子肌育Blog アトピーに負けない生活。 -34ページ目

子肌育Blog アトピーに負けない生活。

子どものアトピー性皮膚炎治療、スキンケアなどについての正しい知識を、わかりやすくまとめています。

「使った薬の量」を正直に伝えてますか?


こんにちは。橋本です。


アトピーの治療は、「薬がすべて」ではありませんが、薬の使い方次第で、日頃のケアが楽になることもよくあります。


そこで、再診を受ける時。


お医者さんに「使った薬の量」を正直に伝えていますか?


診察の時に、前回より症状が良くなっていない。


そうすると、おそらく先生は、「薬が効いていないのかな」「薬を正しく使っていないのかな」。


それをまずは、確かめるかと思います。


「どんなふうに薬を塗ってましたか?」と聞いてくるはずです。


医師とのコミュニケーション


治療が混乱しないためには


「先生に言われたとおりに塗ってません」とは、なかなか言えません。


しかし、ここで大事なのは、「どんなふうに薬を使っていたか」、正直に伝えることです。


もし、薬を塗ってなかったのに、「毎日塗ってました」と伝えてしまったら。


お医者さんは、どうするでしょうか?


「これじゃあ、薬が弱かったのかな」と思って、次はより強い薬を出すかもしれません。


違う薬に変えるかもしれません。


これだと、実際と薬が合わなくなってくるので、治療が混乱してしまい、わかりにくいものになってしまいます。


お医者さんの方針と、患者さんの方針に、ますます大きな開きができてしまうわけです。


お医者さんが指示したとおりに薬を使うことができなかった。


そうした場合に、「塗っていません」と正直に伝えるのは、とても勇気のいることです。


怒られるのが、目に見えてますからね。


しかし、思っていること、感じていることを素直に、手短に伝えること。


これって、大事です。


面倒なので

つい忘れてしまって

副作用が怖くて

塗ったら逆に悪くなってる気がして


どんな理由で、指示通りに薬を使わなかったかを素直に話したほうが、その後が楽です。


その一瞬は、嫌な思いをしますが。


きちんとしたお医者さんなら、患者さんの思いを聞いた上で、説明をしたり、治療方法を考えたりしてくれるはずです。


治療がうまくいっていない時こそ


ある程度、アトピーの症状が落ち着いていれば、お医者さんとのコミュニケーションがうまくいかなくても、大きな問題にならないかもしれません。


しかし、症状がコントロールできない状態での「コミュニケーションのすれ違い」は、治療を難しくしてしまう元にもなります。


お医者さんが気持ちよく診察できるように、気を使うことも大切です。


それと、現状を正確に伝えるか、正直に伝えるか、素直に気持ちを伝えるか、というのは、また話が別です。


治療がうまくいかないときこそ、お医者さんとぶつかることを恐れず、薬の使用状況は、正直に伝える。


そうしたほうが、長い目で見ると、スムーズに治療が進むわけです。


参考記事:
きちんとした先生に子どものアトピーを診てもらいたい


関連記事:

世界からみた「日本のステロイド外用薬」の違い

顔をコロコロするローラーは効果あるのか?

アトピーはどれだけ遺伝と関係あるの?

「化粧品」と「医薬品」は、なにが違うの?


こんにちは。橋本です。


美容、スキンケアなどに使うアイテムは、「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」に分類されて販売されています。


でも、化粧品と医薬品って、いったい何が違うんでしょうか?


違い:化粧品と医薬品


「治療・予防目的」か、「美容目的」か


化粧品、医薬部外品、医薬品の取り扱いを定めている法律。


いわゆる「薬事法」では、化粧品を次のように定義しています。


薬事法第2条第3項:

