
羅紗屋だった祖父
私のプロフィールに父方の祖父は靴職人、母方の祖父は羅紗屋(ラシャ屋)と書いていますが、ほとんどの方は羅紗屋って何?という感じだと思います。
羅紗屋とは紳士の服地の切売りの卸商のことを指し、毛織物メーカーから反物を購入し、着分をカットしてテーラーなどに卸売りをする生地屋の事です。
羅紗の語源は諸説ありますが、ポルトガル語のRAXAという毛織物の一種で、それを漢字に当てたと言われています。
まだ既製服が一般的ではなかった時代、羅紗屋と言えば生地の切売屋ということは誰でもわかるものでした。
今ではファッション業界人でも羅紗屋という用語自体知らない人の方が多いので、将来的には死後になるのかもしれません。
母の実家は新潟の繁華街古町(今は寂れてシャッター街のようになっていますが・・・)の近くで羅紗屋を営んでいました。
当時新潟には大きな羅紗屋が二軒あり、母の実家はそのひとつで新潟だけではなく東北のテーラーにも生地を売っていました。
母方の家系は親戚に洋裁屋(婦人服の仕立て屋)やシャツの仕立て屋を営んでいる家もあり、いわゆる糸へん(繊維業に関わる人を指す業界用語)の家系でした。
祖父は戦前にボタンの行商から始め、その後羅紗屋を興し戦後の経済成長と共に商いを大きくしていきました。
私の記憶は4歳以降(昭和40年代前半以降)の記憶しかありませんが、祖父の店に行くとたくさんのお客様がいて、とにかく忙しく棚から反物を下ろしカットして渡すという活気のある店の光景が今でも思い出されます。
昭和37年頃の祖父の店。
生地が天井まで山積みになっていて積みきれず反物が立てかけてあります。
当時はとにかく生地が良く売れたいい時代だったそうです。
写っているのは姉と祖母。
とにかく店が忙しかったので、幼少の頃は店でチョロチョロしていれば祖父に邪魔だと怒られ、 チャコ(生地に線を引くチョークのようなもの)や裁ちバサミでいたずらしてまた怒られるという、なんとなく居心地が悪かった思い出があります。
昭和42年頃に祖父の店で社員の人と撮った写真。祖父の店で撮った写真は何故かこれしかありません。
上の利口そうな姉に比べると落ち着きがなく出来の悪い子どもでした。
写真のアホづらがそれを物語っています(苦笑)。
当時の羅紗屋はシーズン毎にテーラーとその顧客を呼んで新作の生地の展示会を行っていました。
ホテルの宴会場を借り切って新作の生地をハンガーにかけ、テーラーの顧客はその場で自分が気に入った新作の生地をオーダーするという、今では考えられないような商習慣がありました。
当時はそのような展示会を新潟だけではなく、東北の温泉旅館の大広間を借り切って行い、多くのお客様を呼んでたくさん注文をもらっていたというエピソードも母から生前よく聞いていました。
私も幼少の頃は母に連れられて毎回展示会に行きましたが、とにかくお客様がたくさんいて賑わっていた記憶があります。
もちろんその頃は服地などまったく興味がないので、商談テーブルの上にあるお客様用のお菓子をもらうのが目当てでした(笑)。
母は高校を卒業して姉妹の中で唯一家業を手伝っていたので、私がBEAMSに入社した頃、昔は英国製の生地が一番高級でイタリア生地はまだ二流だったとか、下手な舶来生地よりも鐘紡のフラノの方がクオリティーが良かったとか、良い生地はハサミを入れた時にすぐわかるとか、生地について色々教えてくれたものです。
祖父はいわゆるダンディーな人でした。
当時にしては背も高かったのでダブルブレストのスーツが良く似合っていました。(1950年代後半頃)
襟の柔らかいレギュラーカラーのシャツにプリントタイ。(1960年代初め頃)
ブラウンのスーツにボルドーのタイは自分にとってはイタリア人ではなく祖父のイメージ。
従妹の着ている金ボタンが付いたタータンチェックのワンピースが可愛いです。(1970年頃)
ウィンドウペンのジャケットにアスコットタイ。
私のチェックジャケット好きは祖父のスタイルに影響されています。(1972年頃)
オーダーが斜陽となる昭和50年代までは羽振りも良かったので、生地も仕立ても良いスーツやジャケットを着てお洒落な旦那様という感じでした。
母曰く、かなりモテたそうです(笑)。
母は高校生の頃、冗談で隠し子がいるのではと祖父に言って、叱られたという話を何度か聞いたことがあります(笑)。
靴職人であった父方の祖父は実直で物静かな職人気質の人でしたが、母方の祖父は商人だったので派手で華やかな感じの人でした。
私が祖父たちの血をどれだけ受け継いでいるかはわかりませんが、ファッション業界に入り自分で企画やバイイングを行うようになり、靴や生地について知識が深まるにつれ先祖に恥じない仕事をしなければという思いが強くなりました。
今は父方も母方もファッションにかかわる仕事をしているのは私だけになりましたが、こうやってファッション業界の第一線でやってこられたのも先祖のおかけだと思っています。
コロナ禍で新潟に帰省できず墓参りもできない今だからこそ、これからも先祖に感謝しながら奢ることなく、正しい志を持ってやっていかなければと思う今日この頃です。
ピーコート
ここ数年冬になるとよく着ているピーコートがあります。
FIDELITY(フィデリティ)のピーコート。
2年前に展示会で見て、昨今珍しいアメリカ製というのも刺さり個人的に購入しました。
かなり前に購入したイタリアブランドのピーコートをずっと着ていたのですが、シルエットがちょっと古くなってきたなと感じていた時に巡り合ったので、これは自分が着るべきピーコートだと勝手に思い込んでいます(笑)。
かなり気に入って購入して以来冬になるとヘビロテで着ていたので、BEAMSのお客様にもおススメしたいと思い、今シーズン展開することになりました。
オーダーするにあたり、ディティールやシルエットは完成度が高く修正する必要はなかったのですが、生地はもう少し上質感があった方が良いという事になり、メーカーに生地を探してもらい別注したのがこのピーコートです。
私が着ているのはウール70%、ナイロン30%で、アメリカ製のピーコートの定番的な硬くて重いメルトンの生地ですが、BEAMSの別注の生地はウールが90%、ナイロンが10%でオリジナルと比べると明らかに上質感があります。
硬くて重いメルトンもホンモノっぽくていいのですが、合わせるアイテムがアメリカだけでなくヨーロッパのものもあることを考えると、生地を上質感のあるものに変更した方が良いという結論に至りました。
シルエットはこんな感じです。
私が着るより小林に着せた方が良く見えるのでモデルをやってもらいました。
