トレーナーや指導者の方。
同じように伝えたのに思い通りに伝わらない選手っていますよね?
同じ言葉を使っても、ニュアンスまで伝わる選手と、そうでない選手。

1を聞いて10を知る選手と、1を聞いても1のままの選手まで、いろいろです。
良い指導者ほど、10を知る選手の度合いを増やせます。
逆に1を聞いて1にしかならない選手ばかりだと、当然チームのマネジメントはうまくいきません。
戦術一つとっても、「応用が効かない」状態になります。
こうなる要因には、選手側の理解能力や言語能力、または選手との付き合いの長さなどいろいろあります。
僕が目にしてきた範囲ではありますが、これらを改善していくためには、やはり「選手側に問題があり、それを解決しようとするスタンス」が多い。
どうやったら選手がもっと話を理解してくれるようになるだろうか。
どうやったら選手がもっとニュアンスを理解してくれるようになるだろうか。
どうやったら選手がもっと応用を効かせられるようになるだろうか。
選手が。
選手が。
選手が。。
このとき抜けてしまいがちなのが、自分はどうなのだろうかという視点。
もう少し具体的に言うと、「何かを伝える時の、自分の伝え方のクセはどうなのか」という問題提起です。
選手をよく観察してくと、結論から伝えた方が良いタイプと、プロセスをしっかり伝えてその結果こうなるよというスタイルで伝える方が良いタイプがいます。
加えて自分が聞きたいところだけ聞いてあとは興味を持たない、というタイプもいます。
だから「結論から欲しいタイプ」の選手にプロセスから順に話すと、イライラし出したりということが起こります。
「よーするにどーいうことなんだよ…」みたいな感じです。
逆に結論から話すことで、キツイ言い方だという印象を与えてしまうこともあります。
これはどれがいいかということではなく、脳の思考回路のクセです。
だから、それに適合した形で伝えられると、理解もしやすい。
よし、選手のタイプに注意してみよう!
と思った方、ちょっとそれは性急です。
選手にこういうタイプがあるってことは、指導側にも当然これらが当てはまります。
つまり自分の伝え方のクセです。
コミュニケーションは、相手がいるから成立します。
ということは、常に相手と自分の組み合わせに影響を受けます。
話が長くなりやすい指導者は、おそらく自分が話を聞くときもプロセスを重視するでしょう。
結論から話してプロセスよりも結果を重視する指導者は、おそらく自分が話を聞くときもそういう伝え方の方がしっくりくるはずです。
プロセスや結論などよりも、自分が興味のあるところだけ聞きたい方もいるはずです。
指導側にも、選手側にもタイプがあるのです。
指導の局面でいうと、指導者の伝え方と、選手の聞き方のタイプが影響し合います。
これがずれると、伝わりにくい、という現象が起こります。
聞く側が理解しにくかったり、イライラしたりという現象が起こってしまいます。
繰り返しになりますが、どちらが良いということではなく、これは思考回路のタイプの違いです。
指導は何を言うかよりも、何が相手に伝わるかが重要なはず。
だったら相手がどのタイプかをしっかりと分析し、相手に合わせて自分を変えることも指導力の一部に入ってきてもいいはずです。
相手の理解タイプに合わせて自分の伝え方を変える。
なぜならコミュニケーションは伝わったことが全てだから。
伝えたいことの伝わり度合いの割合をできる限り100%に近づけるために、自分の伝え方を変える。
ということは、自分がそもそもどんなタイプなのかを知る必要があります。
コミュニケーションは常に相対的です。
同じ言い方をしても、伝わりやすい相手と伝わりにくい相手がいます。
それはもしかしたら理解タイプの違いが要因かもしれません。
結論からタイプの指導者が結論からタイプの選手とコミュニケーションをとるのはイージーです。
でもそれがずれていたら?
伝わらないを相手のせいにしてしまうのは簡単。
理解できない理由を相手のせいにするのは簡単。
小学生でもできます。
でもその代わり、こちらが得ることは何もない。
指導という局面を考えると、指導する側がやはり力を持っている状況です。
だからコーチの意図を理解できないことは、選手のせいになってしまいやすい。
それは本当に選手だけの責任だろうか。
どうせ指導するなら、「こちらが意図したことが伝わる効率」を上げた方が指導パフォーマンスとしては高いはず。
そしてそれは当然選手のパフォーマンスを高めることにつながるはず。
敵を知るにはまず己を知れ。
選手を知るにはまず己を知ることからです。
あ、もちろんスポーツだけでなく、学校や家庭でも同じことが当てはまりますよ。
お読みいただき、ありがとうございました。

全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
チームだと、必ずこの3つのタイプが全ています。
だから全てを踏まえた指導スタイルが必要です。
プロセスから話すときは、プロセスから話す旨を宣言。
結論から話すときは、必ず理由も説明する旨を宣言するなどです。
どれだけ愛情を込めても、どれだけ熱意を込めても、伝えるためのタイプと理解するためのタイプがずれると、それらは伝わりません。
それを繰り返すと、今度は気持ちが離れてしまうという現象につながってしまいます。
それではもったいないですよね。
いずれそんな部分に特化した指導方法の講習会をやろうと思ってます。
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