子どもが何かをやって、それを叱ったり注意したりすると、「あいつもやってるのに!」って言い返してきたりすることって頻繁に遭遇します。
他の子もやってるからやった・やり返した、だから自分は悪くない、というロジックです。
これは子どもなりにスジが通っているのだと思います。
子どもによる「あいつもやってるから」ロジック。
自己正当化の一部です。
それに対して「そんなこと関係ない!」とやってしまうと、子どもは「納得できまへん」となってしまいます。
うまくクリアするには、まず子ども側の視点の理解が必要です。
周りもやってるから自分もOKなはず。
相手がやってきたこと同じことをやり返したから自分もOKなはず。
だから、自分は悪くないし、もし自分が怒られるなら他のヤツラも怒られるべきだ。
「あいつもやってるから」ロジックは、おそらく、ここに集約されます。
こういうケースでは、子どもは自分ではなく他人を基本とした判断基準を持っています。
自分の判断でやった、という自覚は全くないこともあります。
こんなロジックなもんですから、「他の人は関係ない!」と一蹴されても、子どもにとっては何が関係ないのかわからないし、「周り」や「あいつ」といった外部への意識ばかりで「自分」への反省つまり自省には向かいにくい状態と言えます。
やったことに対して外部要因ではなく自分要因に目を向けさせるには、どーすればいいのか。。
子育てや子どもの指導は、本当に正解がありませんし、これでなんでもOK、という絶対的なものもまるでありません。
とても大変ですが、絶対的な正解がないからこそ、有効打を見つけることの楽しみがありますし、僕にとってはそこにこそやりがいを感じています。
あくまで我が家での方法ですが、小学5年生から5歳児までは納得できている方法を一つご紹介します。
「あいつもやってるやん!」
と子どもが言ったら、我が家では「レベルの低い方に合わせたら最後は全員でレベルが低くなる」と教えます。
例えばこんな感じ。
次男が夕食の最中に立ち歩いて遊び出した。
それを見た三男が遊び出した。
僕はたまたま目の前にいた三男を注意しました。
僕
「食事中に立ち歩いて遊んだらあかんでしょ」
三男
「だってあいつも遊んでるやん」
僕
「食事中に遊ぶのをOKにしたら、妹も遊びだすよ?」
「それを見たお兄ちゃんも遊びだすかも」
「それを見たお父さんも遊びだすかも」
「そしたら、食卓はどーなる?」
三男
「あ、、お母さんだけになる」
母が可哀想になることが想定できた彼は、立ち歩くのをやめました。
(もちろん次男にも同じような話をしました。)
自分がちょっとでも良くないと感じる言動を「他者基準」によって許容してしまうことを繰り返すと、全員がどんどん低い基準に迎合していくことになります。
我が家ではこのことをとにかく子ども達に理解してもらうように繰り返し伝えています。
一番上のお兄ちゃんが何か怒られた時に、「弟もやっているのになんで俺だけ」というケースでも同様です。
これも「お兄ちゃんだから」という理由では子どもには納得できません。
彼はお兄ちゃんになりたくてなったわけではないですから。
だから「あいつもやってる」の先にあるものを提示する。
お兄ちゃんが弟の基準に合わせる。
弟がさらに下の妹の基準に合わせる。
そしたらさらに下に、を繰り返すと、我が家では1番末っ子である生後半年の赤ちゃんの基準で全員が許されることになります。
そのことに気づいた瞬間から、「基準の低下の連鎖」は子ども達自身で止められます。
小学生チームの場合、
選手が練習をサボる、「あの子もサボってる」と他の子もそれに合わせていけばチームで誰も練習しなくなる=チームがなくなってしまう、みたいなのは極端かもしれませんが、この低い方の基準に合わせ続けると全体の基準が下がっていくプロセスを何らかの方法で理解させることができれば、子ども達の「あいつもやってる」ロジックは改善していきます。
もちろん、じゃんけん禁止の話と同様にこれはとてもしんどい方法です。
親・指導者の理解や指導力が問われます。
怒鳴って言うことをきかせる方がきっと何倍も楽でしょう。
時間もかからないでしょう。
でも僕は、理解を待つ・子ども達が気づくのを待つことには、それだけの労力を使う意味・価値があると確信しています。
あくまで、我が家はそうしている、というお話でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
他の誰かもやっているから多少の悪い行為もやってもいい、というロジックは、大人になっても存在し続けてしまうものです。
「そう言うお前はどーなんだ」ロジックですね。
そんなことまで教えないといけないのは情けないけれど、今回の話は大人にも適応可能です。
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