”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室 -112ページ目

黒木さん講義と忘年会

23日のデザイン講座、靴の解体ショー共に多くの生徒さんが集まりましたが、かなり内容の濃い講義が聞けましたね。私は前日というか23日の朝4時位まで友人達との忘年会で2時間半の睡眠の後でしたので、睡魔が襲うのではないかと不安に駆られてたのですが、睡魔も跳ね飛ばす程興味深い内容で、今後の仕事のヒントも沢山頂き、とても充実した時間でした。生徒さん達も黒木さんの話に目を輝かせて、ノート取りに真剣でした。

 デザイン講座では、デザインとはただ線を引くものでは決してなく、素材全てを考えた上で、最も美しく素材の良さを引き出し、全体のまとまりを考えてこそ『美しい』と思わせる靴にデザインする事が出来るということ等、ロブのサンプル靴を多種お持ち頂き、それらを元にどこまで考え抜いてデザインされたかを中心に講義して頂きました。

特に、2009年のイヤーモデルは私もホトホト驚いたのですが、色は黒三色。ここでもう目から鱗です。色とは神秘的なもので、赤と言っても何百、何千とありますが、黒にもあるわけで、一つのデザインで違った黒の靴を3色(違う黒の3足の靴)展開で作り出すという、靴業界では初の試みだったと思うのですが、その考え方のクリエイティビティにまず驚きました。

 メンズ靴の『黒』は定番中の定番で、一色だと思いがちですが、実はマットな黒や、ピカピカと艶の出る黒、細かいしわの入る黒、などが今まで素材として存在してきた黒は限りなくありますが、自社で定番の黒の革の上にカラフルな色のクリームを塗って色に深さを出し、その中で3色選びだし、赤系黒、黄色系黒、青系黒を作り出し、一つのデザインで黒三色を販売。それぞれの黒の違いも分かるように、細々な工夫もされており、斬新なアイデアとはこういうことを言うんだよな~と。変な線を描いたり、奇抜な色や素材を使うデザインを『斬新』と言ったりしますが、そういうのはただ今までとちょっと違うってだけで、なにも新しい訳ではない。感動も起こさないのですよ。誰でもちょっと考えれば出来るものですから。でも、黒を3色って。。。。普通ありえないですよね。しかもデザインが螺旋のパターン。普通の人には何の変哲もないオックスフォードに見えるけれど、分かる人がみれば頭をひねる程、どうなっているのか分からない。私は見せられた時、『うわーめんどくさそー!!!コストパフォーマンス悪すぎる!!』(笑)って、万が一私の頭に浮かんだデザインでも、作るところまで漕ぎ付かなかったと思います。でもね、そういうことをやっていくことは、作り手としての楽しさを最大限に喜べることなんですよね。『面倒くさい』なんて言葉が出ること自体、私は甘っちょろいなとつくづく反省しました。あのデザイン見て。


靴の解体ショーは2~3人の8グループに分かれて、それぞれがジョンロブの靴を解体し、中身を観てみたのですが、教室で作っているハンドソーン ウェルテットとの違いも分かり、かなり面白かったです。生徒達もワイワイとても楽しそうで、普段おとなしい生徒さんが、解体で力を発揮し、みんなのスターになったり、笑いも混じりつつ楽しい授業でした。実際、既製靴を解体して、普段自分たちが作っている靴がどれほど手が込んでいるか、どれほど難しい作り方をしているのかも分かったようですし、ジョンロブの既製靴の中身も計算しつくされていることも、よくわかりましたね。かなり、貴重な体験でした。生徒さんの一人が履きつぶした国産の某ブランドのハンドソーン ウェルテットの靴を持ってきて、解体ショー用に寄付してくれましたが、中身を分解するとイギリス式との違いが良く分かり、イギリス式靴を作っていることに誇りさえ感じてしまいました。中身をみないと分からなかったことは多いいです。

黒木さん、長丁場の貴重な講義を本当に有難うございました。毎年生徒一同に刺激と知識を与えて下さり、どうも有難うございます!来年もどうぞ宜しくお願い致します!!

