ベーシストとエフェクター -4ページ目

■WARWICK Thumb Bass 6st '91 その3

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待ちに待った'91サム6、早速玄関なら2Fに搬送、開梱。でも玄関に置いてあったため、異常なまでに冷え切っていて暖房が効いた快適なリビングで開梱した瞬間に周囲の湿気を集め始めてしまいました。これはマズイと思い、寒いのをガマンして(それでも玄関よりは幾分温かい)暖房offの自分の部屋(通称:ベース部屋)に移動、30minほど置いて、まずは周囲の温度に慣れさせることにしました。そんなこんなで、30分ほどして周囲の環境に慣れたところで、音出しの前に、弦交換&セッティング。


弦は、本当は最近もっともお気に入りの(といっても2setしかまだ使ったことが無い)WARWICK EMP弦を使おうと思ったのですが、まだ欧米でしか流通しておらず国内未入荷とのことで、先日知人に頂いた(Kさん、ありがとうございます)WARWICK BLACK LABEL 6st mediumを張る。EMPというのはEnhanced Molecular Protectionの略で、日本語で高分子ポリマー加工(ちょっと意訳しすぎ?)とでも言うのでしょうか、とにかく優れものです。WARWICK弦というのはもともとあまり好きでは無かったのですが(張った瞬間既に死んでたとか、ステンレス弦特有のざらざら触感が気になったりとか)'07サム6に出荷段階で張ってあったEPM弦をそのまま使っていたら、気に入ってしまった次第です。他のコーティング弦とは一線を画すもので、いわゆるコーティングをされているような違和感は全く無く、ステンレスのブライトさとニッケルのスムースな手触り、芯のしっかりとした音に加え、半年近く立っても弦がまだ活きているというスグレモノ。使い続けて半年弱、スラッププレイたまたま切ってしまったという感じです。尚、このEMP弦は、WARWICK BLACK LABELをベースにコーティング加工を施したものらしく、セッティングを決めるという意味では、BLACK LABELでばっちりです。


さて、弦の話が長くなってしまいましたが、 まずは弦を全て外したのち、WARWICK純正のワックスで薄く塗膜をはります。ところが、長年ワックスを塗っていなかったと思しき感じで、塗ったワックスをあっという間に吸い込まれてしまうような状態です。根気強く数回ワックスがけ。ボディがピカピカになったところで件の弦を張って馴染ませます。返す返すも年式で考えると、このネックやフレットの状態の良さには驚きます。順ゾリも逆ゾリもネック起きや捩れも、少なくとも目視する限りにおいては問題は皆無といえる状態で、弦を張った状態で1フレットと26フレットを押さえると、13フレット頂点と弦の間に隙間を目視で確認することが出来ないほどにフラットで、指でちょんと触って目には見えないけど僅かに隙間があることが確認できます。一般的にはもうちょっと順ゾリ気味にセットすると思いますが、自分が一番好むセッティングです。新しい楽器は別として、古いものでここまでシビアなセッティングを出せる個体は希少だと思います。これだけでニンマリ。


都度チューニングを微調整しながら、アンプラグド状態でしばし弾き込みます。'07サム6と比較すると、ネックがやや厚めでがっしりとしており、ウェンジ材のためかプレイしたとき(特にスラップ時)のインパクト感がダイレクトに手や腰にガシガシと伝わってきます。攻撃的な'91サム、繊細な'07サムという印象でしょうか。アンプラグド状態でも、この年代のサムベースの個性が十分に伝わってきます。


弦も馴染んだところで(夜分遅いので、遠慮がちな小音量で・・・)いよいよWALTER WOODSにプラグイン。ゴーン・・・ とても懐かしい音がします。先にもお話した、今は既に手放してしまった'96サム5と同質の音。根底に流れるサムベースの基本キャラクターは共通するものの、美しく澄み渡る繊細な'07サムのサウンドもいいけど、この野性味のある無骨な'91サムの音も、なんとも言えず捨てがたい。困ったなー、と思いながら、またニンマリ(笑)


つづく(ひっぱるなー、我ながら、笑)

■WARWICK Thumb Bass 6st '91 その2

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ビーン、ビーン、ビビビンビキビキ・・・ 4年ほど前、渋谷のライブハウスでのライブの日、リハ後に「いい音だねー、のベース」とエンジニアが言ってくれた'96サム5の音。それを彷彿とさせる出音です。トンガリ過ぎず、かといってダルではなく締まっている。粒立ちのよい芯のある音、速いパッセージを弾いても、1音1音1粒1粒が明瞭にはっきりと聴こえる分離の良さ、珠粒のような立体的なふくらみのある指弾き音。ロングトーンは、どこまでも伸びるレーザービームのような音。いわゆる枯れた音とは対極にある音で、明らかにドライではなくウェット系の音なのですが、間延びした感じは一切なく、みずみずしさと歯切れの良さが共存する音。(残念ながらツイーター故障のためスラップ音は雰囲気のみ確認。)


