ピカソ美術館のハイライトは、何と言っても順路の最後にある、ベラスケスのラス・メニーナス(官女たち)のオマージュ作品群でしょう。
でもその前に、幾つか興味深い作品があったので、それについて記載します。
特に、1917年の作品がバラエティに富んでいて面白いです。
《Woman with mantilla 1917年 116x89cm》
前回ブログで紹介したキュビズム作品と同じ年に、このような、より写実的な絵も描いています。
ただし、顔の左右で表情が異なるのがピカソ・マナーです。
《Gutted horse 1917年 80x103cm》
また、同じ年に後のゲルニカにつながるこんな絵も描いています。
なかなか味わい深い絵ですなぁ
第一次大戦後、ピカソは古典に回帰したと言われますが、ピカソ美術館で私の興味をそそった作品はありませんでした。(なので写真が無い)
《Portrait of Jaime Sabartes as Grandee 1939年 46x38cm》
友人でありピカソのよき理解者であったジャウマ・サバルテスの肖像画。帽子とマフラーをしている所を描いてくれ、と言われて、このフランシスコ・ザビエル風の襟巻を描いたそうな。
で、サバルテスはこの絵を見てすごく喜んだそうです。熱い友情を感じます
ハト好きのピカソ。ポスターの様な鳩小屋の連作が良かったです。
晩年に描いた子供のお絵かきの様なハトも良いなぁ
《Portrait of Jacqueline 1957年 116x89cm》
二番目の妻ジャクリーヌの肖像画です。
これ、彼女を口説くために描いたのかなぁ
なんとなく、そんな気がして、ピカソ美術館の作品の中では、これが一番好きですね
行き過ぎたキュビズムでなく、美しくも危うげな感じがたまらないですね。
長かったけど、ピカソ美術館紀行は、次回のベラスケス・オマージュ作品を紹介しておしまいです。