『渡り鳥北へ帰る』を観ました。
何者かに殺された親友、岡田の遺骨を渡すため北海道の函館へ飛んだ滝。
滝は岡田の実家である造船所を探し当てるが、父の治五郎は遺骨を受け取ろうとしない。
岡田の妹である由美から、岡田は妻子のある身だった事を知った滝は、妻の雪江が働いているキャバレーに向かう。そこは黒川がオーナーを務める店で、経営不振の治五郎の造船所に金を貸し付け、土地を奪い取ろうとしているのも黒川だった。
そして滝は、黒川の下で働くハジキの政という男に遭遇する。滝が函館にやって来たもう一つの目的、それは殺された岡田の仇討ちで、その犯人こそハジキの政だった……といったお話。
要約すると、滝が殺された親友への復讐を果たそうとする話です。
シリーズ第8作、かつ現時点でのシリーズ完結作です。
というのも、最終作として色々と決着が付くようなお話ではなく、いつも通りの終わり方をする。
つまり、いつまた滝が姿を見せる可能性が無きにしも非ず、という事でもあるんです。次は君の住む街に流れ着くかもしれないよ?みたいな(笑)。
昭和のシリーズ物の多くは連続性がありませんが、1話と最終回がないからこそ、どれをいつ見ても楽しめるという敷居の低さは万人向けでもあるんですよね。
…いやいや、実は最終作という意識は少なからずあったのかも?と思わせるのは、いつものパターンをやや崩しているという点。
いつもの調子でフラッと流れ着くのではなく、今作では遺骨を届けるという目的があるのが珍しい。
その目的地は函館で、函館と言えば第1作『ギターを持った渡り鳥』の舞台です。
さらに、これってどっかで見たような?と思わせる(今風に言えばオマージュ)シーンがいくつかあり、捉えようによっては1作目のリブートとも言えるんじゃないかと。
別名、ネタが尽きた時に使う“原点回帰”ですね(笑)。
死んだと思われていた滝が姿を現すシーンで吹いている口笛が『地獄のキラー』(カッコ良い曲名!)だったり、ちょっとしたファンサービスに富んでいるのも見どころです。
…やっぱり最終作ってのを自覚していたのかな?
にしても、つくづく思うのは、滝ってホント~に女性に鈍感なんですよね。
もちろん今作でもヒロインの由美に好意を寄せられますが、心底では好意を抱いていても、相手の幸せを願う優しさがあるからこそ身を引く……と思い込んでいましたが、だいぶ曲解しないとそうはならないくらいに、滝は女性に興味を持ちません。もはや恋愛不感症です(笑)。
もう少し、別れの名残惜しさを見せて欲しかったんだけどねぇ。
…って事で、とりあえず俺ッチの手元にある渡り鳥シリーズは観終えました。
『怪傑ズバット』の原典とも呼べる作品でもあるので、観ておいて正解なだけでなく十分に楽しめました。
あとは『大草原の渡り鳥』と『波濤を超える渡り鳥』を残すのみ。
できればBSプレミアムさん、渡り鳥シリーズ全作放送してくれませんかねぇ…?
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