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子肌育Blog アトピーに負けない生活。

子どものアトピー性皮膚炎治療、スキンケアなどについての正しい知識を、わかりやすくまとめています。

Bill Withers - Lovely Day


こんにちは。橋本です。


今日は、Bill Withers の「 Lovely Day 」を紹介します。


Bill_Withers-Lovely_Day


Bill Withers


Bill Withers(ビル・ウィザース)は、アメリカンドリームにありがちな、「小さいころから音楽ひと筋で成りあがりました」的なアーティストではありません。


音楽とは縁も、ゆかりもない、軍隊や工事現場での仕事で、もともとは生計を立てていたといいます。


それから独学でギターを覚え、30代で遅咲きのデビュー。


「Ain't No Sunshine」「Use Me」「Lean On Me」、そしてサックス奏者 Glover Wahington Jr. との「Just The Two Of Us」とヒット曲の数々を飛ばしています。


Lovely Day


ぬくもりのある歌声は、1977年の傑作アルバム「Menagerie(メナジェリー)」のスタートを飾る曲、「Lovely Day(ラブリー・デイ)」でも、強く印象に残ります。


消耗品になりつつあるポップミュージックをよそに、Bill Withersの音楽、味のあるスタイルは、John Legend などの若手にも引き継がれています。


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「スクワレン」と「スクワラン」って違うの?


こんにちは。橋本です。


健康食品のサプリなんかでは、「スクワン(スクアレン)」というのがあります。


一方、保湿剤に配合される成分で、「スクワン(スクアラン)」というのがあります。


「スクワレン」と「スクワラン」。


英語で書くと、 SqualeneSqualane


微妙に、一文字違うだけですが、じつは別ものなんですね。


スクワラン


スクワレンとは


スクワレンは、さらっとした油状の液体。


はじめにスクワレンを見つけたのは日本の研究者で、サメの肝油から発見しました。


今でも、市販のスクワレンは、サメの肝油から抽出されたものを使っています。


そのため、スクワレンのことをわかりやすく「サメの肝油」とか「深海ザメエキス」といって販売されることもあります。


健康食品ではスクワレンは、「肝機能を高める」「免疫力を高める」「老化を防ぐ」などといわれています。


しかし現時点で、その効果を証明できるデータはありません。


人間の体内でも、肝臓や皮膚でスクワレンが合成されるのは確かですが、その量は微量で、そのほとんどが、さらにコレステロールに変わっていきます。


ほんのちょっと。人間の皮脂にも、スクワレンは含まれています。


スクワランとは


保湿剤に使われるのは、「スクワレン」ではなく「スクワラン」です。


なぜ、スクワレンではいけないのか?


理由は、スクワレンがとても「酸化しやすい」からです。


酸化しやすいと、それだけ肌に刺激を与えることになってしまうんですね。


そこで、「スクワラン」は、スクワレンに水素をくっつけて、酸化しないように工夫したわけです。


そのため、純度の高いスクワランは、無色無臭で、変色しません。


合成スクワランと天然スクワラン


石油由来のものから化学的に合成したもの。


それと、天然抽出したスクアレンに水素を添加したもの。


スクワランには、2つの製造パターンがあります。


石油から合成したものを、合成スクワラン。


サメの肝油から加工したものを、動物性スクワラン。


綿実油オリーブオイルなどから加工したものを、植物性スクワランとよんでいます。


保湿効果は?