次にヒザの上でひっくり返してサーキット裏ブタを外してみた。ポット類にはMECの刻印、プリアンプは2cm×3cm角程度のブラックボックスで白いシリコンパテのようなものでモールドされています。そしてそのモールドの隙間から、ミニトリムが見えます。当初は'89のサムと同様EMG-BTCあたりを想像していたのですが、風貌から見るにbartoliniのXを含むTCT系か、はたまたオリジナルか。いずれにしても、このミニトリムはゲイン調整と思いきや、ミッドコントロール。しかもかなりハイミッドの設定で正直言ってかなり使いづらい。決して悪い音ではないのですが設定が難しく、むしろプリアンプスルーの方が素直でサムらしい音のような気がします。ということで、プリをスルーした状態でチェックを続けることにしましたが、いずれにしても、'89サム4と同様アースを含めとても丁寧でいかにもハンドメイド的なワイアリングが施されています。


正直、見かけは結構長い間放置されてたようだし、製造から17年を経ようとしているので、トラスロッドが固着、あるいはもう一杯一杯なのでは、ネックが捩れているのでは、ソリが酷いのでは、ウェンジとブビンガのラミネート剥がれがあるはず・・・ どこかに難癖を付けて、買わなくて正解だったと思えるような理由を探すことを目的として試奏に行った部分もありました。


それはそうです。'80s~'90s前半製造の、いわゆるビンテージサム6をずっと探していたものの、見つからなかったから、諦めをつけ、満を持して新品オーダーしたのです。それも、このヴィンテージ仕様のサムの背中を見ながら、それに近づけようという思いを込めてのカスタムオーダー。そのカスタムオーダーサムは十二分に満足の行く、現行品として最高レベルのサムベース6弦。市販仕様に比べると仕上げも丁寧で、ブビンガ材の木目もセレクトして使ってくれたと思えるような美しい杢が出ています。文句の付けようがない逸品です。でも、その背中を追ってきて、捕まえることが出来なかったヴィンテージサム6が、今、自分の手の中に・・・ しかも、ネックはシッカリでセッティングは限りなくフラット、ローアクションでもビビリなし。トラスロッドは両方向に動く。フレットも十分。プリアンプは純正・非純正の判断がつかないものの、エレクトロニクスはいつでも換装できるし、プリアンプスルー状態でのbartoliniソープバーサウンドは申し分なしのブリブリサウンド。致命的なキズはなく、貫禄と言える範囲の使用感。木目もキレイに出ています。買わなくて正解だったと思えるような理由はなかなか見当たらず、むしろ、買わないとあとでめちゃめちゃ後悔しそうな理由ばかりが思い浮かびます。いつもは、買う気満々で現ナマ握り締めて行くのですが、今回は確認しに来ただけなので、手持ち現金は僅か、完全な丸腰状態である。


「カード、使えます?」「はい!」「じゃあ、これ、ください」「ありがとうございます!」・・・ あー、この前、機材整理したばっかりなのに、またやってもうたー・・・ 機材整理した資金でかみさん孝行するんじゃなかったのかよー・・・ でも、コレばかりはしょうがないよね。運命の出会いだからね・・・(汗)


既にショッピングセンターの営業終了時間もとうに過ぎ、バスやタクシーの往来もまばら。さすがにハードケースに入った6kg近いサムベースを持って3kmも歩く気にはとてもなれない。ということで、やむを得ず配達してもらうことにした。


翌々日の夜、仕事から帰りドアを開けると、玄関を上がった奥にデカイ荷物が立てかけてありました。キター!!!



