ドラクエ2冒険日記(2) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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ボクの名はカイン。
サマルトリアの王子だ。
そして、新しくできたボクの仲間。
彼の名はろと。
ローレシアの王子だ。
ろと王子
【絵:堺むてっぽうさん】


彼は寡黙な男で、
ほとんど言葉を発しない。
道具屋で買い物をするときでも、
商品を指差すだけで、
店員と会話をしている様子もない。
ほとんど声も聞いていないけれど、
強いて言えば、
「はい」という言葉ぐらいは聞いた気もする。
「いいえ」ぐらいまでは言えるのかもしれない。

寡黙なのもいいが、
しかし、
それではパーティーを牽引していけないだろう。
そう思うまでもなく、
主導権はボクに委ねられている。
彼は典型的なイエスマンなのだ。
どうも、
あまりよく考えないで冒険しているように見える。
リリザがあると言われればリリザに行き、
サマルトリアへ行けと言われればサマルトリアへ行く。
ここだあそこだと、町人たちに翻弄されて、
結局、ボクと出会えたのだって、
旅立ちから相当時間が経過してからのことだ。
一国の王子が、
ただの庶民の言葉に踊らされてしまうのはどうかと思う。
だから、
この冒険は、
ボクが引っ張って行こうと思うんだ。

ろと王子が何も言わないので、
ボクはまず彼が持っていた財布を取り上げて、
聖なるナイフと革の盾を買った。
合計290ゴールド。
もちろん、これはボクが装備するものだ。
だってそうだろう?
ボクは剣と魔法で戦う魔法戦士なんだ。
力だけでねじ伏せる野蛮な戦い方は得意じゃない。
もっと知的な戦いをしたいんだ。
ろと王子とは違うのさ。
ボクに棍棒は似合わない。
本当はレイピアが似合うと思っているんだけど、
今はナイフで我慢しておこう。
敵の攻撃を盾で弾いて、
そのまま懐へ飛び込んでナイフを一閃。
1撃の後はすかさず飛び下がってヒットアンドアウェイ。
どうだい?
ボクには、
そんなスマートな戦いが向いていると思うんだ。
ナイフと盾を買ったから、
財布の中身はほとんど空になったけど、
ボクの持っていた棍棒を売ると、
少しは足しになった。
ろと王子には、
このお金で薬草でも買い与えていればいいだろう。
ボクにはホイミがあるけど、
ろと王子は剣で戦うことしかできない。
しかし、体は頑丈だ。
薬草でも食べておけば、
きっといつまででも戦えるに違いない。


ボクたちはサマルトリアを出て、
西へと向かった。
ムーンブルクに通じる祠があると聞いたからだ。
ボクたちは、
ムーンブルクを救いに行かなければならないんだ。

ところが、
祠の中の洞窟は、
恐ろしいほどに魔物が強かった。
仮面をつけたただの人間だと思っていたら、
突然ギラを唱えてきたり、
ムカデなんて恐れるに足らないと思っていたら、
ろと王子の攻撃が通じないほどに硬く、
しかも、百本ほどもありそうな足でかじられると、
ボクは1撃で瀕死になってしまうほど。
いや、少しばかり誇張しすぎたようだ。
1撃じゃ瀕死にならない。
3撃ぐらいは耐えれる。
いや、4撃は耐えれるかもしれない。
いやいや、
むしろ8撃ぐらいは我慢できるのではないか。
しまった、
また誇張してしまった。
8撃にはとても耐えられないんだ。

ここはボクたちにはまだ早すぎたのかもしれない。
ボクたちはムーンブルクを救いに行くんだ。
一刻も早く助けに行きたい気持ちはあるけど、
実力がそれに伴わなければ意味がない。
助けに行って足を引っ張るようなことがあれば、
笑い話にしかならない。
いや、笑い話なわけない。
怒り話だ。いや、恨み話か。いや、どうでもいい。
とにかく、
もう少し修行をするとともに、
この大陸の事情をもっと調べたいところだ。


ムーンブルクへと続く祠の老人が言うには、
ローレシアの南の祠に弟がいるという話だった。
ローレシアの南か。
そんなところにある祠だったら、
ろと王子がすでに行っていていいはずなんだけど、
彼は気が効かない。
きっと行っていないのだろうと思って、
ボクたちは、そこへと向かった。