さて、その後の忘年会。。。。今年は40人以上が集まり、工房を広い所に引っ越したにも関わらず、例年のようにギューギュー詰めのなか、賑やかに行われました。メインイベントでは、黒木さんがジョンロブの2009年イヤーモデルの靴を足の合う人に贈呈をして下さり、全員足を入れてシンデレラを探す企画を行い、偶然にも解体ショーに一足寄付してくれた生徒さんに贈呈となり、”藁しべ長者”のような展開にびっくりしました。ホント、毎年面白いですね。靴作りを通して集まってきた、濃いキャラクターの人々が辛かったこと、難しかったこと、今後の課題などを笑顔で語り合える場を持てるのは。自己紹介で『趣味はギターです』と言った教室歴3週間の生徒さんがいたので、その後奥へ引きづり込み、無理やりギターを持たせ前座をさせたり(笑)、相変わらずの無茶ぶりもありました。12時過ぎて、私はいい加減眠くて『終電!終電!』と10人以上残っていた生徒さん達を追い出しましたが、来年は朝まで付き合えるようにスケジュール管理しますので、今年は許してね。手品を披露してくれた生徒さんも、毎年ギターを一緒に弾いてくれる生徒さんも、どうも有難うでした!
いつも思うことですが、素敵な人達に囲まれて、皆と靴作りの楽しさや辛さを共感し合え、本当に私は幸せ者です。生徒の皆さん、どうも有難う。これからもどうぞ宜しくお願いします。

ちょっと最近の忘年会続きで、胃腸がかなりやられていますが、明日から今年最後の力を振り絞って、今年最後の靴を仕上げようと思います!なんだか、今夜は靴を作りたくってしょうがない。2日も靴を作らないとダメね。靴が恋しくて。

忘年会

またまたやちゃった!時間間違ってましたね。ご連絡頂いた生徒さんどうもありがとう!

 デザイン講座 12:00~15:00

 靴の解体ショー16:00~19:00

 忘年会    19:00~

これです。いつもいつも、おっちょこちょいでスミマセン。。。。

 忘年会の会費について連絡も多くありましたが、会費はなしです。ですが、差し入れは大歓迎です!!
こちらで軽い食べ物は用意しますが、飲み物とスナック菓子、果物などあるといいな~。いいな~。いいな!(しつこい。。)

 忘年会では、黒木さんからのプレゼント企画『シンデレラを探せ!』を行います。黒木さん所持のジョンロブの靴を1足くださるようです。この靴に足を入れてぴったりあった人にプレゼント!!皆さん、靴下をあまり分厚い物とかやめておいたほうが良さそうですよ。

 あとは皆さん、出し物、余興、一発芸の準備は整っていますか?まだの人は今夜、練習しといて下さいね!では明日!!

黒木聡講師による講座 &JOHN LOBB 話

 いよいよ明後日23日にイギリスのノーザンプトンから黒木聡氏をお招きし、デザイン講座&靴の解体ショーを行います。かなり参加人数が多く両講座それぞれ30名近くおりますので、遅刻の無いようにお願い致します。

 デザイン講座 12:00~15:00

        靴のデザインは、単に型紙づくりやライン取りだけではありません。ジョン ロブ(        既成靴)で行っている『英国メンズ クラシック靴のデザインの実際』を、サンプル        靴、写真、モックアップ,革などを通して解説して頂きます。


 靴の解体ショー 14:00~18:00
       
        ジョン ロブ(既成靴)靴にメスを入れ、中身がどうなっているのか探ってみようと        いう試みです。解体した後に使っている部材、そして作り方の意味をハンドメイドの        靴作りとの比較を交えて説明頂きます。


 ジョン ロブはちょっとややこしい会社で、日本に店舗のある『JOHN LOBB』は既成靴です。経営はフランスのエルメス社ですが、工場はイギリスのノーザンプトンにあります。レディーメイドとは『既成』という意味です。(時々、え?レディース?と言う人がいますが。。。)パリのエルメス店の上にある、注文靴屋の『JOHN LOBB』もエルメス社の経営です。

 本家の『JOHN LOBB』は約170年程前からLOBBファミリーによって今も変わらずに、イギリス ロンドンのSt James's street にて(昔は場所は違いましたが)、経営、製造されています。製造方法も、100年以上変わらず、機械化もされていず、使う機械は当教室と同じく、アッパー用のミシンのみです。

