アレフガルドの次に、
ボクらがやってきたのは、
水の都ベラヌールだ。
大灯台で星の紋章を手に入れて、
太陽の紋章と合わせて、
紋章は2つになった。
ハーゴンに辿り着けるだけの情報が、
今のボクたちにはない。
竜王のひ孫の言うとおり、
5つの紋章を探すほうがいいのかもしれない。
精霊の加護が得られるんだからね。
紋章のほうは、
探すための方法がないわけじゃない。
山彦の笛があるんだからね。
どうやら、
紋章は笛の音をこだまさせるみたいだし、
ろと王子が、
行く先々で山彦の笛を吹き続ければ、
きっと紋章が見つかるはずさ。
でも、だから、
兎にも角にも、
ボクたちは世界を巡らなければならない。
笛の山彦が返ってくるかどうかは、
行ってみて、
吹いてみなければわからない。
だから、
紋章を探すことと、
ハーゴンを探すことは、
結局は同じことなんだ。
ずっとラダトームで、
玉座に座っていればいいものを。
ラダトーム王ハーゴンめ。
探すのに手間がかかるじゃないか。
ベラヌールにやって来たのは、
アレフガルドの聖なる祠と、
旅の扉で通じていたからだ。
2つの紋章を手に入れたボクたちだけど、
次の目的地が、
はっきりと決まっているわけじゃなかったからね。
船で航海するよりも、
旅の扉で陸地へと飛ぶほうを選んだと、
そういうわけさ。
ベラヌールの町に入った瞬間だったよ。
入口の神父が、
ボクたちの顔には死相が出ている、
と言うんだ。
不吉なことを言う神父だけど、
悪いが、
ボクたちはこの通りピンピンしている。
仮にハーゴンが、
呪いをかけようとしていたとしても、
それに屈するボクたちでもない。
第一、
ボクたちには、
3人でひとつの魔除けの鈴がある。
遠方からの呪いなんて、
受け付けるはずもない。
ボクは、
その不吉な神父に言ったよ。
もしハーゴンを見る機会があれば、
同じことを言うといい、とね。
きっとハーゴンの顔にも、
死相が出ているはずさ。
ここベラヌールに来て、
ボクたちがはじめに入った店は、
もちろん福引屋だ。
呪えるものなら呪ってみるがいい、ハーゴン。
いつまでも終わらない福引地獄を
ボクに味わわせてみるがいいさ。
なんてことを叫びながら福引を回したんだけど、
福引屋は、
嫌がらせでいつまでも福引券をくれたりはしなかった。
くそっ。
饅頭怖いと言えば、
なおさら饅頭を出すという落語を知らないのか。
いや、逆か。
知っているから、
ボクの目論見を破ることができたわけだ。
ハーゴンめ。
一筋縄じゃいかないと見える。
相手にとって不足なしだよ。
しかし、
いつもボクが、
ついつい福引を回したくなってしまう理由が、
今わかってしまったよ。
ハズレて福引券をもう1枚くれるときに、
福引屋はこう言うんだ。
「いやー。惜しかったですね」とね。
どうも、ボクの口癖と似てるんだよ。
ボクの口癖は、
「いやー。探しましたよ」なんだ。
どうも親近感を覚えると思ったよ。
リサーチが完璧じゃないか、ハーゴン。
芸の細かさには恐れ入るよ。
ところで、
ベラヌールの武器屋は、
品揃えが良くてね。
今はお金が足りないけど、
ボクも力の盾が欲しくなったよ。
今はまだお金がないからね。
でもね、
台所事情を知らないろと王子は、
何のためらいもなく、
8000ゴールドもするドラゴンキラーを
即買いしてしまうんだ。
それだけじゃないんだ。
ボクが、
手持ちのお金が100ゴールドになってしまった、
と、咎めると、
なんと、
ロトの剣を売ってしまったんだ。2ゴールドで。
いや、いろいろとね。
いろいろと信じられないわけだよ、ボクは。
ホラ、なんと言うか。
信じられないことが多すぎて、
何から言えばいいのか、
わからなくなってしまったじゃないか。
まずね、ろと王子。
つい最近手に入れたばかりじゃないか、
ロトの剣は。
しかも、ロトの子孫だと証明するために、
とても重要な物だと、
わかっていないのか?
ボクが、その剣に対して、
どれほど悩んだか、
キミにはわかっていると思ってたよ。
それを簡単に売ってしまうなんて。
重要な物を売ることも信じられないし、
ボクの悩みを軽んじるということも、
それも信じられないよ。
そして、
その伝説の剣を
なぜ、たったの2ゴールドで売ってしまうんだ?
というか、
なぜ、たったの2ゴールドしか、
値を付けないんだ、道具屋?
この剣の価値がわかっていないのか?
いや、そうじゃない。
ろと王子が騙されたんだ。
良い剣だけど、
安い値を言っても、
ろと王子なら売ってしまうだろうと、
道具屋に思われたってことだ。
ロトの子孫が聞いて呆れるよ!