着用サイズはLサイズですが、ご覧のように適度に余裕のあるシルエットと着丈のバランスが絶妙です。
こんな風にフロントボタンの上ふたつだけとめて襟を立てるといいですね。
ウエストから裾まわりに余裕ができて自然なAラインのシルエットになります。
自分もこうやって着ていますが、小林に何も指示しなくても同じように着たので、少なからず私と小林の間ではこれがおススメのカッコいい着方です(笑)。
タートルネックを着て上までボタンをとめて襟を立てると真冬でもマフラーいらずのところもいいですね。
ちなみに、一番上のボタンを外して着る場合は中二つとめて一番下のボタンは外して着るといいです。
先日発行されたMR_BEAMSの中でもこのピーコートが掲載されています。
ニットパーカーとブラックウオッチのパンツという、ちょっとプレッピーなコーディネート。
自分が高校生や大学生の頃(70年代後半から80年代前半)にもこんなコーディネートが流行ったことがあるので、なんとなく懐かしさも感じるコーディネートです。
当時はスエットパーカーでしたが、今はイタリアブランドのニットパーカー、パンツのシルエットも違うので、まさに時代性を加味してアップデートされたプレッピースタイルです。
コーディネートは特に難しい事はありません。
ベーシックなアイテムなら何でも合うので手持ちのアイテムで合わせることが出来ます。
私は昨年ケーブルのタートルにデニムのファイブポケット、足元はデザートブーツというスタイルで休日よく着ていました。
今シーズンは色の綺麗なシェットランドセーターと合わせて着たい気分です。
ジャケット上からも着られるのでハーフコート的に着てもいいでしょう。
レイヤードで着るならジージャンやダブルポケットのシャツジャケットの上に羽織ってもいいと思います。
ネイビーのハーフコートと考えればある意味こんな便利なコートはありません。
実際に私が2年間着て、これほど使えるコートはないと思っています。
なるべく多くの方に見ていただきたいので、ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
FIDELITYと言えば・・・
私が欲しくてオーダーした、この別注のCPOジャケットもおススメです。
先日発売されたMEN'S EX秋号の私の連載 ”中村ベーシック” でも紹介されています。
こちらも是非ご覧ください。
先週のインスタライブご視聴ありがとうございました。
1時間半というかなり長いライブでしたが、今回も多くの方にご視聴いただきました。
リアルタイムでご覧いただけなかった方はアーカイブでご覧いただけますので、是非こちらでご覧ください。
MR_BEAMS 2021秋冬
お待たせしました。
MR₋BEAMS 2021秋冬号が発行されました。
今回はお客様のご要望も多く、2シーズンぶりにWEBから紙に戻りました。
ということで、巻頭ページではBEAMSチームからのご挨拶。
みんないい笑顔です。
コロナ禍でご来店が難しいお客様も多いですが、いつかまた、お店でお会いできることを楽しみにという思いが込められたメッセージです。
特集ページのトップは、今シーズンの流れを解説する ”中村達也の買いたい新書”
私が毎シーズン作っている中村ノートの中から、11のキーワードをピックアップして解説しています。
まだ本誌を見ていない方のために、今シーズンの流れをいくつかご紹介します。
今シーズンは久しぶりにカーディガンの流れが来ています。
軽いジャケットのように羽織る感覚で着るのが今シーズンらしい着こなしです。
ハイゲージからミドルゲージまでありますが、リラックス感のある着こなしには欠かせないアイテムです。
上のショールカラーのコーディネート個人的にかなり気に入っています。
春夏に続きダブルポケットのシャツアウターの流れが継続しています。
ニットやカットソーの上にジャケット感覚で羽織り、その上からアウターやコートを羽織るレイヤードスタイルもいいですね。
左の赤黒のバッファローチェック、少し前に入荷しましたが既に大人気で完売間近です。
ライダースジャケット一辺倒だったレザーにも変化が見られます。
リブ付きのショートブルゾンやスエードジャケット、レザーパンツまでバリエーションが広がっています。
今シーズンの私のおススメなので、当然登場します(笑)。
注目の柄はヘリンボーン。
ツイードだけでなく、ニットで表現されたものやプリントで表現されたものなどバリエーションが増えています。
モデルが着ている大柄のヘリンボーンのロングカーディガンは私のおススメです。
今シーズンのニットは色づかいが重要です。
リラックス感のあるスタイルが注目される中、その代表的なアイテムとしてニットの注目度が高くなっています。
モデルのバリエーションも多いですが、今シーズンは鮮やかなカラーニットに注目です。
個人的には色が綺麗なシェットランドセーターが着たい気分です。
素材はデニムとコーデュロイ。
デニムはファイブポケットだけでなくジャケットやアウターにも注目、数年続いているコーデュロイは土臭くならないようにキレイめに着こなすのがポイントです。
モデルが着ているショールカラーのカバーオールは、以前このブログで紹介したものです。
タイムレスな進化系定番アイテムに注目です。
定番がトレンド?と思われる方も多いと思いますが、ピーコート、ドライビングブルゾン、ジージャン、CPOジャケット、シェットランドセーター等々、過去に何度も流行を繰り返したタイムレスな定番アイテムが注目されています。
ここ数年の流れを見ても、バルカラーやトレンチコート、ブレザー、チルデンニット、フェアアイル、ボーダーT、ミリタリーパンツ等々、過去に何度も流行した定番アイテムが注目されてきたので、その流れが更に強くなっているのは間違いありません。
定番品であってもシルエットや素材感など時代性が加味されていることが大事です。
靴はブーツの流れが来ています。
カジュアルからドレスまでジャンルを問わず今シーズンはブーツに注目です。
ここ数年軽めの足元が続いていたので、秋冬の定番であるブーツが今また新鮮です。
画像のスエードのマウンテンブーツは、1986年頃雑誌POPEYEに掲載されて大人気だった、ある英国ブランドのブーツをLloyd Footwearが復刻させたものです。
高田純次さんがPOPEYEを見て渋谷店に買いに来てくれたのを今でも覚えています。
高田純次さんがPOPEYEを見て渋谷店に買いに来てくれたのを今でも覚えています。
このような感じで今シーズンの流れをわかりやすく解説しています。