 同じ名前を名乗っているのは、一時本家の経営が傾いた時に、エルメス社は靴製造販売に手を出したは良いがうまくは行かず、エルメス社長とロブ社長が友人であったこともあり、ジョンロブ社の名前の一部の権利をエルメスが買う事により、両者の問題を解決したとの事です。ですから、ロンドンのロブとパリのロブは全くの別経営であり、別の靴なのです。よく、フィッティングのロブ ロンドン、デザインのロブ パリと言われておりますが、両方の職人達もそのように思っています。私がロブ ロンドンで働いていた時にロブの150周年記念パーティーが身内で行われて、その時はロブ パリの職人達も集まりましたが、皆ドレスアップしても、職人はロンドンもパリも同じだな~と感じました。(良い意味で 笑)ハンドソーン ウェルテット製法はロンドンの職人がパリに教えに行ったそうですが、やはり細部はちょっと違うようです。

 レディーメイドを立ち上げるにあたって、エルメス社の素晴らしかった事は、フランスの工場でなく伝統あるイギリスのノーザンプトンの工場を買い取った事です。こちらの工場は世界一を誇る工場で(元 エドワード グリーン工場)、しかも機械化を最小限にとどめ、今でも随所に手作業の職人技がちりばめられています。手より機械の方が美しく出来る部分は機械で、手の方が機械より美しく出来る部分は手で。。。と、細部にわたり緻密に計算され、手作りでは難しいとされる、精度の均一化に成功し、美しい既成靴を作り上げています。

 本家のビスポーク店は一人一人のお客様の要望を聞いて、その人のみに合う靴を作り上げる完全注文靴です。ですから、どちらがどうと比較対象にはならないのですが、ロブの名を通して、ビスポークもレディーメイドもそれぞれに最高の靴を作り上げて行こう!という思いは同じです。どちらの現場も自分たちの領域での最高を目指しています。

 そんな訳で経営は全く違うのですが、付き合いが無い訳でもなく、私がロブの社員だった時は、エルメスで売っている物で欲しい物があれば、ロブの社長に言うと割引してもらえる手はずを取って貰えたし(笑)、レディーメイドのデザインでビスポークしたいというお客様がいらした時は、黒木さんに電話して、『あのパターンどうなってるの?』なんてやり取りしたりしていました。

 そんな歴史も踏まえて、ロブ靴を解体、研究してみましょう!ちょっとしたロブ話でした。

 

今年最後の授業

 は~。今年最後の授業も無事終了。今週のクラスで靴が仕上がった人2名、奥様への仮縫い靴がしあった人1名、自分の仮靴仕上がった人1名!!ラストスパート良く頑張りました。

 靴が仕上がった人達は本当に嬉しそうで、『うわーうわー』と散々騒いだ後(笑)、『今日からこの靴眺めながらお酒を飲みます!酒が旨くなること間違いない!』と言っていましたが、彼らの晩酌のにやけ顔が想像出来ます。私としては履いて馴染ませて、生活を共にして頂きたいのですが。。。晩酌に付き合わせるのも、生活を共にしている事なのかもしれませんね。

 今年の生徒達は頑張りの凄い人達が多く、圧倒されることも多かったです。数年前は『靴職人になりたいんです!』と鼻息荒く入ってくる人達も多かったのですが、いざ作り出すと『自分にはこの仕事合わないかも。。。』とか『簡単に考えすぎてたかも。。』とか挫折してしまう人もいたのですが、(勿論、本当に夢を叶えて工房を立ち上げたOB達もいますが)あまりに自分の中での妄想が広がってしまった人より、気楽に『靴作り出来たらいいな!』『なんだか靴作りって楽しそうだな!』と入って来た人達の方が、毎週楽しそうに試練を乗り越えつつ、顔つきも年々しっかり男前になってきている気がします。

 スタッフの木佐木さんとも時々話すのですが、教室に入ってからどんどんオシャレになってきている人、顔つきが変わってしっかりして来る人、笑顔がどんどん素敵になって来る人が多いいですよね~と。本当に週に1回でも好きな事に打ち込む、好きな事がある。ってことは、生活に彩りを添え、人生を豊かにしますね。そういう彩り豊かな生活をしていると、自分自身が磨かれるように思います。やっぱり、どんな人でも打ち込んでいる姿は素敵ですものね。

 最初はなんだか訳のわからない雰囲気に入ってくるのは緊張すると思います。そもそも大人になって新しい環境、職種の違う人達に混じるのは機会が少ないですものね。でも、教室内では年齢差も男女差も職種の違いなんかも全部取っ払っちゃって、皆で『靴作り』を楽しむって目的で繋がっている人達なので、心を開けば直ぐ仲良くなれちゃいます。今年の忘年会は40人程集まるので、また凄いことになることと思いますが、どんどん自分から話しかけて、ソウルメイトの一人にでも出会えたらと思います。忘年会は19時からです!!!宜しく!

