破壊の前夜にも凹垂れず     | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥
☂音ネタ:カラオケ18番教えて!つっても、カラオケにねぇんだよ!  参加中
    
    
世の中に新譜としてCDやレコードが発売されると、
それがひとつのアルバムの場合、その中には たいてい、
『ライナーノーツ』とかアーティスト解説のほか、
それが丁寧でなくても実に親切な内容でも楽曲解説もついていたりする。
素晴らしく幅広いジャンルを熟知した音楽評論家の方が書いていたり 
発売元の依頼や企画では、ファンやそのアーティスト本人による“今の声”
も掲載されたりしているケースもある。
そういうコンパクト・ディスクという商品は、
発売されたばかりのアルバムであり、それを買ってくれたり、
…たとえレンタルショップでの貸し借りであったとしても 
聴いてくれる人、リスナーに対しても失礼のないように
「出来たてホヤホヤだよ!」
の、ヤキイモ屋の精神のように
それなりにテンションを高めるべくした解説や推薦文が載っている。
中には、「
最初はハッキリ云って、それほど関心を惹くアーティストではなかった…(略)」とか、
そのアーティストやファンに対してのワル愚痴にはならないように
起承転結や日本語文法もキッチリ守って
業界用語や流行語を織り交ぜたスタイルで
そのCDやレコード音源(など)を聴く人をワクワクさせる内容もあれば
勝手に押しつけるような専門用語や和製英語を並べたギクシャクした文章で
まったく読みづらいライナーノーツも実は最近は多かったりもする。
    
伊丹哲也というアーティストは今、CDは出さない。
出しても売れないから出さないのではなく 
今は出す必要性がないので出さない…んだと思う。
かつては、世の中にCDが普及される以前に
ファースト・アルバム、セカンド…とつくり、
ターンテーブルへ乗せた黒い種板【たねいた】の盤の上へ針を落として音を聴く
という誰もがワクワクしてたはずの瞬間が
ガチャッ! 
無造作にCDプレーヤーにCDが放り込まれる時代に替わってからも
伊丹哲也というアーティストは5~6枚のアルバムを制作し
堂々と世の中へ送り出してきた。
アーティスト自身のスピリットや幾つかの可能性にかける挑戦…
などがどうあろうと、セールス的には
近頃のメジャー路線で浮き沈みを繰り返すアーティストには及ばなかった。
今後もし、なんらかの形でCDが発売された日には、どうなるかは判らない。
それでも、伊丹哲也というアーティスト。独りのシンガー・ソングライターは
今はもう、
たった一人ではない ので 
風のように消えてゆく歌を歌い、ステージを己の生きる場所と自覚している。
ひとつのステージで何が歌われたかも、セットリストはあっても…ない。
何が歌われたのか? 何が歌われているのか? 
当日の観客 、ファンにしか解らない。
幾つかの楽曲が、オフィシャル・サイトで紹介されている。
「こんなヤツです!」という感じで。
アーティスト自ら、フルトラックで試聴を提供している。
http://home.p02.itscom.net/fighting/T.ITAMI%20OFFICIAL.html
そこで初めて聴く人には、好みもあり、
「みんな同じジャン!」と思う人もいる…かも知れない。
それでも、伊丹哲也というアーティスト。プロのシンガー・ソングライターは
晴れ渡る空の下で風のように歌う。
ここ10年来は、
毎年コンスタントに定期LIVEを行ってきた という。
それ以前は、人前でも歌うことを休み、 
業界の片隅でプロデューサーという
裏方業務 に回っていた時期もあったらしい。 
昨年、2006年12月10日には、
実に半年ぶりに ステージに立ち、
その模様は、たとえば、
http://kogopara.seesaa.net/archives/20061211.html  2006年12月11日
こちらのブログ でも、ご自身の心に忠実なまま正直に、
ひとつのLIVE体験として伝えられている。
勝手なリンクお許しください。)
    
最近では街のCDショップへ出かけた店頭で見つけたCDを買う。それを売るという市場とは別に
インターネット上でも配信されている楽曲を聴きたい者の好みで
一曲ずつダウンロード購入できるというシステムもある現実もあり
かつての時代に比べるとケータイや軽量なミュージック・プレーヤーが普及するにつれ 
場合によっては聞き捨てられる音楽より 
旧くも鮮しくもホンモノの音を探したい者には好都合な世の中…かもしれない。
それでも売れるか売れないかに関係なく作詞作曲したりCDを制作することが 
アーティストの活動のすべてではない。
The Rolling Stones というバンドのキース・リチャーズという人物の発言に、かつて 
    
    
この世には音楽と音楽業界のふたつがある。
    面白いのは、このふたつのどっちが主導権を握るかで、
    ずっと微妙なバランスが保たれてた

                by Keith Richards 1991 RS誌インタビューより
    
というのがあった。
巷の音楽業界では
幾つかのシングルヒットを放ち、その感触で
アルバムも制作され、そのアルバムのプロモートのために
LIVEコンサートやクラブ・ギグも開催され、
ファンはアーティスト・グッズを買うために列に並んだりする…
という一連のお約束のようなシステム(?)がある。
その規模は、たとえば、The Rolling Stones や U2 というビッグネームともなると
メディアも放っておかないセンセーションとなり 
ファンも口を揃えるように、
行って来たよ!」「また買ってしまった!
と、そういう
感動や夢 を語ったりもする。
それでも、伊丹哲也というアーティスト。日本のシンガー・ソングライターは
風のように歌いつづけ、そしてまた、ステージに吹く風を感じる。
…しかも、その裏側(?)には、
彼らに果たせなかったもっと大きな夢(…今後も実現の可能性あるまま終わることなき人類の自由解放)
への野望も未だある…かも知れない。
    
