皮脂腺(脂腺)で作られる
皮脂は、皮脂腺(脂腺)で作られます。
人間の皮膚には、毛穴がありますよね。
その毛穴は皮膚の中で、長い毛を包むように袋状になっています。
その袋の上から3分の1のところに、つながってくっついている袋。それが皮脂腺です。
皮脂腺は、多角形の細胞が集まって、ちょうどぶどうの房のような形でできています。
一部には、毛穴に付属したものではなく、直接、皮膚の表面につながっているものもあります。
皮脂腺は、体の場所によって違う
皮脂腺は、体一面に均等にあるものではなく、体の場所によって数が違います。
頭がいちばん多く、次に顔。
そして、胸や背中。わき。股などに、多く皮脂腺が集まっています。
赤ちゃんが脂漏性湿疹になりやすいのも、顔に皮脂腺が多いためなんですね。
そして、皮脂腺は中心部に集まりやすいのも、ひとつの特徴。
顔の中でも、一般的に「Tゾーン」とよばれる、額や鼻すじがテカリやすいのも、そのためです。
皮脂は油分
皮脂腺から分泌される皮脂は、油分です。
つまり、水分をはじきます。
油成分である皮脂が皮膚表面に出るため、角層中の水分の蒸発がおさえられます。
季節で分泌量が違う
皮脂は、1日に1~2g分泌されますが、分泌量は年齢や性別、湿度や気温に左右されます。
気温が高くなる夏は、皮脂の分泌量が増えます。
反対に、寒くなる冬は、皮脂の分泌量は減ってくるんですね。
それもあって、冬はより肌がカサカサしてくるわけです。
食事内容で分泌量が変わる
皮脂腺が皮脂を作るのに、血液の成分が使われます。
とくに、血液中の糖分や脂肪分を取り込んで、皮脂が作られます。
そのため、甘いもの、油っこいものを多く食べると、皮脂の分泌量が増えることがわかっています。
皮脂の分泌が多いとニキビができやすくなります。
なので、ニキビができるようなら、「甘いもの、油っこいものを控えましょう」とよくいわれるんですね。
皮脂の役割
では、皮脂はなんのためにあるんでしょうか?
それは、髪や肌を保護するため。
皮脂が薄くコーティングすることで、髪、肌を保護して、うるおいが逃げるのを防ぐんですね。
肌は汚れとともに皮脂を洗い落としても、皮膚が正常なら、またすぐに皮脂が分泌されます。
しかし、髪の場合。長ければ長いほど。
髪にコーティングされた皮脂を、シャンプーで洗い落としてしまったら、どうでしょうか?
再び、皮脂が髪をカバーすることはありませんよね。
髪から落ちた皮脂の役割を補う。
それが、リンス、トリートメント、コンディショナーなどを使う目的なんですね。