コーディネートも読者の皆さんがイメージしやすく、手持ちのアイテムで合わせることをイメージできるようにコーディネートにしました。
じっくりと読み込んでいただけたら嬉しいです。
恒例のスタッフのスタイリング紹介ページはベテランスタッフを中心に。
自分にとっては馴染みのあるスタッフばかりです。
みんな自分らしいスタイリングでブレていないところがいいですね。
何故かプレスの小林が・・・
9月からBRILLAのディレクターに就任しました。
引き続きよろしくお願いいたします。
それにしても、このジャケット相当気に入っているようです。
去年から着倒しでますね(笑)。
唯一の若手はビームスハウス メン 横浜の本重です。
パンツの股上の深さと太めのシルエットが今のBEAMSの若手スタッフの感じですね(笑)。
最近自分のインスタの写真をよく撮ってもらっています。
こちらも恒例のVゾーンページ。
ジャケット、スーツ合わせて36コーディネート。
さらっとコーディネートしているようにも見えますが今回も大変でした。
何度もダメ出しをしながら修正を繰り返しコーディネートしました。
お客様の話では他社さんのネクタイ担当の方も参考にされているとか・・・
もし本当なら嬉しいお話です。
両ディレクターによる別注対談ページもあります。
それぞれのレーベルの個性ある別注のお話です。
ライブで聞くとさらに面白そうなので、近いうちにインスタライブやるように言います(笑)。
”ベーシックのいまを考える” というページでは、いまベーシックを装ううえでの選び方とこなし方を紹介しています。
アイテム選びのポイントやコーディネートのポイントも細かく解説していますので、是非ご覧ください。
人気コンテンツのNishiguchi's Closetは今回も10のアイテムを使ったコーディネートを紹介しています。
今回はコッテリ感がなくシンプルな感じですね(笑)。
西口のいまの気分がわかるページです。
是非チェックしてください。
お客様の声と同じく、私も紙版の方がいいと思っていました。
WEB版の時は画像が暗いとか、色がわかりずらいとか、小さくてディテールがよくわからないとか、散々文句言っていました(笑)。
文句と言っても常にお客様にとってどうなのかを考えて言っていたことので、単なるオッサンの小言ではありません(苦笑)。
なので、2シーズン振りに紙版に戻って個人的にも思い入れの強い一冊となりました。
全81ページ見どころ満載です。
MR₋BEAMS 2021秋冬号 是非隅々までじっくりとご覧になってください。
MR₋BEAMS 2021秋冬号 是非隅々までじっくりとご覧になってください。
昨日のインスタライブのご視聴ありがとうございました。
BEAMSのスタッフも知らない初公開のエピソードも多く好評でした。
見逃された方はアーカイブを是非ご覧ください。
来週はMR_BEAMSについてインスタライブを行いまます。
製作の苦労話やエピソード満載です。
日時決まりましたらお知らせします。
是非ご視聴ください。
私とBEAMS Fの歴史
BEAMS Fがオープンしたのは1978年。
現在のBEAMS原宿店の右奥あたりに2.5坪というコンパクトなスペースから始まりました。
BEAMSは1976年に創業しましたが、オープン当初はAMERICAN LIFE SHOP BEAMSの名のもとウェストコーストスタイルやサーファー、ヘビーデューティー、アウトドアといった商品が主力でしたが、70年代後半頃になるとプレッピーに代表される東海岸のスタイルが注目され始め、そのタイミングでBEAMSの二番目のレーベルとしてBEAMS Fが誕生しました。
私が初めてBEAMS原宿店の奥にあったBEAMS Fの店舗を知ったのが19歳の時(1982年)でした。
大学二年の頃にセレクトショップで買い物をするようになると、大学の授業が終わると渋谷や原宿のセレクトショップを見て回るのが趣味となり、BEAMSの原宿店にも週に何回も通いようになりました。
原宿店の奥に細長い小さな店があり、中を見てみたい気持ちもありましたが、いつも間口の狭い入り口にメガネをかけたお洒落なスタッフが立っていて、19歳の私が足を踏み入れることはできませんでした。
そのメガネをかけたスタッフが栗野さん(現ユナイテッドアローズ 上級顧問)でした。
結局BEAMS Fに立ち入ることはかなわず、渋谷店でカジュアルと一緒に置かれていたBEAMS Fのアイテムを見ることになります。
そして、大学4年の9月に飛び込みで社員の募集はないかと尋ねて行ったのが原宿店で、その時に対応してくれたのが栗野さんでした。
栗野さんからは正式な採用はしていないが、アルバイトからスタートして社員になることもできるので、”あなたにとって仕事とは” というレポートを書いて持って来るように言われ、レポートを提出し渋谷店のマネージャーと面接をした時に後押ししてくれたのも栗野さんでした。
当時の渋谷店のマネージャーは私のことをあまり気に入らなかったようで、栗野さんが推すので仕方なく採用したという話を後日マネージャー本人の口から聞くことになります(苦笑)。
そう考えると、私がBEAMSに入社するきっかけもBEAMS Fとの運命的な何かがあったように思います。
原宿店の一角の小さなスペースで営業していたBEAMS Fが1986年に移転します。
2.5坪からスタートしたBEAMS Fは1979年に7坪に拡大され、この新店は3倍以上の24坪の広さになりました。
場所は竹下通りを明治通りまで進み、ムラサキスポーツの横の路地を入ったところにあるファームビルの1階。
今は若者で賑わう通りですが、当時はまだ民家も多くとても静かな環境で、当時流行っていたコンクリート打ちっぱなしのビルにクラシックな内装のドレスクロージングのショップというコントラストも、BEAMSに入社して2年目の私にとって、とても新鮮に感じました。
この頃のBEAMS Fはお得意様を中心としたショップだったので、正直それほど忙しいショップではありませんでした。
私は渋谷店で働いていましたが、BEAMSが盛り上がり始めた時期で、平日でも数百万の売り上げがあったのに対してBEAMS Fは数十万という感じだったので、BEAMS Fに異動したいと希望を出した時は先輩たちに猛反対されました。
当時のBEAMSは、売り上げ規模の大きいカジュアルセクションとファッション感度の高いインターナショナルギャラリーが花形だったので、BEAMS Fに異動したいというスタッフは私だけだったと記憶しています。
