ザイオンへの侵攻を開始した機械の大群。
防衛網が突破されるのも時間の問題となった今、ザイオンの民は総力を挙げて機械との決戦に臨む。
一方、ネオは人間と機械の和解を申し入れるため、機械の都市へ向かう事を決意。
ネオと同様、マトリックス内での力が現実世界に影響を及ぼし始めたスミスとの決着も間近に迫っていた……といったお話。
こうして改めて綴ってみると、今作は粗筋が単純なように思えます。ディテールというか、横筋がムダに多く長いんですよ。
今作の尺は129分ですが(今だったら3時間近くやりそう)、ストーリーを追いかける事に重きを置く作風にしたら、下手すれば90分くらいに収まるんじゃない?
そんな発想に至ってしまうのは、アクション&戦闘シーンがそろそろお腹いっぱいになってきているからです。
特にアクションに関してはそれなりに見入ってしまうものの、前2作で見せたカンフーバトルの延長みたいな感じなので、もはや新鮮さは感じず、ただただ冗長に感じます。
ザイオンでの戦いは緻密なCGで描かれる大バトル。
画面はド派手だけど、大したドラマもないし、やってる事もゲームっぽいしで、熱くなれないどころか退屈にすら感じます。
久々にマトリックスシリーズを見返そうかと思った際、1と2作を観ても3作目=今作は別にいいやみたいに思ってしまうのはコレのせいなんですよ。
何しろ、ズガガガガ&うおおおお的なシーンが長すぎるんだよね。戦う相手がキャラとしての魅力も薄いスクィッディー1種類(…)ってのも超つまんねーんだよ。
…が、そんなガチャガチャと騒がしいだけのシーンにも長所はあるもので、マトリックス内の話やネオ周辺の話とか、この決戦の裏で動いている事象は多々あります。やろうと思えばその辺を割り込ませる事はできるけど、決戦シーンで見せるのはザイオンの戦闘のみで場面転換がほとんどありません。
つまり、この間だけは“預言”やら”選択”といったメンドくせーワードは気にせず、頭カラッポで楽しめる時間であるという事です(笑)。
現実の世界で戦っている相手は主にスクィッディー(センティネル?)を主とする機械軍団ですが、最後まで敵対勢力である彼らに正式名称がなかったのはビミョーに感じます。敵は”機械”、こっちで使っている利器も”機械”、同じやん?みたいな。
そりゃ機械には違いないけど、まんま”機械”と呼ぶのもエンタメとして味気ない(原語でも“machines”と呼んでいるっぽい)と思うんですよ。
今作でシリーズは完結したものの、何を落としどころとして幕としたのかよく分からないどころか、意味不明のまま終わっていました(笑)。大ヒットしたのはいいけど、本当に納得して劇場を後にした人がどれほどいたんだろう?
前作での、設計者=アーキテクトが語るマトリックスの真実を聞いても、観ている時はそれなりに理解できた気分になったけど、他人に説明するのは無理だよね。個人的にはメロビンジアンの存在に混乱させられているんですが…。
まぁ、そのくらいの曖昧さがあった方が映画っぽくていいのかもしんないけどね、もしかしたら2作目を飛ばして今作を見る方がスッキリするのかもしれません。
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