鮨とワインのマリアージュ、壮石、東銀座 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

鮨屋が開く、「鮨とワインのマリアージュの会」に彼女と共に参加した。


その鮨屋は、東銀座にある『壮石』。


ワインを紹介し、説明してくれるのは、岡田壮右氏。


築地の名店、『寿司岩』の創業者を祖父に持つ、鮨業界のサラブレッドである。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012811510000.jpg
鮨に合わせるワインは、シャンボール・ミュジニー。


シャンボール・ミュジニーは、力強いジュヴレ・シャンベルタンとは異なり、エレガントなピノ・ノワールなので、和食にも合わせやすいのだ。


まず最初は、AOCブルゴーニュとシャンボール・ミュジニーの違いを実感することに。


同じ造り手の同じヴィンテージのブルゴーニュと、シャンボール・ミュジニーを飲み較べてみるのだ。


造り手は、ドメーヌ・アルヌー・ラショー。


ドメーヌ・ロベール・アルヌーと言った方がわかる方が多いかもしれない。

ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012811510001.jpg
四代目のロベール・アルヌーが死去し、娘婿のパスカル・ラショーが五代目になってから時間も経ち、2007年からアルヌー・ラショーと改名したのだ。


ブルゴーニュは、ピノ・ファン、2008年。


ピノ・ファンは原型に近いピノ・ノワールで、栽培が難しく収量も少ない。


この貴重な品種の、樹齢60~100年のぶどうから造られるワインである。


もう一本は、シャンボール・ミュジニー、2008年。


テーブルには二つのグラスに二種類のワインが注がれているが、どちらがどれかわからない。


一人ずつ感想を述べ、どちらがシャンボール・ミュジニーか意見を述べる。

ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012811580000.jpg


私の判断は、右がブルゴーニュで、左がシャンボール・ミュジニー。


当たっていたが、ピノ・ファンが素晴らしく、シャンボール・ミュジニーが若いので、とても難しい判断だった。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012812100000.jpg
先付けは、子持ち昆布。


エレガントなピノ・ノワールは、醤油味にも良く合う。



ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012812370000.jpg
聖護院蕪と鴨の治部煮。


これもワインに良く合う。




ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012812500000.jpg
茶碗蒸し。


二種類のピノ・ノワールをどんどん飲みながら、食事が進む。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012813040000.jpg
いよいよ、プルミエ・クリュの登場。


メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌの、シャンボール・ミュジニー、プルミエ・クリュ、レ・フスロット、2008年。


メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌは、ドメーヌ・ニコラ・ポルテを離脱したニコラ・ポテル自身が立ちあげたネゴシアンなのだ。


ベレーヌとは、中世まで使われていたボーヌの古い名前。



ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012813190000.jpg
色合いは、先の二本よりむしろ淡い。


しかし、しっかりとしたぶどうの果実味とタンニンを持ち、ニュアンスも複雑。


エレガンスさの中に、強さも秘めたワインである。


ニコラ・ポテルのこのシリーズは楽しみで、目が離せない。







ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012813180000.jpg
最高の鮨と合わせ、シャンボール・ミュジニーを楽しむなんて何とも贅沢。




ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012813180001.jpg
ワインを飲み終えた後は、赤出汁。


実は、良いピノ・ノワールには鰹出汁に共通する味(アミノ酸)を感じることができるので、飲んだ後の味噌汁も美味いのだ。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012814150000.jpg
鮨でお腹がいっぱいになったが、デザートは外せない。


そこで、東銀座にある『マザー・リーフ』に立ち寄る。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012814150001.jpg
ここは、紅茶とワッフルのお店。


午後早い店内は満席で、ちょっと待たされてから席へ。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012814370000.jpg
デザートも和風にこだわり、抹茶アイスクリーム(ハーゲンダッツ)と小豆のワッフルを選ぶ。



ワインは素敵な恋の道しるべ-2012012814350000.jpg
紅茶は、苦みが少なく和菓子にも合う、ヌワラエリア。


スリランカの標高の高い場所で栽培される紅茶で、淡いオレンジ色の、渋みが少なく、緑茶に近い味わい。


東銀座で彼女と過ごす、素敵な午後でした。