ドラクエ2冒険日記(14) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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聖なる織り機とあまつゆの糸を渡してからしばらく。
ドン・モハメが仕立てた水の羽衣が完成していたよ。
早速ボクが腕を通そうとしたところ、
その矢先に、
「そちらの娘さんが着るといいじゃろう」
とモハメは言うんだ。
おいおい、ジィさん。
もうボクの右腕が袖に入っているだろう?
この状態でなぜそんなことを言うんだい?
と、いう目でボクはモハメを見たんだけど、
すでに手遅れだった。
モハメの言葉を聞いたサマンサ王女が、
もう左の袖に手を通していたんだ。
待て、王女!
ふたりで同時に袖に手を入れるとはどういうことだ!
ボクが先に腕を入れたんだ!
しかし、サマンサ王女にはサマンサ王女の、
言い分があるみたいだった。
モハメに言われたし。という顔をしている。
くっ!
なぜか大義名分は向こうにあるような気がする。
しかし、これはボクのものだ。
この戦い、負けられない。
絶対に負けられない戦いがあるんだ!
と、袖の奪い合いを続けていて、
一進一退の攻防の末、
ボクは負けてしまった。
気が付けば、サマンサ王女のほうが、
ボクよりも最大HPが多くなっている。
体力的に、彼女のほうが上だった。
サマンサ王女が羽衣を装備するのを見るボクの顔は、
きっと羨ましさに満ちていることだろう。
身かわしの服のときと比べて、
守備力が格段に上がっている。
危うく、HPのみならず、
守備力まで追いつかれそうだったよ。
実は先刻、ボクは自分にだけ力の盾を買っていた。
それに、少し前に魔法の鎧も買っていた。
それで、守備力を逆転されることを阻止したものの、
今となっては守備力がチョイ勝ちのHPがチョイ負け。
水の羽衣の炎耐性を考えると、
ボクのほうが死にやすいことになる。
サマンサ王女、
ボクが下がるからキミは2番目に出てきてくれないか。
と、並び順の交代を提案したくなるほどだよ。


いろいろと不服だけど、
それをいつまでも引きずったりはしないさ。
ボクは大人だからね。
引きずったりはしない。
ボクが先に腕を通したんだけど、
それを後からサマンサ王女に奪われたからといって、
ボクは気にしない。
絶対に負けられない戦いに敗れたからといって、
ボクはそれを引きずらない。
いいか、サマンサ王女。
ボクは大人だから、
いちいちそんな小さなことをいつまでも言ったりしない。
だから心配しないでくれたまえ。
ボクに気にせず、
その世界に一着しかない貴重な羽衣の着心地を
堪能してくれたまえ。
ボクに遠慮することはない。
遠慮はいらない。
本当にいらない。
でも、どうしても遠慮をしたいというのなら、
遠慮してもらっても構わない。
どうかな?
遠慮をする気になったりはしないかい?
と、振り向いて見たら、
サマンサ王女は全然こっちを見ていなかったよ。
ま。いいさ。
大人だから。


さて。
ボクたちは、
水門が開いたおかげで、
満月の塔へと船を乗り付けることができた。
塔での戦闘は、
先のサマンサ王女との戦いに比べたら、
大した戦いではなかったよ。
ボクたちは、
さほど苦労することもなく、
月のかけらを手に入れることができた。


これで、
やっと浅瀬に囲まれた海底洞窟へと行くことができる。
しかし、
その浅瀬の場所がどこなのかはわからない。
お告げ所では、海の真ん中、というようなことを言われた。
海に真ん中なんてあるのか?
ボクたちは、
海の真ん中を探して、
また大航海を続けることになったよ。
船出しては戻って宿に泊まり、
また船を出して、戻って宿泊し。
測量しながら地図を書き、
もう10泊以上したことだろう。
それほどの苦労の後、
やっと浅瀬に囲まれた洞窟を見つけることができた。
そして、
月のかけらのおかげで、
ボクたちは洞窟の中に入ることができた。