そこにいたのは老人の弟の老人。
弟も老人か。それもそうか。
弟老人曰く、
世界には金銀2種類の扉と、
それに対応する2種類の鍵があるという。
そして、そのひとつ、
銀の鍵は、
サマルトリアの西の洞窟にあると言うんだ。
しまった。
こっちはサマルトリア領だ。
ボクが気が効かないと思われてはいけない。
だから、洞窟がサマルトリア領であることは、
ろと王子には黙っておいた。


ところで、
ろと王子は、
戦いにおいても要領を得ない。
力は強いが頭は弱いのだろう。
3匹のドラキーを
分担して倒そうとしているのに、
ろと王子は、
ボクが斬り付けたドラキーのトドメを刺そうとする。
彼は1撃でドラキーを葬れる程の力の持ち主なんだ。
ボクが倒そうとしているドラキーは放っておいて、
他の2匹を倒してくれればいいのに。
逆に、キングコブラなどの強敵は、
ふたりで集中攻撃しないと倒せないのに、
こういうときには、
ボクとは別のキングコブラを攻撃してしまうんだ。

そのうちギラを覚えたから、
ろと王子のことを気にせずに、
自分ひとりで1匹倒すことにしたよ。
あとは防御して、
ろと王子がもう1匹倒すのを待てばいいだろう。
1匹倒したんだ。
役割としては十分だろう。

そうしているうちに、
ろと王子のほうもさらに力がついてきたようで、
キングコブラさえも1撃で倒してしまえるようになった。


徐々に強くなってきたボクたちは、
銀の鍵が眠るという洞窟の最深部へと到達した。
そして、最深部の宝箱から銀の鍵を発見した。
ところが、
ろと王子の荷物袋がいっぱいだったんだ。
ボクのほうも、実はいっぱいだった。
そこで、一旦銀の鍵を諦めて箱に戻し、
道具袋の薬草を1枚食べた。
これで銀の鍵も持てるはずだ。
と、思ってろと王子を見てみたら、
どうやら、
銀の鍵をどこに置いたかを見失っていたらしいんだ。
なにをやっているんだ!ろと王子!
その鍵を探してボクたちはこの洞窟に来たんだ。
鍵を拾わなければ、
ボクたちはここに来た意味がない。
とはいえ、
荷物袋がいっぱいなのも、
毒消し草や福引券やキメラの翼ばかり。
薬草はさっきの1枚が最後だった。
ボクのMPも切れて薬草ももうない。
ボクたちはやむなく洞窟を出た。
出直すしかない。


リリザに戻ったボクたちは、
武器防具屋を覗いた。
お金も少しは貯まっている。
ろと王子が、新しい武器が欲しそうな顔をしていたが、
しかし、ボクは鎖かたびらを買った。
もちろんボクが装備するためだ。
当然だろう。
ろと王子は死なないし、
敵はいつも1撃で倒せる。
武器も防具も、ろと王子には必要がないんだ。
ろと王子の武器は、いまだに銅の剣だけど、
彼はいつまでも銅の剣でもいいのかもしれない。
ローレシアの名剣なのだから、
末永く大切にすればいいだろう。
ろと王子の防具は、いまだに革の鎧だけど、
彼はいつまでも革の鎧でいいのかもしれない。
ローレシアの名鎧なのだから、
末永く大切にすればいいだろう。
武器を買うお金は、
今後もボクがいただくことにしよう。
ろと王子はあまり深く考えていないようだから、
それでもきっと気にしないことだろう。


さあ、ろと王子。
サマルトリアに寄ってから、
もう一度西の洞窟に行こう。
今度こそ銀の鍵を持ち帰ろう。




ろと:レベル8
カイン:レベル7


ばはい かばこ ぴぷいべ ぷつぬ やとみ
せけなし へのの ぼせは やずびび かいあ 
てご りふみ



サマルトリアに戻ると、
一度は断ったのに、
妹がまた懲りずに寄ってきた。
そしてまた恨めしそうに言った。
「お兄ちゃんのいじわるうっ!」

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