つづく(笑)

■WARWICK Thumb Bass 6st '91 その1

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昨年、WARWICK Custom Shopにサムベース6弦をオーダーして半年後、ついに十二分に満足の行く仕上がりを見せてくれたサム6カスタム。90年代前半製造の極初期のサム6を探し続けて5年強、もうこれは出会うことはないであろうと諦め、意を決してのオーダーでした。ところが運命とは数奇なもの。偶然に偶然が重なり、もう1つオマケに偶然が折り重なった結果、ついに先日めぐり合いました!1991年製のWARWICK Thumb Bass Classic Line 6st!!! もう、これはコーフンの一言に尽きます。


数ヶ月ごと程度のサイクルで、思い出した時にネット上でサム6弦の中古情報をチェックすることが習慣化していましたが、先日、たまたま思い出して検索。検索ワードは、いつもはカタカナなのですが、その日はたまたまalphabetで検索。毎度のことですが、いつものサイト群(自分のも含む・・・汗)が表示され、いつも通りだなーと思って眺めていると、初見のサイトを発見。国際空港にほど近い、とあるショッピングセンター内の中古専門楽器店。「thumb 4st」と「ibanez 6st」が混ざってhitしちゃったのかなと思いつつも、どんな楽器を取り扱っているか見てみようと思い、サイトをクリック。すると、その他ベース(fender以外)のカテゴリーに威風堂々、サムベースの6弦。これまた珍しいところに珍しいものがあるなと思いましたが、パッと見、ボディカラーが濃く見えたため、ボルトオンの6弦モデルと判断。でもボディカーブの造形が微妙に違うなと違和感を覚え、よくよく見てみると・・・「こっ、これはっ!!!」


データは写真1枚のみ。解像度も低く、なかなか判別はしづらいものの、現行サム6でもなければ、ボルトオンサム6でもない。慌てて楽器店にtel。スルーネック6弦モデルの中古であることを確認。年代が分からないのでヘッド裏のシリアル刻印を聞くと、ヘッド裏にはないけど、ヘッド頭頂部側面に打刻があるとのこと。裏ではなく、頭頂部? そのシリアル打刻位置は'89のサム4と同じじゃないか。だんだん期待感が高まる。恐る恐る「なんて書いてあります?」と聞くと「xxxx-91ってありますねー」とのこと。きゃー!!! 91年モデルのサム6スルーネック!!! なんで、そんなところにそんなシロモノがあるかのか良く分からないし、中古としてはちょっと価格が高いんでないの? とも思いましたが、千載一遇とはまさにこのこと。これを逃したら、次はまた何年後になるか分からない、いや、ひょっとするとこれは一生に一度のチャンスかも知れない。すぐにhold。


でも、こういうときに限って仕事が忙しい。都内勤務の自分が国際空港付近のショッピングセンターの営業時間内にに到着するためには遅くとも17:30には都内を出ないと行けない。逸る気持ちを抑え、その週は諦めた。週末も、家族の用事と自分のマラソン大会出走(でも結局、雪で中止・・・涙)と予定満載。週明けを待ち先日ようやく仕事を早めに切り上げて(というか、うっちゃって)、ショッピングセンターへ急行。楽器店に到着し、自分の名前を告げると「お待ちしてました」と案内してもらう。奥へ進むと「商談中:bassist-kaz様」と書かれた札の裏に、紛れも無く、初期サム6弦の佇まいを確認。心拍が速くなる。


店員さんがブツを持ち、その後ろを付いて歩く。たった5m程度ですが、どんどん気持ちが逸る。410キャビとセットになったtrace elliotに向かった。店員さんがアンプにつなぎチューニング。調律されているサム6をつぶさに眺めてみる。PUはbartoliniソープバー、以前試奏したことのある91年製サム5弦もそうでしたが、この頃の個体はbartolini PUのものが多いように思います。コントロールはvolume、balancer、2バンドeq。ボディはこの年代特有のちょっと濃い目のオイルフィニッシュブビンガ。ネックはウェンジ×4+ブビンガ×3の7p。指板もウェンジで、最近のものよりも黒々としていて木目もはっきり出ています。それ以外の主要ハードウェアは、細かい仕様違いはところどころに見受けられるものの、ほぼ現行品と同じ。


さて、視覚から聴覚に戻ります。チューニング時のハーモニクス音がひとけのない夜の店内に澄み渡って聴こえる。そのハーモニクス音だけで、このベースのキャラクターがじわりじわりと伝わってくる。ビーンと伸びる、丸みがあって、芯の太い音、'89サム4や'96サム5と同質で、現行モデルをベースとしたサム6カスタムが持っているパリッとしたクリスピー感や透明感・繊細感とはやや趣きを異にするサウンド。必要以上に丁寧に調律しようとする店員さんに、とにかく早く弾きたい一心で「テキトーでいいですよ」と声をかけた。あっさりと手渡してくれた。ついに来たっ!


