車体両端に運転室がありどちらが前か分かりにくい電気機関車ですが、厳密には1エンド・2エンドと呼ばれ区別されています。それぞれの「顔」が少し異なるEF65形1000番台(PF形)の、普段あまり意識しない「向き」について考えてみました。

 

 

EF65 1128の(上から)1エンド側と2エンド側。車体下部の尾灯近く、KE70ジャンパ連結器収めの有無が識別のポイントです

 

 

 

EF65PF形などの旧国鉄電気機関車の場合、車端部の下にどちらのエンドかを示す「1」「2」の四角いプレートが取り付けられています。前位は1エンド側で、外観上は同じように見えますが、機器類の配置は前後対称ではありません。

 

EF65PF形で最も気になるのは、KE70ジャンパ連結器収めの存在です。1エンド側のみに見られる部品で、車体に取り付けられているため結構目立ちます。

 

 

EF65 1128の車端下部に見られるエンドプレート(写真は2エンド側)=2010年

 

EF65 1120のKE70ジャンパ連結器収め。下関所属機は車体と同じ青色に塗られています

 

 

本来の「KE70」はグレー塗装のため一層目立ちます。写真は元東京機関区所属のEF65 1110=2003年

 

 

 

EF65PF形全盛期の東海道・山陽本線の寝台特急けん引時代は、下関方2エンド・東京方1エンドが多かったようです。しかし臨時列車をけん引する機会も多く、入線した路線によって向きが変わっていました。

 

現在下関に残っているEF65PF形も基本的には下関方が2エンドですが、関西方面に入線する5両は、たまに見かけると反対の1エンドになっていることがあります。

 

 

下関総合車両所運用検修センターで並ぶEF65 1130(左)と1131。どちらも下り方が2エンドとなっています

 

 

 

以前何かの書籍で「EF65PFのファンは1エンド側を好む」と読んだことがありました。これは1エンド側が「前」という認識と、部品の取り付けによって一層機関車らしい姿になることが理由かと思います。

 

一方で「KE70」がないシンプルな2エンド側の方が、「特にブルートレインではスマートで良い」という話を聞いたこともありました。

 

近年はEF65PF形もベテラン機として注目を集めていますが、いまどれくらいの方が「向き」を気にしているのだろうか…と思う時があります。ちょっとマニアック?な話題でしたが、皆さんはどちらの「顔」がお好みでしょうか?