いつもの開演前のごあいさつです。

お時間のある方はお読みください。

 


 

勇者戦士魔法使い
(大きな扉の前に立っている)

勇者
「この奥だ・・・。
 この奥に魔王がいる・・・。」

戦士
「今まで長かったな。」

魔法使い
「魔王を倒せば全てが終わるのね。」

戦士
「よし、俺がちょっと様子を見てくる。」

勇者
「何があるかわからない。
 気をつけていけよ。」

戦士
「あぁ。(扉を開け、奥に入っていく)」

勇者
「どんな戦いが待ち受けているのか・・・。」

戦士
(戻ってくる)

魔法使い
「どうだった?」

戦士
「いたいた。魔王いた。
 この扉の向こうに。」

勇者
「扉の向こうはどんな感じだった?」

戦士
「部屋全体がすごい重々しい雰囲気だった。」

魔法使い
「やっぱり緊迫した空気なのね。」

勇者
「ワナとかは?」

戦士
「なかった。」

勇者
「魔王は何してた?」

戦士
「ひなたぼっこ。」

勇者
「・・・。」

戦士
「・・・。」

勇者
「・・・ん?」

戦士
「いや、ひなたぼっこしてた。」

勇者
「魔王が?」

戦士
「魔王が。」

 

勇者

「ひなたぼっこしてたの?」

 

戦士
「気持ち良さそうだったよ。」

魔法使い
「よし、今がチャンスね!(杖を構える)」

勇者
「いや、待って待って待って。
 え、ひなたぼっこしてたの?」

戦士
「あぁ。
 なんか、あっちの部屋、ちょうど陽が当たる感じになってて。」

勇者
「他に見張りは?」

戦士
「いない。魔王だけ。」

魔法使い
「今がチャンスね!(杖を構える)」

勇者
「待って。早まらないで。
 え、トラップもなくて・・・?」

戦士
「ない。」

勇者
「待ち伏せがいたりとか。」

戦士
「ない。」

勇者
「え、隙だらけ?」

戦士
「隙だらけ。」

勇者
「えー。魔王ってそんななの・・・?」

戦士
「ウソだと思うなら、行ってみれば?」

勇者
「・・・うん。
 ちょっと行ってくる。(扉を開け、奥に入っていく)」

魔法使い
「いってらっしゃい。」

戦士
「それにしても気持ちよさそうな寝顔だったな。」

勇者
(首を傾げながら戻ってくる)

魔法使い
「どうだった?」

勇者
「・・・ひなたぼっこしてた。」

戦士
「してたでしょ?」

勇者
「ホントかなと思ってわき腹をつついてみたけど、
 寝返り打っただけだった。」

魔法使い
「今がチャンスね!(杖を構える)」

勇者
「いやいやいや、大丈夫?
 ワナじゃない?」

戦士
「仮にワナだったとしたら、ちょっとわかりにくい。」

魔法使い
「確かに。
 魔王がひなたぼっこしてるワナって。」

戦士
「あぁ。説明が必要だ。」

勇者
「え・・・、
 じゃあ・・・(剣を抜いて)、
 ちょっと行ってきます。」

魔法使い
「一人で大丈夫?」

勇者
「大丈夫だと思う。(扉を開け、奥に入っていく)」

戦士
「(外を見て)それにしても不気味な世界だな。」

魔法使い
「(外を見て)えぇ。見渡す限りの荒地だし、紫の霧に覆われてるし・・・。」

叫び声
「(扉の向こうから)ぐわぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」

戦士
「やったか?!」

魔法使い
「(外を見て)見て!!
 空を覆っていた紫の霧が消えていく!!」

戦士
「(外を見て)荒地が緑あふれる草原に・・・!
 ついに!ついにやったんだな!!」

勇者
(首を傾げながら戻ってくる)

