※#2のコントですが、#1とは独立しているので、

 #1を読んでいなくても楽しめます。

 ちなみに、#1はコチラ






シンデレラ
「(手紙を見ながら)本日、21時より、お城にて舞踏会を執り行います。
 王子様と謁見できるチャンス!ぜひ、ご参加ください・・・か。
 いいなぁ、舞踏会。
 でも、こんなみすぼらしい格好の私じゃムリか・・・」



「大丈夫です。シンデレラ。」


シンデレラ
「誰?」


魔女
「(姿を現す)私は魔女。
 シンデレラ。あなたを舞踏会に参加できるように魔法をかけてあげるわ。」


シンデレラ
「え?!いいんですか!?」


魔女
「もちろん!
 ではいきますよ。
 ハチマキ!ハラマキ!フトマッキー!!」



(シンデレラの服装がウェディングドレスに変わる)



シンデレラ
「・・・ん?」


魔女
「さぁ、シンデレラ!その服装で舞踏会へ・・・」


シンデレラ
「ちょっと魔女さん!」


魔女
「はい?」


シンデレラ
「この格好は・・・?」


魔女
「どうです?さっきのみすぼらしい格好から一転!
 一気に華やかになったわ!」


シンデレラ
「いや、華やかにはなったけど、え?ウェディングドレス?!」


魔女
「何?不満?」


シンデレラ
「いや、不満っていうか、舞踏会だから、結構動くんですよ。
 華やかな中にも動きやすさを求めているというか・・・」


魔女
「動きやすさかぁ。その発想はなかったわ・・・
 さて、あとはかぼちゃの馬車ね。」


シンデレラ
「ちょっと!ドレスの問題を無視して、話を先に進めないでよ。」



「大丈夫です!シンデレラ!!」


シンデレラ
「誰?!」


魔女2
「(最初の魔女より若い魔女が姿を現す)
 私が舞踏会にふさわしい格好を用意してあげましょう。」


シンデレラ
「いいんですか?!」


魔女2
「もちろん!
 ではいきますよ!
 ビビデバビデブー!!」



(シンデレラの格好が華やかなドレスに変わる)



シンデレラ
「うわ!かわいい!!」


魔女2
「さぁ、その格好で舞踏会に行きなさい。」


シンデレラ
「ありがとうございます!
 では行ってきます!!」


魔女1
「ちょっと待って!!」


シンデレラ
「・・・はい?」


魔女1
「(魔女2に向かって)あなた・・・何?」


魔女2
「何?って魔女ですけど。」


魔女1
「(シンデレラを指さし)この人はね、私が先に声をかけたの。
 勝手に取らないでくれる?」


シンデレラ
「取るって・・・」


魔女2
「あ、すみません。
 たまたま、ほうきで空を飛んでいるところを通りかかったら、
 シンデレラが困ってたんで、助けたんですけど、迷惑でした?」


魔女1
「メーワクもメーワク!すんごいメーワク!!」


シンデレラ
「あたしはうれしかったですけど・・・」


魔女1
「あんたは黙ってて!!」


シンデレラ
「すみません・・・」


魔女1
「あなた何?随分、若そうだけど。
 平成生まれ?」


魔女2
「えぇ、まぁ。
 今年、二十歳です。」


魔女1
「これだから平成生まれは・・・」


魔女2
「あ、じゃあ、私の魔法解くんで、私の登場はなかったことに・・・」


魔女1
「そうね。そうしてもらえると、こちらとしても。」


シンデレラ
「えー、あたし、このドレスの方がいいです!」


魔女1
「ちょっとシンデレラ!血迷ったの?!」


シンデレラ
「血迷ってはないですけど・・・。
 こっちの魔女さんの方がかわいいドレスだし・・・」


魔女1
「わかったわ!ちょっと時間ちょうだい!
 一週間!それまでにドレス調達するから!!」


シンデレラ
「一週間って・・・
 舞踏会、今日なんですけど。」


魔女1
「それについてはなんとかして延期させるから!
 一週間後、また会いましょう!(家を飛び出す)」


シンデレラ
「なんか、めんどくさいことになってきた・・・」




一週間後





シンデレラ
「(手紙を見ながら)先日、謎の魔女に襲われ、全治一週間のケガを負った王子ですが、
 無事ケガも治り、踊れるようになりました。
 本日21時より、延期していた舞踏会をお城にて開催いたします。
 ・・・っていうか、王子様にケガさせるって、何してるのよ、あの魔女!」


