#3のコントですが、独立しているので、

#1、#2を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら!#2はこちら

 


 

 

(男の前に魔法のランプが置かれている)

 

 

(ランプをこする。)

 


(ランプから煙が出てくる。が、その後、何も起こらない。)

 



「?(もう一度、ランプをこする)」

 


(ランプから煙が出てくる。が、その後、何も起こらない。)

 



「?(もう一度、ランプをこすろうとする)」


???
「はーい。」

 


(ランプからおばさんが出てくる)

 



「・・・?」


???
「はいはいはい。何度も呼んでもらってごめんなさいね。」



「・・・?」


???
「あ、申し遅れました。ランプの魔人の母です。」



(おじぎをする)


ランプの魔人の母
「ごめんなさいね。うちの子、何度も起こしたんだけど、起きてくれなくて。
 今、起こしますんで、もうちょっと、待ってくださいね。
 ほら!マー君!お友だち来たわよ!(ランプの中に入っていく)」


ランプの魔人
「(ランプの中から)おい、ババア!勝手にご主人様の前に出るんじゃねぇよ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)なかなか起きないあんたが悪いんでしょ!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)突然、ランプからババアが出てきたら、ご主人様びっくりするだろ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)そんなこと言ったって、お友だちを一人で外に待たせておくわけにいかないじゃないの!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)もういい!話はご主人様の願いを叶えた後だ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)ほらもう、そんなボサボサな頭で・・・!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)うるさいうるさい!話は後だ、後!」

 


(ランプから魔人が出てくる)

 


ランプの魔人
「お呼びでございますか、ご主人様。」


ランプの魔人の母
「(ランプから出てくる)ごめんなさいね、待たせちゃって。」


ランプの魔人
「ババア、出てくんなって!?」


ランプの魔人の母
「まぁ!怖い怖い!(ランプに入っていく)」


ランプの魔人
「まったく・・・。それではご主人様の願いを3つまで叶えさせていただきます。」


ランプの魔人の母
「(ランプから出てくる)お友だち、待たせてたんだから、願い事の数、4つにしたら?」


ランプの魔人
「うるせぇ、ババア!願い事の数は3つって決まってんだよ!」


ランプの魔人の母
「じゃあ、そのうち1つをお母ちゃんが叶えさせてよ。」


ランプの魔人
「なんでババアが願い事叶えるんだよ!

 てめぇにそんな力ねぇだろ!?」


ランプの魔人の母
「あーりーまーすーぅ!」


ランプの魔人
「なんだよ、いちいちムカつくなぁ!

 じゃあ、ご主人様、一つ願い事を。
 『おいしいものが食べたい』?
 おいしいものが食べたいってよ。ババアできんのかよ!?」


ランプの魔人の母
「これで何かおいしいものでも食べて。(何かを握らせる)」


ランプの魔人
「何してんだよ!何してんだよ!何してんだよ!!
 (握らせたものを確認する)何、550円握らせてんだよ!」


ランプの魔人の母
「お父ちゃんの給料日前なんだから!家計に余裕がないのよ!」


ランプの魔人
「一発目の願い事で550円握らされたら、ご主人様、困惑するだろ?!
 このあとの願い事も550円前後のレベルが続くのかなって思われちまう!」


ランプの魔人の母
「あんたねぇ!550円を節約するのにお母ちゃんがどれだけ苦労してるのか、わかってるの!?」


ランプの魔人
「俺、何に怒られてんだよ?ご主人様の前で!
 マジで話がややこしくなるから、引っ込んでろよ!」


ランプの魔人の母
「暗くなるまでには帰ってくるのよ!(ランプの中に入っていく)」


ランプの魔人
「うるせぇ、ババア!
 申し訳ありません。お見苦しいところをお見せしました。
 それではご主人様、2つ目の願い事を。
 『お金持ちになりたい』?
 かしこまりました。それではその願い、叶えさせていただきます。
 アブラカタブラ・・・」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)晩ごはんできたわよー。」


ランプの魔人
「アブラカタブラ・・・」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)マー君!晩ごはん!」


ランプの魔人
「アブラカタブラ・・・」


ランプの魔人の母
「(ランプから出てくる)晩ごはんできたって言ってるでしょ!」


ランプの魔人
「空気読め、ババア!」


ランプの魔人の母
「何、その態度、お母ちゃんに向かって!」


ランプの魔人
「今、ご主人様の願いを叶えようとしてるんだから、邪魔すんじゃねぇよ!」


ランプの魔人の母
「キーキー、キーキーうるさいわねぇ!
 ハンバーグいらないのね!
 お母ちゃんが食べちゃうから!(ランプの中に入っていく)」


ランプの魔人
「ご主人様、少々お待ちを。
 ババア、テメェ、俺のハンバーグ食うんじゃねぇよ!(ランプの中に入っていく)」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)あら、お母ちゃんが邪魔だったんじゃないの?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)ハンバーグならハンバーグって言えよ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)お友だちは?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)外で待たせてる。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)ちょっと!お友だちに悪いじゃない!

 上がってもらいなさい!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)いいよ、すぐ食べるから!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)ダメダメ!申し訳ないから!