キミも少しは悩むといい。
しかし、
それはそうと、
そのドラゴンキラーは、
確かにロトの剣よりも切れ味が良さそうだ。
今後の活躍を期待して、
今は多くを責めないでおくことにするよ。
ところで、
この町の人々は実に物知りでね。
太陽の紋章は炎の祠に、
月の紋章はデルコンダルにあると言う。
太陽の紋章はすでに持っているから、
すでに不必要な情報ではあるんだけど、
今更ながらに、
あの祠が、炎の祠という名前だったと知ったよ。
確かに焚火のような炎が燃え盛っていた。
太陽の紋章の情報は、すでに不必要なんだけど、
デルコンダルにあるという、
月の紋章の情報は重要だ。
そして、
そのデルコンダルは、
ローレシアの南の海にあるのだと言う。
よし。
ボクたちの次の目的地は、
デルコンダルにしよう。
月の紋章を手に入れようじゃないか。
けど、その前に、
ひとつ気になる情報があった。
ここベラヌールのずっと東の小島に、
世界樹の木が生えていて、
その葉は、
死者を生き返らせることができると言うんだ。
なるほど。
じゃあ、その木を切り倒して持って行けば、
滅びたムーンブルクを復活させることも、
できるかもしれないんだ。
と言う話をしたんだけど、
サマンサ王女は、
もはやムーンブルクの人々を
単純に生き返らせたいという気もなさそうで、
世界樹を切り倒すことに反対したよ。
ろと王子のほうは、
なんとなく物ぐさそうな顔をしていた。
さては、
どうせ作業はろと王子任せだというボクの考えに、
気付いてしまったのかもしれないね。
ボクのチカラでは木は切れないし、
サマンサ王女のバギでは、
葉が全部散ってしまうかもしれないからね。
どうしても、
ろと王子にしか作業はできないんだ。
さて、
そういう話をしている間に、
船は世界樹がある小島についたよ。
1本だという話だったけど、
3本あるじゃないかと近付いたところ、
そのうち2本はウドラーだったよ。
ろと王子め。
ウドラーだったら、
ちゃんと斬るんじゃないか。
とは言え、
ウドラーは強敵でね。
ろと王子が斬っただけじゃ、
簡単には倒れてはくれないんだ。
しかも、
ウドラーの踊りはホントに不思議で、
理由はわからないけど、
サマンサ王女のMPを吸い取ってしまうんだ。
踊るだけでMPを吸い取られるなんて、
どう考えても不思議だ。
ともあれ、
1度の踊りで20以上のMPを吸われるわけで、
サマンサ王女のMPはあっという間に底をついたよ。
MPがなくなってしまうと、
サマンサ王女はもはや何もできない。
と、言うと思うかい?
今や、
ボクたちは、
歴戦をくぐり抜けてきたんだ。
呪文が使えなくなったぐらいで、
戦えなくなってしまうほど、
サマンサ王女もヤワじゃない。
まどうしの杖で攻撃し、
薬草で回復する。
決して無力なんかじゃないんだ。
どんな状況にでも対応できるのが、
真の冒険者だよ。
何にも対応できないのは、
ろと王子ぐらいのものだ。
かくして、
ボクたちは世界樹の葉を手に入れたわけだ。
根こそぎ持って行こうと思ったんだけどね。
いや、根じゃない。葉こそぎ、だ。
葉を全てちぎって持って行こう、
とも思ったんだけど、
自然愛護団体に言われるまでもなく、
ボクたちは、
世界を救おうとしているんだからね。
この木を絶やしてしまうわけにも行かない。
世界を救うということは、
自然を救うことでもあるんだからね。
遠慮気味に、
1枚だけちぎって、
持って行くことにしたよ。
必要になったら、
また来ればいいさ。
もちろん、
必要にならないことを願っているところさ。
さて。
次の目的地はデルコンダルだ。
デルコンダルはローレシアの南。
ボクたちは、
ベラヌールから船を出した。
そして気付いたよ。
いったいローレシアはどこにあるんだ?
ろと:レベル19
カイン:レベル17
サマンサ:レベル13
紋章:☀★
ふがて なえさ しさたい
たうゆ のぺく よぺわぴ
いけね ぐけせ ぷあぷや
けわぽ ふがず うぞべわ
けわぽ もつろ たい
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目次
【1話:出会い】
【2話:銀の鍵】
【3話:ムーンペタ】
【4話:ラーの鏡】
【5話:ドラゴンのツノ】
【6話:ルプガナ】
【7話:アレフガルド】
【8話:大灯台】
【9話:ベラヌール】
【10話:デルコンダル】
【11話:ペルポイ】
【12話:テパ】
【13話:盗賊ラゴス】
【14話:海底洞窟】
【15話:ロンダルキアへの洞窟】
【16話:ロンダルキア】
【17話:ハーゴンの城】
【18話(最終話):破壊神シドー】
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