ。
あるいは、
それを危惧して数人で流れ込んだりすれば、
それこそラゴスの思うつぼ。
サッと誰かに変装して、
まるで今、一緒に流れ込んだ者の中のひとりのような顔をして、
何事もなかったかのように脱出する、
というプランBも用意しているはずさ。
3人で入ったのが、いつの間にか4人になっていても、
誰も気付かないだろうというトリックさ。
だけど、
そんな小賢しい計略など恐るに足らないよ。
すでに、ボクはその計略を看破しているんだからね。
ボクはろと王子とサマンサ王女に部屋の出入り口を固めさせた。
部屋に入るのはボクひとりだ。
そして、仮に、急に飛び出してボクを襲ったとしても、
入り口にいる馬鹿力のろと王子に捻り上げられるか、
サマンサ王女の掲げた杖からほとばしるいかずちに打たれるか、
そのどちらかの末路を辿るはずさ。
しかし、ラゴスを捕まえたはいいけど、
ボクがやられてしまっては元も子もない。
だけど、それも想定済み。
ボクが死んでしまってもいいように、
ろと王子には世界樹の葉を持たせている。
もちろん死にたいわけじゃないから、
ボクだって油断したりはしないけどね。
ボクは、誰もいないように見える独房を入念に調べた。
でも、ラゴスは見つからない。
推理が外れたのかとも一瞬思った。
だけどね、サマルトリアにはこんな格言がある。
「カベノミクスを親らが良い」
15代目かいんが謎を解くにあたって利用した暗号だ。
意味はよくわからないけど、
ボクはとりあえず壁のひとつを蹴ってみた。
なぜだか、15代目かいんだったらそうするだろうと、
そんな気がしたからだ。
その行動が功を奏してね。
やっぱり壁に穴が開いていて、
人がひとり隠れられるようになっていたんだ。
そして、案の定、ラゴスはそこに隠れていた。
ラゴス、ついに捕まえたよ。
どうだったかな、ボクの推理は?
これで証明終わり。QEDだよ。
さあ、ろと王子。
捻り上げてくれたまえ。
こうしてボクたちはラゴスを捕えた。
すると、ラゴスは、
「あは、見つかっちゃった」
とかくれんぼをしている子供のようなことを言う。
軽い。こんな軽い大盗賊がいていいのか。
「僕が噂のラゴスだよ」
などと、
何か大物ぶった発言も、どうにも気に入らない。
だけど、何はともあれ、
ラゴスから水門のカギを取り返すことに成功したわけだ。
これで、満月の塔への水路を開くことができそうだよ。
さて、
ボクたちは、すぐにテパを目指した。
だけど、テパの座標がわからなくなってしまった。
またテパを探して大航海をしなければならなくなった。
その途中で、
間違ってラダトームに辿り着いてしまったよ。
そこで思い出した。
武器屋の2階にいたハーゴンの手下。
正確に言うと、
ラダトーム王に変装したハーゴンだと思わせているハーゴンの部下だ。
いや、
変装もなにも、ラダトーム王がハーゴンその人なのだから、
ハーゴンのフリをしたハーゴンの僕と言ったほうがいいのだろう。
そのハーゴンの僕が、
金のカギの扉の奥にいたはずだ。
ボクたちは、武器屋の階段を駆け上がった。
きっと、
ローレシア城の地下にいた神官と同じで、
地獄の使いか悪魔神官といったところだろう。
扉のカギを開けて、
ボクたちは、槍を構えながら王族衣装を着た老人風の男に声をかけた。
戦いになるものとばかり思っていた。
だけど、男は、戦おうとはせず、
「わしはただの武器屋の隠居じゃよ」
と言って、かっかっか、と高笑いをしている。
なるほど、ボクたちに恐れをなしたというわけか。
小物にふさわしい行いだ。
ボクたちは、この男とこれ以上話すことはない。
ただ、背を見せずに下がって部屋を出た。
背を見せずに歩くというのは、
僕が最も15代目かいんをリスペクトしている点だ。
ラダトームには、もうひとつ金のカギの扉があった。
中は裁縫屋だった。
あまつゆの糸を売っているらしいが、
今はちょうど切らしていると言う。
ドラゴンの角の3階で収穫するものらしいので、
早速ボクたちはドラゴンの角へと向かった。
北の塔の3階の床に転がっていたよ。
これで、
ドン・モハメも水の羽衣を織ってくれるはずだ。
そしてボクたちは、
1度目の発見と同じ苦労をしてテパに辿り着き、
ドン・モハメの家へと駆け込んだ。
「道具を揃えてきたようじゃな。わしの負けじゃ」
とドン・モハメは言い、
羽衣を織り始めたよ。
もちろん、水門を開けるのも忘れてはいない。
ラゴスから取り戻した水門のカギを使って水門を開くと、
水が一気に流れ出し、
満月の塔への水路が繋がった。
と同時に、
ボクたちの道具袋の空きが3つ増えた。
聖なる織り機とあまつゆの糸と水門のカギを
もう持つ必要がなくなったからね。
糸やカギはともかく、
織り機を道具袋に入れるのは大変なんだ。
これで道具袋は軽くなって、
織り機の代わりに薬草を入れることができそうだよ。
しかし何故だろう。
織り機のぶんのスペースが空いたはずなのに、
どんなに頑張っても薬草は1枚しか入らない。
ろと:レベル21
カイン:レベル20
サマンサ:レベル16
紋章:☀★☾

ぎぽら がへめ げげいば
ぞぺぱ ぴびい ぴてろう
ごぼほ ぜぞま なのなま
もにた ぐりぞ りえぼぷ
みえの ぷたは ぽずむや
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目次
【1話:出会い】
【2話:銀の鍵】
【3話:ムーンペタ】
【4話:ラーの鏡】
【5話:ドラゴンのツノ】
【6話:ルプガナ】
【7話:アレフガルド】
【8話:大灯台】
【9話:ベラヌール】
【10話:デルコンダル】
【11話:ペルポイ】
【12話:テパ】
【13話:盗賊ラゴス】
【14話:海底洞窟】
【15話:ロンダルキアへの洞窟】
【16話:ロンダルキア】
【17話:ハーゴンの城】
【18話(最終話):破壊神シドー】
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