 黒木さんの講座はデザイン講座12時から。 解体講座 16時からですので、遅刻のないように!!



金曜日の夜の授業まですっかり忘れていましたが(午前、午後のクラスの生徒さん達スミマセン!)、今年の出来事を漢字一文字で生徒さん達に聞いてみましたら、結構真面目に考えてくれていた人達も多く、冗談の『ノリ』で聞いていたのにちょっと感動しました。

 習得の『習』、学びの『学』、靴作りという新しいチャレンジを初めて『新』や、靴作りに改めることが多く『改』、2足目にながーく時間がかかっているので『長』(笑)、常に前向きに靴を作っていきたいので前進の『進』とか。。。前向きの意見が多かったです。私は辛いことが多かったので『辛』と一番暗い漢字でした(とほほ。。。)


 最終授業の後、久しぶりに南新宿にある『シューベル』の鈴木先生の所へ伺い、新しい足底板を作製するプログラムと私用の足底板を作って頂きました。3Dで写せるカメラを使って、足の底面をスキャンし、大きな機械で5分位で足底型が作れてしまう凄いシステム。私の両足の足長差が5mm近くあり、普段は全然感じたことはないのですが、やはり腰痛や激しい肩こりの原因の一つにもなっているとのことで、調べて頂きました。ま、肩こりや腰痛は職業柄しょうがないと思っていますが。。。
 先生とは病気や疾患をお持ちの方の事を多く教えて頂いておりますが、今の医療現場での『足』と他の部位での繋がりが認識されていない現場が多く、原因を追及しないで安易に手術をされて、腰痛を悪化させた方の事例や、外反母趾の手術の危険性等のお話を聞くことも出来て、靴が果たせる役割は多いいことを再確認出来たのですが、なかなかハードルの高い仕事で、大変さに比べお金にならない仕事なので、奉仕をさせて頂くというスタンスも念頭に入れねば。。。と思いました。

 その後10時から毎年友人達と行っているライブ&忘年会の練習でスタジオ入り。今年はスタッフの木佐木さんもドラムで参加する事になり、大変な事になってきているのですが、ベースとギターにプロが入ってくれますので、心強いのですが、毎年大騒ぎです。22日(木)に忘年会ライブを大塚のJAZZ BARで行います!うう!!でも凄く楽しみ!大好きな仲間と一緒に楽しい一夜を作りあげるのは至福の時間です。頑張らるぞ♪

 スタジオ練習の後は、下北沢のQUEで SOULCRAPのライブを観る。オリジナルの曲のアレンジがとてもかっこよくて涙出そうになりました。ずーと追っかけているバンドですが、益々重厚に素晴らしいステージを見せてくれます。対バンに私が多昔所属していたバンドも出ていたのですが、18年ぶりに元メンバーとの再会等もあり、うわーと盛り上がりました。音楽はねやっぱり辞められないです。プロは目指さなかったけれど、辞めてた事に後悔もないけれど、また少しづつ始めて白髪頭の婆さんになっても楽器をカキならしていれたらと思います。楽しむのに年齢関係ないですし、始めたい時が始める時だと思いますもの。人生楽しんだ者の勝ち!!  と、言うことで久々の朝帰り。。。

今年の教室は残り1回!

 BWSで珍しく2週続けて講義を行い、生徒達に『もっとこういう講義もして下さい。』と言われましたが、生徒全員が各々のペースで、各々のデザインや製法で靴作りを進めている教室ですので、なかなか全員に講義を出来る内容もないのですが、2か月に1度位は以前行っていた『豆知識』授業もまた始めたいと思います。『スキンステッチの色々』『デザイン考察』『色々な芯材の役割』『革の知識』などなど。。。

 さて、BWSの今年の通常授業は残すところあと1回!!最後の授業の日には皆さんに、今年の靴作りを漢字一文字で言うと何ですか?を聞きますので、どうぞ宜しく!(笑)

 