魔女1
「待たせたわね、シンデレラ!」


シンデレラ
「ちょっと!何王子様を襲撃してるのよ!」


魔女1
「他に方法がなかったのよ!」


シンデレラ
「いや、あったでしょ?」


魔女1
「さぁ、ではいくわよ!
 ハチマキ!ハラマキ!フトマッキー!!」



(シンデレラの服装が、チャイナドレスに変わる)



シンデレラ
「え・・・?」


魔女1
「さぁ、その服装で舞踏会にお行きなさい!
 さて、次はかぼちゃの馬車だけど・・・」


シンデレラ
「だから何、普通に進めてるのよ!
 え?チャイナ服?!」


魔女1
「動きやすい服装っていうから・・・」


シンデレラ
「動きやすいけど、確実に浮いちゃうわよ!」



「大丈夫です!シンデレラ!!」


シンデレラ
「その声は!!」


魔女2
「(姿を現す)また会いましたね、シンデレラ。」


魔女1
「出たな、平成生まれ!!」


魔女2
「お困りのようなら、この前のドレスに姿を変えてあげますが、
 どうします?」


シンデレラ
「それはもちろん、お願いします!」


魔女1
「なんでよぉ!!」


シンデレラ
「当然の結果よ!!
 どこの世界に舞踏会にチャイナドレス着て行くシンデレラがいるのよ!」


魔女1
「待って!もう一度!!もう一度私にチャンスをください!!
 あと一週間ください!!」


シンデレラ
「だから、舞踏会は今日なんですけど。」


魔女1
「それについては私が何とかします!
 すぐなんとかしますんで!!(家を飛び出す)」


シンデレラ
「・・・もう。あの魔女、ホントめんどくさい・・・」




一週間後、午前7時




シンデレラ
「(手紙を見ながら)2週連続で謎の魔女に襲われ、瀕死の重傷を負った王子ですが、
 何とか歩ける状態になったので、
 本日21時より、延期していた舞踏会をお城にて開催いたします。
 ・・・この王子様の舞踏会にかける執念、なんなの?」


魔女1
「おはよう、シンデレラ。」


シンデレラ
「うわっ!早っ!!ちょっと待って。まだ朝の7時よ?!」


魔女1
「今日はあの平成生まれが来る前にあなたに魔法をかけようと思って。」


シンデレラ
「今、魔法をかけられて舞踏会に行っても、
 お城の前で14時間も待ちたくないんですけど!」


魔女1
「かぼちゃの馬車の中で待ってればいいじゃない。」


シンデレラ
「お城の門番の人が気まずいわよ。
 早朝に馬車が来て、中から誰も出てこずにずーっと待ってるのよ?!
 最悪、駐禁切られるわよ。」


魔女1
「その時は私が警察を全治一週間にするわ。」


シンデレラ
「その困ったときの全治一週間やめてよ!」


魔女1
「そんなことより、魔法よ魔法!
 早く、あの平成生まれが来る前にあなたと契約しないと。」


シンデレラ
「契約?」


魔女1
「今月、ノルマ厳しいのよ。」


シンデレラ
「ノルマ?」


魔女1
「それではいきます!
 ハチマキ!ハラマキ!フトマッキー!!」



(シンデレラの服装がかわいいドレスにかわる。)