あまりに何度も異動希望を出すので、当時の幹部からヒンシュクを浴びましたが、最後はそんなに行きたいなら勝手に行けという感じになり、1987年にBEAMS Fに異動しました。
当時新人で異動願いを出すスタッフなどいなかったので、自分は相当面倒な奴だったのだと思います(笑)。
会社に対してそれだけアピールしたのですから結果を出さなければなりません。
翌年には店次長になり、店の営業を終えてからオフィスに行き、バイヤーになった先輩の手伝いをして深夜に帰宅するという、文字通り仕事漬けの毎日でしたが、自分が希望して異動したので全く苦にはなりませんでした。
そんな仕事漬けの毎日でしたが、異動後は英国靴ブームやブレザーブーム、英国調スーツのブーム等々、次々に来る大きな流れに乗って、BEAMS Fの売り上げも急拡大し、社内でも業界内でも存在感を増すようになりました。
ちなみに、当時は ”洋服屋は遊んでなんぼ” みたいな風潮がありましたが、自分は仕事ばかりしていたので遊んだ記憶はほとんどありません。
ですが、この時期に洋服の基本やバイイング、MDの基本を身に着けたことは、その後自分がステップアップしていくための力をつけた貴重な時期だったと思います。
そして、1996年に明治通りに面した現在の場所に移転します。
BEAMS Fは社長の設楽の思い入れも強く、内装は設楽が自ら手掛けました。
当時ショップマネージャー兼バイヤーだった私は、設楽と一緒にアンティーク什器や壁紙、絨毯などを探しに行ったのは良い思い出です。
移転に際して、設楽から80年代のエミスフェール(フレンチトラッドのパリの名店)のような品揃えにできないかという話がありました。
しかし、当時はイタリアンクラシックの大きな流れが見え始めた時期だったので、自らの判断でほとんど扱っていなかったイタリアの製品を取り入れ、よりドレス感の強い品揃えにシフトする方向を選びました。
普通に考えればバイヤーが社長の意向に従わないなどあり得ないことで、普通の会社なら地方の小さな営業所に飛ばされても仕方ない話ですが、設楽は黙って私のやりたいように任せてくれました。
そのかわり結果を出さなければなりません。
結果的に自分が予想していた以上にイタリアンクラシックの流れが強くなり、数年かけてイタリアの製品を徐々に取り入れながら、売り上げも順調に伸びて店舗予算も毎年クリアーしていきました。
そして、ある程度新しいマーチャンダイジングの構築ができた数年後に、ドレスとカジュアルを融合させた品揃えにシフトしていき、それは結果的に設楽の意向だった品揃えを数年かけて実行することになりました。
そして、2007年に2階のフロアーを増床して現在のショップの形になりました。
この時も設楽が自ら内装を手掛けました。
外観はヨーロッパの歴史ある石造りの建物を表現するために壁一面に石を貼り、アーチ型の窓、綺麗な曲線を描く螺旋階段、黄色の壁やカラーのソファ、店内に飾る絵まで、設楽のこだわりが凝縮された内装のショップとなりました。
そして、今の場所に移って25年目の9月5日をもって現在の店舗は閉店することになりました。
東京都の明治通り拡張計画の為に店舗の一部が削られることになり、移転せざるをえなくなりました。
移転場所は隣の神宮前テラスの2階、現在インターナショナルギャラリーのある場所に10月下旬にオープンします。
内装の完成予想図を読者の皆様だけにいち早くお見せします。
今回も設楽が内装を手掛けています。
現在の店舗で使っている什器や備品など継承していけるものはしっかりと活用し、空間自体に歴史が感じられ、今までご愛顧頂いたお客様が戻って来られる場所を目指します。
スクラップ&ビルドするのではなく、良いものはしっかり受け継いでいきたいという思いも込められています。
オープンまでしばらく仮設店舗での縮小営業になりますが、新しいBEAMS Fにご期待ください。
そして、しばらく行っていないなという方も、9月5日の閉店前に是非ご来店いただければと思います。
新たなBEAMS Fの歴史がスタートします。
これからもよろしくお願いいたします。
2021年秋冬のMR_BEAMSの見本誌が上がってきました。
今回はお客様からの要望も多かった紙版に戻ります。
9月10日頃の発行になります。
ご期待ください!
ホワイトバックスの手入れ
80年代中頃に購入した WALKOVERのホワイトバックス。
昨年何回か履いてクローゼットにしまいっぱなしにしていたら、汚れやシミだらけになってこのありさま(苦笑)。
普通こんな状態になったら慌ててしまうところですが、私にとっては ”汚れちゃったな~” くらいの感じなんです(笑)。
何故そんなお気楽な感じかと言えば、ホワイトバックスは汚れてしまっても簡単な手入れで綺麗にすることができるんです。
用意するものは白いチョーク。
黒板に字を書く普通のチョークです。
百均で買いました(笑)。
ブラシで表面の汚れを落としてから、チョークをホワイトバックスに塗っていきます。
力を入れて革の繊維の奥まで塗り込むようにするのがポイント。
とにかく力を入れてひたすら塗りたくる感じです。
塗り込んでいくとこんな感じになります。
ご覧のように、この時点ですでにかなり白くなりますが、この状態だとチョークを塗った跡が目立つのと、パンツにチョークが着くので余分なチョークをブラシで落としていきます。
チョークの粉が舞うのでブラシ掛けは必ず屋外でしてください。
室内でやると大変なことになります(笑)。
元の状態の右足と比べるとかなりキレイになりました。
細かいシミなどは再度その部分だけ重点的にチョークを塗って軽く落とすとさらに綺麗に仕上がります。
右足も同じように手入れをしてシューレースも洗って完成。
30年以上履いている靴なので、さすがに新品のように真っ白というわけにはいきませんが、最初の画像と比べてかなり綺麗になったのは一目瞭然。
ちなみに、自分は真白よりも少し汚れたくらいの方が自然な感じで好きなんです。
ちなみに、自分は真白よりも少し汚れたくらいの方が自然な感じで好きなんです。
白スニーカーも同じ、下ろしたてのスニーカーは敢えて雨の日に履いて、一度汚れたものを洗ってから履いた方がしっくりきます。
今シーズン購入したポルペッタのホワイトバックスも同じ方法でケアしました。
右が汚れた状態、左がチョークを塗って綺麗にしたものです。
ウォークオーバーはヌバック、ポルペッタはスエードですが、同じやり方で綺麗になります。
一度雨に降られましたが、このやり方で白さを復活させることができるので全く気にせず履いていました。
30数年前、初めてウオークオーバーのホワイトバックスを買った時は、このようなケアの方法があるのは知らなかったので、汚れに関しては相当神経質でした。
