#4のコントですが、独立しているので、

#1、#2、#3を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

#2はこちら

#3はこちら


 

(優雅な曲をバックに踊り続けている王子とシンデレラ。)


王子
「ま・・・まだ踊るの・・・?」

シンデレラ
「はい。せっかくの機会ですから。」

王子
「さっき、午前0時までって言ってなかったっけ?」

シンデレラ
「はい。
 ただ、魔法が解けないみたいなので、なんとなく踊り続けてます。」

鐘の音
「ゴーン・・・ゴーン・・・ゴーン・・・」

王子
「時計台の鐘が午前3時を告げたんだけど、まだ踊るの?」

シンデレラ
「はい!せっかくの舞踏会ですから!」


(2人の周りには、たくさんの踊り疲れた招待客が倒れている。)


王子
「いや、もうさすがにおかしいんじゃないかな。
 そろそろ魔法解けないと。
 3時間の遅れって相当だよ。」

シンデレラ
「例えば何が考えられますか?」

王子
「・・・魔法使いの身に何か起きたとか。」

シンデレラ
「大丈夫です。
 さ、踊りましょう!」

王子
「いや、もう休ませて。
 ぶっ続けだから。
 水分補給がしたい。」

シンデレラ
「ダメです。
 時間がもったいないです。
 いつ魔法が解けるかわかりませんから。」

王子
「貧乏性なの?
 せっかくのチャンスなんだし、とか思ってる?」

シンデレラ
「さぁ、王子さま!踊りましょう!」

王子
「なに、この女!
 なに、この底なしの体力!
 (執事の方を見て)ちょっと、セバスチャン!助けてよ!」

執事
「(泣きながら)坊ちゃんが・・・。坊ちゃんがこんなにも立派に・・・。」

王子
「ダメだ。セバスチャン、感極まっちゃって。」

シンデレラ
「あ!」

王子
「なに?」

シンデレラ
「魔法使いの魔法が切れるの、午前0時じゃなくて、正午なのかも。」

王子
「正午?!
 さっき午前3時の鐘が鳴ったばかりだから・・・、あと9時間もあるの?!
 いや、もたないもたない。体力もたない!」

シンデレラ
「いいじゃないですか、王子さま。
 時間のことは忘れて踊りましょう。」

王子
「忘れられない!もたげる!常に頭をもたげる!」

執事
「坊ちゃん。」

王子
「何、セバスチャン。」

執事
「坊ちゃんのもとに激励のメールがたくさん届いてます。」

王子
「いいよ、そういうの!」

執事
「こちら、不思議の国のアリスさんからいただきました。」


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ご無沙汰しています。
12時間耐久舞踏会、がんばってください。
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王子
「やってないから!『12時間耐久舞踏会』なんてやってないから!」

執事
「続きまして、7人の小人の右から2番目さんからいただきました。」

王子
「どっちから見て?!
 7人の小人に立ち位置の概念なかったよね?!」


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お疲れ様です。
舞踏会が終わったら、白雪姫のもとにキスをしにきてください。
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王子
「さすがに寝るよ!どんだけハードスケジュールなんだよ!」

執事
「最後にシンデレラの意地悪な継母さんからいただきました。」

王子
「自分で『意地悪な』って言っちゃうんだ。」


-------------------------------------------------
お~っほっほっほっほっほ。
お~っほっほっほっほっほ。
-------------------------------------------------


執事
「こちらからは以上です。」

王子
「最後のは何なの?!どういうメッセージ?!」

執事
「さぁ、ここでスペシャルゲストです!」

王子
「スペシャルゲスト?」

執事
「王子さまのお母さまです!」

王子
「母さん、何やってるの?!
 ど深夜に何やってるの?!」

執事
「さぁ、お母さん。息子さん、がんばってますねぇ。」

王子の母
「そうですね。立派に成長したなぁって。」

王子
「そういうのいいから!この女止めて!」

執事
「さぁ、それでは歌っていただきましょう!」

王子
「何でだよ。」

執事
「お母さまが歌います。
 ZARDで『負けないで』」

王子の母
「♪ふとした瞬間に~」


(5分後)


執事
「いやぁ、すばらしい歌声でした。
 お母さまで『負けないで』でした!」

王子
「どういうつもりで歌ってるんだか・・・」

執事
「では、続いてのナンバーは?」

王子
「また歌うの?!」

王子の母
「吉幾三さんの『オラ東京さいぐだ』。」

王子
「うん。だから、どういうつもりで歌ってるんだか。」

王子の母
「♪はぁー!テレビもねぇ!ラジオもねぇ!」


(9時間後)


