ネイリストのイヴには刑事のダニエルという恋人。「ダニエルが浮気?」と思ったが、実は宝石盗難事件。
イヴは新聞記者に変身してダニエルと一緒に事件を捜査する。
製作年:1936,監督:Raoul Walsh,脚本:Bert Hanlon,Raoul Walsh,原作:Hahsit Babe/Big Brown Eyes(1935,James Edward Grant)
■ はじめに
登場人物(キャスト)
イヴ・ファーロン(ジョーン・ベネット) ネイリスト
ダニエル・バー(ケーリー・グラント) 刑事、イヴの恋人
ベッシー・ブレア(イザベル・ジュウェル) 目撃者
チェスリー・コール夫人(マージョリー・ゲイトソン) 大富豪
リチャード・モーリー(ウォルター・ピジョン) 私立探偵
ラス・コーティッグ(ロイド・ノーラン) ギャング
ベニー・バトル(ダグラス・フォーリー) コーティッグの手下
ケーリー・バトラー(アラン・バクスター) コーティッグの手下
ドン・バトラー(ヘンリー・ブランドン) コーティッグの手下
ジョーン・ベネットはいろいろな役をこなす女優。私は大好き。今回は、ネイリストのイヴ(ジョーン)がとつぜん記者に変身し、事件捜査。大拍手。
■ あらすじ
◆ イヴ・ファーロン
イヴ・ファーロンはニューヨークの高級ホテルの美容院のネイリスト。(ジョーン・ベネットが演じているので)口が立ち強気のキャラクターである。
ホテルの宿泊客がお客なので男性も来る。
そして刑事のダニエル・バーという恋人がいる。ダニエルは何度もイヴにプロポーズしているが、それをはねつけている。
ダニエルは刑事にしておくには、もったいないくらいのハンサムで、女性にモテモテで、浮気が心配だからである。
いやいや、このまま恋人同士の方が気楽だという計算もあるかもしれない。
◆ ダニエルが浮気っ!?
イヴはダニエルとデートの約束をしていた。だが仕事ができたとのことで、デートはキャンセルとなった。
刑事なので事件が発生すれば、そのようなことはある。そのように自分に言い聞かせていたところ、仕事が入った。
ある女性宿泊客からである。指定された部屋に出向いた。
だが驚いたことに、客の女性と一緒にいるのは、なんとダニエルではないかっ!?
ダニエルが何かを説明しようとしたが、イヴはたちまち機関銃のような口撃。怒って部屋を飛び出した。
◆ 宝石が盗まれた
部屋にいたのはチェスリー・コール夫人。コール夫人は宝石のコレクターで、夫人の宝石が盗まれた。
ダニエルは、その事情聴取に訪れていたもの。
コール夫人のまわりには奇怪な動きがあった。夫人の宝石が盗まれる。宝石には保険がかけられているので保険金が支払われる。
だがその後に宝石が発見される。すると夫人は宝石と保険金の二重取りで保険金詐欺の疑惑。
しかも今回は三度目である。
そのような事情のため、ハンサムというだけではなく、頭の切れるダニエルが事情を聞いていたもの。
捜査上のことは秘密なので、このようなことはイヴには当然話していなかった。
◆ イヴは記者になった
イヴを大好きなダニエルは事情説明のために美容院に出かけた。
だがイヴの怒りは収まらず、大声を出して暴れた。そのせいで店を辞める嵌めになった。
少々頭を冷やしてからダニエルの説明を聞いて納得した。だが職を失った。
イヴもキレイなだけでなく頭もよい。以前に「新聞記者になれる」と言われたことを思い出して、その記者を訪ねていって、めでたく記者として雇われることになった。
ということで、ダニエルとイヴはコール夫人の宝石事件を調べることになった。最強コンビの誕生。
◆ 保険金の行方
ダニエルとイヴはまだ知らないが、我々は知っている。
悪人は私立探偵のリチャード・モーリー。彼はギャングのラス・コーティッグと結びついている。
コーティッグは手下を使って富豪から宝石を盗む。
モーリーは親切そうな顔をして富豪に取り入って「宝石を探しましょう」と申し出る。
コーディックから宝石を受け取って富豪に戻す。その前に保険金は支払われているので、それを一味が受け取って山分けするというメカニズムである。
◆ 赤ん坊が撃たれた
さて現状はコール夫人の宝石が盗まれた状態である。
だが今回は上記のメカニズムが働かない。実行犯が欲を出して、コーティッグに報酬の要求を引き上げた。
怒ったコーティッグは拳銃で実行犯を撃った。だが弾は実行犯に当たらないばかりが、ベビーカーの赤ん坊に当たって死亡してしまった。