渡されたサム6は、思った以上にズッシリとした重量。ウェンジ使用部分が多いためか、心なしか現行仕様のものよりも重く感じます(後日、量ったら、なんと5.8kg)。ネックグリップの感触も、現行のものよりもやや太めの印象。見た目はコンパクトだけど、相変わらずの重さだなと思いながら、trace elliotの前に着座。早速試奏、一気に期待感が高まります。


つづく

■ちょっと一工夫

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実は、今年の春先頃をメドに都内でLIVEをやろうかと、アコースティックユニットの仲間と計画を練っています。そんな訳で、ずっと何とかせねば、と思っていた課題を解決せざるを得ない運びとなりました。その課題とは・・・


というほど大げさなことではないのですが、アップライトベース/baby ego のスタンドです。大別するとbaby egoには3つの組み合わせがあり、A(スタンド有・フレーム無)、B(スタンド無・フレーム有)(スタンド有・フレーム有)で展開されています(これに、使用する指板材、表面材のグレード、チューナーの位置で、更に細かいライン展開があります)。フレームというのは、ボディ本体についてる黒い骨というかウィングで、生のウッドベースの演奏感を再現するためについてるものです。自分のは"B"になります。


でも、困ったことに、このbaby egoという楽器はスタンドがないと、買った後に認識したのです。ウッドベースの場合は、大きさ故、しっかりしたスタンドに立てない限り、立てると逆に転倒のリスクが増したりします。なので、皆さんもよくご覧になると思いますが、ベースを横置きにしてボディサイドで床に設置させ、寝かせる(chick corea acoustic bandの1stアルバムジャケット写真がそう)という方法をとるケースが多い。自分もそうしようと思い、スタンドが無くてもフレームがあれば横置きに出来る、と思ったら、これが大間違い。形は同じでも、横にしたときの重量バランスが悪く、どうにもなりません。どう置こうと思っても、床にバランスよく置くことが出来ないのです。さて、困った・・・


純正スタンドを追加購入するという手もあったのですが、それだけで数万円するシロモノ。なんとかならないものかと種々情報を探っていたところ、本体とスタンドとの接続部分が、YAMAHA純正のタムスタンド(ドラムのタムです)のヘキサバー(6角)と全く同仕様であることを発見。alter ego純正スタンドよりも、YAMAHAのタムスタンドの方がリーズナブルで、むしろシッカリしてるし、と思い、その方向で物色。その結果、このスタンドにしました。


コレ、実はYAMAHAのDTXというエレドラのラック用ハードウェアなのですが、これをうまく組んだところ、あらあら、無機質なalter ego純正スタンドよりも全然カッコいいじゃない、と自画自賛する出来と相成りました。組むときも、ああでもない、こうでもない、こうしたらどうかなと、プラモデル的・工作的な楽しみもあり、プロセス・結果ともにenjoyした次第です。


ということで、懸案の心配事項はめでたく消えました。あとは・・・ 練習か~・・・(冷汗)

■機材の棚卸し ~サムベースに至るまで~

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前回のエントリーで、機材棚卸の状況をご説明しましたが、今回はこの棚卸の中でもっとも核心の部分、つまり「結局なんでサムベース6弦が残ったのか」という点につき、簡単にお話したいと思います。これは、ブログの新規エントリーを綴る、というよりは、感覚と感性でここに至った経緯について、自分でも気付いていないものを可視化しようという試みでもあります。YAMAHA、FODERA、ROSCOE、BENAVENTE、STATUS GRAPHITE・・・ 他にもいろいろとあるような気がしますが、とにかくいろいろなものを試してきました。


ちなみに、このブランド群をご覧になって、違和感を覚えられる方もいらっしゃるかも知れません。多弦ベースの雄、KEN SMITHが入っていないのです。これはSMITHのキャラクターの明快さ故だと思っています。他のベースは一度実際に所有してからじっくりと弾き込む、というプロセスを経ましたが、SMITHの場合は店頭で弾いた瞬間に(もちろん、試奏環境が良いことが前提)相性がわかるというか、そんな感じです。土俵の広さ、懐の深さに間違いはなく、対応キャパは圧倒的に広いものの、一方で恐いほどの深みと明確な主張があり、そこで自分がSMITHに門前払いをされた感があります。材(メイプル、ウォルナット等)によってその主張が明確に違うところがまたこのベースの面白さ、あらゆる材の組み合わせを徹底的に試すだけの時間と財力がないことが悔やまれます(涙)


それはさて置き、自分のスタイル上、一番重要なのは指弾きとスラップのサウンド。この2つの音のバランスをとにもかくにも大切にしています。加えて、現在組んでいる2バンドのアンサンブル、ハードロックバンドとドラムレスアコースティックユニット、この2つにいずれも妥協無くマッチする、ヨゴレ系と清純派の2役を演じ切ってくれることが必須条件となってきます。


