皆さま、こんにちは!

 

今日はとびきり素敵な駅舎を持つ駅の訪問記ですよ。

ここを列車で通るたび、駅舎を見て下車したい気持ちに駆られた人、

きっと多いのではないでしょうかね?

自分はそれまで何度もここを通過していたのに下車できず、

一昨年の夏にようやくホームに降り立つことが出来ました。

 

駅まで乗ってきたのは青い森701系電車です。

だからと言って、青い森鉄道線内にある駅ではありません。

自分がここを訪れたのは8月のど真ん中だというのに、

ビックリするぐらい涼しいの!

この日、待合室に付いてた温度計は25度を示してましたよ。

 

それもそのはずです。

当駅は標高427メートル地点にあり、

旧東北本線(東京駅-青森駅)間にある駅の中では

最も高い位置にある駅だそうですよ。

夏が涼しい分、冬はめっちゃ寒いらしい。

 

そしてホームから見える山高な屋根を持ったこの駅舎!

ここがどこの駅なのか、もうお分かりですよね。

…って今まで散々、駅名が出てきてましたが。

 

いわて銀河鉄道線・奥中山高原駅でした!

ハッキリ言います。

駅舎の佇まいヨシ!辺りの景色ヨシ!

それでありながら実は超マニアックな仕様で

いわて銀河鉄道線内に18ある駅の中では

駅巡りが一番楽しめた駅なのですよ(あくまでも個人的観測)。

何が超マニアックなのかは後ほど触れることにしまして…

 

奥中山高原駅は明治24年に開設された駅です。

国鉄時代からの鉄道ファンには、平成14年に改称される以前の

「奥中山駅」の方が馴染み深いかもしれませんね。

駅舎はさすがに開業当時から使われてるモノではありませんが、

戦後間もない頃に撮影された航空写真に写り込んでいるので、

戦前築であることは間違いないでしょう。

 

駅舎が小高い場所にあり、周囲を樹木で囲まれてました。

だから駅舎を正面から撮るのは至難の業だったみたい。

このアングルで奥中山高原駅を紹介するサイトが多いのは

そのためだったのですね。

 

駅前は閑散とした雰囲気ですけど

200メートルほど進むとお店が並ぶ国道4号線に出ることが出来ます。

 

奥中山高原駅は国鉄時代に無人駅化されましたが、

簡易委託の形態は継続されてるそうで、

自分が訪れたお盆休み中も出札窓口が駅業してましたよ。

 

ここで目についたのが、

壁一面に貼られた名誉駅長の「マロン」の写真です。

自分は「マロン」のことを知らなかったのですが、

委託駅員さんに飼われていたワンちゃんが

一緒に当駅に出勤(?)されてたそうで、

のちに正式に名誉駅長に任命されたんですって。

 

駅や駅周辺の店舗ではグッズや書籍まで売り出されたそうですけど、

「マロン」は平成21年に他界。

今でも駅舎の壁面に生前中の姿を写した写真が飾られてるのでした。

 

そして隅っこには蒸気機関車の写真も。

この写真、よく見ると三重連の蒸気機関車が写ってますよね?

今から50年以上も前の話ですけど、この写真を撮りたいために

全国から数多くの鉄道ファンが奥中山高原駅に集まってたらしく。

冒頭に書いた「奥中山高原駅がマニアックな仕様」なのも

これにまつわるモノなのです。

 

そもそも奥中山高原駅、

23.8パーミルの急勾配が連続する十三本木峠のど真ん中にある駅で、

蒸気機関車の時代は峠越えのために

一戸駅-沼宮内駅(現・いわて沼宮内駅)で補助機関車を連結してました。

なお、全ての列車が蒸機三重連になるわけではなくて、

補助機関車が後ろに付く「後補機」もあったそうで。

いずれにしても、重厚な蒸機が行き交うスゴイ光景が

ここでは楽しめたみたいですね。

 

そんな勾配のど真ん中にある奥中山高原駅ですから

構内配線も変わっており、列車を行き違いさせる際に

勾配上にある構内で列車を停車させると再加速が出来ないため、

構内に平坦な「加速線」が設けられてました。

下は単線時代の昭和23年に撮影された航空写真ですが、

スイッチバックに似た横取線(加速線)が

構内の南北に設けられてるのが見えますでしょうか?

 

奥中山高原駅がある区間は昭和31年~40年にかけて複線化され、

横取線は上下線に挟まれる位置に変わったために

目立たなくなりましたが、

現在でもホームからその姿を見ることが出来るのですよ。

IGR・奥中山高原駅

左右にある本線が勾配を下ってるのに対し、

中央の横取線だけが上向きに見えるのがその証拠。

現在は奥中山高原駅で退避する列車が設定されていないために、

加速線は役目を終えたみたい。

線路が途切れていたのはそれが理由だったのですね。

 

どうです?奥中山高原駅はなかなかマニアックな駅でしょ?

えっ、そんな風に思わなかった?

IGR・奥中山高原駅

 

こちらは奥中山高原駅のホームです。

相対式&島式ホームによる複合2面3線構造でした。

IGR・奥中山高原駅

IGR・奥中山高原駅

 

最後は愛しの駅舎の写真で〆ます。

IGR・奥中山高原駅

…以上、配線マニアなら住みたくなっちゃうこと間違いなしの

奥中山高原駅の様子でした。

それにしても、こんな勾配を現代の機関車は

グングンと昇っていくのだからスゴイと思いません?

国鉄時代は十三本木峠越えのために

150人以上の国鉄職員さんが従事されてたらしいですからね。

 

 

訪問駅リスト(第三セクター線 私鉄線 ほか)

IGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線

 

盛岡駅(平成26年9月23日)

青山駅

厨川駅

巣子駅(平成29年8月14日)

滝沢駅(平成29年8月16日)

渋民駅(平成26年9月23日)

好摩駅

岩手川口駅(平成28年1月1日)

いわて沼宮内駅

御堂駅(平成26年3月15日)

奥中山高原駅(平成28年8月12日)

小繋駅(平成26年3月15日)

小鳥谷駅(平成26年3月15日)

一戸駅

二戸駅

斗米駅(平成26年3月15日)

金田一温泉駅

↓(目時駅方面)

 

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