足の採寸レッスン

 工房の電灯器具が壊れたり、バフ機ルームは雨漏りするし、パソコンは壊れるはで、師走の忙しさに加えてストレス溜まっておりますが、昨日はHP用の写真撮影で友人達とワイワイ出来て、だいぶストレス取れて昨夜は良く眠れました。ギターリストの友人から、ギターのストラップを作って!と言われ、デザインを一緒に考えていたらなかなか面白く、テンションも上がってきました。靴以外の革製品の制作は気分転換に良いですね。革の良さを再確認できたりして。。。今月は忘年会の予定が色々とありますが、思いっきり弾けてストレス無くしてお正月を迎えたいと思います。
 
 さて、先週の足の採寸レッスン。楽しかったですね。最初は皆さん、人の足を恐る恐る触っておりましたが、最後の方になると慣れてきてかなり大胆に触れてましたし、足の違いが分かるようになっていました。本当に、他人の足を触る機会って無いですし、踵の小さい、大きい、ふまずの高い低いは多くの足を見ないと違いが分からないし、比較する足が無いと捉え方も分からないので、多くの足を見る、触るという事は靴作りにおいて大切です。採寸した紙(ドラフト)を全部壁に貼ってみましたが、本当にそれぞれの違った足で、皆さん興味深く眺めていました。

 足は26個の骨と2個の種子骨で形成されています。くるぶしの下に7個の『足根骨』があり足の土台の役割をしています。足根骨からつま先の方に向かって縦長の5個の『中足骨』が並び、歩行時の衝撃を吸収する役割をしています。中足骨の前方には『趾骨』14個がありそれぞれの間にある関節と共に指の運動に欠かせない役割をしています。

 それらの骨の1つ1つは人それぞれ違う大きさや形をしていて、一人一人がオリジナルの足を形成しています。全く同じ足のサイズと形の人などいません。何とも愛おしいはありませんか!!

 人間が生まれてから死ぬまで歩く距離は約地球3周分くらいだと聞いた事があります。私達をどこへでも連れて行ってくれる足。親から子が離れる第一ステージは2足歩行です。2本の足で立った時から、人間は『自立』が始まります。その自立を支えるのが靴です。ですから、私は『靴は自立の象徴』だと思うのです。人間が自由に行動し、意思を持って自力で生きて行く為のツールである靴。自分に合った人生を送る為に、自分に合った靴を作る事は、人生に対する考え方を反映しているようにも思えます。  言い過ぎかな。。。(笑)

 今週も引き続き、採寸レッスンの続きとして、平面のドラフトから立体の木型を作る為のドラフトの見方、使用方法等の講義をします。生徒の皆様、なるべく遅刻の無いように!!!

ポールの種

あーあ。。またやちゃった!  前回のブログで予告した『足の採寸授業』日にち間違ってました。
来週行います。12月2日(金)&3日(土)です。どうぞ靴下宜しく!!

上記の言い訳ちょっと良いですか~(笑)もう、今月来月のスケジュール帳が分け分からない位、ぎっしり書き込まれてて、逆にスケジュール見にくい!!別に売れっ子セレブの用に忙しい訳では決してなく、今年もそろそろ新しいスケジュール帳を買いにITO-YAへ行こうかな。。。と考えて、『いや待てよ、私はそんなに今年手帳を活用しただろうか?』と思い直したのですが、手帳買いたさに急に手帳の隙間を埋めだして。。。って感じです。普段は工房に2個卓上カレンダーがあって、それで十分事足りる。オーダー靴のスケジュール ノートは制作日程予定が一ヶ月毎に見れる物を自作してずーっと使っているし、遊びのスケジュールは携帯のカレンダーに入れてて充分。でも毎年、銀座のITO-YAで手帳を選ぶのがこの季節の楽しみなのです。そして、毎年1月のページは丁寧にスケジュールを事細かに3色使って書いてあって『今年こそは出来る女になるぞ!』的な意気込みが感じられます。11月12月は見た映画の感想や、買ったCD批評やなんかがぎっしり。。。。既にスケジュール帳でなくなってる!(笑)私にスケジュール帳は必要ですか?