初めてホワイトバックスのケア用品として買ったのは、アメリカ製の白い粉が入ったパック。
野球のロジンバッグのようなものでしたが、ただ表面に白い粉を振りかけるだけで全く効果がなく・・・
日に日に汚れていくホワイトバックスを眺めて買いなおすしかないかなと思っていると、先輩がホワイトバックスが汚れたのを模して作られたのがダーティーバックスだから気にしなくていいだろというアドバイスもありましたが、当時から洋服を綺麗に着るのが自分のスタイルだったので、白い靴はやはり綺麗に履きたいという気持ちがありました。
そんな時にあるファッション誌で ”汚れたホワイトバックスはチョークを塗ると蘇る” という記事がを見つけ、さっそく試してみることにしました。
確かに綺麗にはなりますが、この画像のようにチョークの塗り跡が目立ち、不自然でそのまま履くにはいまひとつ・・・
そこで思いついたのがブラシで余分な粉を落とすこと。
結果的に驚くほどキレイになり、この方法でケアをするようになってからホワイトバックスの汚れをまったく気にせず履けるようになりました。
今シーズン久しぶりにホワイトバックスを展開するにあたり、汚れが目立つことに対してネガティブに感じているお客様も多いと聞いていましたが、自分は”汚れても綺麗にする方法があるので大丈夫です” という感じでした。
方法はブログか動画でご紹介すると言ったきりで今のタイミングになってしまいました。
申し訳ございません。
ホワイトバックスをお持ちの方で汚れが気になるという方は、この方法をお試しになってみてください。
レザーにとって良いかどうかはわかりませんので、あくまで自己責任でお願いします。
ただ、自分は30数年間この方法でケアしてきましたが、一度も問題が起こったことはありませんので、今もガンガンチョークを塗りたくっています(笑)。
最近服や靴のケアについて質問を受けることがよくありますが、自分はあまり神経質にケアする必要はないと思っているので、基本的なケア以外特別なことはしていません。
服は汚れたらクリーニングに出す、靴は汚れたら汚れを落として磨くという基本的なことだけです。
なので、ケアに対して神経質な方は私に質問されても全く参考にならないと思います(笑)。
ニットやマフラーはもう20年以上クリーニングに出していません、靴は傷がついても気にしません、シャツはハンドメイドでも洗濯機で普通に洗っています等々、神経質な方は絶対NGなケア方法をしています。
そんな私なりの経験に基づく我流?なケア方法でも良ければご紹介したいと思います。
汚れやダメージを過剰に気にすると身に着けるのが楽しくなくなるんです・・・
洋服や靴は新品のようにパリっとしているより着こんだり履きこんだ感じがあった方が自然でカッコいいと思うのですが・・・
そんな風に思うのは私だけでしょうか・・・
シューケアと言えば、GUCCIのビットローファーのつま先に穴があいてしまい・・・
目立たなくなる程度でいいので直してくださいとお願いしたら・・・
穴が全くわからないくらい完璧な状態で仕上がってきました。
GMT FACTORY アコルデ代々木上原店さん、ありがとうございました。
完璧なお直し、感服しました。
カプリシャツ
夏になると着たくなるプルオーバーのシャツ。
上の画像は、ここ数年よく着ているプルオーバーシャツです。
以前このブログで紹介したものもありますね。
ちなみに、最近インスタにアップしたプルオーバーシャツのコーディネートです。
ベルトレスのパンツに裾をタックインして着ていますが、プルオーバーのシャツをタックインするときはベルトレスの方がしっくりきます。
理由は感覚的なことなのですが、フロントボタンがないぶんフロントがシンプルに見えるので、ベルトのバックルがあるとシャツとパンツのつながりが悪く見える感じがするんです。
そんな訳で、プルオーバーシャツの裾をタックインして着る時はいつもベルトレスのパンツなんです。
ちなみに、裾をタックアウトして着る場合、最近はほとんどドローコードのパンツです。
リラックス感のある雰囲気がとても相性良く感じます。
ショーツと合わせてもいいですね。
裾をタックアウトして袖まくりしてショーツなんて、オトナしかできないスタイルでかなりカッコいいと思います。
自分がショーツが似合えば、そんなオトナなショーツスタイルしてみたいです。
そんなプルオーバーシャツ好きの私が最近購入したのが、MASSIMO D’AUGUSTOのカプリシャツ。
イタリアの夏の定番シャツと言えばカプリシャツです。
マッシモダウグストはナポリ近郊でリネンシャツを専門に作っているブランドです。
総勢12名の小さな工房ですが、カプリ島の高級ショップや、マイアミ、イビザ、カリブと言った世界の名だたる高級リゾート地のショップのシャツを作っている、ある意味稀有な存在のシャツブランドです。
そんなマニアックなシャツブランドが普通に買えるというのも、世界的に見ても日本は本当にすごい国だなと改めて思います。
マッシモダウグストのシャツは2年前にネイビーを購入しているので2枚目になります。
2年間結構着こんできたので、いい味になっています。
これまでBEAMSで色々なブランドのカプリシャツを展開してきましたが、マッシモ ダウグストのカプリシャツがサイズ感、ディテールともに一番気に入っています。
フロントボタンは二つで開き具合を調整できるようになっています。
一般的なカプリシャツは一つボタンが多いですが、街中で着る場合は一つだけ開けて、リゾートで着る場合は二つ開けて、シーンによってフロントの開き具合を変えられるのはいいですね。
南イタリアのリゾートに行くと、スイムショーツの上にカプリシャツの羽織って胸のボタンは全開というスタイルの人を見かけますが、そもそも日本のリゾートではスイムショーツに麻のシャツを着るような人がいないので、”リゾートで着る場合は二つ開けて” というのは全くリアリティがないかもしれません(苦笑)。
イタリア人のように派手目なスイムショーツ穿いてカプリシャツを着るなんて最高にカッコいいですが、”どこでそんなカッコするんだ”って感じですよね・・・(笑)。
なので、コロナが収まって出張に行けるようになったら、イタリアの取引先と一緒にリゾート行って自分で実践しようと思っています。
深めのスリットは着丈を直したい時に好都合。
タックアウトして着るシャツは着丈の長さが重要なので、スリットが長いと丈を詰めてもスリットを残すことができます。
