Lady Without a Passport

移民局のビーターは密入国組織を捜査するためにハバナにきた。拠点となっているカフェに入り込んだ。
オーストリア人のマリアンヌと知り合って惹かれた。ビーターはマリアンヌに便宜を図ろうとする。


製作年:1950、監督:Joseph H. Lewis、脚本:Cyril Hume、Howard Dimsdale、原作:Lawrence Taylor


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

ビーター・カーザグ(ジョン・ホディアック) 移民局員
フランク・ウェストレイク(ジェームズ・クレイグ) ビーターの上司

マリアンヌ・ロレス(ヘディ・ラマー) オーストリア人
パリノフPalinov(ジョージ・マクレディ) カフェオーナー、レバノン系

ヘディ・ラマーはオーストリア・ウィーン出身。この役には好適。
 


■ あらすじ
 


◆ 密入国を謀る人々

第二次世界大戦後、いろいろな理由でアメリカ入国を拒否された人間がハバナに集まっている。

レバノン系パリノフが経営するカフェにはそのような人々がいて、アメリカに密入国する機会を窺っていた。

それを捜査するために移民局のピーター・カーザグはハバナへ派遣されて、ハンガリー人の振りをしてカフェに来た。

◆ マリアンヌ・ロレス

密入国を狙う人々の中にブーヘンヴァルト強制収容所にいたオーストリア人難民、マリアンヌ・ロレスがいた。

ビーターはマリアンヌから次の入国日程や経路などを聞き出そうとした。

当然の展開ではあるが、ビーターとマリアンヌはお互いに惹かれた。

ピーターはマリアンヌになんとか便宜を図ろうとしてハバナに留まるように言った。しかし真の理由は言うことはできない。マリアンヌはピーターの言葉に反発する。

◆ アメリカ入国を強行

パリノフはビーターの正体を掴んで殺し屋を差し向けた。しかしビーターは殺し屋に打ち勝って、さらに次の入国日程を掴んだ。

ビーターは、その情報を上司に報告した。出発を準備していた双発飛行機は取り押さえられた。

だが、その飛行機はスキを見て離陸を強行した。それにはマリアンヌが乗っている。移民局の飛行機が追いかけた。

◆ 湖沼地帯の逃避行

フロリダ上空まできた。しかし移民局の飛行機が迫っている。このまま飛行場に着陸すれば捕らえられる。

飛行機は湖沼地帯の空き地に強行着陸した。一人が死亡し、また数人が負傷した。

パリノフとマリアンヌともう一人が逃亡した。ジャングルの中を彷徨い、見つかったボートに乗って入り組んだ水路を進んだ。

一人が毒蛇に襲われた。毒蛇を射殺したものの、自分も咬まれて倒れた。

パリノフとマリアンヌはさらに逃亡した。

◆ マリアンヌと再会した

事態を把握したビーターは移民局の係員たちと湖沼地帯を捜索した。

ビーターは他と別れてモーターボートで水路を探し回った。

ボートを岸に着けた。そこにはパリノフとマリアンヌがいた。

パリノフは拳銃を突き付けた。ピーターは分からないように燃料タンクの底のコックを開けてボートを下りた。

パリノフはボートに乗って去った。しばらくすると燃料不足で停止するはずである。

ビーターはマリアンヌを密入国者としては扱わないことに決めた。二人は歩いて湖沼地帯を抜けた。
 


■ 出演作

ヘディ・ラマー
(1945)夢のひととき/Her Highness and the Bellboy
(1946)奇妙な女/The Strange Woman
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1947)退職した女/Dishonored Lady
(1941)結婚を買う女/Come Live With Me
(1958)女優と養女とエキストラ/The Female Animal
(1950)銅の谷/Copper Canyon
(1940)石油ブームの町/Boom Town
(1942)交錯する記憶/Crossroads
(1942)パイザノと美女/Tortilla Flat