何の罪もない赤ん坊が死亡するとは、実に大事件である。メディアは大きく取り上げた。
◆ コーディッグが怪しい
そして実行犯が落としていったターゲットの富豪のリストがあった。
事件を目撃したベッシー・ブレアという女性がいた。駆けつけたダニエルとイヴはブレアから逃亡した犯人(=実行犯)の人相を聞いた。
イヴは犯人の一人は、元の勤務先の美容院の常連ベニー・バトルではないかと気がついた。
ここはイヴの独壇場である。何食わぬ顔でバトルと話をしてコーティッグまで辿り着いた。
◆ コーディッグは無罪
コーティッグは逮捕された。ブレアの確認を取って起訴されることになった。
だがモーリーが裏から手を回してコーディックは釈放。
コーディックは警察から出てきた。隠れていたイヴが警察の中から持ち出した拳銃でもって、空に向かって何度も引き金を引いた。
恐怖に駆られたコーディックは警察署に駆け戻った。
コーディックは赤ん坊銃撃事件について白状し、起訴され、裁判が開かれた。補足。モーリーや宝石盗難事件の件については口をつぐんでいる。
ダニエルとイヴは裁判を傍聴。モーリーも来ている。
だが陪審員団の判断は無罪。二人は納得できない顔。
◆ 電話を盗み聞き
嫌気がさしたイヴは新聞社を辞めて、元の美容室に戻った。
客の爪を磨いている。客は実はモーリー。モーリーは散髪をしながら電話をしている。
イヴはモーリーのことは知らない。内容ははっきりとは分からないが、イヴは電話の話に出て来たアパートをダニエルに通知した。
◆ ダニエルが捕らえられた
モーリーの電話の相手はコーディックの手下。
手下二人は、コーディックをあるアパートに呼び出した。先般の対立関係を修復するという話をした。
だが、それは偽装で、二人はコーディックを射殺。
だがこの部屋に潜んでいた者がいる。ダニエル。
だが二人はダニエルに気がついて拳銃をつけつけた。
それで二人は、モーリーに報告。だがその前で爪を研いでいるのはイヴ。注、ここはモーリーの部屋ですでに夜になっている。
イヴに金を渡して帰す。電話をかける。
ダニエルを捕らえている二人のうちの一人がモーリーの元へ向かう。
◆ ついにモーリーは捕えられた
ダニエルが拳銃を突き付けられている部屋。
死んだと思われたコーディックが倒れたまま呻き声。
拳銃を突き付けていた男がコーディックに気を取られた。その瞬間を狙ってダニエルは男を殴り倒し、手錠をかけてポールに縛り付けた。
美容室に男がモーリーを訪ねてきた。イヴが気づく。
モーリーが入ってくる。だがダニエルも跡を追ってきた。
美容室の中で拳銃を構えて睨み合う事態。
イヴが警察に電話。駆けつけた警官隊にモーリーたちは捕えられた。
◆ ラスト
事件の決着かついたところで、ダニエルとイヴの恋愛の決着もついたようである。
二人は結婚に向かって突き進む。
■ 出演作
◆ ジョーン・ベネット
(1933)若草物語/Little Women
(1941)マン・ハント/Man Hunt
(1944)飾窓の女/The Woman in the Window
(1945)緋色の街、スカーレットストリート/Scarlet Street
(1947)浜辺の女/The Woman on the Beach
(1949)無謀な瞬間/The Reckless Moment
(1940)私はナチと結婚した/The Man I Married/I Married a Nazi
(1954)ハイウェイ捜査網/Highway Dragnet
(1942)トゥインベッド、コメディ/Twin Beds
(1948)Hollow Triumph/The Scar
(1947)決死の猛獣狩り/The Macomber Affair
(1948)Hollow Triumph/The Scar
(1951)戻ってきた男/The Guy Who Came Back
(1938)おしゃれ地獄/Artists and Models Abroad
(1939)家政婦の娘/The Housekeeper's Daughter
(1977)サスペリア/Suspiria
(1941)恋の掛け持ち/she knew all the answers
(1945)愛への旅路/Nob Hill
(1932)山の少女/Wild Girl
(1935)ギャングの管財人/She Couldn't Take It