#6のコントですが、独立しているので、

#1~#5を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

#2はこちら

#3はこちら

#4はこちら

#5はこちら

#6はこちら


荒木
「(箱を抱えて部屋に入ってくる)届いた届いたー。」


(荒木、箱を机の上に置く)


荒木
「(箱を開けて中身を取り出し)これだー。アンティークのランプ!
 (周りを見まわし)えーと・・・。
 (棚の上にランプを置き)ここに飾って・・・と。
 うん、いい感じだ!」


(荒木、箱を畳んでかたづける)


荒木
「よーし。
 残りの時間は動画見ながらゆっくり過ごすか(スマホで動画を見始める)。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「・・・。」

荒木
「(動画を見ながら)ウハハハハハ!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「・・・。」

荒木
「(動画を見ながら)ウハハハハハ!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「・・・。」

荒木
「(動画を見ながら)ウハハハハハハハハハハ・・・」

ランプの精(ランプの中にいる)
「(ランプの中から)いや、こすれよ!!」

荒木
「えっ?!何?!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「こっちこっち!
 ランプ!さっき買ったランプ!!」

荒木
「ランプ?(ランプのところに歩く)」

ランプの精(ランプの中にいる)
「あんたさぁ、ランプ買ったんだから、まずこすれよ!!」

荒木
「ランプ買ったんだからこする?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「王道の流れでしょ!」

荒木
「ランプを買った王道の流れってこするなんですか?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「それ以外になにがあるの!」

荒木
「飾る。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「飾ってどうするの!」

荒木
「こすってどうするんですか?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「こするでしょ?
 そしたら、出てくるでしょ?」

荒木
「出てくる?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「ワタシが!」

荒木
「あ、中にいらっしゃるんですか?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「いるいる!」

荒木
「あー、じゃあ・・・(ランプを傾ける)」

ランプの精(ランプの中にいる)
「危ない危ない危ない危ない!
 落ちる落ちる落ちる落ちる!
 戻して!戻して!!」

荒木
「(ランプを水平に戻す)」

ランプの精(ランプの中にいる)
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。
 物理的に出そうとするな!!」

荒木
「出たいみたいだから・・・。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「出たいのは合ってるけど、登場の仕方があるの!」

荒木
「美学ですか?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「美学というか、様式美というか。」

荒木
「割ればいいですか?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「割って出てくるタイプの様式美もあるけど、
 ランプの場合にはこするの!」

荒木
「あー、なるほど。
 こするとバネの勢いで飛び出すと。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「バネじゃないけどね。」

荒木
「だとしたらランプに『こする』とか印字してくれないと。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「ランプ買ったら普通こするでしょ?」

荒木
「いや、この前T-fal買いましたけど、こすりませんでしたよ。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「電子ケトルはいいの!
 ランプはこするの!」

荒木
「わかりました。
 次からはこすります。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「お願いします。」

荒木
(ランプを棚に置く)

ランプの精(ランプの中にいる)
「・・・ん?」

荒木
「(ソファに座りスマホで動画を見る)ウハハハハハ!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「いや、だからこすれよ!」

荒木
「はぁ?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「今、こするって言ったろ?!」

荒木
「次からはこするって言いました。
 今日はもういいです。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「そういう意味かよ!
 違うの!このランプをこすってほしいの!
 他のランプこすっても特に何も起きないから!」

荒木
「こするとどうなるの?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「ワタシが出てくるから!」

荒木
「出てきたいの?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「そう!」

荒木
「はいっ(ランプをひっくり返す)!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「いや、バカ!
 いや、バカ!
 いや、バカ!
 戻せ!戻せ!戻せ!」

荒木
(ランプを水平に戻す)

ランプの精(ランプの中にいる)
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。
 手足で突っ張って体を支えて耐えた・・・。」

荒木
「出たいんでしょ?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「出たいよ!
 出たいけど、逆さまにしてボトッと出すんじゃなくて、こすってほしいの!!」

荒木
「あー。
 そうすれば電源が入って、元気に飛び出すと。」

ランプの精(ランプの中にいる)
「電源ではない!
 なんかわかんないけど・・・、謎技術!」

荒木
「(ランプをまじまじと見て)・・・ん?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「どうした?」

荒木
「そもそも、これって何に使うヤツだ?」

ランプの精(ランプの中にいる)
「そういう、いまさらな疑問いいから!」

荒木
「あ!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「なに?」

荒木
「カレー入れるやつか!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「違う違う違う!
 似てるけど違う!」

荒木
「よし、今日カレーにしよう!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「絶対やめて!
 カレー注ぐタイミングでワタシ、悲鳴あげるから!
 そのあと、食器洗うタイミングでカレーまみれのワタシが出てくるから!!」

荒木
「(スマホを操作して)よーし、ウーバー注文完了!」

ランプの精(ランプの中にいる)
「ただカレーの気分になっただけか!!」

 

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

魔法のランプもいろんなパターンをやりましたが、今回は「出てこない」パターン。

ランプの小道具さえあれば、ランプの精の衣装はいらないので、一番実演難易度は低いかもしれないですね。

 

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】借り物競争
【コント】被害届
【コント】走馬灯
【コント】鬼が島の戦い
【コント】ツルのおんがえし#5

 

 

 

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