ピカソは晩年、巨匠たちの作品のオマージュを多数描いたそうです。
そんな前提知識なしに、突然、この大きな作品が眼に入って来たものですから、ホント、ぶっ飛んでしまいました。
《Las Meninas, after Diego Velazquez 1957年 194x260cm》
いや、最高でしょ、これ
巨匠ベラスケスが、ハプスブルクの姫さま、マルガリータ王女を描いた名画が、ピカソの手にかかるとこうなるのか!と。
これが大まじめに描かれている事は、膨大な数の習作を見れば明らかです。
髪型かぶってて草
ところで、この絵の世界では、純真無垢(なんにも考えていないとも言う)な存在になるにつれ、シンプルな表現になっているのですか?
だから、少年と犬は真っ白
作者ベラスケスは超複雑構成。ピカソはベラスケスの技術も頭脳も認め、リスペクトしてるのでしょうね
「じゃあ、なんで天井に頭が届きそうな位、巨人化してるの?馬鹿にしてない?」って所ですが、
元のベラスケスの作品において、あまりにも皆が”高い天井”を絶賛するものだから、逆張り根性がつい出てしまい「そうかぁ?ちょっとイジってやれ!」ってなっちゃったのかな~
あえて横長で描いてますしね。
縦長バージョンもあるから考え違いかも
で、本来は真ん中のマルガリータ王女のお世話役なのに、目線が国王フェリペ4世に行っちゃっている右の女官たちの顔は、あえて阿保みたいに描いています
上司のご機嫌取りに終始する者達へのイヤみ、かなぁ
一方、王女のお世話をしてる左の女官や、絵を描いているベラスケスなど、本分を果たしている人達はきちんと描いています
ちなみに、ピカソは、フェリペ4世やベラスケスを省略したもの等、色んなパターンでこの作品を描いており、表現したかったものも作品により異なるように思います。
結構ラフなのもあり。
もはや冗談みたいなのもあります
ただ、イヌを踏みつけているように見える男の子だけは、どの作品でも必ず描いています。
その理由は?
「純真無垢なものへの憧憬と嫉妬。頭が良いゆえの複雑な心境に囚われてしまったのかな」など、考えても分からなくて、まぁいいやと考えるのをすぐ止めてしまう自分は、まだ勉強が足りないなと思ったりして。。。
とまぁ、今回のスペイン旅行記はこれで最後です。
スペイン大好き!最高です!!