パイザノは勤勉に働くよりも享楽的な生活を好む。その中の一人ダニーが二軒の家を相続した。
数人のパイザノたちは、おこぼれに預かろうと、彼の家に住み始めた。近くに缶詰工場で働くドロレスが引っ越してきた。ドロレスにダニーとピロンが接近した。
製作年:1942、監督:Victor Fleming、脚本:John Lee Mahin、Benjamin Glazer、原作:Tortilla Flat(John Steinbeck)
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ピロン(スペンサー・トレイシー)
ダニー(ジョン・ガーフィールド)
海賊(フランク・モーガン)
パブロ(エイキム・タミロフ)
ドロレス(ヘディ・ラマー)
ヘディ・ラマーはわりと悪女役が目立っているとはいえ、普通の役もコメディも演じる素晴らしい女優である。
■ あらすじ
◆ パイザノとは
カリフォルニア州、モントレー。海を見下ろす丘陵地帯。この一角にトルティーラという集落がある。ヒスパニック系の住民が住んでいる。多くは男性である。
トルティーラの住民の多くは、いわゆるパイザノである。勤勉に働くよりも享楽的な生活を好む。場合によっては貧困であることも気に留めない。
美味しい料理とワインがあればよいのだが、それを手に入れるために努力するような連中ではない。
◆ ダニーが財産を
トルティーラに住むパイザノの一人ダニー・アルバレスは最近亡くなった祖父から、懐中時計とトルティーラの二軒の家を相続した。
すると事態は一変し、周りのパイザノたちは、このおこぼれに預かろうとする。
ピロンは、近所にいるだけでたいして親しくもなかったダニーに笑顔で話しかけるようになり、引っ越してきた。
海賊はたくさんの犬と暮らしている貧乏な老人で薪を集めて生活している。ごくわずかの収入である。
だが海賊が金を使っているところを目撃した人物はいない。海賊もダニーに近づいた。
◆ 海賊の貯金
ピロンは同じ家に住み始めた海賊がお金を貯めているものと考えて、それを盗もうとする。
だが海賊は、病気の犬を治してくれた(と思っている)聖フランチェスコに捧げる黄金の燭台を買うために、金を貯めていた。
それを知ったピロンは計画を取りやめた。
ここで彼らが住んでいる家が焼失したので、ダニーが相続したもう一軒の家に引っ越した。
◆ ドロレスが引っ越してきた
さてトルティーラにドロレスと言う女性が引っ越してきた。彼女は女性でもあるしパイザノではない。ちゃんと缶詰工場に勤めている。
ヘディ・ラマーが演じているので、もちろん美人である。さっそくダニーが一目惚れ。実はピロンも彼女に惹かれたのだが、ダニーの方が早かった。
だがドロレスはパイザノである彼らを相手にしない。
◆ 二人は結婚した
ダニーとドロレスは少しずつ接近していった。ピロンは二人を好意的に眺めるようになった。
ダニーは缶詰工場にドロレスを訪ねていく。だがそこで事故にあい、危うく死亡しそうになった。だがピロンのお陰で命拾いをした。
ダニーはパイザノを止めて漁師になることにした。ピロンは漁船を買うための金を集め始めた。
まだ漁船を買うことはできないが、ダニーとドロレスは結婚した。
■ 出演作
◆ ヘディ・ラマー
(1945)夢のひととき/Her Highness and the Bellboy
(1946)奇妙な女/The Strange Woman
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1947)退職した女/Dishonored Lady
(1941)結婚を買う女/Come Live With Me
(1958)女優と養女とエキストラ/The Female Animal
(1950)銅の谷/Copper Canyon
(1940)石油ブームの町/Boom Town
(1942)交錯する記憶/Crossroads
