《ガルガンチュア》
1831年 石版画
21.4×30.5㎝ パリ公立図書館 PD
作者は
オノレ・ドーミエ(1808-1879)
フランスの画家で
風刺版画家として知られます
「ガルガンチュア」とは
フランスのフランソワ・ラブレー(フランス・ルネサンスを代表する人文主義者・作家)が著した物語
『ガルガンチュワ物語』・『パンタグリュエル物語』のこと
中世の巨人の一族を巡る物語です
その巨人に
フランス最後の国王
ルイ・フィリップを見立てています
ルイ・フィリップは
七月革命後に王位につき
「株屋の王」と呼ばれたお方
フランツ・ヴィンターハルター 1839年 PD
大資本家や銀行家の支持で王位につき
ブルジョワジーの利益を優先する王政でした
《ガルガンチュア》の絵は
そんな権力者や社会への風刺画
梨のような顔をして
口を大きく開けた国王は
市民の税金を次々に飲み込んでいます
抵抗する市民
王の椅子の下には
勲章や権利書が排泄されています
これを描いたドーミエは
王政を批判したとして
罰金と6か月の禁固刑に処されました
この国王
「梨王」とも呼ばれていたそうで…
70歳近くの頃
風貌が洋梨にそっくりだったからとか…
このころ挿絵入りの
新聞や雑誌が出回るようになり
さかんにその対象とされます
ドーミエは次々と絵を描いたよう
1831年 PD
たびたび罰金刑に処せられたと…
国王…怒ったでしょうね…
ドーミエは以前
写実主義の挿絵画家として
3級の問題に出てきました
版画ではなく油絵の作品で
油絵では庶民の日常を描いています
《三等車》
1862-64年 メトロポリタン美術館 PD
ドーミエの他の作品は
こちらWIKIARTで