先月の22日と26日、宏美さんは東京と大阪で開催された『徹子の部屋コンサート』に出演された。ゲストは5名なので宏美さんの出番はせいぜい20〜30分くらいだろうし、料金も通常のコンサートよりはややお高め。チケット購入を躊躇っていると、徹子さん大好きの義母から「shochan、宏美ちゃん出るから『徹子の部屋コンサート』行くでしょ?私の分もチケット取っておいて」とご下命。結局、妻も含めて3人で東京国際フォーラムのホールAに出かけてきた。
ゲストは出演順に南こうせつさん、LE VELVETSの皆さん、坂本冬美さん、休憩を挟んで山内惠介さん、そして殿が宏美さんだ。だが、入口でもらった各種演奏会等のフライヤーの中に、国府弘子さんのものがあったのだ。当日の伴奏は、こうせつさんこそバックバンドを引き連れての生演奏であったが、他の3組はカラオケであった。私はふと、「宏美さん、もしかすると国府弘子さんのピアノで歌うかもよ」と言ったのだが、義母も妻も「国府さんほどのピアニストが、事前にどこにも名前がないはずがない」と相手にされなかった。だが、山内さんの歌の途中でステージにはグランドピアノが用意され、私の期待は確信に変わったのだ。
カラオケで歌うのと、弘子姐さんのピアノ一本で歌うのとではインパクトがまるで違う。鮮やかなピンクの衣装で登場した宏美さんのいきなりのヒットメドレーで、5,000人の観客がグッと前のめりになるのが手に取るように感じられる。ついで「思秋期」で聴衆の心をワシづかみ、そして最後の「聖母たちのララバイ」は曲名を紹介しただけで大拍手である。終演後も周囲のお客様から「岩崎宏美、綺麗だったわね」「62歳くらいかしら?よく声出てるわねー」「母が大好きな『すみれ色の涙』歌ってくれた!」等々嬉しいお声がたくさん聞こえてきて、私はご満悦だった。😊
そして今月2日、千葉県白子町。このシロ美&シロ子コンビが、今度はお二人だけのフルコンサートを行ったのである。白子町青少年センターホールは、キャパ432人と、小さい町にしては立派なものである。このところ私は宏美さんの単独ライブに巡り合わせが悪く、実に3ヶ月半ぶりであった。楽しみでないはずがない。😍
交通の便の悪いところなので、車で余裕を持って出発したものの、高速で事故渋滞に巻き込まれる。久々の海ほたるをあきらめて、早めに白子町入りしてから昼食をとる。白子町のキャッチフレーズは「温泉とテニスの町」。茂原北インターを降りてから、コンビニの2〜3軒はあったが、飲食店はほぼ見かけない、静かな町である。白子町在住の宏美ファン仲間がいて、「なぜテニスの町?」と訊くと、テニスコートが300面以上あり、年間30万ものテニスプレーヤーが全国から訪れるとか。
いよいよ本題の『Piano Songs』コンサートのネタバレ報告に入ろう。今回はセットリスト公開の完全ネタバレである。この『Piano Songs』は、大幅な曲の入れ替えはあまりないので、今後行かれる予定のある方はご了解の上お読みいただきたい。
●第1部
♪ ベイビー・ラブ
定番曲で幕開け。この「スカボロー・フェア」のアレンジと歌唱はいつも神秘的。「ベイビー・ラブ」のシロ美さんのピアノは、今回なかなか冴えてました!MCでは、宏美さんは言葉を選びながらも白子町が静かな◯◯町であることをお話しになられてました。😜
♪ 大切な人
♪ 思秋期
お二人のコンサートでは外せない、オリジナル曲「大切な人」。今回は特に心に沁みました。レコーディング当時はなかったシロ子姐さんのバックコーラス*もいいねぇ。「思秋期」はやはり圧巻。
