『スターシップ・トゥルーパーズ2』を観ました。

地球人類とバグの戦いは未だ決着は付かず、機動歩兵隊B中隊は惑星Pでの戦闘で劣勢を強いられていた。
シェパード将軍より撤退の命令を受けた超能力将校のディル中尉は隊を率い、バグの大群から逃れながらも前哨基地に避難する。
基地内に人影はなく、連邦の英雄とまで呼ばれたダックス大尉が上官殺しの罪で監禁されているだけだった。
バグの大群に取り囲まれ苦戦を余儀なくされる中、サハラ二等兵はダックスを解放。ダックスの的確な判断でバグを一網打尽にする。
その後、シェパード将軍が生き残った3人の部下とともに隊に合流、艦隊との連絡も付き、あとは救助を待つのみ。
しかし、シェパードが連れてきた3人に異変が起き始め……といったお話。
要約すると、籠城した基地内でバグと戦う兵士たちを描いたお話です。
その名の通り、『スターシップ・トゥルーパーズ』の続編なんですが、いざフタを開けてみれば……何スか、コレ?
本作の世界で最も兵士の頭数が多いのが機動歩兵のようだし、前作の主人公リコが属していた隊はその中の一部だろうから、それとは別の隊の話にスポットを当てるのは分かるんですよ。密室劇調にするのも、まぁセーフだと思うんです。
ただ、新しいバグの戦法(?)に関してはドッチラケすぎました……エイリアンごっこなんか、よそででやってくれよ。
…が、冷静に考えてみると、そんな可能性が決してゼロではなくて。
本作の敵は“バグ”と呼称されるように、地球上で言うところの“虫”に酷似した外観である事から、行動が実に本能的だし、地球上の虫が進化した姿として捉えがちです。
そんな虫ごときの知能で地球人とコミュニケーションなんか取れるわけないじゃん!と豪語したいところですが、この考えが浅いんでしょう。
前作におけるバグの習性の一つとして、人間の脳を抜き取るという行動がありました。人間を知ろうとしてるんじゃないかと推察するようなセリフもありましたしね。
これがようやく功を奏し、ああいう手段を以て地球人に被害を与えるレベルに到達=心理戦ができるようにまで進化したんじゃないかと。
文明や科学の力もなしにどうやって?とも言いたくなりますが、そこは無限に広がる宇宙の神秘。このような地球レベルの奇跡を常に起こせる星が一つくらいあっても不思議ではないのです……と思い込んで、先のようなドッチラケを解消します…。
機動歩兵を主役に置いているので、超能力将校とされるディル中尉の存在は浮いています。
汗や泥や血で汚れながら戦う機動歩兵とは反対に、統率や規律ばかりを気にしすぎて、戦場ではあまり役に立たないガリ勉タイプのイメージ。
格上のシェパード将軍が、銃を持って戦う兵士ファーストな考え方をする立場にある人ってのも、ディルの小悪党っぷりを際立たせます。上官にはへつらい&部下には厳しく当たる、クズ中間管理者の典型です(笑)。
こういうキャラの結末はお察しの通りですが、単なるイヤミな上官だけではないんですよね。サハラやダックスに妬みや誤解の心情を吐露するシーンは、こんな奴にも人間味があると思わせる良いシーンですね。
本作最大のストレスは、何しろ画面が暗い点にあります。
冒頭のバグとの戦闘シーンはキャラ紹介みたいでありがたいんですが、画面が暗くて顔の判別が付かないんですよね。
夜間のシーンに始まり、主な舞台になる前哨基地に移っても、基地内の電源が故障してるとか、劇中のキャラのみならず、観ているこっちまでガッカリしますよ(笑)。照明が点くようになっても大して明るくならないし。
サハラがダックスに朝食を運んでくるシーンがありますが、朝でも外は真っ暗なんだから困ったものです。前作の惑星Pはあんなに晴天だったのに…。
前作からガラッと変わったせいで、もはや別物と化す続編は多々あり、本作もそんな例に含まれる作品でしょう。
ただ、軍国主義の世界であるのは相変わらずという点は良かったですね。前作も今作も、作品自体がそれを反映した巨大なCM映像と思わせる作風とかね。
ラストカットでサハラが見せる嫌悪感丸出しの表情とか、そりゃそうだよね、と。
…とまぁ、あまりにも毛色が変わった今作は、もちろんのごとく(笑)低評価が下されていますが、続編である事を抜きにすれば、スリル&サスペンス要素を多分に含んだホラー映画として、それなりに楽しめる系の作品じゃないかな。
『~2』というナンバリングを避け、外伝的な作品とすれば世間の評価ももう少し上がったかも…?
寄生された3人が行動を始めるあたりから一気に緊迫感が高まり、本作はここからが本番です。中でも、寄生されたレイク軍曹(演じるのは前作でデラディエ艦長も演じたブレンダ・ストロングさん)がホートン二等兵に包丁を振り下ろすシーンは慄然! そこまでやっちゃうからホラー映画になっちゃうんだよ(笑)!
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シリーズとして最後まで付き合うつもりなので、俺ッチは↑3番目の、『~2』と『~3』が一緒になったセットを買いました。
こちらは安い分、映像特典は一切ナシというガッカリ仕様です。
廉価版として発売するために映像特典を削ぎ落とす=わざわざ内容を変えてまで作り直すのがソニー商法だよね。いじましいったらありゃしない。
ついでに言うと、やけに画質が悪いのが気になります。Blu-ray製品でここまで横線ノイズ(インターレースだかコーミングノイズだか)が見えるなんて噴飯モノです。しっかりやれ!
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観た、『スターシップ・トゥルーパーズ』
観た、『スターシップ・トゥルーパーズ2』
観た、『スターシップ・トゥルーパーズ3』