スクワランの保湿効果は、データとして公表されているものはありません。


ですが、スクワランは、化学構造でいうと、石油やワセリンと同じ「炭化水素」の仲間。


油脂では、ありません。


油膜を作る力の強いワセリンやベビーオイルなどに、比較的、化学構造が近いのです。


「肌表面に油膜をはって、肌の水分が蒸発しないようにする」


そのパワーは、ほかの植物オイルなどよりは強いはずです。


安定性があり、酸化による刺激が少ない。


そして、さらっとしていて油っぽさが少ない。


保湿力に加え、この2つの点でスクワランは、すぐれた保湿成分だといえるわけで、多くの保湿剤に保湿剤に使われるようになったんですね。


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あまり知られていない保湿剤「プラスチベース」とは


こんにちは。橋本です。


医療の現場でも使われる製品、プラスチベース。


たとえば、アトピー治療なら、保湿剤として使われることがあるんですが、いまいち、世の中で広く知られる存在ではないんですよね。


ですので、ここでは、そのあまり知られていない「プラスチベース」について軽くまとめておきたいと思います。


プラスチベース


プラスチベースとは


プラスチベースは、イギリスのスクイブ社(Bristol-Myers Squibb)が開発し、日本でも1959年と、かなり古くから使われている製品。


液状の「流動パラフィン」に、硬さを与える「ポリエチレン樹脂」を5%加えて、肌に塗りやすいように調製された軟膏基剤(軟膏のベースとなるもの)です。


プラスチベースの95%をしめる「流動パラフィン」。


「流動パラフィン」は、なじみのある製品名でいえば、ベビーオイルそのものです。


そのベビーオイルともよばれる流動パラフィンに、ポリエチレン樹脂を混ぜたものが、プラスチベース。


不透明色の軟膏状で、かすかに独特の匂いがします。


成分の「ポリエチレン樹脂」は、肌に浸透しないのですが、主成分の「流動パラフィン」は、肌へのなじみがよく、浸透していきます。


そこで、プラスチベースの肌への安全性なんですが。


化学的に安定しているので、刺激やアレルギーをおこしにくいといわれ、医薬品の材料としても使われています。


で、大事なのは、どいう役目をしてくれるのか。


保湿剤として使うなら、ワセリンとプラスチベースは、ほぼ同じ役割をします。


肌に油の膜を作り、肌内部の水分の蒸発を防ぐことで、保湿する。


そういうタイプの保湿剤ですね。


プラスチベースだけでは、肌に水分を与えることはできません。


そのため、入浴後など、肌がうるおっているタイミングで塗ると、保湿効果が出やすくなります。


ワセリンとの違い


ここまでみると、「プラスチベースとワセリンって、ほとんど同じじゃないか?」と思う点も多いですね。


しかし、プラスチベースには、ワセリンとあきらかに違う特徴もあります。


そのひとつが、「温度変化」です。


ワセリンは、温度が低いと「硬め」になり、温度が高いと「やわらかく」なります。


温度が上がると、少しずつ溶けるんですね。


それに比べ、プラスチベースは、日常生活での温度変化では、「硬さ」がほとんど変化しません。


のびがよく、肌に密着する硬さ。


それを一定にキープしてくれるわけです。


そして、ワセリンよりも洗い流しやすいのも特徴です。


とはいうものの、プラスチベースの95%をしめる主成分、流動パラフィンは油なので、保湿クリームなどに比べれば、ベタつくのは確か。


しかたありません。


それでも、プラスチベースは、刺激性が少ないという点ですぐれています。


アトピーや乾燥で患部がまだ悪くて、肌のコンディションがよくない。


そういった状態から、ケアをして、いい状態にもっていく時期には、刺激のリスクが少ないプラスチベースなどの保湿剤が向いています。


また、ワセリン系のものを使っているけど、「どうも合わない」という場合は、選択肢として「プラスチベース」を試してみるのもありですね。