マッシモダウグストは着丈のバランスが良いので自分は詰めなくてもいいですが、長いと感じる人はスリットの長さの半分くらいまでは詰めてもバランスが悪くならないと思います。
意外と見逃されがちなタックアウトした時の着丈の長さ、個人的にはこだわりたいポイントです。
猛暑が続いていたので一度水通ししてすぐに着ようと思っていた矢先、連日の雨で出番なし・・・(苦笑)
今週中くらいから暑さも戻るようなので、早く着たいなと思っています。
皆さんにもおススメしたいと思いブログを書きましたが、気が付けば残りは白と黒とライトブルーのXSサイズのみ。
ちなみに、私はXSを着ています。
在庫がないものを紹介して申し訳ありません。
それでも何故紹介したかと言うと、来年の春夏は今年以上にプルオーバーシャツの流れが来ているので、気に入ったプルオーバーシャツがあれば今シーズン購入しておいた方が良いということをお伝えしたかったのです。
マッシモダウグストのカプリシャツもネットで探すと他社さんでチラホラとセールになっているようで・・・
XSサイズの方は是非BEAMSでお買い求めお願いします。
マッシモダウグスト、自分のバイイング歴の中でも最も優れたカプリシャツです。
静岡で初のEMMETIのオーダー会が開催されます。
ご覧頂くだけでも大歓迎です。
ご来店お待ちしております。
オトナのスリッポン
こ数年夏の休日履きとして大活躍しているRIVIERASのスリッポン。
いわゆるエスパドリーユ系のスリッポンは世の中にたくさんありますが、自分は80年代に少し流行ったKEDSのチャンピオンオックスフォードのスリッポンのような雰囲気もある、このリビエラのスリッポンが一番しっくりきます。
リビエラと言えばフロントがメッシュのタイプが定番ですが、履き続けるとメッシュが伸びてきてフィッティングが少しユルくなるのと、見た目も幅広に見えるのが唯一の欠点。
上の画像にあるデニムとスエードのものはその欠点を感じないのと、スニーカー的な見え方もするので数年履いてみて個人的にはメッシュじゃないほうがいいかなと思っていました。
そんな時に店舗スタッフから夏場に軽く履けるキャンバスのスリッポンを展開したいという声があがり、展示会で探すとレザーのスリッポンはかなりあるのですが、キャンバスのスリッポンは意外と見つからないんです。
個人的にはイタリアで売っていたSUPERGAのスリッポンもいいかなと思い、代理店に問い合わせてみると日本での展開はなく、オーダーするとかなり大きなミニマムがあるので無理でした。
そんな時にふとひらめいたのが、リビエラのフロントをメッシュではなくキャンバスにすればスニーカーっぽく見えるのではないかと思い代理店に確認すると、本国ではメッシュではなくフロントもキャンバスのモデルがあるとのこと。
それならば、そのモデルがいいのではと思ったところ、BRILLAのディレクターの無籐からソールの横に入っているステッチが気になるという意見があり、大きな別注ミニマムが発生するのですが、ミニマムよりも完成度重視でステッチの入らない仕様に変更しました。
細かいところまでこだわるのがBEAMS魂なので、カジュアルなスリッポンでも妥協はできません。
そして、出来上がってきたのがコレです。
フロントがメッシュのものに比べると、格段にスニーカーぽさが増したと思います。
ソールのサイドのステッチもなくなりシンプルになりました。
この仕様にして正解でした。
この別注のリビエラ、ファイブポケットやドローコードのパンツ、カーゴパンツ、ショーツなど、色々なパンツとよく合います。
キャンバスのスリッポンと言えばVANSが日本では大人気ですが、それとはまったく違う大人っぽさがあります。
このブログの読者でVANSのスリッポンを履いたことがない人は、キャンバスのスリッポン自体履いたことがないという人が多いのでは・・・
そんな方にも是非オススメしたいスリッポンです。
ネイビー以外にもホワイトがあります。
ちなみに、私はネイビーを購入しました。
休日にドローコードのパンツに合わせるのに購入しましたが、このところの猛暑に我慢できず会社にもドローコードのパンツを履いてきているので、最近は休日だけでなくウィークデーにも履いています。
ありそうでなかったオトナのキャンバススリッポン。
リビエラ好きの私が別注したのも説得力があるのでは・・・
ご興味のある方は是非最寄りの店舗でお試しください。
あまりにも暑いのでリラックス感のあるリネンのカプリシャツを購入しました。
MASSIMO D’AUGUSTOのカプリシャツは2枚目。
色々なプルオーバーシャツを試着しましたが、個人的にはこれが一番でした。
次回のブログで紹介する予定です。
ミリタリーウオッチ
5年前にBEAMSで展開していたMARATHONのミリタリーウオッチです。
展開していた頃はとても人気があったので、何度も追加オーダーしていたのですが、売れ方が落ち着いた頃に展開をやめてしまい、結局買いそびれてしまいました。
定番として継続展開したかったのですが、BEAMSは時計に関してはレザーグッズのように定番として継続展開することがほとんどないので、ある一定の期間展開するとやめてしまうんです・・・
10年くらい前は筆記具や時計なども色々展開していたので、そういったものをまたしっかり展開したいなと思います。
そんな訳で、ずっと欲しかったので最近正規代理店のサイトで購入しました。
この時計はNavigator Date Pilotというモデルで、湾岸戦争の時にアメリカ軍に供給されたパイロットウオッチです。
ケースが左右非対称になっていて、右側がせり出していることで、リューズガードの役割を果たしています。
機能面を優先させた結果、これがこの時計の特徴的なデザインにになっていて、自分も気に入っているポイントです。
視認性を高めるために秒針の先が赤くマーキングされていますが、これも黒文字盤に映えていいですね。
ケースの裏はモデル名やシリアルナンバーが刻印されています。
時計でもミルスペックと言うのでしょうか・・・
ミリタリーマニアではないので詳しくないですが、少し色々調べてみようと思います。
ミリタリーマニアではないので詳しくないですが、少し色々調べてみようと思います。
何事も勉強です。
でも、こういう本格的なディティールは男心をくすぐります。
でも、こういう本格的なディティールは男心をくすぐります。
女性には全く分からないところですね(笑)。
ストラップはシンプルな引き通しのタイプ。
NATOストラップよりもシンプルなので最近はこのタイプが好きです。