*ピアノ一本のオリジナル・バージョンにコーラスはない。バンド・バージョンでは、宏美さんによるセルフ・コーラスが入っている。
♪ シルエット・ロマンス
♪ 愛は勝つ
今年の後半、われわれの世代になじみの深い大物ミュージシャンが次々と亡くなった。10/28の大阪・浄るりシアターでは、やはり国府さんのピアノで谷村さんの「いい日旅立ち」を、そして今回は大橋純子さんとKANさんに捧げるこの2曲だ。
♪ 18才の彼
1部締めくくりはこの2曲でジックリと。このところシャンソンに凝っている宏美さんの「18才の彼」。「時の過ぎゆくままに」も、シロ子姐さんのハモりが加わりさらに魅力的になった。
●第2部
♪ ピアノ一丁!のテーマ
♪ コズミック・ランデヴー
この2曲は弘子さんのソロ。写真でご覧いただいた美脚も露わな姐さんのお衣装。それを強調するため(?)「ピアノ一丁!」は立ち弾き。宇宙飛行士の山崎直子さんのお話にインスパイアされたという「コズミック・ランデヴー」でジックリ聴かせる。
♪ ビートルズ・リクエスト・コーナー
・Norwegian Wood
・Now and Then
・Let It Be
・Yesterday
・When I'm Sixty-Four
・Hey Jude
宏美さんが登場して、弘子さんによるおなじみのこのコーナー。ビートルズの曲なら何でも弾ける、というビートルズ・フリークぶりを発揮する。今回の目玉は、当然出るであろうと予想されたビートルズの“新曲”「Now and Then」と、弘子さんの年齢に因んでのリクエストか、「When I'm Sixty-Four」の2曲。宏美さんは、会場のリクエストを捌いたり、歌詞の分かるところは口ずさんだりの進行役。「Now and Then」はまだ聴いたことがないんだそうだ。
ここで一五一会の音がアンプから出ない、というちょっとしたアクシデントがあったのだ。そのおかげで?2曲ほどリクエストが増えたのはラッキーだった。そして最後の2曲は、往年のライブハウスツアーでも披露されていたことがある、宏美さんの一五一会の持ちネタである。もちろん「Hey Jude」の最後は、会場大合唱❣️
♪ ヒット・メドレー
・万華鏡〜すみれ色の涙〜ロマンス〜シンデレラ・ハネムーン
♪ いのちの理由
♪ 聖母たちのララバイ
メドレーの「すみれ色の涙」以外の3曲の国府アレンジは、スタジオ録音には残されていない。だがライブでは定番中の定番である。「万華鏡」のバースの後のピアノの間奏はゾクゾクするし、「ロマンス」はこの季節に合わせて「枯葉」から入って唸らせる。「シンデレラ・ハネムーン」はもちろんラテン・バージョンで、宏美さんの巻き舌のかけ声?も今回最長不倒!🤣
最後2曲は、40周年の人気投票の折りに今世紀の楽曲で唯一ベストテン入りした「いのちの理由」と、弘子さんのオリジナル「ジプシー・バロック」をイントロに用いた「聖母たちのララバイ」でしっかり締めくくる。いつもながら心震える歌唱である。
●アンコール
やはりアンコールはこの曲でした!宏美さんは一五一会弾き語り、弘子さんはツーコーラス後の間奏で左手はピアノ、右手はピアニカの合わせ技。そしてこの曲は、温かくほのぼのとしていながら、何故か涙腺を刺激されるのです。
2023/12/02 白子町青少年センターホールにて(O先輩撮影)
弘子さんのアレンジ、ピアノの表現力、そしてその日その日の宏美さんの状態を見ながらサポートする細やかさ。その支えの上にあって、宏美さんの素晴らしいお声、表現の細部までがハッキリ聴き取れる『Piano Songs』はやはり最高です。未体験の方は、是非次の機会に足を運んでみてくださいね。私が太鼓判を捺します❣️😉