化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう


なんだか、難しい表現でわかりにくいですが。


「医薬品」は、病気を予防したり治療したりするもの。


それに対して、「化粧品」は、身なりをきれいにしたり、皮膚をすこやかにキープするもの。


使う目的が、「治療・予防」か、「美容」か。


カンタンにいえば、そんな違いです。


そして、副作用についての考え方も、化粧品と医薬品では、大きく違ってきます。


「医薬品」は、病気を治すことが第一目的なので、軽い副作用があったとしても許されます(ただし、製造の品質基準は厳しいです)。


それに対して、「化粧品」は、毎日使っても副作用が出ないもの。


体に対しての作用がやさしいこと、が重要になってきます。


つまり、化粧品は、健康な肌に毎日のように使用されてもOKなもの。


体に強い作用をおよぼさないものでなければいけません。


さらに、化粧品は、表示できる効果効能の表現が、薬事法によって厳しく制限されていることも、医薬品との大きな違いです。


保湿剤の価値は、線引きできない


と、制度的に分類されているものの。


保湿剤に関しては、「化粧品」「医薬品」の線引きが、現実的に難しい部分があります。


どういうことかというと。


化粧品は、皮膚をすこやかに保つもの。


しかし、乾燥肌やアトピーでは、「皮膚をすこやかに保つこと」も治療、予防につながることになります。


保湿ケアでは、「治療=美容」となってしまうわけです。


実際に、「医薬品」として使われている保湿剤が、必ずしも「化粧品」として販売されているものより、すぐれているとは限りません。


症状や個人差、時と場合、好みなどによって、どの保湿剤がいいのかも変わってきます。


「保湿剤は、医薬品のほうがいい」とか、「化粧品のほうがいい」とか、カンタンにはいえないわけです。


「化粧品」は、効果効能の表現できる範囲が厳しく制限されているので、判断基準がより難しいところがあります。


場合によっては、アピールポイントを説明して「これがいい」と表現しただけでも、薬事法的にはアウトなのです。


現実的には、保湿剤に関して「医薬品」「化粧品」の分類にはあまり意味がなく、それぞれの保湿剤の特性を知って選ぶことが大事。


合うか合わないかは、使ってみなければわからない。


それが実際のところです。


参考記事:
ヒルドイドは長く塗り続けても安全なの?


関連記事:

保湿剤はクリームがいいの?ローションがいいの?

「ラノリン」という保湿成分

尿素配合の保湿剤は、ぶり返しをおさえるか?

保湿剤の「ザーネ軟膏」ってどうなの?


こんにちは。橋本です。


病院でアトピーの治療に使われる保湿剤には、いくつか種類があります。


「ザーネ軟膏」も、そのうちのひとつです。


保湿剤:ザーネ軟膏


ビタミンAが有効成分


ザーネ軟膏の有効成分は、「ビタミンA」。油に溶けるビタミンで、レチノールともよばれます。


1gに5mg、0.5%のビタミンA油を配合しているのが、ザーネ軟膏です。


ザーネ軟膏は、動物実験で、角質組織が硬くなるのをおさえる効果が認められたため、医薬品に分類されています 1)


皮膚が硬くなる、いわゆる「角化症」の治療にも使われ、アトピーの治療に使う場合にも健康保険が使えます。


さらっとした使用感


どうしても、「軟膏」というと、ベタついたイメージがあるかと思います。


しかし、ザーネ軟膏は、名前に「軟膏」とついていながら、性質は「クリーム」タイプです。


クリームタイプの中でも、水中油型(o/w)といって、より「さらっとした」、のびのよい性質のものです。


成分の配合内容も、細かく工夫されていて、さっぱりして使いやすいクリームになっています。


ザーネ軟膏:さらっとした使用感


注意点


旧表示指定成分として、「ジブチルヒドロキシトルエン」「セトステアリルアルコール」「パラベン」が含まれています。


そのため、子どもによっては、刺激を感じたり、アレルギーをおこすことが、まれにあるので、かぶれには気をつける必要があります。


また、酸化防止剤として、「ブチルヒドロキシアニソール」が配合されています。


この成分は、「BHA」とよく略されるんですが、国際がん研究機関 (IARC) による発がん性リスク評価で「ヒトに対する発がん性が疑われる」として、リストの「Group2B」に記載されています。


はっきりと「発がん性がある」と、わかっているわけではありません。


しかし、「安全が疑わしいものは、なるべく使わない」という世の中の流れから、「BHA」を配合する化粧品が減りつつあるのが現状です。


そのため、今後、ザーネ軟膏についても、配合内容が変わることがあるかもしれません。


また、ドラッグストアやネットで市販されているもので、医薬品の「チョコラ ザーネプラス」、医薬部外品の「ザーネクリーム」というのもあります。


同じ「ザーネ」という名前がついていますが、これらは有効成分も含め、配合内容が「ザーネ軟膏」と、まったく違います。


つまり、どんな場合に向いてるの?


