「プリズン・ブレイク」じゃないから、刑務所に入っているわけじゃないですが、「脱出」するからには何かそういう施設に入っている、という設定は必要なわけで。
今回はブレスリンが警備会社の社長になって、管理職としての立場に。人質救出作戦で身勝手な行動をとって社員を一人クビに。そしてその1年後の事件。若きホープ、シューが幼なじみの警備を引き受けたのがきっかけで一緒に拉致される。この経緯もずいぶん油断してるな、という印象。
そして閉じ込められた監獄が、とてもおしゃれにデジタル化された印象。時々興行として囚人同士のファイトがあるという趣向。でも、これもどこまで本気で戦っているのか、いまいち不明。そもそも、ここに閉じ込められている大多数の人々は下っぱなんじゃないか、そんな印象がぬぐえない。前回も思ったけど、そんなふうにして飼うぐらいならなぜ殺さないのか、非常に疑問。
で、黒幕は結局1年前にクビにした部下キンブラル。最後はブレスリンも拉致して対決。いろんな細工をして内部の構造を把握したり無線で通信したりやりたい放題で大逆転。ブレスリンとキンブラルの一騎討ちでやっつけて終わり。
囲碁を使ったりして、なかなか東洋風味は面白かったですが、結局脱獄のための必要3条件は前回と同じで、内部構造の把握とかもちょっとおざなり。そういうところの形式主義に陥っても先は開けないような。囚人を本気で脱走させないのであれば、もっと個人をちゃんと監視すればたいていのことは予防できてしまうように思えました。
最初、もう少しオカルトっぽい超常現象もありなのかな、とサム・ライミなので思っていたのですが、濃密な人間ドラマになってました。
地道に働いても暮らしの苦しい肥料店のアシスタント、ハンク。妻のサラは身重で間もなく出産。父の墓参りに兄のジェイコブとその友達ルーと行くことに。
そして帰り道に、キツネが前を横切ったことで車が事故に。キツネを追って雪の林の中に入ると、墜落した飛行機を発見。パイロットは死亡していて、見つけたバッグの中には大金が。440万ドル。
堅気のハンクは警察に届けよう、と言うのだけどルーはいただいちゃおうぜ、とノリノリ。ジェイコブもそれに同調。しかたなくハンクは自分が預かるが、誰も引き取り手のない、安全な金だとわかってから山分けしよう、と提案。
サラは最初は盗みはダメ、とか言っているけど実は一番悪知恵がいろいろと出てきて、金は少しだけ戻しておこうと言い出す。その通りにしようとしたところで、キツネを追ってきた老人を、飛行機にたどり着かせまいとしてジェイコブが殴り倒してしまう。息を吹き返したところをハンクが止めをさし、橋から転落した事故として偽装。
そして、ギャンブルで金欠になったルーが約束を破って金をせびりにくる。先行きを案じたサラは、ルーの告白テープを録音して、ゆすりの種にすればおとなしくなるのではと。親友を裏切りたくないジェイコブも、父の農場を買い戻すのに協力する、とハンクが説得。作戦はうまくいくが、だまされたと知ったルーは逆上してライフルを持ち出し、ジェイコブに射殺される。奥さんもピストルを乱射したのでハンクが射殺。
ハンクとジェイコブは口裏を合わせてうまくやりすごすけれど、ジェイコブの自責の念は募るばかり。
そこにFBIがやってくる。飛行機を探していると案内させられることになりアセるハンク。サラが調べるとどうやら元の金を探しに来た誘拐犯らしい。
森の中で犯人と対決して射殺したハンク。だがジェイコブはもう逃亡に疲れ果て、死にたいと。仕方なく実の兄を射殺するハンク。だが本物のFBIの聴取が終わったときに、本物の身代金は番号がわかっているから使えないと判明。暖炉で燃やすことに。
ちょっとした手違いが雪だるま式に膨れ上がって誤算が積み上がっていくようすが、古典的ですがうまくはまっていて、しかも父親の死を巡る事情、家庭の貧困の原因が大学の学費だったとか、兄弟のあいだのわだかまりを巡る人間ドラマとしても繊細に描かれています。これはもっぱらジェイコブ役のビリー・ボブ・ソーントンによるところが大きいでしょうね。サラ役のブリジット・フォンダも最初は清純に見えつつ、実は一番したたかでハンクをあごで使う黒幕ぶりが効いてました。