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アトピーには「縦糸」と「横糸」がある


こんにちは。橋本です。


アトピーは、原因が複数にわたる病気です。


これって、本当に当たり前のことなんですけど、つい忘れてしまうことがあります。


原因が1つの病気もある


たとえば、「おたふくかぜ」は、ウイルスが原因です。


「あせも」なら、汗が原因の病気。


「花粉症」は、花粉が原因です。


こういった病気は、それぞれ原因が1つの病気。


だから、「原因となるもの」がなくなるように対策をすれば、あきらかに症状は軽減していくはずです。


縦糸と横糸


これに対してアトピーは、原因が複数にわたる病気。


布地にたとえることができます。


縦糸が「体質」だとしたら、横糸は「環境」といったところ。


色の違う無数の糸を編んでできた布地をみると、「ああ、アトピーだよな」とわかるわけです。


だから、糸一本を見て「これが原因だ」と思って、糸を抜いたところで、布地自体が変わらない、ということが多々あります。


原因を1つに突き詰めても、なかなかうまくいかないんですね。


「アトピーの原因は、○○だった!」とか、そういったことで解決する単純な話ではありません。


アトピーという布地をよく見て、まずは病気の特性を知る。


そして、時間をかけて、縦糸、横糸をゆっくりほぐして、できる範囲で対処していく。


パーフェクトにやろうとせず、ゆっくり気張らずにやるのがいいのかなー、と思います。


アトピーは布地のようなもの


良くなる波、悪くなる波


アトピーは、何もしなくても「良くなったり」「悪くなったり」を繰り返すのが、特徴の病気です。


なので、生活の中で何かを工夫してみたりした時なんかは、注意がいります。


アトピーの調子が変化する中で自然におこる「良くなる」波。


何かケアを改善してみた時が、たまたまその波に乗ると、「あっ、これが原因だったんだ」と強く思ってしまうことがあります。


原因が複数にわたるアトピーなのに、原因が1つだと錯覚してしまうんですね。


そうすると、「3つの柱をバランスよくやる」という、アトピー治療の基本を忘れてしまいます。


参考記事:
アトピー治療の基本


食物アレルギーの例


たとえば、食物アレルギーが肌に出やすい場合に、「原因を突き詰めてしまう」パターンになってしまうことも。


食物アレルギーをおこしている原因の食べ物をやめたら、肌がツルッときれいになる。


たしかに、そういうことは多々あります。


しかし、食物アレルギーとアトピーは、別の病気。


アトピーの原因は、「食物アレルギーだけ」ではありません。


そこで、アトピーのケアを変えて、「食事のみ」にケアを集中してしまうと、症状のぶり返しにつながってしまうことも考えられます。


これは、ダニ、洗剤、ペット、空気の乾燥、カビなどなど、あらゆる悪化因子に対してもいえることです。


ゆっくり時間をかけてほぐす


原因が複数にわたる病気なのが、アトピーです。


アトピーという布地の縦糸、横糸をゆっくり時間をかけてほぐす。


そして、じっくり見ながら、できる範囲でケアをしていく。


そうしていくうちに、気がついたら、布地がアトピーでなくなるように目指すのがベストです。


あいまいなチェックで「原因を突き詰めてしまう」ような、焦り(あせり)は禁物(きんもつ)です。


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「ベビーオイル」ってどうなの?


こんにちは。橋本です。


「保湿剤として、ベビーオイルって正直、どうなんだろう?」


結論からいうと、使用感、保湿力、安全性、コスパなど、総合的にみると、ベビーオイルは保湿剤として、すぐれています。


とくに、ベビーオイルは、液状なので広い面積を塗りやすいですよね。


ただ、やはりどんな保湿剤にもいえることですが、使う人の状況、好み、肌のコンディションなどによって、「いい保湿剤」にもなったり「ダメな保湿剤」になったりもします。


では、ベビーオイルの場合は、どんな時に向いていて、どんな時に向いていないか?


