Girl Trouble

ジューンは南米のゴム園の息子ペドロに部屋を貸し出した。ペドロはタイヤ会社と交渉するためにニューヨークに来た。
だがタイヤ会社との交渉はうまくいかない。ジューンはペドロを助けようとするが、逆効果のようである。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1942、監督:Harold D. Schuster、脚本:Robert Riley Crutcher、Ladislas Fodor、Vicki Baum、Ladislas Fodor、Guy Trosper


■ はじめに

◆ 登場人物

ジューン・ディレイニー(ジョーン・ベネット)
黒い犬(?) ジューンの飼い犬、名前不明
ドン・ペドロ・サリヴァン(ドン・アメチー) ゴム園の経営者の息子
アンブローズ・マードック・フリント(フランク・クレイヴン) タイヤメーカー
サイモン・コルドバ(フォーチュニオ・ボナノヴァ) ペドロの会社のニューヨーク駐在員

◆ 補足

ジョーン・ベネットはいろいろな役をこなす女優。コメディも多い。彼女のコメディは、かなりドタバタと展開するタイプが多い。本作もそのとおり。
 


■ あらすじ

◆ アパートを貸し出した

ディレイニー家は名家、かっては莫大な財産を所有していた。

だがジューンの父親が第二次大戦前に行った投資が失敗して落ちぶれた。その父親も今はいない。

それでもジューンにはまだ財産がある。所有しているアパート形式の屋敷を貸し出すことにした。

◆ 社長の息子

新聞広告を出したところ、ヴェネズエラ人でゴム関連会社の社長の息子のペドロ・サリヴァンという男性が応答してきた。

サリヴァン家はゴム園を所有している。こちらもディレイニー家と同じで若干の苦境に見舞われている。

大手の販売先を開拓するか、あるいは資金を借りる必要があるという状況。それでニューヨークに来た。

ペドロは当座の金をもっていなかったのだが、ジューンと面談して、即座にアパートを借りることにした。

◆ ジューンはエプロン姿

ペドロがとりあえずの荷物だけをもって到着した。出迎えたのはエプロン姿のジューン。

ジューンがエプロン姿になったのは、単なる冗談である。そこまでは落ちぶれてはいない。

前に会っているにもかからず、ペドロはジューンと認識しなかった。ジューンは「ミス・ディレイニーは旅行中」ということにした。

ジューンはむしろこの状態が気に入って、ずっとメイドの振りをしようと考えた。

◆ いろいろ失敗したが、

ジューンはプロではないので、いろいろと失敗をやらかす。そのたびに笑顔を作ってごまかした。ペドロも気持ちよく、笑顔に騙された。

最初にベッドルームに案内した時には、ジューンが飼っている小さな黒い犬がベッドから出てきた。

ジューンは手を口に当てたが、ペドロはむしろ犬を気に入って、雰囲気が和んだ。以降、その犬が毎朝ペドロを起こしに行った。

◆ タイヤメーカーとの交渉

ペドロがニューヨークに来た理由は、タイヤメーカーの経営者アンブローズ・マードック・フリントとの交渉のためである。自分の会社のゴムをタイヤに使ってほしい、あるいは自社に融資してほしい。

ペドロはフリントと会うが、フリントはペドロの自然ゴムではなく、人造ゴムを使うという。すでに準備を進めているとのこと。

その後、ペドロは自社のニューヨーク駐在のサイモン・コルドバと話をした。

コルドバはペドロの話をまったく誤解した。フリントから融資を受けて、ペドロの会社が人造ゴム事業に進出するものと理解した。

◆ ジューンを巡ってケンカが、

さてジューンはある高級クラブに出かけて、男性とダンスをしていた。こちらがジューンの本来の姿である。

だが、そこにペドロがいるのを発見した。ジューンは隠れた。ペドロが近づいてくるので、逃げ回った。

だがクラブの従業員がジューンの正体を明かした。二人は別のクラブに行った。

そこでジューンの美貌を巡って争いが発生した。だが、この争いのとばっちりでジューンがケガをした。

ペドロはジューンを連れて帰って、自分が寝泊まりしている部屋のベッドに寝かせた。注、ベッドは複数あり。

ペドロは知らないがジューンは軽傷ですぐに治った。だがジューンはずっと怪我が治っていないふりをする。

ペドロがジューンに食事を運んでくる。ノックがすると、ジューンはベッドに潜りんで苦しそうな表情をする。これがしばらくの間繰り返される。

その間に二人の間に....というのは必然的な展開である。

◆ ペドロはジューンを誤解した

コルドバはペドロが融資を受けていないことを知ってペドロを追求した。

ペドロは、それをばらしたのはジューンであること誤解する。

一方ジューンはフリントに接近して、ペドロに融資するようにと工作する。フリントと会っているジューンを見て、ペドロはジューンをさらに誤解した。

ジューンが説明しようとしてもペドロは聞かない。

◆ ハッピーエンド

これを見たジューンの友人。トラブルの内容はよく知らないものの、三人を別々にパーティに招待した。フリント、ペドロ、ジューン。他の二人が来ることは知らせていない。

そしてある部屋で三人を会わせた。三人は驚いたが、まずジューンが先に口を開いた。

三人は事情を理解し、フリントはペドロに融資をして、またペドロの会社のゴムを自社のタイヤに使うことになった。

ペドロとジューンの関係は修復し、さらにハッピーとなったことは言うまでもない。
 


■ 出演作

ジョーン・ベネット
(1933)若草物語/Little Women
(1941)マン・ハント/Man Hunt
(1944)飾窓の女/The Woman in the Window
(1945)緋色の街、スカーレットストリート/Scarlet Street
(1947)浜辺の女/The Woman on the Beach
(1949)無謀な瞬間/The Reckless Moment
(1940)私はナチと結婚した/The Man I Married/I Married a Nazi
(1954)ハイウェイ捜査網/Highway Dragnet
(1942)トゥインベッド、コメディ/Twin Beds
(1948)Hollow Triumph/The Scar
(1947)決死の猛獣狩り/The Macomber Affair
(1948)Hollow Triumph/The Scar
(1951)戻ってきた男/The Guy Who Came Back
(1938)おしゃれ地獄/Artists and Models Abroad
(1939)家政婦の娘/The Housekeeper's Daughter
(1977)サスペリア/Suspiria
(1941)恋の掛け持ち/she knew all the answers
(1945)愛への旅路/Nob Hill
(1932)山の少女/Wild Girl
(1935)ギャングの管財人/She Couldn't Take It
(1936)不思議な宝石盗難事件/Big Brown Eyes
(1950)天使の助け/For Heaven's Sake