雪に閉ざされたアメリカの田舎の貧困、そして学のあるものとろくでなしの人生の落差は限りない、そのへんを描くことで一味違うミステリーになっていると思います。
「プリズン・ブレイク」を見た後だとそれほど驚きもしないですが、脱獄をテーマにした、アクションもの。スタローンとシュワルツェネッガーという二人を主役に据えたので想像のつくマッチョなものになっています。
元検察官レイ・ブレスリンは刑務所に入所して脱出可能か検証する仕事を請け負っている。ある時、CIAの委託で最新式の刑務所に入ることになったが、いきなり拉致され、発信機も取り除かれて、どこにいるかわからない。果たして脱出できるのか?という話。
黒幕は身内の裏切りだったり、刑務所の中の有力者ロットマイヤーと知り合ってわりにすぐに打ち解けたり、非常にわかりやすかったり。
脱獄のためのノウハウというものが、割に単純であとは逃げ回ったり撃ち合ったり、というので頭はあまり使った感じがなく、意表をつかれるところはほとんどありませ んでした。
こんなだれもわからない刑務所になんでこんなたくさんの囚人がいるのか、いなくなったことにするなら消してしまえばいいのに、とか、刑務所を監視する側も、案外カメラの数少ないな、とか、なんでこんなに頻繁に相談しているのに気づかないんだろう、とか悪役に小物感が強かったのですが、まあ最後は爆発でおわったからまあいいか、という感じです。
SPYがあまりに面白かったのでポール・フェイグの監督作品をいくつか見てるのですが「デンジャラス・バディ」がやや類型的に見えたのに比べると、キャストがみんな生き生きしていて楽しめました。
アニーはそこそこの美女だけど男運にも仕事運にも恵まれない。ケーキ屋さんを立ち上げたけど、不況で潰れ、共同経営者の彼氏にも振られてしまった。
ずっとつきあってきた親友のリリアンはなんと結婚することに。そこで結婚式のメイン介添人としていろんなコーディネートを頼まれる。ところが結婚相手の職場の上司の奥さんヘレンがなんでも上流階級の財力と押しの強さで一つ上手のアイデアを出してくる。花嫁の介添人何人かと打ち合わせをしても、金欠で庶民的な育ちのアニーはことあるごとに浮いてしまう。
そんなある日、危険運転で捕まった相手のパトロール警官ローズとケーキ屋の過去を話したことからいい雰囲気に。一度はベッドを共にするけれど、パニックして飛び出してしまう。
独身最後のパーティーでも、最初は自分が出したアイデアをことごとくヘレンにパクられたアニーはついにブチ切れ、リリアンとも大喧嘩、結婚式にもくるなと言われてしまう。
ところが結婚式直前になって、ヘレンが血相変えてやってくる。式当日にリリアンが失踪してしまったらしい。慌ててローズの力を借りて居場所を捜し当てるとアパートに引きこもっていた。アニーの説得で結婚式は無事に行われ、ヘレンとも仲直り。ローズともうまくいきそうなところでエンド。
ヘレンという、あとから現れて親友をかっさらっていく存在に対する嫉妬や焦りから平常心を失っていくアニーの気持ちはとてもよくわかり、ことあるごとに虚勢を張るヘレンの意外な素顔も後半明らかになることで気持ちよい解決が見られたんじゃないかと思います。
途中でローズの気を引くためにいろんな無謀運転を繰り返すところとか、すごくおかしいと思いました。
結婚式の余興でまさかの本物のウィルソン・フィリップスが見られて久々にHold Onを聞けたのもお得感がありました。
主役はクリステン・ウィグ。サタデー・ナイト・ライブを中心に活躍を始めたコメディエンヌで、脚本にも参加しています。他に「LIFE」「ゴーストバスターズ」「俺たちダンクシューター」などで大活躍しています。「SPY」のメリッサ・マッカーシーもすばらしい。
「記憶探偵」とキャラがかぶってるなぁ、と思いながら見始めたんですが、途中からこんな神経質な人で医者が務まるのかなぁ、と心配になってしまいました。
