観てきた、『オーメン ザ・ファースト』 | Joon's blog

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『オーメン ザ・ファースト』を観てきました。

 

1971年のローマ。

アメリカからやって来たマーガレットは、いつか修道女になる日を目指し、見習いとして教会で働き始める。

マーガレットは教会が引き取った孤児の一人、カルリータに興味を抱く。異端児として危険視されているカルリータは徐々にマーガレットに心を開き、二人の間の緊張も次第に解けて行く。

教会で目の当たりにする不気味な光景、それが幻か現実かの境が付かず疲弊するマーガレットは、街でブレナンという神父に出会う。ブレナンが言うには、ローマには普通の教会だけでなくキリストに反目する集団もあり、彼らは恐怖を以て教会の威厳を復権させようとしていた。そのためにカルリータを担ぎ上げようとしているというのだ。

カルリータの過去を調べるうちに、自身の秘密をも知るマーガレット。そして悪魔が誕生するという6月6日が間近に迫り……といったお話。

 

『オーメン』という作品を観てからというもの、車を運転している際“666”というナンバーを付けた車を見ると、知らぬが仏というか恐るべきは無知なる者というか、そんなに早死にをしたいのかと思うんですよ。気持ち、車間距離を開けたり(笑)。

『オーメン』という作品は、それほどまでに俺ッチに恐怖を植え付けた作品です。

それ故、ウン十年ぶりの関連作品が公開されるという事で、いつもなら前作を観直して予習をしていくところでしたが、怖くて止めました(笑)。傑作とは思うけど、生涯で何回も観るような作品ではないんですよ。

 

「『エクソシスト』の新作に感化されたか、『オーメン』まで昨今流行りのエピソード・ゼロ商法をやっちゃうとか閉口モノだよ。ダミアン誕生のルーツを明らかにするなんて『ローズマリーの赤ちゃん』と同じじゃん? …どれ、”オーメン”を冠する以上、しょうもない茶番にでも付き合ってやるか」

…といった、ちょっと見下した先入観があったんですがね(それでもキチンと劇場に足を運ぶ自分に拍手を送りたい)。フタを開けてみれば、後付け前日譚にしては、まぁそれなり以上には良かったと思いました。前作との辻褄合わせなんか、最初から話半分くらいしか思ってないしね。

 

ダミアンの誕生を描くのであれば、女性が主役になってしまうのは仕方ないですね。

主人公マーガレットを演じるネル・タイガー・フリー(カッコイイ名前)さんは美人でスタイル抜群、日本での配給はディズニーって事で、『オーメン』がフワフワしたホラーに成り下がっちまうのかと懸念しながら観ていました。

…が、話が進むにつれ、あんなお嬢さんがどんどんブツ壊れていく様が強烈です。車から降りて、いよいよ産気づいて疼く芝居(しかも1分くらいの長回し)には息を呑みます。日本でこういうのを真似すると引くほど寒くなるからやめてよね。

 

いずれ本作もBlu-rayやら配信やらで見れる日が来ますが、おそらく日本では本作が完全な形として合法的に見れる機会はありません。“ないでしょう”ではなく、“ありません”と断言。

と言うのも……本作には部分的に修正が入っているカットがあるんですがね。映画でモザイクとか軟十年ぶりに見たよ。

過去の例であれば“ヘア無修整版”といった、そのくらいであればまぁいいんじゃない?程度の、劇場公開時に比べると緩和処置がなされた上で発売(or公開)されるソフトもありました。

…が、本作で修整が施されているのはド正面からの出産シーン(!)ですからね、そりゃ仕方ないよ。

個人的にこれ、かなりのマイナス要素に思っているんですよ。修整した事に対してではなく、そんなカットを採用した監督の采配としてね(監督は意外にも女性)。あんなエロ漫画に出てきそうなダッセー画とか、なくてもいいだろ。

悪魔に関しても、悪魔を連想させる抽象的な描き方なら結構だけど、具体的な姿(の一部)なんか出さなくていいし、何でも克明に見せればいいってモンじゃないんだよな。

 

“妊娠”よりも“出産”の描写が執拗て、怖いというより胸クソ悪く感じる方が強いと感じる作品でした。

終わり方もモヤッとしたしなー…。

 

劇場プログラムは880円。

ちょっと薄めだけど、情報量としてはこんなものでしょう。

本作で悪魔の子が誕生する際に流れる、かの名曲(?)『アヴェ・サタニ(サンターニ)』の歌詞&対訳が載っているのはありがたいですね。あちら側から見た賛美歌になってるんだな、あれ。