海底の洞窟は恐ろしいところだったよ。
宝箱を見つけて、喜び勇んで開けてしまうと、
大ダメージを受けたり、
毒に犯されたりする罠が仕掛けられていたんだ。
ま。それは全部ろと王子が受けるのだから、
ボクは痛くも痒くもないんだけど、
キアリーだとかべホイミだとか、
MPを使うことになるのは、
ちょっとだけ煩わしいとも思う。
だけどね、
キアリーやべホイミの煩わしさなんて、
ここでは何も気にならないんだ。
時々現れるウドラーの不思議な踊りを見てしまうと、
MPを40も吸い取られてしまうからね。
MP3や5の呪文をいくら使ったって、
誤差でしかない。

この洞窟の敵は恐ろしいモンスターばかりだよ。
キラータイガーの集中攻撃は特に恐ろしい。
4匹がかりでサマンサ王女に噛みついてくるんだ。
サマンサ王女が息絶えても、
ボクやろと王子にターゲットを変更したりせずに、
サマンサ王女の死体を噛みついてばかりいる。
その光景を見てるとぞっとしたものだよ。
黙って見ていたら、
王女が捕食されてしまうところだった。
ボクたちがハーゴンに立ち向かうから攻撃してくる、
というわけじゃない。
食事の一環として襲ってくるんだ。

ボクたち同様、
敵もパーティーを組んでくる。
キラータイガー×2、スカルナイト、パペットマン。
集中攻撃が嫌だからと思って、
キラータイガーを先に倒そうと思っていると、
スカルナイトがルカナンを唱え続けて、
ボクたちの守備力は低下の一途を辿る。
じゃあ、スカルナイトを先に倒さないと、
と思っていると、
パペットマンが踊ってボクたちのMPを奪う。
回復できなくなっては困るから、と、
パペットマンを先に狙うと、
その間にスカルナイトにルカナンを受けて、
そのままキラータイガーの集中攻撃の餌食になる。
とにかく恐ろしいパーティー戦なんだ。
時折り、そのパーティーにマミーが加わり、
意識を失うような一撃を繰り出す。
ろと王子が気を失ってしまうと、
ボクとサマンサ王女は攻撃に手が回らず、
ろと王子が目覚めるまで回復し続けるしかなくなる。
その間に踊りを見せられルカナンで弱体化され、
そしてキラータイガーに噛みつかれる。
本当に苦しい戦いばかりなんだ。

この洞窟にははぐれメタルもよく出る。
そしてボクたちは、
はぐれメタルにいつも殺されかける。
はぐれメタルは、
マヌーサで幻惑した後、
ベギラマを2発ほど唱えて、
そして逃げるんだ。
ただただダメージを受けるばかりで、
まるで歯が立たないボクたちは、
いつしか、はぐれメタルから逃げるようになっていた。
逃げ足だけなら負けないのだと、
だんだんと自信もついてきたものだよ。

そんな中、
やっとのことで洞窟の最深部にたどり着くと、
2人の地獄の使いが立ちはだかった。
どう考えても、ここのビーオーエスエスなのだけど、
この洞窟で最弱だった。
ボクたちは地獄の使いたちを一蹴し、
邪神の像を手に入れた。

さあ、ベラヌールに戻ろう。
ロンダルキアに向かうぞ。




ろと:レベル24
カイン:レベル22
サマンサ:レベル18

紋章:☀★☾水滴



ぱすず めちに もめぺぶ
ばとぜ がぬご ろばやぱ
すたみ ぞめぐ れなぶば
ふぷび なおめ るむなわ
せぺご なろや けみはね は



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目次
1話:出会い
2話:銀の鍵
3話:ムーンペタ
4話:ラーの鏡
5話:ドラゴンのツノ
6話:ルプガナ
7話:アレフガルド
8話:大灯台
9話:ベラヌール
10話:デルコンダル
11話:ペルポイ
12話:テパ
13話:盗賊ラゴス
14話:海底洞窟
15話:ロンダルキアへの洞窟
16話:ロンダルキア
17話:ハーゴンの城
18話(最終話):破壊神シドー


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