娘を亡くした精神科医ピーターが、いろんな人のカウンセリングをしながら、ある日不思議な少女の訪問を受ける。そのうちにその少女はすでに死んでいるということが明らかになり、他の患者たちや、彼らを紹介してくれた恩師も次々と幻影だったことがわかってきます。
ここまで全部妄想だとすると生計がなりたっていないわけで、大丈夫かな、と思ったのはここだけの話。
で、すべてはある日付を指している。それは自分でも抑圧していた記憶。14歳の時に起きた列車脱線事故。故郷にもどりその時いっしょにいた同級生に会って話すと、いまさら旧悪を暴かれるのは御免だと突き放されます。
警察に行って自転車を線路に放置したのが原因だと話すと、担当の女性警官バーバラは当時の被害者の娘。大事にはならないだろうと寛大な態度。しかしこれで悪霊が消え失せるかというとそんなことはなく、さらに抑圧していた記憶まで次第に明らかに。それは、列車には乗っていなかったはずのもう一人の被害者と警官だった父親の意外な正体だった。
後半になって、バーバラとピーターが真相に迫りだしてから、一気にテンポが出てきますが、前半のこけおどしまじりのホラーテイストとピーターの錯乱ぶりがややくどいかなと思いました。また、最後の意外な真相、という部分や、自分の犯罪を隠すためにはなんでもしちゃうピーターの父親って、とちょっと引いてしまう部分もありました。
でも、トータルでは後半に点数を稼いだのでまあまあ楽しめる作品だったかなと思います。
タイトルの「狂っちゃいないぜ」が内容を正確に反映しているかというと、ちょっと微妙ですが、段々おかしくなっていく主人公ニック(ジョン・キューザック)の心理の説明としては当たらずといえども遠からず、といったところでしょうか。
NYの空はJFKとラガーディア、ニューアークと3つの飛行場が近接する密集地帯。航空管制官は空港に発着する飛行機のガイド役として、迅速な判断と的確な指示を出す、エリート中のエリート、というのが本人たちの意識。プレッシャーに負けて去っていく者あり、仕事中のストレスを他で馬鹿騒ぎして発散するものあり。ニックはその中でも能力もプライドも高く、美しい妻とかわいい子どもたちに囲まれて、幸せなはず、だった。
ある日新しく加わった同僚のラッセル・ベルが現れるまでは。
ラッセルはアメリカ先住民の血を引き、独特なクールさと、強引な管制官ぶりで瞬く間にニックの座を脅かすように。ホームパーティーでも異彩を放つ。そしてそこに現れたラッセルの妻メアリー(アンジェリーナ・ジョリー)はその美貌で一同の注目を集める。
ある日、スーパーマーケットで、ニックは泣いているメアリーを発見。ラッセルはバイクで出かけてしまったのだと言う。慰めがてらイタリア料理屋に彼女を誘ったニックは、なんのはずみか、彼女を家まで送るついでに寝てしまう。
妻への罪の意識にさいなまれ、ラッセルの反応が気になるニックは次第に疑心暗鬼になり、そんな時に妻の父が亡くなり、葬儀に立ち会った帰りに、ニックの浮気はバレ、家庭は壊れていってしまう。
そこからは負のスパイラル。帰りの飛行機が着陸が送れたのはラッセルの差し金だと疑い飛行機の中で大騒ぎ、さらに管制室に戻ってラッセルに殴り掛かったところで、管制室が爆破されるという騒ぎが。緊急体制で上空の飛行機を着陸させるためにニックとラッセルが居残りをするけれど、最後のピンチをすくったのはラッセルだった。
完全にプライドと自信を破壊され、ミスを立て続けに犯したニックは自宅療養。職場を辞めたラッセルを追って自分のキャリアを立て直すにはどうしたらいいか、アドバイスを聞きに。すったもんだしたあげく、立ち直ったニックは、妻の乗る飛行機に管制室から語りかける…。
ジョン・キューザックの、自信満々ぶりから転落の様子が楽しめれば、まあ成功と言えるんじゃないでしょうか。ラストの交信のシーンとかは、ベタだけど嫌いじゃないです。職務上、こんなことはしちゃいけないとは思いますが。