水中油型のクリームタイプであること。


それから、配合成分からみて、皮膚の状態がひどい時には、「ザーネ軟膏」は、あまりおすすめしません。


刺激やアレルギーなどで、かぶれるリスクがあるためです。


そして、使ってみるとわかるんですが、かなりさらっとして使い心地がいい保湿剤です。


そのため、皮膚の軽い、ガサガサ、カサカサ程度なら、とても使いやすいクリームだと思います。


ただ、安全性に敏感で、「少しの危険性も許さない」という場合には、「BHA」が配合されていることがネックになりますね。


関連記事:

湿疹のあとが黒くなるんだけど?

ヒアルロン酸ってなに?

悪化を未然に防ぐ発想「プロアクティブ療法」とは

参考文献:

1) Ohkawara A, et al:Experimental hyperkeratosis. Effects of topical Vitamin A ointment in vivo. J Dermatol 5(1): 9-14, 1978.

ステロイド外用薬の副作用「皮膚萎縮線条」とは?


こんにちは。橋本です。


アトピーを治療するのに、ステロイド外用薬はとても便利な薬です。


しかし、ステロイド外用薬は、炎症をすみやかにおさえてくれる反面、様々な細胞にはたらきかけることによって、副作用が出ることもあります 1, 2, 3, 4, 5)


「皮膚萎縮線条」も、そのような副作用のひとつです。


実際の症例写真:皮膚萎縮線条


ただし、この副作用も、診察を受けながら正しく薬を使えば、防げる症状です。


皮膚萎縮線条とは


子ども高齢者で比較的出やすいといわれる副作用に、皮膚萎縮というのがあります。


皮膚萎縮は、「表皮」「真皮」の部分が薄くなることでおこります。


これがさらに、「真皮」の組織の分離、断裂がおこると、「皮膚萎縮線条」があらわれます。


「線条」というのは、「すじ」という意味。


皮膚が薄くなっているところに、ひび割れのような「すじ」ができます。


はじめは、赤紫色にすじが盛り上がり、そのうち平らになって色は抜けるものの、すじは残ります。


この現象は、思春期に出やすいとされています。


表皮と真皮


ステロイド外用薬だけが原因ではない


なぜかというと、急激な成長によって、皮膚の薄い部分が引っ張られやすいからです。


いわゆる「妊娠線」も、急に大きくなる「おなか」に皮膚が引っ張られて、真皮に断裂がおこる現象。


なので、「皮膚萎縮線条」も「妊娠線」に少し、見た目が似ています。


このような「すじ」は、ステロイド外用薬を使っていなくても、思春期の子ども。


もしくは、体重が急激に増えたり減ったりした時に、出ることがあるといわれています。


強いステロイド外用薬を長期に使っていると、それがさらに出やすくなることもある、というわけですね。


出やすい場所


「皮膚萎縮線条」は、皮膚が薄くやわらかくて、日頃の動作によって、皮膚が伸ばされる場所。


たとえば、


わきの下

足のつけ根

太もも


などに、出やすいとされています。


「皮膚萎縮線条」は、皮膚の深い部分の「真皮」の組織が断裂しておきるので、いったん、できてしまうと、回復するのが不可能に近いといわれています。


回復しにくい皮膚萎縮線条を防ぐために


「皮膚萎縮線条」に、なってしまってからでは遅い。


つまり、「皮膚萎縮線条」にならないようにすることが大切です。


「皮膚萎縮線条」を防ぐには、皮膚が伸ばされやすい場所へ強いステロイド外用薬を長期使用しないこと。


もし使う場合でも、お医者さんに皮膚をみてもらい、いちはやく異常に気づいてもらえば、「皮膚萎縮線条」は防げます。


そのためには、ステロイド外用薬を使っている間は、定期的な診察を心掛けたいですね。


参考記事:
ステロイドを1日おきに塗っています


関連記事:

小さなブツブツが「貨幣状湿疹」になることも

痒疹(ようしん)という「かゆーい」ボツボツ

目次: ステロイド外用薬の使い方

参考文献:

1) Schopf E: Adverse effects of external corticosteroid therapy. Hautarzt 23: 295-301, 1972.