さて、今週の教室は長期休暇していた生徒さんが2名出戻り。。。久しぶりに会えて嬉しかったです。教室の生徒さん達は皆さん大人なので、仕事の都合や、体調の具合や、一身上の都合で長い間教室に通う事が出来なくなってしまう人達が毎年数人いますが、結構『出戻って』来てくれます。本当に嬉しい事です。『昔靴を作ってた事があるんだよね。。』って過去形でなく、忘れられなく「靴作りがまたしたい!」って思ってくれてて、一週間のうちに3時間、他の事は忘れて靴作りに没頭することを楽しんで貰えるのは講師冥利につきます。

私もイギリスでの修行中、学生の頃から始めて3年弱、ロンドン・ロブ、パリ・ロブ やクレバリー等などで靴職人をしていた師匠のポール ウィルソン氏に週に1日底付けを習いに行ってました。はじめはカレッジの特別講座であった師匠のクラスを全クラス取ってて、一日9時間。カレッジ卒業後は、寂れた駅の線路近くにある廃墟ビルの中を師匠は工房に使っていたのでそちらに通ったり、師匠の家の横の工房だったり。。。かなり自由人。(現在師匠はNYのロブで靴を作ってるそうです。)

 師匠が靴を作っている横で教えて頂いてましたが、程よい緊張感とたわいのない無駄話や伝説の職人さんの話等を聞かせてもらいながら、私は靴より多くの血豆を作ってました。自宅を出てから師匠の工房に着くまで毎週ワクワクした楽しい気持ちでした。工房へ行けない週は一週間が何とも味気なく感じられていました。懐かしいな~。師匠の元を離れて、職場で時々顔を合わせると『まだイギリスにいるの!早く日本に帰って、俺の就職先探してよ!俺は日本で暮らしてみたいんだから!』と毎回しつこかった。。。(笑)。今は音信不通で、風の噂のみたまに聞きますが、ポールは元気かな。。。色々な国の一流店で靴職人しながらの旅ガラスって感じで、自由でいいな~って憧れてましたが、今考えると、ジーと何十年も自宅の小さな工房の中で靴を作る職人がイギリスではほとんどなのに、ポールはかなりの変り者だな!今それに気づいた(笑)。来月講師に来て下さる黒木さんも、クラスメートだったひろさんも、ハンドソーンウェルテッドの靴作りのはじめはポールからだった。そして、私はポールから教えてもらった事をBWSの教室で教えている。ポールが蒔いた種はどこまで飛んで行くんだろうな。今も世界中にポールの種は飛んでるんだろうな。なんか、いいね。世界のあちこちで靴作りを毎週楽しむ人がどんどん増えていったら。ちょっと素敵な世界だな。

 ポールをお知りの方、どうぞご一報を!!  ポール!連絡求む。弟子のユキ








足の採寸授業

本日は久々に浅草へ買い出し。特注で作ってもらう工具をオーダーしたり、抱えている問題を解決する策を思案しながら色々なお店の方に相談して、奥から色んなものを出して貰ったり。。。工具屋さん、資材屋さんの『奥』が気になる今日この頃。遠い昔、下北沢の元闇市の洋服&輸入靴屋でバイトしていた時、その店の『奥』が驚くべき程のビンテージ物の山で、『こんなの欲しいんですよね』と言うと社長がごそごそ奥から出してくれて、古着屋で買うと結構な値段するような服を500円とか1000円とかで売ってくれてて、『奥』っていいですよね。自分の工房の奥は入るとたまに怪我しますが。。。(笑)


 さて、先週土曜日の午後のクラスで、足の採寸が必要な生徒さんがいたので、ついでに『足の採寸デモンストレーション』をしました。今年はまだ、採寸授業をしていなかったので、12月10日、11日の全クラスの授業で行います。この授業は突然行うと、『今日は靴下が見せられない。。。』とモジモジする人が出てきますので(笑)、前もって予告しておきます!靴下は、くれぐれもあまりに分厚いものはやめて下さい。足の骨も足の体質も分からないので。人の足を計るのは慣れていないと緊張するものですし、メンズ靴ベースの採寸方法をやりますので、ストッキングもご遠慮ください。


 『採寸授業』はまず、私が足の採寸しているところを生徒の皆さんに見せながら、採寸方法、注意事項、目的等を説明します。その後、生徒同士でお互い足の採寸をしてもらいます。足は人それぞれ顔と同じ位違います。しかも、顔のように足を見れることはめったになく、見れる機会があっても骨がどうだとかって見る人いないですよね。足フェチだってそこまでの違いは、ねえ。。。(知らないけど。笑)貴重な経験になることと思います。

 毎回『採寸授業』を行うと「こんな骨私にはありません!なにこれ?」とか声が上がりますが、色々と驚きの発見があると思います。骨自体の大きさの違い、インステップの盛り上がりの違い、土踏まずなんて興味が尽きないですよ。この機会に足を見て、触って、靴を作る際の注意点、攻略法を学びましょう。