戦士
「やったな!!」

勇者
「はい、やりました・・・。」

魔法使い
「激闘だった?」

勇者
「いや、一撃・・・。」

戦士
「さすが勇者!!」

勇者
「勇者って呼ばないで。
 ぜんぜん勇ましくないから。」

魔法使い
「(窓の外を見せて)見て!
 あんなに禍々しかった雰囲気が一気に元に戻ったの!」

勇者
「・・・いや、これはワナだ。
 まだ終わってなんかいない!」

戦士
「終わった終わった。よし、帰ろう。」

魔法使い
「帰りましょ!」

勇者
「いや、あの魔王はニセモノだったんだって!
 もしくは第二形態に変身する!(二人に連れられ、城を後にする)」


(王城)


王様
「勇者たちよ、よくやった!
 見ての通り、世界に平和が戻った!
 そなたたちのおかげじゃ。」

戦士
「お褒めの言葉ありがとうございます。」

魔法使い
「頑張った甲斐がありました。」

勇者
「(周りをキョロキョロ見て)絶対何かある・・・。絶対まだ何かあるよ・・・。」

王様
「あの・・・。」

勇者
「(周りをキョロキョロ見て)こんなことで終わるわけがない・・・。」

戦士
「(勇者を見て)あ、大丈夫です。

 彼、こういうヤツなんです。」

王様
「彼、こういうヤツなんだ・・・。」


(魔王を倒した祝いの宴は朝まで続いた)


(その夜の王城の寝室)


勇者
「(ベッドの影や枕の裏をチェックしながら)絶対何かある。絶対何かあるよ・・・。」

魔法使い
「もう寝ていい?」

勇者
「いや、絶対何かあるって。
 朝起きたら、また世界が滅亡してるとか。」

戦士
「ないない。」

勇者
「朝起きたら、自分以外全員目覚めないとか。」

戦士
「ないない。」

勇者
「朝起きたら、
 魔王が『ドッキリ』と書かれたプラカード持ってて、
 声を押し殺して『おはようございます・・・』って言ってくるとか。」

戦士
「言ってきたところで、『あ、おはようございます』ってなるし。」

勇者
「とにかく!
 今日俺は夜通し起きてる!
 何か起きても対応できるように!」

戦士
「あ、そう。おやすみ。」

魔法使い
「おやすみなさい。」

勇者
「絶対何かある・・・。絶対何かある・・・。」


(そして、何も起こることなく夜が明けた)


(玉座の間)


王様
「この度の魔王討伐、本当によく頑張った。
 改めて礼を言わせてほしい。」

戦士
「いえ。」

勇者
「次は何が来る・・・?何が来るんだ・・・?」

魔法使い
「・・・。」

王様
「お主たちはこの後どうする?」

戦士
「里に帰ろうと思います。」

王様
「そうかそうか。
 里の皆もそなたたちの帰りを楽しみにしているだろう。
 元気な顔を見せてやってくれ。」

戦士
「はい!」

魔法使い
「・・・。」

勇者
「これで終わりじゃない・・・!
 これで終わりじゃない・・・!」

魔法使い
「・・・あたし!勇者のことが好き!!」

王様
「ほう。ここに来て突然の告白!」

魔法使い
「里に帰ったら、結婚しましょう!」

勇者
「結婚の後で突然、絶望落ちる何かがある・・・!きっと!」

魔法使い
「オッケーもらいました!!」

戦士
「オッケーもらった?
 会話が噛み合ってない気がしたけど。」


(教会)


鐘の音
「カラーン!カラーン!!」

勇者
「絶対何かある・・・。
 これで終わりじゃない・・・。」

神父
「魔法使いよ。
 あなたは夫・勇者と永遠の愛を結ぶことを誓いますか?」

魔法使い
「はい!誓います!」

勇者
「誓いの言葉の後で来るぞ・・・。
 魔王軍がズドーンと。」

神父
「勇者よ。
 あなたは妻・魔法使いを伴侶として生涯守り抜くことを誓いますか?」

勇者
「誓ったら来るぞ・・・。
 ズドーンと来るぞ・・・。」

神父
「今ここに新たな夫婦が誕生しました!」

鐘の音
「カラーン!カラーン!!」

戦士
「(友人席に座っていて)大丈夫?今、誓った?
 誓ってないよね?」


(病院)


