ここのところ、とても忙しかった。
頑張った自分に、ちょっとご褒美。
好きなワインを鞄に詰め、都内のホテルにチェックイン。
今夜は一人だけの週末を自分にプレゼントするのだ。
目の前には都庁、その右奥には東京ガス。
東京ガスビルの上層部には『パーク・ハイアット』が入っている。
実は『パーク・ハイアット』を予約していたのだが、仕事の都合で利用を一週間遅らせたら、満室で部屋が取れなくなってしまった。
そこで代わりに、近くの『ハイアット・リージェンシー』に泊まることにしたのだ。
ロビーにある大きなシャンデリアが、ここの特徴。
その下には、十字架の前に結婚式用のチャペルがある。
良く見ると、結婚式が行われている。
純白のウェディング・ドレスに包まれた花嫁が、牧師の前に進み出ている。
ロビーを行き交う人も、思わず足を止め、式を眺めている。
この部屋が私の今夜の城。
広くは無いが、一人には充分だ。
それにクラブ・ルームなので、リージェンシー・クラブで夜の軽食や朝食を自由にとることができる。
バスルームがガラス張りになっている。
彼女と来ると、楽しそう。
氷の詰まったワイン・クーラーと、シャンパーニュ・グラス、赤ワイン用のグラスを部屋に届けてもらう。
シャンパーニュは、大好きなものを持ってきた。
アンドレ・クルエ、シャンパーニュ・ブリュット、ミレジメ、2002年。
シャンパーニュ、モンターニュ・ド・ランス地区の100%グラン・クリュ格付けのブージー村産。
グラン・クリュなのにグラン・クリュと表記していないのは、ボランジェとのエチケット・デザインに関する争いの結果。
クルエ家の先祖はナポレオンの側近として仕え、ナポレオンから譲り受けた領地でワイン造りを始めた。
その歴史を記念し、クルエ家の最高のシャンパーニュ、ミレジメのエチケットにはナポレオン軍の軍服の色であるロイヤル・ブルーを採用している。
しっかりとした熟成感を持ち、酸味とミネラルのバランスも良い、素晴らしいシャンパーニュ。
ぶどうは、ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%。
ミュズレはシンプルだが、名前が入っているのが嬉しい。
コレクションがまた増えた。
ロメインレタスのシーザーサラダ。
まずは野菜でお腹を満たす。
考えてみると、仕事を早く片付けるため、昼ご飯を食べていなかった。
そこで、ビーフ・ハンバーガーをレアーで焼いてもらった。
付け合わせはフライド・ポテト。
グラン・クリュのシャンパーニュをフライド・ポテトで飲むなんて、ちょっとアメリカ的な贅沢。
食後は、ゆっくりバスルームで過ごし、その後はベッドに横になってCNNやBBCやFOXやHBOを楽しむ。
さて、そろそろ赤ワインを飲むことにしよう。
持ってきた赤は、ブルゴーニュのドメーヌ・ルイ・ジャド、シャペル・シャンベルタン、グラン・クリュ、1994年。
セラーに残っていた、大好きなブルゴーニュ、シャンベルタン村のヴィンテージ物、それもグラン・クリュを持ってきたのだ。
ドメーヌ・ルイ・ジャドのピノ・ノワールは濃く強い。
シャンベルタン村のグラン・クリュの中ではシャペルは優しいと言われるが、それでも充分に強い。
17年の時を経て、熟成は進み、複雑なニュアンスに満ちている。
しかも、タンニンの強さを今も保持していることは驚き。
さすがシャンベルタン村のグラン・クリュ、さすがドメーヌ・ルイ・ジャドである。
抜栓したとき、コルクが割れ、砕けてしまった。
心配したが、ワインは大丈夫だった。
ルーム・サービスの料理が届くまでは、持参したパルミジャーノ・レッジャーノを楽しむ。
熟成36か月のパルミジャーノは、かなり美味い。
季節野菜のグリル。
焼いた野菜は、旨みが強く出るので好きだ。
ビーフ・カレー。
このとても日本的なカレーが濃厚で美味い。
サフラン・ライスと共に味わう。
たまには自分を甘やかす、こんな贅沢も良いものだ。
都内のホテルで過ごす、まったりとした夜でした。