ちなみに、このベルトはミルスペックを満たしている純正ベルトで、服の上からできるように長めに作られているので、私が着けてもちょっと長めで剣先があまりますが、ミリタリーウオッチなのであまり気にしていません。
このモデル、セージグリーン、ブラックと私が購入したデザートタンの3色展開です。
ブラックが一番人気で次にセージグリーン、デザートタンと続くようなので、自分の選びは少し変わっているのかも・・・
ちなみに、デザートタンは最も新しい色で、元々はイスラエル軍の特殊部隊専用モデルの砂漠に溶け込むカラーとして作られました。
それを見た米軍兵士がこのカラーを気に入り、バリエーションに加わったというエピソードがあるそうです。
このモデル、実はすでに廃盤になっています。
廃盤と言ってもデザインが変わったわけではなく、風防の素材がこのモデルはアクリルですが、新しいモデルはサファイアクリスタルに変わっています。
サファイアクリスタルの方が傷がつかなくていいのですが、ミリタリーウオッチなので少しくらい傷がついた方がアジが出ていいと思っています。
いつものように天邪鬼ですみません。
ミリタリーウオッチマニアでもないのに通ぶっている場合じゃないですね(苦笑)。
ちなみに、ブラックはこの本に紹介されて大人気。
しばらく品切れ状態だったサファイアクリスタル風防のブラックも、もうすぐ入荷するようなので、ブラックが欲しい方は今すぐにおさえておいた方がいいと思います。
次はいつ入荷するかわからないようなのでお急ぎください。
デザートタンは大丈夫ですが(笑)、私が購入したアクリル風防のモデルは廃盤なので売り切れたらおしまいのようです。
私のようにアクリル風防のデザートタンが欲しい方は、早めにおさえておいた方が良いと思います。
コーディネートがシンプルで軽くなる夏は、少し高い時計を着けてバランスをとっていましたが、最近はそういうのもちょっと疲れてしまい、あえて気軽で気楽な時計をすることが増えました。
そういった意味では、このMARATHONの時計は今の気分なのです。
最近よくつけている気軽で気楽な時計のバリエーション。
これにMARATHONが加わりました。
そして、実はもう一本3万円くらいの時計で欲しいものがあるんです。
まだちょっと迷っていますが、購入したらまたご紹介します。
”安い時計を何本も買っているうちに高い時計買える値段になるよ” なんて若いスタッフに言ってたのに、自分がこの調子ですから偉そうなことは言えませんね(苦笑)。
車や時計などのいわゆる贅沢品は、とかく他人の持ち物と比べたがるファッション業界人も多いのですが、自分は〇〇さんが○○買ったみたいな話は全く興味ないんです…
なので、値段や他人の評価より、自分が気に入って愛用したいと思えるものが一番良いという考えです。
¥36,200-のミリタリーウオッチも自分が気に入ったものなら、何十万、何百万する高級時計と満足度という点では同じ。
何に価値観を感じるかは人それぞれですね。
時計と言えば…
どうしても欲しい時計ベルトがあって、ある方にその話をしたらサンプルを作ってくれました。
クロコダイルのクオリティーにこだわって、バックルも型から起こしてオリジナルで作って、かなり細部までこだわって作られています。
そして、あまりにも良い出来なので、あるサイトで販売することになりました。
9月初め頃から販売される予定です。
購入したらご紹介します。
真夏の買いモノ
最近は秋冬のアイテム紹介が続いていたので、今回は久しぶりに夏のアイテムのお話です。
80年代中頃に購入したライトブルーのLACOSTEのL1212。
いわゆるフレンチラコステです。
さすがに20数年着続けているので色落ちはしていますが、ボディーは特にダメージはなく良いコンディションです。
しかし、ネームはご覧のとおりボロボロ(苦笑)。
まだまだ着られますが、現行品で似た色が入荷してきたので先日購入しました。
ラコステのカラーバリエーションは定番以外毎シーズン変わるので、気に入った色は買っておかないと翌年なくなってしまう可能性があります。
一度ラインナップを外れると今度はいつ買えるのかわからないので、ある意味一期一会なんです。
サイズは昔も今も変わらず2を着ています。
同じ2でも当時のフランス製と現在の日本製ではこれだけサイズが違います。
一度水通しをしてからフランス製のものと比べると、身幅で6㎝、袖丈で3.5cm、着丈で3㎝程度大きいことがわかります。
実はこれ、L1212のサイズが変わったのではなく、生地の縮率が当時のフランス製と今の日本製ではまったく違うからなのです。
当時のフランス製の生地は防縮加工をしていなかったので水通しをすると10%以上の縮みがありました。
今は世界的に共通の基準があって生産国がどこであっても数パーセントしか縮まないようになっています。
つまり、パターンは変わっていないのですが、昔の生地は洗濯をするとワンサイズくらい縮んだのでリーバイスの501のようにシュリンク トゥ フィットだったということですね。
ちなみに、数年前に限定生産されたフランス製のL1212も水通ししても縮まないので、厳密に言えばフランス製であっても80年代のオールド フレンチラコステと同じフィット感は得られないということになります。
長々とウンチクを語ってしまいましたが、なにが言いたいかというと・・・
昔はピタピタのタイトフィットで着ていましたが、洗濯しても殆ど縮まない日本製のL1212のサイズ2で着ると適度に余裕が出来て、結果的に今の気分で着られるということです。
昔はピタピタのタイトフィットで着ていましたが、洗濯しても殆ど縮まない日本製のL1212のサイズ2で着ると適度に余裕が出来て、結果的に今の気分で着られるということです。
最近トレンド好きな人たちの間ではオーバーサイズで着るのが流行っていますが、私みたいなオッサンがダブダブのポロシャツを着るのはイタいので私は着ません。
ですが、ピタピタのフィットも今の雰囲気ではないので、身幅で6㎝くらい大きい今の2のサイズが丁度いいかなと思っています。
着丈はさずがに長いのはNGなので、フランス製と同じ長さになるようにお直しに出しました。
スリットも入れて同じ形状で着丈詰めが出来るので、BEAMSでラコステをお求めいただける方はスタッフにご相談ください。
スリットも入れて同じ形状で着丈詰めが出来るので、BEAMSでラコステをお求めいただける方はスタッフにご相談ください。
ラコステと同じ日に購入したシャンブレーのパンツ。
ラコステのライトブルーに合わせるために購入したわけではないですが、結果的によく合います(笑)。