自分はとにかく叩くことが大好きなスラッパーなので、叩いた時はゴンゴン・ゴリゴリ・ビキビキと、切れ味鋭くスパッと来て欲しい。でもロックバンドでべヴィなベースサウンドを埋もれずに出すためには、単なるドンシャリでは困ります。ミドルのぶっとい芯は譲れません。指&ピックで寡黙にビートを刻むときは、地味ながらもブリブリとコシが強く、ぼやけずに芯のある中低域を再生して欲しい。でも、ゴリゴリ・パキパキ・ブリブリな押しの強いサウンドだけでも困ります。コード弾きを多用したスローなソロをとる場面やアコースティックなアンサンブルサウンドを奏でる際は、どこまでも澄み渡った濁りの無いクリーンなサウンドを奏でて欲しい。これを全て満たしてくれるベースが欲しい、というのが自分のベース探しの原点であり、到達点でもあります。


加えて、アマチュアであり、「道具バカ」であるため、質実剛健、音と演奏性が全て、というだけではいけません。手にした時に五感を満たしてくれるものでなくてはなりません。正確には味覚・嗅覚を除く三感ですが、聴覚:サウンドは当然のこと、触覚:触って心地よく、視覚:観て美しい、そういうところまで満たして欲しいと思った訳です。


かかる基準の下、ベース選びを進める過程で手にしてきた名器たちは上述の通りであり、このプロセスを経て、完全なる個人的主観のもとに残ったベースがサムベースだった、というわけです。しかしながら、いずれのベースもさすが評判に違わぬ名器揃い。特に強く印象に残っており、事情が許せば手元に置いておきたいのは、ROSCOEとSTATUS GRAPHITE。ROSCOEもSTATUSも、上記の一部の事項に於いては、サム6と同等あるいはそれを上回る感触がもあります。捨てがたい魅力がたくさん詰まった個性豊かなベースを放出するというのは、いつも断腸の思いを伴いますが、アマチュアながら、目指すところ・思うところがあるし、何といっても財資は有限、でそうも言ってられないという現実があります。


とても簡単ですが、こんなプロセスでございました。いつの日かサムベースが、このような僕の片思いに応えて、100%歌い切ってくれることを期して練習に勤しみたいと思います(汗)

■マラソン日記

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このタイトルでのエントリーは初めてです。ブログジャンルから外れますが、「速くなりたい」というのと、「巧くあるいはカッコよくセンスよく弾きたい」という目標に向かって、試行錯誤しながら、その目標達成に至るまでのプロセスを設計し、地道に努力する、という点についてはマラソンもベースも自分にとって基本は同じだったりします。(もちろん、道具に対するコダワリも・・・笑)あと、基礎体力の向上は、重いベースをぶら下げてステージに立つ我々ベーシストの大いなる課題でもあります(笑い) ということで、少々お付き合いのほどを。


以前にもお話したことがあると思いますが、幼少期にとった杵柄で数年前にサッカー復帰したものの、あまりに走れぬ自分の体を憂い、並行して走り込みを開始しました。最初は大変。なんせ、走るとき片足には自分の体重の最大3倍の負荷がかかると言われるので、普段何もしてないと、走る自分を支え続けるだけの筋力そのものが不足ししているため、すぐに膝が痛くなって、走るどころではなくなる。結局、ストラップにも使われる伸縮素材イソプレン製の膝サポーターの力を借りて、騙し騙し走った結果、半年くらいで、ようやく普通に走れるだけの筋力が付きました。そこから距離を徐々に伸ばしはじめ、サッカーでも多少は走れるように(そもそも、自分は右サイドバックなので、マジメにやると走れないと使い物にならない)。で、そうこうするうちに「走ること」そのものの虜になってしまい、昨年秋から大会に出たりしている始末です。


昨年はじめて出場した大会は10kmロードレース。結果は、出場カテゴリー中、ちょうど上位20%。初めての大会出走であること、それに年齢別となっている出場カテゴリーで最年長であったこと(こういうことを言うと歳が分かりますよね・・・ ちなみに当該カテゴリーの最年少は18歳)、本業がミュージシャンであること(?)も勘案すると、まずまず満足できる成績。


10kmで実績ができると、今度は欲が出て、いよいよフルマラソン!と思ったのですが、家族の大反対に遭い、結局段階的に距離を伸ばしていくことに。ということで次の大会は2月、21.1kmのハーフマラソンです。