 上がってもらいなさい!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)何だよ、うるせぇな!
 (ランプから出てくる)あの、ご主人様。もしよかったら、外寒いんで、上がってください。」


ランプの魔人の母
「(ランプから出てくる)ハンバーグ作ったから。食べてって。」


ランプの魔人ランプの魔人の母
(ランプの中に入っていく)


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)ごめんなさいね、粗末なものしか出せなくて。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)とっとと食べて、早く続きをやっちゃいましょう。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)ゆっくり食べていいですからね。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)ちょっと待て、ババア。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)なに?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)俺のハンバーグ、2個だったのが1個に減ってるじゃねぇか!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)仕方ないでしょ。

 お友だちの分、作ってなかったんだから!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)あ、ご主人様のハンバーグ、2つある!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)マー君とお母ちゃんの分を1個ずつあげたのよ。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)あのご主人様。
 願い事の数、1つ増やしますので、ハンバーグ1個もらえませんか?」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)やめなさい。みっともない!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)なんだよ、チキショ!
 さ、早く食べて、続きをやっちゃいましょう。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)もう遅いから、明日にしたら?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)はぁ?!じゃあ、ご主人様はどうすんだよ?」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)泊まっていってもらいなさい。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)なんだよ、もう!

 ご主人様、願い事、明日でもいいですか?」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)お布団、これしかないですけど。
 マー君が子供のときに使ってたアラジンの布団・・・」


ランプの魔人
「(ランプの中から)ババア、テメェ、何引っ張り出してきてんだよ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)これしかなかったんだから、しょうがないでしょ!?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)だったら、最初から泊めるとか言うなよ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)じゃあ、お友だちにマー君の布団で寝てもらいなさい。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)俺はどうするんだよ。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)押し入れが空いてるから。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)俺、ドラえもんじゃねぇんだぞ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)どちらも願い事を叶えるもの同士、似てるじゃない。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)別に願い事を叶えてあげる奴は、押し入れで寝なきゃいけないルールがあるわけじゃねーからな!
 ん?何ですか、ご主人様?
 2つ目の願い事がを変える?何でしょう。
 『フカフカの布団がほしい』?なるほど。
 それでは、アブラカタブラ・・・ドーン!」

 


(ランプが光る)

 


ランプの魔人
「(ランプの中から)それでは、ご主人様はそのフカフカの布団で寝てください。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)マー君は久々にこのアラジンの布団で寝る?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)マジでそれ捨てろ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)まぁ!怖い怖い!」

 


(翌朝)

 


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)マー君!朝よ!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)うるせぇな、もう少し寝かせろよ・・・!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)マー君!
 ・・・すみません。お友だちの方はもう起きてるというのに。
 あ、そうだ。マー君の小学生時代の卒業アルバム見ます?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)ババア、テメェ、何引っ張り出して来てんだよ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)あら、マー君。おはよう。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)おはようじゃねぇよ。
 朝からご主人様に卒アル見せてんじゃねぇよ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)マー君が小学生の頃に書いた家族の似顔絵もあるわよ。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)なんでそんなの持ってんだよ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)ほらこれ。

 左からお父ちゃん、マー君、お母ちゃん。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)やめろ!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)後ろに立ってるのが、かしゆか、あ~ちゃん、のっち。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)やめろよ!恥ずかしいから!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)なんで、Perfumeと一緒なのかわからないけど、上手でしょ?
 マー君が高校生のときに作曲した自作のラブソングもあるわよ。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)やめろぉ!」


机を叩く音
「ドンッ!」


ランプの魔人
「(ランプの中から)どうしました、ご主人様?
 え?3つ目の願い事が決まった?何でしょう?
 『いつまでも、魔人の家族が仲良く暮らしてほしい』・・・?」


ランプの魔人の母
「・・・。」


ランプの魔人
「・・・。」


ランプの魔人の母
「・・・。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)べ、別に俺は仲悪いなんて思ってないし・・・。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)そう。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)俺、母さんの作るハンバーグ、好きだから・・・。」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)マー君・・・。久しぶりに私のこと、『母さん』って呼んだわね。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)う・・・うっせぇ、ババア!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)じゃあ、今日もハンバーグで。」


ランプの魔人
「(ランプの中から)やった!」


ランプの魔人の母
「(ランプの中から)お友だち、今日も泊まってく?」


ランプの魔人
「(ランプの中から)2泊!?」

 

 

 

 


【コント・セルフ・ライナーノーツ】

以前、クリスマスにサンタと母親のやりとりを書きましたが、

それのランプの魔人バージョンです。

 

本当は別のコントを書く予定だったんですけど、

ちょっと難航してしまっているので、先にこっちを公開しました。

 

【上演メモ】

人数:2~3人

ランプの魔人

ランプの魔人の母

 

所要時間:4分~5分
難易度:★★★☆☆
備考:ランプの出入りをどう表現するかが難しいですが、

舞台真ん中に巨大なランプの張りぼてを用意して、後ろに隠れたり、前に出てきたりすることで表現かなぁと思います。

コント後半は、ランプだけが舞台に見えていて、声だけが聞こえてくるイメージ。

男のセリフはないので、男自体、カットしても構いません。


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(もふもふって名前ですが、僕です。

コントのこともつぶやきますが、コント以外のこともゆるくつぶやいています。)
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