シンデレラ
「あ、意外!かわいい!!」


魔女1
「ふふふ。どうですか。
 あれから一週間。
 通信教育で服飾の勉強をした成果よ!」


シンデレラ
「あ、空から誰か来る。」


魔女2
「(通りかかる)あ、シンデレラ。
 朝、早いのにもう舞踏会の準備?」


シンデレラ
「あ、魔女さん。
 そうなんですよ。この人が朝早くから押しかけてきて・・・」


魔女1
「来たな、平成生まれ!!」


魔女2
「かわいいですね。あなたのデザインですか?」


魔女1
「そうよ、ドロボウネコ!!
 一週間、勉強したのよ、このメギツネ!!
 通信教育の底力、見せてあげるわ、このメス豚!!」


シンデレラ
「言葉のチョイスがエグい!!」


魔女2
「どうします?私も新しいドレスの準備はしてますが、
 このドレスで行きますか?」


シンデレラ
「魔女さんの新作ですか?!
 見たいです!!」


魔女2
「ではいきます。
 ビビデバビデブー!!」



(シンデレラの服装が華やかなドレスに変わる)



魔女1
「ふんっ!その程度?!」


シンデレラ
「あっ!!このドレス!!」


魔女1
「何?シンデレラ。」


シンデレラ
「今月号のセブンティーンの舞踏会特集に載ってたヤツ!
 わぁ、着たかったんですよ!これ!!」


魔女2
「あ、そうなんですか。
 たまたま街をほうきで飛んでたら見かけたんで、
 シンデレラに似合うかなぁと思って・・・」


魔女1
「何?!私は一生懸命勉強してあのドレス!!
 アンタは何も苦労せずに街で見かけたドレスで
 シンデレラに絶大な信頼を得て!!
 何ですか?!『わたし、流行は勝手に入ってきますよ』アピールですかっ?!」


シンデレラ
「私、このドレスにします!!
 このドレスで舞踏会行きたい!!」


魔女1
「あっさりシンデレラを奪われた!」


魔女2
「では、そのドレスで王子のハートをゲットですね!!」


シンデレラ
「はい!!先生!!」


魔女1
「ほら、もう『先生』って言っちゃってるし!!」


魔女2
「やっぱり流行には敏感でないとね。」


シンデレラ
「そうなんですよ。いつも雑誌で勉強はしてるんですけど、
 継母たちが外出させてくれなくて・・・」


魔女1
「ちょっとあたしのことは無視ですか?!」


シンデレラ
「そういえば、もう一人魔女がいたんですけど・・・」


魔女1
「『そういえば』扱い?!」


シンデレラ
「何か、呪文とかも変なんですよ。
 なんだっけ。『うず巻き右巻き堀北真希』・・・だったかな。」


魔女1
「全部違う!堀北真希なんて言ってない!」


魔女2
「まぁ、いいじゃないですか。
 このドレスに決めたことですし。」


シンデレラ
「そうですね。今日の舞踏会が楽しみだなぁ・・・」


魔女1
「もういいもん!!もう二度とここに顔を出すもんですか!!
 バーカバーカ!!(家を飛び出す)」


魔女2
「さぁ、今日の舞踏会、がんばってね!!」


シンデレラ
「はいっ!!」




(その日の21時。)





(王子の城の前。大量の女性が城に入れず困っている)



シンデレラ
「ちょっと、もう舞踏会の時間なのに、どうしてお城に入れないの?」


大臣
「みなさまに申し上げます!!
 本日の舞踏会ですが、王子が三度、魔女に襲われまして、
 面会謝絶の状態になりました。
 大変申し訳ありませんが、舞踏会は再度延期となります!!」


シンデレラ
「あの魔女!!またやりやがったなっ!!」



(満月をバックに魔女がほうきで飛んでいる。)



魔女1
「バーカバーカ!!」








【コント・セルフ・ライナーノーツ】

シンデレラの魔女が2人いたら・・・という発想から生まれたコント。


最近のコントの中では、かなり長めのコントになってしまいましたが、

お気に入りのコントです。







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