僕はマラソンに関しては全くの素人で本やネットを見ながらの独学ですが、数値ではなく体感的に体得したことがあります(間違ってるかも知れませんが)。走り続けると、自分のカラダは大別して2つの面で辛くなります。1つが「筋力」、もう1つは「呼吸(心拍)」です。速いペースで走り始めると、「筋力」はまだまだ余裕があるのに「呼吸」が一杯一杯になってすぐに限界が来てしまいます。逆に、ペースに一定以上落として走ると「呼吸」に余裕があるものの、先に「筋力」に疲れが出てきます。つまり、ベストタイムで走るためには、そのレースの距離に応じて、あらかじめ「筋力」と「呼吸」の限界が同時に来るバランシングポイントを見定め、それを限りなくゴール地点に近づける必要があるわけです。そのためには、この距離だとこのくらいのペースで、というのをカラダにしっかりと覚えさせておかなければならないと思っています。


というわけで、三賀日は通算50kmを、いろんなペースで走ってみて、なんとなくそのポイントが見えてきたような気がします。天候にもよりますが、当日は楽しく走ってそれなりの結果がでればいいなーと思ってます。


目下、決まってないのが、どのシューズを履くか。どのベースで、どんなエフェクターを使ってステージに立つかというのと全く同質な、道具バカならではの楽しい悩みです。

■機材の棚卸し

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みなさま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


さて、新規エントリーについては長らくご無沙汰をいたしておりましたが、新春早速、機材整理のお話からさせていただきます。


実は昨年の暮れから、かなりの勢いで機材(にかかわらず、持ち物全般)の整理に勤しんでおります。理由は1つ、仕事とシュミばかりに明け暮れあまり省みることのなかった伴侶に、十余年の感謝の意を込めて、ここは1つ恩返しをせねば、ということで思い立ち、資金作りを開始した、といういささか消極的な事情でございます。(オークションを多用しておりましたので、次回のシステム利用料請求がコワいと思うほどの金額になってしまいました・・・汗)


まあ、それは美辞麗句的な後付要素でありまして、昨夏から断続的に行っていた相棒追求の旅、率直に言えば膨張一辺倒であった機材群スリム化の結果、たまたまそう思い立った、という表現の方が正確かも知れません。いずれにせよ、現在、手元にある(既に手放すことを決めたものも除く)主要機材は以下の通りとなりました。


<本体>
WARWICK THUMB BASS 6st custom shop
WARWICK THUMB BASS 6st fretless
STATUS GRAPHITE STEALTH-2 6st
Alter Ego baby ego


<アンプ>
WALTER WOODS M-300
epifani T210UL


<エフェクト類>
RavenLabs MDB-1(mixer)
dbx MC6(comp)
Roland GR-20(guitar synth)
Digitech WH-1(whammy)
ZOOM B2(multi fx)


その他にも、BOSS RC-2やErnieBall 6168、CAJ AC/DC、他のコンプ機等々、まだまだありますが、使う場面が限定されていたり、めったに使わなかったりする小物も多くありますので、それらは割愛させて頂きます。


結局、想定通りのあり姿になった、という印象を強くしています。


まず、ベース本体については、不動のメインはサムベース6弦(フレッテッド、フレットレス共に)に帰着。'89サム4弦も大切にしており、今でもあのサウンドが大好きなのですが、家で気が向いたときに爪弾く以外に持ち出すことがまずない、という現実、ドラムレスの小編成ユニットを組んでいる都合上(正しくは、自身の力量不足が主因)、6弦以外はなかなか活用の途が見出せない、という事情があります。これだけの名器を自分の手元で持ち腐らす訳にはいかず、悩んだ末、断腸の思いで手放しました。幸い、とてもよい方にお譲りすることができました。


baby egoは、使う場面が限定されてはいるものの、サム6FLをもってしても表現し得ないニュアンスを出すため、今のところ手放すには至っておりません。ただ、サム6のフレッテッド&フレットレスの2本で何でもこなす、という自分にとってもの「究極のスタイル」がある程度確立できたとの「自己満足の境地」に近付いたと思った際は、この限りではないかも知れないと思っています。


STATUSについては、コンパクト&軽量故、持ち出しに極めて便利ということで、最近のスタジオ練習はずっとコレ1本で通してますが、実態はサム6弦の予備機的な位置付けに甘んじています。ただ、グラファイト特有の硬質でリニアなサウンドと唯一無二のインパクトあるルックス・質感も手伝い、今のところこのSTEALTHを手放そうという気にまではなかなかなれません。


