地下7階はベルギーの画家フェルナン・クノップフをフィーチャーしています。
基本人物を描いているのですが、どれも物憂げな表情をしており、薄気味悪さを感じました。
浦沢直樹《MONSTER》のヨハンっぽい中性的な少年。
この少女は、私を見ているのか、その先の何かを見ているのか?
私たちの心の中を見透かすような目。
幻想的・神秘的・退廃的と言ったキーワードで表現される世紀末芸術らしい作品。
その究極形態がこの《愛撫》というタイトルの作品。
左の男性(恐らくクノップフ本人でしょう)は愛撫を受けても一歩引いて無感動。
作者の厭世観の様なものを感じさせる作品です。
それにしても、アゴに凄い特徴のある二人ですね。
アゴの形状から、右のチーター女性は下の石膏像と同一人物だと思われます。
タイトルに若い英国人女性とありますが、誰なのでしょうか?
どこから見ても無表情。
《沈黙》と言うタイトルのこの作品も同じ人物を描いたものでしょう。
この美人はどんな隠し事をしているのでしょうか?ミステリアスな作品です。
この《記憶》というタイトルの作品に、この人物の正体のカギを握るヒントが隠されていました。
この絵には同じ顔をした7人の人物が登場するのですが、いずれもクノップフの妹のマルグリットを描いたものだそうです。
さっきの石膏像では”英国女性”って言ってたのに。
噓つき
アゴの形状からこの7人は、チーター、石膏像、沈黙の女性と同一人物であることが分かります。
7人とも悲しい位やる気の無い表情をしていますが、クノップフの妹、マルグリットとはどんな人物だったのでしょうか?
写真がありました。
なんの信仰
クノップフは”薔薇十字団(ローゼンクロイツ)”という秘密結社のリーダーと交友があったそうですから、そっち関係なのかも知れません
その辺りが、クノップフ作品に薄気味悪さを感じる原因なのか。
しかし、マルグリットもチーターにされたり、変な衣装を着させられたりして大変ですね。
もしくは望んでやっている事で、彼女がクノップフを操る影のボス的存在なのか?
それはともかく、しまいには、マルグリットが男性を描く時のモデルにまでなっています。
女性と並べられている事から、右の人物は男性でしょう。
とても中性的に描かれていますが。
クノップフの内なる女性性を妹として表現した、という事なのでしょうか?
ユング的
ちょっと分かりませんね。
解釈はさておき、私はこのカラー版の男女の絵がイイなと思いました。
以上、美しくも薄気味悪いクノップフ作品の感想でした。
クノップフ以外の地下7階作品としては、
確か、墓前でうなだれる少女の像。
こういうキモイ作品作らないでくれよ
オフィーリアの死をミレーの様に美しくは描かない。
不気味です。
さあ、いよいよ最下階、地下8階に向かいます。マジで怖いよ