『ドラフト』と呼ばれる採寸表は、立体の木型を作るのに必要なデーターを記入するものです。いわば靴作りの初めの一歩。とても大事な欠かすことの出来ないものです。今までのクラスでは計った採寸表を各自に渡していましたが、今回は全員の採寸表を壁にバーと貼って、見比べてみましょう。平面で描かれている足の採寸表から、その人の足の問題点(扁平足、ハイアーチ、外反母趾等。。。)を見分けることが出来るようになる良い機会ですから。

 履く人の足あっての靴作り。履く人の想いと作り手の共感あっての靴作り。『履く人ありきの靴作り』には木型作りは必須です。木型も強化していきましょうね。とりあえず、靴下宜しく!

11月19日(土)午前のクラスはお休みです

11月19日(土)午前のクラスはお休みです。同日、午後のクラスはありますのでお間違いのないように、どうぞ宜しくお願い致します。18日(金)のクラスも通常通り行います。

前回のブログでお話しました、12月23日の黒木氏による講座を今週受け付けたところ、既に両講座とも25人前後の参加希望者がありました。席の事などございますので、今週受付を終了させて頂きます。まだの人はメールでお知らせくださいませ。どうぞ宜しくお願い致します。


11月も既に後半。まだ今年を振り返るのは控えておりますが、仕事の事、社会の事、色々と考えさせられることが多いです。今週、占いを習っている生徒さんが私の事を占ってくれて、昨年、今年は天中殺なので困難なことが多いいが、来年2月以降10年は心配することなく伸び伸び突き進む。最強の運の持ち主なので、努力を怠ることがなければ思い通りになる。という様な事を言われ、急にテンションどアップ!

昨年今年は本当に色々困難な事に見舞われていましたが、困難に巻き込まれると、今まで気づかなかった手落ちを気づかせて貰えるし、問題を解決する為の努力に邁進出来るし、成長出来ると有難がっておりましたが、『天中殺』だったとは。。。これが終わると、どんだけノビノビと好きな事だけにのめり込んで行くのだろうかと、逆にそっちの方が怖かったりして。。。(笑)。


最近つくづく思うのですが、原発の事や、TPPの事や、普天間問題。。。等など日本が抱える問題等を考える時、難しいのは自分の考える『正義』の反対にあるものは『悪』ではなく、『別の正義』であることで、人の意見の不一致。どちらが絶対に正しいということはなく、それぞれの人達の中の『自分の中の正義』が違うからで、それぞれの守るもの、それぞれの描く明るい未来像が違う。だから、万人を幸福にする国も存在不可能と思いますが、ならば、弱者を最優先で守っていく社会であって欲しいと思うのですが、なかなか『他人の正義』との折り合いはいつの時代も困難ですね。


靴作りのおいても、作り手一人一人には、それぞれの一番譲れないところがあり、それを硬く信じて靴作りに励んでいます。そして、それぞれの違いがその人の個性であり、魅力であるので、他人に振り回されたり、流行に流されたりする必要はないと思います。自分を信じて作りづつけることに意義があると思うのです。そして、その信念に基づいて、技術を向上してゆくのが、職人の仕事であると思います。技術は完璧な物などありません。どんな技術も不完全だから、切磋琢磨して、少しでも今より良くなるように。。。と積み上げるしかない。不完全な部分を知った上で、それをカバーしていく方法を考えなくてはいけません。技術を完璧だと信じることは傲慢な事で、一つの技術が万人を幸福に出来ることはありません。靴職人歴15年ですが、15年毎日靴作っていても、向上させるべき技術は尽きることがなく、まだまだだ。。。と、うなだれることが多い(本当に15年なんて腕を磨くにはとても短い時間だもの)。でも、今の自分を信じ、未来の自分をもっと信じて、理想は常に追い求め続けたいです。自分のお客様一人一人の靴に集中して、一人一人の意見をそれぞれ真摯に受けて、今ある最善をそれぞれのお客様に合わせて尽くすのみ。そこに私の靴作りの『正義』があると思えるので、明日も手に豆を増やして、天中殺を乗り越えたいと思います(笑)

今年最後の特別講座 メニュー発表!