2) Griffiths WAD, Wilkinson JD: Textbook of Dermatology, Unwanted effects of topical steroids. Blackwell Scientific Pub., Oxford: 3072-3076, 1992.

3) 幸田 弘, 福田英三, 日野 由和夫, 占部治邦: ステロイド外用剤による副作用. 西日皮 40: 177-187, 1978.

4) 武田克之, 荒瀬誠治, 永井 隆: ステロイド外用剤の使用法. 日本医事新報 3313: 3-10, 1987.

5) 古賀哲也, 古江増隆: ステロイド外用剤と抱える問題. Mon Book Derma 54: 86-90, 2001.

好酸球(こうさんきゅう)とは?…血液検査の読みかた


こんにちは。橋本です。


アレルギーの血液検査で、結果をみると好酸球(こうさんきゅう)という項目が測定されている場合があります。


この好酸球。


アトピーの診断でも、この項目については、あまり話がおよばないことが多いです。


それには、それなりの理由があるんですが。


その点もふまえて、「好酸球とは何か」をまとめておきますね。


好酸球数:多い好酸球数:正常


 


アレルギー反応で増える好酸球


アレルギー反応で、体に炎症がおこる。


そうすると、血液に「好酸球」というものが増え、炎症部分にも多くなることが知られています。


血液の成分は、血漿(けっしょう)赤血球白血球血小板などで構成されています。


その白血球の1つが、「好酸球」です。


「好酸球」は通常なら、白血球の2~5%を占める程度なんですが、アレルギー反応がおこっていると、それ以上に増加することも多いんですね。


白血球数の基準値が約3,500~9,000/mm3なので、そのうち好酸球が2~5%となると、おおよそ70~450mm3が基準値内だと考えられます。


好酸球数(基準値)

2~5%(70~450mm3


ただ、この基準値というのは目安で、「基準値から外れれば、それだけで異常」というわけではありません。


検査方法や数値のとらえ方によって、好酸球数の基準値を2~7%とする場合もあります。


ぜんそくなどがある場合でも、「好酸球数」が増えるケースが多いです。


そして、アトピーの症状がひどくなる場合では、好酸球数が20%をこえるケースもあります。


 


アレルギーだけが原因とは限らない


好酸球数の増加は、アレルギーやアトピーなどが原因でおこるのが、もっとも一般的です。


しかし。


寄生虫の感染、さらには、臓器・消化器・血管の異常、悪性腫瘍などでも、好酸球数が増えることがあります。


また、アトピー以外の皮膚障害でも、好酸球数が増えることもあります。


つまり、検査結果で「好酸球」の数値が高いからといって、アトピーだとか、重症だとか、単純にはいえないわけですね。


 


好酸球数は、あくまでも参考データ


ですから、好酸球数によって、アトピーの診断を決めたり、アトピーの治療方針を変えることはありません。


診察でも、「好酸球」の数値については、あまり話がおよばないのもそのためです。


アトピーの診断、経過をみるのに、いちばん大事なもの。


それは、皮膚そのものの状態です。


検査の数値ではありません。


皮膚をみるトレーニングを積んだお医者さんに、肌を見て触ってもらうことが、やはり重要なんですね。


好酸球数は、正しいケアを続けて、肌をいい状態にキープしていけば、素直に減っていくことも多いです。


半年単位などの血液検査で「好酸球」も測ってもらう。


そして、減った数値を見て、日頃のケアのはげみにする、というのならデータの使い方としてありですね。


好酸球数は、あくまでも参考データです。


ただし、最近では、血液検査の項目でも、TARC値(ターク・ち)は炎症の強さに比例しやすいことがわかってきています。


参考記事:

アレルギーの血液検査: TARC値とは?


 


 


 


関連記事:

猫の「毛」だけがアレルゲンではない

きちんとした先生に子どものアトピーを診てもらいたい

「ダニを増やさないようにする」をイメージでつかむ