「スクワレン」と「スクワラン」って違うの?
こんにちは。橋本です。
健康食品のサプリなんかでは、「スクワレン(スクアレン)」というのがあります。
一方、保湿剤に配合される成分で、「スクワラン(スクアラン)」というのがあります。
「スクワレン」と「スクワラン」。
英語で書くと、 Squalene と Squalane 。
微妙に、一文字違うだけですが、じつは別ものなんですね。
スクワレンとは
スクワレンは、さらっとした油状の液体。
はじめにスクワレンを見つけたのは日本の研究者で、サメの肝油から発見しました。
今でも、市販のスクワレンは、サメの肝油から抽出されたものを使っています。
そのため、スクワレンのことをわかりやすく「サメの肝油」とか「深海ザメエキス」といって販売されることもあります。
健康食品ではスクワレンは、「肝機能を高める」「免疫力を高める」「老化を防ぐ」などといわれています。
しかし現時点で、その効果を証明できるデータはありません。
人間の体内でも、肝臓や皮膚でスクワレンが合成されるのは確かですが、その量は微量で、そのほとんどが、さらにコレステロールに変わっていきます。
ほんのちょっと。人間の皮脂にも、スクワレンは含まれています。
スクワランとは
保湿剤に使われるのは、「スクワレン」ではなく「スクワラン」です。
なぜ、スクワレンではいけないのか?
理由は、スクワレンがとても「酸化しやすい」からです。
酸化しやすいと、それだけ肌に刺激を与えることになってしまうんですね。
そこで、「スクワラン」は、スクワレンに水素をくっつけて、酸化しないように工夫したわけです。
そのため、純度の高いスクワランは、無色無臭で、変色しません。
合成スクワランと天然スクワラン
石油由来のものから化学的に合成したもの。
それと、天然抽出したスクアレンに水素を添加したもの。
スクワランには、2つの製造パターンがあります。
石油から合成したものを、合成スクワラン。
サメの肝油から加工したものを、動物性スクワラン。
綿実油、オリーブオイルなどから加工したものを、植物性スクワランとよんでいます。
保湿効果は?
スクワランの保湿効果は、データとして公表されているものはありません。
ですが、スクワランは、化学構造でいうと、石油やワセリンと同じ「炭化水素」の仲間。
油脂では、ありません。
油膜を作る力の強いワセリンやベビーオイルなどに、比較的、化学構造が近いのです。
「肌表面に油膜をはって、肌の水分が蒸発しないようにする」
そのパワーは、ほかの植物オイルなどよりは強いはずです。
安定性があり、酸化による刺激が少ない。
そして、さらっとしていて油っぽさが少ない。
保湿力に加え、この2つの点でスクワランは、すぐれた保湿成分だといえるわけで、多くの保湿剤に保湿剤に使われるようになったんですね。