魔法使い
「うぅっ・・・!うぅっ・・・!(分娩室に運ばれる)」

勇者
「(妻に寄り添いながら)絶対何かある!絶対何かあるから!!」

魔法使い
(分娩室に入っていく)


(分娩中のランプがつく)


勇者
「(長椅子に座って)絶対、これで終わりじゃない。
 産まれたと思った瞬間、
 分娩室から『ドッキリ』と書かれたプラカードを持った魔王が出てきて、
 声を押し殺して『おはようございます・・・』って言ってくるから。」

戦士
「(勇者の隣に座っていて)お前、大丈夫か?」


(草原で)


勇者の娘
「(スライムと戦っている)やー!やー!
 おとうさん、たおしたよ!」

勇者
「よし、いいぞ。
 これで終わりじゃない・・・。
 これで終わりじゃないから・・・。」

勇者の娘
「まだおわりじゃないの?」

魔法使い
「みんなー!ご飯できたわよー!」

勇者の娘
「わーい!」

勇者
「『いただきまーす!』って言った瞬間来るぞ。
 魔王軍が。ズドーンって。」

戦士
「(勇者の隣で)うん。だから、来ないって。」


(仰げば尊しが流れる)


勇者の娘
「楽しかったー!」

卒業生たち
「レベル上げー!」

勇者の娘
「みんなで登ったー!」

卒業生たち
「天空の塔ー!」

勇者
「(保護者席に座って)卒業証書をもらった瞬間くるから。ズドーンって。」

戦士
「(勇者の隣で)来ない来ない。絶対来ない。」


(勇者の自宅)


カレシ
「娘さんを僕にください!!(頭を下げる)」

勇者の娘
「あたしからもお願い!」

勇者
「来るから・・・。
 ここで『あぁ、よろしくな』って言った瞬間くるから・・・。」

カレシ
「ありがとうございます!」

勇者の娘
「ヨシヒコ!やったわね!」

戦士
「(勇者の隣で)聞いてた?
 オッケー出てないよ、今の流れ。」


(病院)


勇者の娘
「おじいちゃん!おじいちゃん、大丈夫?」

勇者
「(ベッドに横になっている)絶対・・・これで終わりじゃないから・・・。」

魔法使い
「そうよね!これで終わりじゃないわよね!」

勇者
「これも全部・・・、あのときのひなたぼっこのせい・・・。」

魔法使い
「・・・おじいちゃん?」

勇者
「・・・。」

医者
「ご臨終です。」

勇者の娘
「おじいちゃーーーーんっっ!!
 『あのときのひなたぼっこ』って何ーーーーっっ?!!」

戦士
「(勇者の隣のベッドで横になりながら)・・・まぁ、そうなるよね。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

強いと思っていたものがあっけなく死んで、その後ずーっと気が気じゃないという設定のコント。

倒してからの人生がメインのコントですが、それまでの過程も大切ということで詰めていった結果、

久々に登場人物たくさん、文章量の多いコントになりました。

 

 

【上演メモ】

人数:5人以上

勇者

戦士

魔法使い

勇者の娘

王様

カレシ

医者

神父

 

所要時間:5分~10分
上演難易度:★★★★☆
備考:最低でも勇者、戦士、魔法使い、娘、王様は必要です。その他のキャラは演じ方次第でカットできるかなぁといったところ。

ただ、後半の人生はテンポよく進めていく必要がありますし、

何でそこにいるの?という戦士をツッコミのタイミングで突然登場させるのもポイントだったりするので、

実演は結構難しいと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】底なし穴殺人事件
【コント】カギ屋、呼び出される。
【お題コント】シナの5人兄弟
【コント】白雪姫と七人の小人
【コント】神様との別れ

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

↓こちらでも面白いブログがきっと見つかる!はず。
にほんブログ村 お笑いブログ 自作面白ネタへ
にほんブログ村


お笑い&ジョーク ブログランキングへ