国鉄分割民営化から35年以上。当時の車両は全国的に数を減らしていますが、JR西日本下関地区では依然、懐かしい面々の独壇場が続いています。今回は山口県下関市内の山陽本線、山陰本線の合流地点付近でこれら車両を撮影してみました。

 

 

下関市にある二つの本線の合流地点(右から山陽本線下り、山陰本線、山陽本線上り)。写真の115系3000番台は1982年のデビューから42年。昨年瀬戸内色に戻ったN-04編成は80〜90年代前半の雰囲気が感じられ、人気を保っています=新下関—幡生

 

 

 

山陽本線と山陰本線は、JR幡生駅の約2㌔北東で合流します。周辺は宅地化されているものの、カーブや高低差のある線形は多彩な鉄道シーンが楽しめます。

 

 

合流地点の山陽本線下り線を走る115系3000番台。線路際にケーブル類が多く写真は少し撮りづらいですが、昔からよく知られている場所です

 

 

山陽本線上り線をくぐり抜けて合流地点に顔を出した山陰本線のキハ40系

 

 

 

下関地区では本数の少ない日中を除くと、山陽本線が115系電車をメインに1時間に約2〜3本、山陰本線はキハ40系気動車で1時間に約1〜2本運転されています。

 

山陽本線はこの他に宇部線から乗り入れの105系電車と、主に小野田線を走る123系電車の下関への入出庫の回送があります。

 

 

合流地点のS字区間を行く123系の回送列車。1日1往復見られます

 

 

宇部線から乗り入れてくる105系。115系のような近郊形では似合わない濃黄色の単色塗装も、通勤形電車では「国電」らしさが出ます

 

 

 

山陽本線と山陰本線が合流地点ではこの4形式の国鉄車両が見られます。効率が良いのは午前9時台で、山陽本線下りでは1日1往復の123系回送と105系の定期列車(2453M)が5分間隔でやって来ます。

 

9〜10時台は貨物列車も比較的走っていて、「定番」の115系やキハ40系も含めるといろいろと楽しめます。

 

 

貨物列車のけん引機は「JR型」のEF210形ばかりになりましたが、午前10時過ぎに来る「福山レールエクスプレス」は福山通運の緑色のコンテナが連なり、遠目では国鉄コンテナのように見えます

 

 

 

合流する手前の区間を歩いてみると、特に単線非電化の山陰本線はのんびりした雰囲気が漂っています。一方の山陽本線の線路は、交通量の多い道路としばらく並んで新下関方面に延びています。

 

 

合流地点の手前の山陰本線は、単線非電化のローカルな雰囲気が感じられます。首都圏色(タラコ色)のキハ40系は昭和50年代を思い出させます

 

 

合流地点手前の山陽本線を行く105系。この日はJR初期以降に見られた懐かしいトリコロール色を復刻したK02編成が来ました

 

 

 

山陽と山陰、二つの本線の合流地点は、黙々と働くベテラン車両の日常が見られるのが魅力です。のんびり「国鉄」が味わえるこの場所は、同じ市内にある下関総合車両所や幡生操車場などの鉄道施設と並ぶ「名所」のように感じられます。

 

 

 

※山陽、山陰本線の合流地点は以下の記事でも紹介しています