『アギト―超能力戦争―』を観てきました。
不可解な殺人事件の現場に立ち会った警視正の尾室は、かつての上司だった小沢と数年ぶりの再会を果たす。
25年前、警視庁は未確認生命体=アンノウンによる超能力犯罪に対抗するため特殊武装班=Gユニットを発足。そこに所属していたのが小沢と尾室、そして特殊装甲服=G3を装着してアンノウンと戦った氷川だった。
先の殺人はアンノウンに代わる何者かによる超能力者たちによるもので、犠牲者は増える一方。Gユニットのメンバーであるるり子が装着するG6の力でも新たな脅威には対抗できないと察した小沢は氷川の協力を求める。
しかし氷川は殺人の容疑で刑務所に収監され、そして“アギト”の力を以てアンノウンと戦っていたもう一人の男、翔一もその能力を失っていて……といったお話。
要約すると、警視庁が超能力犯罪者に立ち向かう話です。
テレビ番組『仮面ライダーアギト』の25年ぶりの続編が作られるだけでも喜ばしいですが、劇場用映画として全国公開されるのはちょっとした驚きです。“ウン十年ぶりの続編”という時点でコアな内容=分かる人にしか分からない、すなわち万人が見たがる気にはならないでしょうから…。
それを映画として昇華できたのは、ハッキリ言わずとも要潤さんの知名度があってのものです。要さんが欠けてたら、良くてもVシネクストで終わってただろうなぁ。
昨今の仮面ライダー作品には対象年齢を設ける事がままあり、いい歳こいた大人が子供のオモチャを取り上げて遊ぶようでスゲー嫌いです。本作もPG-12の指定があるのがイラッ。
子供が見れない仮面ライダーなんてあっちゃならねぇんだよ。
が、本作の正式タイトルは『アギト―超能力戦争―』であり、“仮面ライダーアギト―超能力戦争―”ではありません。
なるほど、“仮面ライダー”を外せば、仮面ライダー=子供向けという図式を壊せるなと。そう思い込んで、先の不満を和らがせよう…。
仮面ライダー作品でありながらも、タイトルから“仮面ライダー”を外すという英断を下した本作。
大人に向けた作品に仕上がっているんだろうと想像しながら観進めましたが、ドラマ要素がだいぶ強めだったのは好印象。別名、子供がグズりだしそうなやつ(笑)。
ではありながら、終盤に近付くに連れ、やっぱりいつもの“仮面ライダー”作品になってきちゃうんだよなぁ…。
かつ、前作=テレビ版『仮面ライダーアギト』を見ていた人ほど見どころが多く感じるはずです。主にはレギュラーキャラのその後とかね。
そして思い返してみると、『仮面ライダーアギト』という作品はGユニットが主役の話だったんだなと気付かされました。
Gユニットは人知の集大成たる組織で、関係者は我々と同じ人間です。
主人公はタイトルにもなっているアギト(=翔一)ですが、超能力めいた力を持っている時点で人間とはかけ離れた存在。アギトやらアンノウンやら、あちらでは次元が違いすぎる話を進めてるけど、超人的な力がなかろうが人間は人間としてできる事をやらねばならない。
その愚直さを体現しているのが氷川なんですよね。G3を装着しなければ平凡(より少々上)程度の力しかないし。
そんな氷川に感情移入しやすいのは、見ている我々も同じ人間だからでしょう。そういう意味においても、氷川が主人公になるのは必然でもあるんです。
ついでに言うと、氷川の上司が女性なのも絶妙で、小沢澄子を演じる藤田瞳子さんは最大級のハマり役!
Gユニットの新メンバー、るり子はなかなか面白いキャラでした。
ギャルマインドを持つ婦警という変なキャラも、演じるゆうちゃみさんのイメージに合っていてインパクトもあります。
ガキだのババアだのといった汚めのワードを使っても腹を立たせないのは、この人と毒蝮三太夫さんくらいなものですよ(笑)。
婦警みたいな制服にスニーカーってのも、行動派キャラである事を象徴するいい演出。
そんなるり子は終盤に容貌が変わりますが、根が熱い正義感だからこそ他の連中とは異なる姿になったんだろうと解釈。そういう説明、何もないからね…。
脚本はテレビ版と同じく井上敏樹さん。
この時点で100点満点の作品にはならないだろうという推測は的中しました(笑)。
嫌味なキャラを、嫌な嫌な嫌な奴として吐かせる台詞には相変わらず光るものがありますが、ストーリー全体の構成は雑だし、この手の作品には不可欠な説明やディテールは省いてしまう。
満を持して氷川君がG7を装着!というワクワク感を抱いていた人、何を言いたいか分かるでしょ? ライジングイクサ初登場を思い出したよ。
ついでに言うと、『春が来た』を歌う奴だの、卓球のラケットを使う奴だのといった悪の超能力者のキャラ設定が平成すぎてね。まだそんな事やってんの?と、寒い思いをしましたよ…。
ちょっと惜しかった点はいくつもありますが(笑)、その中の一つとして、あかつき号に関する台詞は一つくらい欲しかったですね。
「○○(俺ッチ)君、仮面ライダー見てるよね? 子供と見てるんだけど、あかつき号で何があったの?」
放送当時、先輩からこんな質問をされた事がありました。もちろん答えられるはずもなく(笑)。
と同時に、子供と一緒に見ていた親の方がハマるというのはこういう事なんだろうなと。
謎が生じるたび“あかつき号”というワードが頻出しますが、その実態がなかなか明らかにならない。
しっかり追いかけてはいないにしろ、割と気に掛けていた程度の人にとっては、あかつき号という響きは懐かしさを感じるんじゃないかな?
この頃=『~アギト』から『仮面ライダー剣』あたりは連ドラ要素が強いのが面白かったんだよな。『仮面ライダーW』以降に顕著な、2話完結式ばかりじゃ長続きさせられないよ。
…とまぁ、総括すれば及第点はクリアしていると思います。
厳しめに聞こえるところが多いのは、あくまで俺ッチが求めているものとのズレなので、多くの人は気にせず楽しめると思います。30代あたりまでなら喜べるんじゃないかな?
そして当ブログお馴染み、劇場プログラムについて。
お値段990円。
デカい写真を使ったキャラ紹介やキャスト&スタッフのインタビューが載っていて、情報量は多め。
要さんのインタビューを読む限り、本作は飲み会での軽いノリから始まった企画だったようで(笑)。それでも映画という規模にまで話をデカくできたのは、キャスト&スタッフの思い入れが強いからなんでしょうね。
あと、金子昇さんが賀集さんと要さんに挟まれた写真がありました。金子さんは刑務官の一人として出演していたようです。
思えば『~アギト』は『百獣戦隊ガオレンジャー』と同時期に放送していたと同時に、スーパー戦隊&ライダーの夏映画が毎年の恒例となる最初の作品でもあるんですよね。
そんな同期の3ショットが必見の1冊!と言いたいところだけど、既にSNSかなんかに載ってるんだろうなぁ。


