デニムのドローコードは3年前にGIABS ARCHVIOのものを購入して今でもよくはいていますが、久しぶりにシャンブレーのパンツがはきたくなりBRIGLIAのパンツを購入しました。
80年代や90年代はシャンブレーのパンツは夏の定番だったのでBEAMSでもよく展開していました。
最近はパンツブランドのコレクションでもあまり見かけることはなかったので、自分にとっては懐かしさもありつつ今また新鮮に感じます。
コーディネートは簡単でTシャツやポロシャツは色が合えば何でも合わせられます。
自分は休日はドローコードのパンツにTシャツやポロシャツをよく合わせて着ていますが、休みの日以外はこんな白のプルオーバーのシャツを合わせたい気分です。
MASSIMO D’AUGUSTOリネンカプリシャツ
ORIAN リネンコットン プルオーバー
GUYROVER バンドカラー
こんな感じの長袖のプルオーバーシャツの裾を出して、袖まくりしてリラックス感のあるシンプルなコーディネートで着たいなと思っています。
ちなみに、4年前にすでにジャブスのデニムのドローコードに合わせて白のプルオーバーシャツを着ていました。
着ているシャツは10年くらい前に購入したAM NAPOLI(アンナマトッツォのマシンメイド)のプルオーバーです。
今も着ているので本当に長く着ています。
流れを考えるともう少しゆったりしたシルエットの方が今の雰囲気なので、上で紹介しているような白のプルオーバーのシャツをワードローブに加えようと思っています。
BRIGLIAのドローコードパンツはサイズが小さめなので今回はワンサイズ大きめの46を購入しました。
セールになっていて在庫も少ないですが、ご興味のある方は是非チェックしてみてください。
少し脱線しましたが、今回は最近購入したポロシャツとドローコードのパンツのご紹介でした。
今シーズンは梅雨の期間雨が多かったので真夏用の買い物も完全に出遅れてしまいました。
展示会をかなり回っていて、もう来年の春夏の傾向も見えているので、そういうものを先買いしようと思っても結局完売しているものが多いんです。
今日ご紹介した定番のラコステのポロシャツやリラックス感のあるドローコードパンツ、プルオーバーのシャツは来年さらに流れが強くなっているので、BEAMS以外のお店でも気になるものがあれば今シーズンおさえておいてもいいと思います。
トレンドと言っても私が着れるくらいのものなのでご心配なく(笑)。
入荷する度に毎回すぐに完売するCROOTSのブライドルトートの追加分が入荷しました。
今回はいつもより多めにオーダーしましたが、すでにネイビーはあと数個になっています。
私も気に入って使っているおススメのトートバッグです。
是非最寄りの店舗でお試しください。
ネイビー ライダース
高校生の頃にオトナが着ていたボマージャケットに憧れて、新潟の百貨店で安モノの黒のボマージャケットを買ったのが私の初レザージャケット。
当時レザーは高級品だったので、高校生の不良たちは安価なブラックライダースのビニジャン(フェイクレザーを当時はそう言っていました)を着ていました。
大人ぶってボマージャケットを買ってはみたものの、童顔だった私にはなかなか着こなすことができず、結局高校を卒業するときにリーゼントが似合う友人に譲って以来、黒のレザージャケットを着ることはありませんでした。
ここ数年ブラックのライダースジャケットが大人気ですが、ワイルドな服が似合わない私は何度試してみてもやはり似合わない・・・
それでも展示会に行けば自分が着るか着ないかは別の話で毎回必ず試着します。
それがプロとしては当然の仕事です。
秋冬の展示会で新しいライダースジャケットがあったので試着してみると、これが意外と似合う・・・
プレコレクションの展示会ではオーダーには至らなかったのですが、メインコレクションの展示会で再度試着してみると個人的にも欲しくなってきて、自分の独断的な判断でオーダーしました。
それが、このジャケットです。
EMMETIのネイビーレザーのシングルラーダース。
色がブラックではなく、濃いネイビーというのがポイント。
そして、もう一つのポイントはスタンドカラーの襟が高いこと。
通常のシングルラーダースの襟の高さに比べると倍くらいの高さがあります。
折り返しの襟を立てたような雰囲気になるところが気に入ったポイントです。
特徴的な襟のストラップを外すとこんな感じになります。
垂れたストラップもデザインの一部になります。
実はこのストラップの仕様がなかなか凝っていて、フロントの右側に張り付けた帯を襟まで繋げてストラップまで一本で繋がっているように見せています。
こういった凝ったディテールにも惹かれました。
ちなみに、上の画像のように襟の後ろのループが少し長いので、そこは修正するように指示しています。
BEAMSは細かいところまで本当にうるさいんです(笑)。
でも、それが大事なんです。
レザーはラムレザーなのでとても柔らかく上質感があります。
画像ではなかなか伝わらないので、入荷しましたら是非レザーの感触を試していただきたいと思います。
実際に着るとこんな感じです。
似合っていると思うのですが、いかがでしょうか・・・?
ちなみに、ボーダーのTシャツとデニムのドローコードのパンツはこのジャケットに合わせたわけではなく、たまたま着ていたものに
ジャケットを羽織っただけです。
ブラックではなくネイビーなので、こんなコーディネートにも合うということですね。
自分はもともとカジュアルで黒っぽい合わはしないので、ネイビーというのはかなり刺さりました。
持っている服に合わせられるというのも大きなポイントです。
シングルライダースは基本的にシンプルなディテールものが多いですが、逆に襟が高くて特徴的なストラップのディテールが刺さりました。
色とディティールによってライダースジャケットのハードな印象が薄れているので、私のようにブラックのライダースとは無縁と思っていた人に是非お試しいただきたいジャケットです。
お値段は¥137,500-(税込)、9月中頃の入荷予定です。
モデルはEMMETIのレギュラーモデルですが、パターンはBEAMS別注でより着やすくモディファイしました。
秋冬一押しのレザージャケットです。
自分が着たくてオーダーしました。
皆さんにも気に入ってもらえると嬉しいです。








































































































































