#4のコントですが、独立しているので、

#1~#3を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

#2はこちら

#3はこちら

 


 

ディレクター
「すみません。
 お忙しい中ナレーション録りを引き受けていただいて。」

花江
「いえいえ。
 しかし、すごく急な話でビックリしました。」

ディレクター
「はい。
 なんせ、貴重な映像が撮れたので、できるだけ早く視聴者の皆様にお伝えしたくて。」

花江
「なるほど。
 ただ、あまりに急で台本を読めてないのですが・・・。」

ディレクター
「大丈夫ですか?
 時間取りましょうか?」

花江
「いえ、大丈夫です。
 早速始めてしまいましょう。(ブースに入る)」

ディレクター
「わかりました。
 では、お願いします。」

花江
(マイクのスイッチをオンにする)

 

 


ドキュメンタリースペシャル。
世界初撮影・ランプの魔人大実験。


 


花江
「(マイクのスイッチをオフにする)ちょっといいですか?」

ディレクター
「はい。」

花江
「・・・ランプの魔人?」

ディレクター
「はい。ランプの魔人に関する実験を撮影しました。
 時間がないので、ナレ撮りを進めちゃいましょう。」

花江
「・・・あ、はい。」

ディレクター
「お願いします!」

花江
(マイクのスイッチをオンにする)

 

 


今回、撮影に協力してくれるのは、東京アタフタ大学教授でランプの魔人について研究している下野教授です。
今回は下野教授が持参したランプの魔人の巣を使って実験を行います。


 


花江
「(マイクのスイッチをオフにする)ちょっといいですか?」

ディレクター
「なんですか?」

花江
「・・・ランプの魔人の巣?」

ディレクター
「魔人が出てくるランプのことです。」

花江
「・・・あれ、巣だったんですか?」

ディレクター
「はい。普段、あの中で寝たり食事をしたりしてるので、巣です。
 それでは、ナレ撮りを進めましょう。」

花江
「・・・はい。(マイクのスイッチをオンにする)」

 

 


最初の実験は、『魔人がランプから出てきたとき、周りに誰もいなかったらどんな反応をするか?』です。

平原の真ん中にランプを置き、我々は3キロ離れた場所で結果を見守ります。

下野教授が遠隔操作でランプをこすります。

・・・ランプから魔人が出てきました。
ご主人さまを探しています。ランプの下や木の陰を探していますが、ご主人さまは見つかりません。
『どこー?』という声が聞こえます。
だんだん、顔が半泣きになってきました。

・・・おや、魔人が3キロ離れた我々のカメラに気づいたようです。

こちらに走ってきました。
急いで我々もその場を離れます。
パニックになるスタッフの様子が映像からもわかります。

一瞬、カメラマンが振り返りました。
魔人は手にナタを持っています。
下野教授、足がもつれ倒れました。
魔人が満面の笑みで教授に近づきます。

映像はここで終了ですが、実験は大成功です。


 


花江
「(マイクのスイッチをオフにする)ちょっといいですか?」

ディレクター
「はい。」

花江
「・・・え、この後どうなったんですか?」

ディレクター
「大丈夫です。大成功です。」

花江
「いや、大成功じゃないですよね。
 がっつり見つかっちゃってますし。
 スタッフもパニックになってましたし。」

ディレクター
「教授が大成功って言ってるので、大成功です。」

花江
「いや、その教授も映像の最後に魔人に襲われてましたよね。
 ナタを持った魔人に。」

ディレクター
「大丈夫です。ナレ撮りを続けましょう。」

花江
「・・・今のヤツ、放送できるのかな。
 トラウマ級の映像だったけど。(マイクのスイッチをオンにする)」

 

 


次の実験は『ランプの口を塞いだ状態でランプをこするとどうなるか?』です。

ランプの口をテープで塞ぎ、魔人が外に出られないようにして、下野教授がランプをこすります。

ガタガタとランプが揺れますが、魔人は出てきません。

聞こえますでしょうか。
内側からランプを力強く叩く音が聞こえます。

しかし、だんだんランプにヒビが入り始めました。
現場に緊張が走ります。

ついにランプが壊れ、中からナタを持った魔人が飛び出してきました。
必死に逃げるカメラクルー。
1人逃げ遅れた下野教授に魔人が襲いかかります。

実験は大成功です。


 