ビリー・ボブ・ソーントンのミステリアスぶりもなかなかだったと思いますが、アンジェリーナ・ジョリーが謎。まだこの時点ではキャリア初期で、「ボーン・コレクター」よりも前なので、結構謎な性格設定をされて、しかも無駄におっぱいをさらす役柄。上手に演じているとは思いますが、なんか軽く扱われているような感じがしました。
監督のマイク・ニューウェルはEnchanted AprilやFour Weddings and a Funeralなどが代表作のイギリス人監督ですね。ちょっと知的なブラック・コメディーをねらったんでしょうね。
銀行強盗の実録モノとしては、ピーター・フォーク主演の「ブリンクス」を見たことがあったんですが、それのイギリス版とも言うべき作品。
「ブリンクス」ではもっぱら現金を強奪することだけが目的で、ちょっとした綻びからみんなお縄になって終わる単純な話でしたが、こちらは意図せず盗んだものに王室を巻き込むスキャンダルがあったり、ポルノクラブと警察の癒着があったり、国会議員のポルノビデオがあったりと、攪乱要因がたくさん。そして銀行強盗を追う立場も入り乱れているので、最後までどう決着がつくのか、ドキドキしました。
さえない中古車販売で借金に追われるテリー。そこに幼なじみのマルティーヌが銀行強盗の話を持ちかけます。それまでも悪友たちとちっちゃな悪さはしてきたテリー、心機一転に出直そうと引き受けます。マルティーヌには裏があり、麻薬密輸で捕まったのを見逃してもらうのを条件でMI5のティムから密命を帯びていた。
それは、イギリス版マルコムXの「マイケルX」が持っているとされた英国王女の乱交スキャンダル写真。黒人解放運動というよりはドラッグや暴力組織に近いマイケルXを追い落とすために、銀行の貸し金庫に隠してある写真を手に入れること。
テリーはなにかマルティーヌに裏があると嗅ぎつけますが、計画は進行。チームを組んで、銀行の隣の店から地下トンネルを堀り、貸し金庫に。見事に大金と問題の写真をせしめます。
途中、無線で見張りと交信したのがアマチュア無線に傍聴され、警察も捜査を始めるのだけど、銀行を絞りきれずに犯行は達成。そのあと隠れ家でマルティーヌを問い詰めて真相を知った一同。テリーは一緒に行動するべきだと言うけれど、怖じ気づいた数名はその場を離脱。
デイブはポルノクラブのオーナーに捕まり拷問の末殺されます。ティムと接触して免責の条件は手に入れたテリー。残りの悪党どもとどう渡り合って生き延びられるか?
途中奥さんにマルティーヌとの関係を問い詰められてひるんだり、普通の家庭人としての弱みを見せる芝居とか、なにをやってもジェイソン・ステイサムにしか見えないのは、俳優としての弱点なのかもしれないな、とにやにやしてしまいます。
ラストのアクションでも異様に強いところを発揮して、メカニックか、トランスポーターかと思ってしまいました。
D計画という、MI5やMI6がマスコミの首根っこを押さえて報道させない強権を発動する展開などもあり、やはりどこの国でも、政治闘争で自分の首が怪しくなると政治家というのはなんでもやるんだな、と思いました。
エンドクレジットをみてびっくりしたんですが、脚本がDick Clement と Ian La Frenaisの二人で、このコンビは長年コンビをくんでいて、BBCの社会階級差をテーマにしたシットコムThe Likely Ladsで1960年代から活躍している人たちです。こういう社会派エンターテイメントは得意なんでしょうね。
2000年の映画なので、サイコキラーものとしてはやや古めかしい部類でしょうか。ジェームズ・スペイダーって、キアヌと同世代なんだっけか、とちょっとこの取り合わせが不思議に見えました。あと、マリサ・トーメイが、精神カウンセラーの役柄で出ていて、最初はちょっと生活感のある疲れた感じだな、と思っていましたが、後半になって私服に着替えたらキュートな感じでちょっとうれしかったです。
女性をストーキングして、生活パターンを完全に把握してからピアノ線で首を締めて殺す連続殺人犯。ロスで捜査に失敗してシカゴに引きこもった元FBI捜査官ジョエル。するとなぜか同様な犯罪がシカゴでも起き始め、犯行を予告する写真がジョエルの元に届き始める…。