ここで、少し詳しくみていきますね。


ベビーオイル


ベビーオイルとは


ベビーオイルは、正式には「流動パラフィン」とよばれています。


ミネラルオイル、ミネラルホワイトオイル、ヌジョール 、白色鉱油、水パラフィン。いろいろある名前も、すべて同じ「流動パラフィン」のことを指しています。


ベビーオイル流動パラフィンミネラルオイル


すべて同じものです。


流動パラフィンは、石油から精製して作られます。


石油から作られていると聞くと、「えっ、体に毒じゃないの?」って思う人もいます。


それも、素朴な感想だと思います。


でも、流動パラフィンは、化学的にとても安定していて、酸化しにくいため、皮膚にとって、じつは安全で刺激が少ないんですね。


現在、日本で製造されている流動パラフィンはとくに、不純物が少なく安全性が高いといわれています。


そのため、医薬品、化粧品の成分にも、よく使われています。


肌をフタする能力は優秀


ベビーオイルには、肌に水分を与える能力はありません。


「肌の表面に油の膜をはることで、肌内部の水分が外に逃げないようにする」


ベビーオイルは、そういったタイプの保湿剤です。


つまり、保湿するメカニズムは、「ワセリン」と同じ。


で、意外なのが、このワセリンと流動パラフィンの保湿能力を比較したデータをみると、ワセリンの9割以上に迫る保湿能力があるんですね。 *1, 2


ただし、このデータは、肌の同じ面積に、同じ量塗った状態で測定したデータ。


粘りのあるワセリンに対して、流動パラフィンは液状なので、ふつうに肌に塗ると、塗った量は、あきらかに流動パラフィンのほうが少なくなりますよね。


塗りのばしてしまうので、どう考えてもたっぷり塗ることはできません。


その点からみると、現実には、ワセリンと流動パラフィン(ベビーオイル)の保湿能力は、「同じくらい」とは、言いがたい、ということになります。


「肌内部の水分が外に逃げないようにする」能力を求めるなら、やはりワセリンのほうに、軍配があがるわけです。


しかし、液状の保湿剤と比較すると、ホホバオイルの3倍近く、オリーブオイルの4.8倍近く、肌から水分を逃さないというデータが出ています。 *1, 2


つまり、液状のもの、オイル状のものの中では、ベビーオイルが群を抜いて、肌に水分をとどめる力は強いわけです。


デメリット


「肌にフタをする能力が高い」


ベビーオイルの、そのメリットは、裏を返せば、「体の熱を閉じ込めやすい」ということにもつながります。


体の熱を閉じ込めてしまうと、子どもによっては、それが「かゆみ」につながってしまうことも考えられます。


「塗った保湿剤で体が温まって、患部をかいてしまう」


そういったケースでは、「ワセリン」「プラスチベース」「ベビーオイル」以外のものにしたほうがいいかもしれません。


あともう1つ、「ベビーオイル」が合わない場合があるとすれば、「刺激」です。


基本的に、ベビーオイルは、低刺激です。


酸化や変質をおこしにくいですし、不純物もほとんどないので。


しかし、肌に浸透しやすいので、人によっては、それが刺激につながることがあるかもしれません。


そういうケースでは、肌に浸透しないワセリン。


さらに低刺激を求めるなら、ワセリン系の中でも、より不純物の少ない「プロペト」「サンホワイトP-1」などのほうがいいですね。


そして、ベビーオイルは、どうしてもベタつきがあり、服も汚れてしまいます。


そのため、長く使い続けるには、少し向いていない面もあります。


肌の症状が、だいぶ落ち着いてきたら、より使用感のいい「クリーム」「ローション」などの保湿剤に切り替える。


そういう選択もありですね。


より低刺激なものにしたい・・・
→ 「プロペト」「サンホワイトP-1」(不純物の少ないワセリン)


体に熱がこもらないようにしたい・・・
→ 「ワセリン」「プラスチベース」「ベビーオイル」以外のもの


症状が落ち着いてきた・・・
→ より使用感のいい「クリーム」「ローション」タイプなどのもの


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参考文献:

1) 西山 聖二, ほか: クリームによる皮膚水和の研究: O/Wクリーム成分の皮膚水和に与える影響, 日本化粧品技術者会誌 16: 136-143, 1983.

参考データ:

2) 水分閉塞能(occlusivity): ワセリン 93.8, 流動パラフィン 86.0, ホホバ油 29.0, オリーブ油 18.0: 単位[(H2Og/cm2/hr)-1・g-1].