エフェクト類は、波乱万丈・紆余曲折・七転八倒(?)を経て、ここにたどり着いた印象です。ベースの本数が減ったため、RavenLabsの3chミキサーをそのうちプリアンプに入替えるかも知れませんが、それ以外は、おそらく当面は変わらないものと思います。コンプはいろいろ使ってみたものの、このdbx MC6が最大公約数的に一番しっくり来るので、ほぼ固定化。Whammyは、一般には飛び道具的存在と思いますが、ずっと使い込んで慣れ親しんだせいか、自分にとってはもはやなくてはならない存在で、手放せません。ただ、壊れたときのことを考えると、今後ますます価格高騰するようなら今のうちに予備機を、と真剣に思案中です。あとは、機種そのものにコダワリはないものの、機能にコダワリがあるものとして、シンセ:GR-20とマルチ:ZOOM B2。自分の演奏表現上大事なものですが、これに関しては、更に上を行く新機種、あるいは上位機種があれば、乗り換えることになるかと思います。


悩ましいのはアンプです。今現在、自分の中でWALTER WOODS + Epifaniの組み合わせを超えるものはないかな、と思っていますが、リハの度に持ち出す楽器と違い、年に1-2回あるかないかのLIVEと自宅練習でしか使っていない、というのが現実である一方、価格が高すぎるというジレンマ。クルマも現金払いで買うくらい自分はローンが嫌いなので、もちろんアンプも資金負担が続いているわけではないのですが、冷静に考えると、この使用頻度では、コストパフォーマンスが悪すぎる、と思うわけです。また、自分としてはウッディ・アコースティックといった印象を狙っている訳ではなく、あくまでも目指すは完全ニュートラル。その意味でWALTER WOODSはその広い懐で自分の希望をパーフェクトにかなえてくれてはいるものの、極論するとAnthony Jacksonのようにパワーアンプ直結システムの方が良いかも知れないと思っています(問題は重量・・・)。また、そういう視点でスピーカーシステムも見直してみると、bose、JBL、EVなど、新たな選択肢も出てきます。


あ、でも、こんなことを考えていたら、整理するつもりの機材がいつの間にかまた増えかねません。うーん、悩ましくも、楽しい、試行錯誤の旅、まだまだ続きそうです・・・

yahoo! JapanとE-Bayが提携!

最近、ほんとーうに業務多忙で、なかなか記事が更新できなくて、スミマセン。


1つだけ、朝からとても興奮したものですから。


日経新聞の1面トップに出てましたね、yahoo!とE Bayの提携。物流・通関・言語の壁を両社が取り除き、相互に直接売買が出来るような相互乗り入れ体制を作るとのこと。海外製品、特に米国製品が多い楽器・機材をこよなく愛する我々にとっては、米国チャネルを通じた世界マーケットへの簡単・安全なアクセスラインが確保できる、ということになります。一部、米国の方が高値になっている商品もありますが、世界相場へ収斂が進む結果、一般論としては、我々は相応かつ適正な価格であらゆる機材を入手できることに・・・ なるといいな、という強い期待感を持ちました。期待通りの結果になるか! 注目したいと思います。

■STATUS GRAPHITE STEALTH-2: リペア期間8ヶ月(涙)

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久しぶりのブログ更新です。いやー、忙しい!こういう時期って、ありますよね・・・ さて、気を取り直し、実は先々週、自分がこのベースを所有していることを忘れかけるほどの月日を経て、ようやくSTATUS GRAPHITE STEALTH-2 6st がひっそりとリペアから戻ってまいりました。リペアをお願いのはプリアンプ交換(純正→aguilar OBP-3)ですが、結論から申し上げると、現在、純正プリの状態です。すなわちオリジナル状態のままです・・・  これにはいろいろと紆余曲折がありました。


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プリアンプ交換程度なら、いつもはDIYでやってしまう自分がショップにお願いをした最大の理由であったプリアンプのノブ直径が広くなることによるカーボングラファイトの本体加工は、実はやらずに済んでます。というのも、ショップの方でいろいろと探してくれて、径とインピーダンスが合うものを取り寄せてくれました。しかし、ここからが大変。大きな問題は2つありました。


1つはPUの仕様。確かどこかで「HYPER-ACTIVE」と謳ってたような気もするのですが、全くの想定外で、このPU、実はパッシブでした。ひょっとするとこの「HYPER」というのが曲者で、PU単体はパッシブにこだわり、プリアップとの組み合わせて初めてアクティブになりように設計されているのかも知れません。しかも出力が異常に低く、これを純正プリアンプの前段で増幅してあげて、その後にイコライザー回路に入り、出力される、という形になっています。通常のアクティブPU+プリアンプの組み合わせでは、PU側に出力増幅用のプリがすでに仕込まれているわけですが、そういう観点でいうと、このSTEALTHもパッシブPU+基盤上にプリ回路+イコライザー回路と、全て揃っているわけです。しかし、プリ交換となると、基盤をはずしてしまうわけですから、残った片割れのパッシブPUの出力を上げる、ようは擬似アクティブPUにしてあげるためのゲイン用プリを追加する必要がでてきます。