それらの気持ちを巧みに表現した歌のひとつに、
ひゅるりら  
という楽曲があり、20世紀の1960年代、70年代、80年代、世紀末を走り抜け、とある日に歌われた
蟻と虹 という歌もある。
    
ここ数年は、CDを出すよりもインターネットの
オフィシャル・サイト で 
全曲オリジナルを紹介する
Gallery を通して、また、
おれのたわ言 2008年現在の太陽の子供 というコーナーでは
ファンに向けて近況を報告するなどして、4~5年になるという。
俺も一昨年の秋
2005-09-24 までは、そのサイトの存在をしらなかったファンの一人。
この一年あまり、そのサイトを通しての成長の断片…更新を追っかけて、今日に至る。
風のように消える歌を歌う、伊丹哲也と共に、1%の戦友として。
    
最近、「お年玉だよ。」と云わんばかりに
大部分が、それまで自宅のブースで録音された珠玉の作やLIVE音源とは別に
正式にスタジオで制作された曲が10曲。新たにまとめて公開された。
Gallery2に 
THANK YOU FRIEND! と書かれた場所がある。
http://home.catv.ne.jp/hh/fighting/GALLERY2_2.html
ところが、そこには『ライナーノーツ』はない。
オフィシャルサイトなので、
尚、楽曲の著作権は伊丹哲也にあります。
と小さく書かれた文字はあるものの、曲の紹介や解説は一切ない。
「これが最新作!」ということも、初めて聴く人には判りにくい(かも知れない)。
ただ、
「どこからでも、ご自由にどうぞ。…よろしく。」という感じなのか? 
『21世紀初頭の日本をモチーフにした写真集』のようなバックに
時計まわりで10曲が並べられている。
その6曲目に、
凹垂れ という曲がある。  rpdl  
サイトを訪れた人や、何かの検索で、そこへ辿りついた人が 
曲目をクリックすると、最新のリアルプレーヤーが立ちあがり、
(もしくはインストール推奨画面が出て) 
4分17秒のその曲を最初から最後まで聴くことができる。
    
どこか、
スコット・マッケンジー ヒット曲  ないしは、Eve of Destruction を彷彿とさせ、
曲の展開そのものは、アメリカのシンガー、
P.F.スローン
From A Distance 孤独な世界
のように、切々と淡々と歌われながらも 
「凹まず。あきらめず。しぼまず。投げ出さず♪」
というフレーズが、誰に対してというわけでもなく、
「自分自身が前へ進んで生きてゆきたいのは、オレもみんなと一緒さ」
という、とある時代を見つめた男の優しさとして 
実は、それを歌う
自分自身にも渇を入れる曲 として歌われている。
世代を問わず、聴く人に、素直に、ストレートに飛び込んでくる、
“今を生きる”人たちに贈る詩とメロディ。そして、
伊丹哲也というアーティストが、アメリカン・ポピュラー・ミュージックを
どこまで知り尽くしているかは別としても 
ギター一本とマウス・ハープだけで 
これだけ完成度の高い曲の数々を作り、演奏できるということは
今の日本のミュージック・シーンにおいては、そうそうあるものではない。
もしかすると、この広大な世界には
伊丹哲也というアーティストの他にも、まだどこかで、
ひっそりと自分の持って産まれた能力に磨きをかけているシンガーや表現者も
いるかも知れない。それは、
音楽の分野に限らず、フォト・アートや絵画、文筆や創作などのフォーマットにおいても 
その人なりのやり方、そのヒト独自の生き方で 
いつの日か自分の心から湧き出したエネルギーや情熱の破片が
誰か何者かの心へ届くことを夢見て 
時には歌うように、時には つぶやくように、あるいは風と共に踊るように…
誰かに認められたいとか、今よりも上へ昇りたいとか 
そんなこととは関係なく、自由な風のように…
    
今日、1月8日。
エルヴィスの日 にも  
凹垂れ という曲を聴いて、そんなことを想う俺もいる。
    
    
    
    
    
    
    
    と、この内容は、January 08, 2007年の1月8日、午前1時 ~ 02:25:01の間に書いた直後に
    「“世間様の常識”への攻撃も控えめに 
     我ながら今迄でいちばんいい感じで書けた“やつてみたい”のFighting記事~略。」
    ということで、(
その節は失礼しました 。) 
    そこから今日までの自分自身の成長や方向位置を確認するためにも、ここに改筆。
 
    
    
    
    
    
    
    
    
関連先 
    
 
Freedom liberating by flamingo and dolphins  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10092192292.html
 
ブーツをぬいでも朝めし前 mind resolve buck up  
http://ameblo.jp/mindresolve/entry-10092582632.html
 
余計な音は何ひとつ聴こえなかった時代  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10028979193.html
 
ハンク・ウィリアムスと伊丹哲也  
http://badlife.blogtribe.org/entry-0e5ff734d9661b49680259e68f4d4dcd.html
 
自分らしくいてください。どんなことが起っても…part2  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10062691111.html
 
It's alright! January 08, 2008  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10064327459.html#c10087821986
 
That's All Right! January 08, 2006  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10007801679.html
 
When you're traveling all alone in the night January 08, 2007  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10023021689.html
 
…そうだなぁ。失われた恋について歌った曲を演奏してくれないか?  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10012147663.html
 
GALLERY : THANK YOU FRIEND! 楽曲解説  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10029169067.html
 
伊丹哲也・直撃インタヴュー!(FAKE) VOL.Ⅰ 2006年9月29日  
http://ameblo.jp/badlife/entry-10017767391.html