王子の母
「♪あの鐘をー鳴らすのはーあーなーたー」

王子
「・・・9時間母親の歌を聞かされてるんだけど。
 こんなに母親の歌を聞いたの、赤ん坊の頃以来だ。」

執事
「いやー、すばらしい歌声でした。」

王子の母
「(声がガラガラ)はい・・・。心を込めて歌いました・・・。」

王子
「声ガラガラじゃん。
 そりゃそうだよね。9時間歌ってるんだもん。」

執事
「では、続いての曲を。」

王子の母
「ZARDの『負けないで』。」

王子
「もう9時間、ずーっと、『負けないで』『オラ東京さいぐだ』『あの鐘を鳴らすのはあなた』の繰り返しなんだけど。
 他にレパートリーないの?」

王子の母
「♪ふとした瞬間に~」

鐘の音
「ゴーンゴーンゴーン・・・」

王子
「12時!12時来たよ!
 待ちに待った12時来たよ!
 どう?魔法解けそう?」

シンデレラ
「(自分の身体をあちこち見る)・・・まだっぽいですね。」

王子
「なんだよもう!」

シンデレラ
「んー・・・。もしかしたら、今夜の深夜0時かも。」

王子
「あと12時間?!」

王子の母
「♪負けないでーほーらーそこにーゴールは近づいてるー」

王子
「近づいてないよ!むしろ遠ざかったよ!」

シンデレラ
「さぁ!時間を忘れて踊りましょう。」

王子
「忘れられない!むしろ時間のことしか考えられない!」

執事
「いやー、すばらしい歌声でした。」

王子の母
「セバスチャンはどういうポジションなの?
 徳光和夫ポジション?
 さっきも泣いてたし。」

執事
「では、続いての曲は?」

王子の母
「『オラ東京さいぐだ』」

王子
「でしょうね。」

王子の母
「♪はぁー、テレビもねぇ!ラジオもねぇ!」

シンデレラ
(曲に合わせて機敏な動きを見せる)

王子
「(振り回されながら)みんな気づいてないかもしれないけど、
 この曲になると、シンデレラの動きがキレキレになるんだ!」

王子の母
「♪オラこんな村イヤだー!オラこんな村イヤだー!」

シンデレラ
(王子を何度も地面に叩きつける)

王子
「(地面に叩きつけられながら)痛い痛い痛い!!
 僕は何?!シンデレラに懲らしめられてるの?!
 『もう悪さはしません』って言えばいいの?!
 であれば、言うけど!」


(4時間後)


王子の母
「♪あの鐘をー鳴らすのはーあーなーたー」

王子
「誰か早く午前0時の鐘鳴らして。
 もう無理・・・。16時間踊ってんだもん。
 母親の歌声をバックに。」

執事
「いやー、すばらしい歌声でした。」

王子の母
「セバスチャンもそろそろセリフのバリエーション変えようよ。
 ずっとその入り方だし。」

執事
「では、次の曲を。」

王子の母
「長渕剛で『とんぼ』。」

王子
「突然どうした?!」

王子の母
「いや、やっぱりZARDの『負けないで』。」

王子
「なんだよ!

 なんで一瞬、長渕が顔出したんだよ!」

王子の母
「♪ふとした瞬間に~」

王子
「ちょっとだけ長渕を聞きたい自分がいたよ!
 舞踏会には合わないけど!」


(4時間後)


王子の母
「♪オラこんな村イヤだー!オラこんな村イヤだー!」

シンデレラ
(王子を何度も地面に叩きつける)

王子
「(シンデレラに何度も地面に叩きつけられながら)
 もう悪さはしませんっ!!
 もう悪さはしませんっ!!
 もう悪さはしませんっ!!」


(4時間後)


鐘の音
「ゴーンゴーンゴーン・・・」

王子
「来た!ついに来た!
 どう?魔法解けそう!?」

シンデレラ
「(身体が光りだす)あ!解けそう!」

王子
「よし!解けるね!
 はい帰って!すぐ帰って!
 そして、もう来ないで!」

シンデレラ
「ごめんなさいっ!(入り口に向かって走っていく)」

王子
「うん。いいよ。もう来なくていいよ。」

シンデレラ
「あ。」

王子
「なに?」

シンデレラ
(そっとガラスの靴を置く)

王子
「・・・。」

シンデレラ
「ごめんなさいっ!(走って行く)」

王子
「しっかりとガラスの靴を置いていったけど・・・。」

執事
「(ガラスの靴を拾って)坊ちゃん!」

王子
「なに?」

執事王子の母
「追いかけて!」

王子
「誰が行くか!!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

同じことをとことん続けるというアイディアとシンデレラを組み合わせたコント。

何故かそこに24時間テレビがつながり、こんな形になりました。

 

【上演メモ】

人数:4人~

シンデレラ

王子

執事

王子の母

周りの倒れている人

 

所要時間:5分~7分
所要時間:★★★☆☆
備考:周りの倒れている人をエキストラで入れるか、セリフでカバーするかは状況に寄ると思います。狭い舞台だと難しいでしょうし。

シンデレラが王子さまを床に叩きつけるシーンは実際には難しいので、別のやりやすい形に変える必要があります。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】乙姫と浦島と玉手箱
【コント】カガミよ、カガミ。
【コント】ツルのおんがえし#3
【コント】大きなカブ
【コント】自由研究

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

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(もふもふって名前ですが、僕です。

コントのこともつぶやきますが、コント以外のこともゆるくつぶやいています。)
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