ターゲットにされる女性の写真をテレビで公開して正体を突き止めようとするのだけど、大きな街で他人への無関心ぶりなのか、いつも一歩犯人に先を越されて殺されてしまう。
そのうち犯人もエスカレートして、ジョエルの主治医を狙って最終決着を、という筋立て。どうも精神分析すると、犯人もジョエルに見てもらうことで満足感を得ていたと。ジョエルはロスで殺された恋人とは不倫関係だったことが後半明かされるのですが、それは別に納得感が増す伏線ではなかったですね。
でもとにかく、最後には先生を助けて、爆発するビルから川に飛び込んで逃れるという危機一髪。犯人は火に巻き込まれて死んでメデタシメデタシ。
ジェームズ・スペイダーって、少し健康的にしたクリストファー・ウォーケンっていう感じですね。キアヌのサイコぶりが、よくやった、という感じなんでしょうか。ちょっと犯罪の種類は小粒だったかも、と思いました。前半で殺される女の子が二人、どちらもキュートで気の毒でした。
ホラーかと思ったら後半は少しSFっぽくなるんですが、結果的には新しいものはないという、安いんだか豪華なんだかわからない映画です。
主人公エイプリルが売りに出ている母の山小屋の写真を撮るために恋人のカイルと旅行に。そこに友人3人が相乗りして馬鹿騒ぎ旅行に。
行った先の山の中で、幼いころに遊んだトラビスおじさん(マイケル・アイアンサイド)と再会したり。
で、嵐になり、近くで何か墜落したと思ったらそれはUFOで、何かが抜け出して歩き回ってるらしい。パニックして小屋に戻ったら窓の外にエイリアンがいるから撃って、逃げよう、となって、車で出たら街に戻る道は倒木が邪魔して通れない、そこに宇宙船が追いついてきて女の子が一人さらわれて。
慌てて走り回ってトラビスの家にいったん避難するけどやっぱり山小屋に戻って、トラビスは結局やられてしまい、若者たちも一人ずつやられていくという。
最後カイルが連れさられたのを悲しんでエイプリルがUFOを呼び戻して、一緒に連れて行かれるけど宇宙船の中で目覚めて、カイルも呼び覚まして再会を喜んだところをエイリアンたちに目撃されて次の瞬間には地上に戻されていた。
なんだったんだろう、と思って人里に降りて人の気配がして助かった、と思ったらまさかのバッドエンド。
元々の縦軸は、カイルにプロポーズされたけどニューヨークでの仕事が決まっていたエイプリルが断ったところから、やっぱりこの人好きだわ、となるまでのストーリーなわけですが、それまでのプロセスがいかにもホラーに出てくるバカな大学生のノリなので、誰にも共感できない時間が長すぎて。
結局、エイリアンが何をやりたかったのか、なぜカイルとエイプリルは選ばれたのか、なぜ意識が回復したのか、など、既存のエイリアンの断片的な情報から踏み込んだものがほとんどなくて、謎めかせて終わっただけでした。
まあ、なにか意外性があったか、というと、いつもの細身のグレイが意外に戦闘力が高い、というところだけですが、アクションシーンをちゃんと見せるわけでもないので、説得力はそこまでではありませんでした。
これはものすごいB級を期待していたら全然違う、ロマンティック・コメディーの佳作でした。
ある日目覚めたらフリオは知らない女の子の家に。外を眺めると空にはUFO。町の人はみんな軍に連れて行かれたと言う。女の子の名前はフリア。で、フリアに気があるのが見え見えのアンヘルというメガネのオタッキーな隣人。
やがてフリアの恋人とおぼしきカルロスもやってきて、このなかの誰かは宇宙人なのでは?という議論に。交代で見張りをしているうちに、フリオはフリアと恋に。邪魔なアンヘル、カルロスを口八丁手八丁でやっかい払いするけれど…。
ちょっとした言葉の雪だるまから事態が収拾のつかない方向に向かってしま う、本人たちにとっては真剣だけれどもはたから見るとおかしい呼吸がなかなかツボです。冒頭の設定から、ほとんど何もわからずにエンディングを迎えるのですが、でもどこかさわやかですがすがしい、そんな一本です。
結局のところ、この宇宙船ってなんだったんでしょうか。それすらわからずじまい。