花江
「(マイクのスイッチをオフにする)だから、なんなんですか、この実験。」

ディレクター
「ランプの魔人の巣を使った実験です。」

花江
「いや、これ実験でもなんでもないですよ。
 ただのイタズラじゃないですか。
 案の定、教授はまた返り討ちに遭ってるし・・・。
 あと、なんで魔人は毎回ナタを持ってるんですか。」

ディレクター
「まぁ、実験は大成功ということで。」

花江
「いや、これのどこが大成功なんですか?
 スタッフが逃げ出してる映像で終わってますよね。」

ディレクター
「迫力のある映像でしたね。」

花江
「そもそも、視聴者はこんな実験を見たいんじゃないと思うんです。
 『本当に願い事は叶うのか』とか、『4つ目の願い事をしたらどうなるか』とか、
 そういうのを見たいんじゃないですか?」

ディレクター
「時間がないので、ナレ撮りの続きいいですか?」

花江
「・・・魔法のランプの無駄遣いな気がするけどなぁ。(マイクのスイッチをオンにする)」

 

 


最後は、ランプの魔人の巣に筒状のカメラを差し込み、眠っている魔人の映像をおさえます。

ランプの口からカメラをいれていく下野教授。

おっと、教授、何かを見つけました。
そうです、ナタです。

教授、カメラでひっかけながらナタをランプの外に出しました。
ナタさえなければもう怖くありません。

さぁ、教授、眠っている魔人を見つけました。
教授、カメラを使って魔人のまぶたを開けます。
魔人、両目を開けていますが眠っています。
下野教授、大爆笑です。

おや、ちょっと待ってください。
魔人の目がカメラの方を向きました。
現場に緊張が走ります。
ゆっくりカメラをランプから抜いていく教授。

しかし、逆に魔人にカメラを引っ張られ、下野教授、ランプの中に引きずり込まれてしまいました。
急いで他のスタッフたちはその場を後にします。
ランプの中から『ナタのスペアあんの?!』という教授の叫び声が聞こえました。

実験は大成功です。


 


花江
「(マイクのスイッチをオフにする)だから何が大成功なんですか?」

ディレクター
「実験大成功です。」

花江
「こんなの実験じゃないです。
 ただの寝起きドッキリです。」


ディレクター
「はい。寝起きドッキリ大成功です。」

花江
「いや、ドッキリ的にも大成功じゃないですよ。
 ターゲットにナタで襲われてますし。」

ディレクター
「でも、貴重な映像でしたよね。」

花江
「確かに、『いい大人がイタズラに失敗して返り討ちに遭った瞬間三連発』は撮れましたけど。」

 

ディレクター
「・・・いっそのこと、タイトル差し替えます?」

花江
「・・・撮りますか?」

 

 


バラエティスペシャル。
いい大人がイタズラに失敗して返り討ちに遭った瞬間三連発。


 

 

ディレクター
「はい、オッケーです!」

花江
「(マイクのスイッチをオフにする)英断だと思いますよ。

 ドキュメンタリーとして見れないですもん。」

 

ディレクター
「スタジオパートも撮ります。

 有吉さんMCで、ノブコブ吉村さんやハライチ澤部さん辺り呼んで。」

花江
「妥当なメンバーですね。

 スタッフが襲われるシーン、スタジオメンバーの爆笑のワイプがあれば、トラウマにもならないですし。」

 

 

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

また、魔法のランプを使った設定を思いついたので作ってみました。

実験を収録する様子を舞台にする案も考えたのですが、少しひねってナレーション撮りのシーンを舞台にしてみました。

 

 

【上演メモ】

人数:2人

花江

ディレクター

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★☆☆☆☆
備考:上手と下手に離れた二人が座った状態にして、マイクで会話をするという設定でできると思います。

ソーシャルディスタンスも考慮されてます!

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】全校朝会#2
【コント】こうさくしようよ
【コント】勇者の冒険
【コント】ピノキオの鼻
【コント】カガミよ、カガミ。

 

 

 

【コメント募集中】

今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

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