暦の上で『冬』に突入しました。(早!)と言っても、工房の窓は全開で半袖Tシャツを着て仕事をしてます。暖房代が浮いてとても宜しい日々ですが、『あ”~』と頭を抱える程仕事が溜まっておりまして、せっせと靴作りに励む毎日。一分も無駄にはしたくないのですが、一工程一工程、悩みが生じることも多く、途中途中に試作をしてから本番に手を付けるような具合。今まで気にならなかったことが、急に色々と気になりだして、成長期かな?と。足を見る経験が増える度に学びが多く、疑問も増えますし、お客様からのオーダーも人それぞれですので、ご要望に沿うように日々チャレンジしなくてはならず、鍛えられております。生徒達も『本当にそれ作るの?』って感じな難しいデザインにチャレンジする人も多く、靴道は果てしない。。。。と実感しております。

 でもね、これは喜びですよね。何かをチャレンジする。去年出来なかったことが今年出来るようになる。無理じゃないか?と思っていたを無理ではないと証明出来たり。そういう経験は自分が望んで行動していかなければ得られない経験で、世界人口70億人に達しましたが、70億人皆がそうそう毎日経験する事ではないように思います。淡々と変わり映えのない毎日を送っている人の方が多いように思いますもの、辛いことも、苦悩も、有難い経験です。そして、それらの経験を結果的に楽しい経験に繋げていきたいですね。

 というわけで、私の可愛い生徒さん達にも、もっと新たな経験をして頂きたいと思い、今年最後の特別講座を12月23日(金祝日)に開催します!!毎年の恒例となっておりますが、今年もイギリスのレディーメイドのジョンロブで働いている黒木氏をお招きし、講義して頂きます。今年のメニューは2講座。3時間づつの講座になります。参加希望者は23日のスケジュールは開けておいて下さいませ!



1*「デザイン講座」
  靴のデザインとは、単に型紙づくりやライン取りだけではありません。
ジョン・ロブ(プレタポルテ)で行っている「英国メンズ・クラッシック靴のデザインの実際」   を、サンプル靴、写真、モックアップ、革等を通して、解説します。

イ、革づかい
・「本当の革」とは
・革の厚みを使い分ける
・3色の黒
・アンティーク・クリーム
・SQL (Self Quarter Lining)
・スエード/リバース・スウェード

  ロ、型紙/ライン取り
・ストレートチップ・オックスフォード
・キャップの長さ
・エプロン
・インサイド/アウトサイド
・トップライン
・部分ライニング
・イヤーモデル「JOHN LOBB 2009」の成り立ち

     ハ、縫製
・糸の色使い
・縫製ディテール
・Slip Bead
・ステッチを抜く イヤーモデル「John Lobb 2010」の成り立ち






2*「ジョン・ロブ靴(プレタポルテ)解体ショー」

   靴を作るのを学ぶのには、一から作り方を学ぶことが大切ですが、 時には他の人が作った靴を分   解してみるもの、作り方を知る上でひじょうに勉強になります。
 そこで、今回はジョンロブ靴にメスを入れて、中味がどうなっているのかを探ってみようという   試みです。
  解体した後に、使っている部材、そして作り方の意味を、ハンドメイドの靴づくりとの比較を交   えて、解説します。

   片足7足分をご用意下さり、それらを皆で解体し、中身を知ってみましょう!

  以上の講義参加料は、黒木氏のご要望で、全額東日本被災地への支援金として寄付したいと思います。生徒の皆さま、是非ご参加下さいませ。


  
 そして、講座後はBWS恒例の『忘年会』を行います!!そしてその中でも、黒木氏から素敵なプレゼント企画を頂く予定です!!その名も「シンデレラを探せ!」

本来は解体用に準備した黒木氏の履いていたジョンロブの靴を、やっぱり解体するのは勿体ない。。。(笑)という1足をプレゼントして下さるとのことで、この靴がサイズ的にぴったりと合う人に、差し上げようと言う企画です。サイズはUK 7.5Eです。
勿論、女性でもサイズが合えばOKです。
  
  (参加者には1つ条件があります。この靴はインターネットや蚤の市などで転売をしてはいけない   ということです。)


 こんな感じで年末もテンション上げていきましょう!!忘年会の詳細はまた後日。今年も交流会&1年の鬱憤晴らし、辛かった靴作りを皆で振り返り、傷のなめ合いを致しましょう!(笑)
VIVA 忘年会。