そこで、またショップに探してもらって、一番相性の良さそうなものを探した結果、Bartolini TC1を選択。これはディスクリート回路のプリアンプブースターで18dbから、なんと40dbまでのブーストが可能な代物、いろいろと試した結果もっとも音質変化が少ないものとして選択。これをaguilarプリと組み合わせることにしました。


なんとか極低ゲイン状態を脱した訳ですが、今度は肝心の音質に問題が。カーボンブラファイト製のSTEALTHの持ち味である、クリアでリニアなサウンドがえらく野暮ったくなってしまい、持ち味が全然出ていません。当初のプリ交換の目的であったミッド帯域のフレキシビリティは確かに向上していますが、高域のキラキラした感じが全くなくなってしまい、まるでスピーカーキャビのツィーターをoffにして弾いているような印象。これでは全然使い物になりません。


ということで、今度は回路の一部に可変抵抗などを追加設置(ここまで来ると、もうほとんどワンオフでオリジナルプリを作っているような状態)。いろいろと試してみましたが、結論として、STEALTHの持ち味を活かすためにはオリジナルプリアンプが一番である、との帰結に至りました。若干中域の線が細い印象であっても、キラキラした高域と、ズシっとくる低域、ややドンシャリ感のある鋭角で硬質なサウンドそのものがSTEALTHの個性なんだ、ということです。


まあ、モノにもよりますが、完成度が高い楽器はヘタにいじらない方がよく、プロに任せても火傷をする、という良い教訓になりました。抜本対応としてPUを含めて交換してしまう、という策もありましたが、オリジナルSTEALTHの個性は個性として尊重したいなと感じ、それ以上リペアを続けることはやめる事にしました。


特殊specのノブ探しにはじまり、上記の事実解明の元となったPUを含めた全回路解析、そしてマッチングのよいブースター探しに至るまで、結果としてプリ交換で8ヶ月の時間を要してしまった訳ですが、ショップには改めて感謝の意を表したいと思います。本当にありがとうございました。

OAKLEY "Juliet"

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最近は、vocal+guitar+bassのアコースティック・トリオ・ユニットの活動を再開したため、週末の夜は比較的マジメに部屋にこもって練習することが多く、機材類を収集したりイジったりする時間が少なくなってます。加えて、仕事! ということで、結構いろんなストレスもたまっていたものですから、うっぷん晴らしの意味も兼ねて、前からずっと欲しかったキング・オブ・サングラス、「オークリー・ジュリエット」を買ってしまいました。


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ご存知の方はお分かりと思いますが、ジュリエットはサングラスとしてはかなり高額。しかもフレームやレンズに様々な仕様があり、カッコよいモノを・・・と思うと、どんどんますます高くなっていく。でも、運転もするしバイクにも乗るし、サッカーだってランニングだってするし、子供の運動会やらなにやらで結構外に出る機会も多いし・・・ 歳とってくると緑内障とにも気をつけないといけないし・・・ ライブの時にしてもカッコいいよね、きっと・・・ などと自分に都合の良い言い訳をしながら、サングラスとしてはあまりに高額なこの1本を購入する合理的理由を策定、半ば無理やり正当化。


イチローが愛用してることでも有名なJULIET(ちなみにM:i 2 MISSION IMPOSSIBLEでTom Cruiseが着用していたのは、一回り大きくごついROMEO)、発売から10年近くを経過していながら、変わらぬこのカッコよさ、デザインの普遍性という意味ではWARWICK Thumb Bassにも通じるものがあるからか、同じニオイを感じ、とても惹かれます。以下、specです。(興味のない人、ゴメンナサイ)


【OAKLEY Juliet】
フレーム:Polished
レンズ:Fire Iridium Polarized(偏光レンズ)
ソック:Black


ご覧の通りの風貌で、レンズがミラー仕様のfireで見る角度によって青~緑~黄~赤へと移り変わっていきます。目立つもんですから、家庭内でもすぐに詰問にあい「高いんでしょ、コレ」と言われ、「CD2枚くらいだよ」と返したら「そんなにするの?無駄遣いばっかりして!」といった程度で終わりましたが、実は、○が1つ足りないんだよね・・・ なんて言ったら、どうなることやら(冷や汗)