■ Good Sam
サムはデパートの店長。だがあまりに人が良すぎる。新居購入に貯めていた貯金も隣人に貸してしまう始末である。
その他にも、人が良いために、いろいろと損をしている。妻のルーシーもハラハラしている。だが運命が好転をしはじめた。
製作年:1948、監督:Leo McCarey、脚本:Ken Englund、原作:Leo McCarey、John D. Klorer
■ はじめに
登場人物(キャスト)
サム・クレイトン(ゲイリー・クーパー) 店長
ルシール・クレイトン(アン・シェリダン) 妻
ルル・クレイトン(Lora Lee Michel) 娘
プッチ・クレイトン(Bobby Dolan Jr.) 息子
クロエ(Louise Beavers) クレイトン家のメイド
クロード(ディック・ロス) ルーシーの弟、居候
H.C.ボーデン(Edmund Lowe) 社長
シャーリー・メイ(Joan Lorring) 店員
ルーシー(ルース・ローマン) 店員
ダニエルズ牧師(レイ・コリンズ)
アダムス・ネルソン(Clinton Sundberg) 隣人
ネルソン夫人(Minerva Urecal)
バトラー(?) 隣人
本作はモノクロ映画だが、カラー化されたものが出回っている。
■ あらすじ
◆ サム・クレイトン
サム・クレイトンはボーデンデパートの店長。美人の妻のルシール、二人の子供と一緒である。今は借家だが、自宅を購入するつもりである。
絵にかいたような幸せな家庭である。
だが、しかし少々問題が発生している。そのくらいでないと映画にはならない。
その問題の原因は、サムがあまりにも善人であることである。
◆ クロードが居候
発生している問題をいちいち上げていくのも面倒なのだが、それが本作のストーリーである。
まずルシールの弟クロード。弟とは言っても父親が浮気してできたもので、母親は別である。
クロードは失業して転がり込んできた。ルシールはひそかに反対を伝えたが、サムは気持ちよく彼を受け入れた。
部屋が足りないので、クロードが夫婦の部屋に入り、サムはプッチの部屋、ルシールはルルの部屋で寝起きをしている。注、メイドのクロエは通い。
居心地が良いのか、クロードは仕事を探しもしないで、ずっと居候状態。もちろん食費はタダである。
◆ まだいろいろと問題が..
隣人のバトラーがピクニックに出かけるのだが、車が故障しているとのことで、自分の車を貸してやった。バトラーは強度の近視で事故を起こした。修理代はサムが払うことになった。
店員のシャーリー・メイが失恋して、同居していたアパートを出なければならなくなり、シャーリーもサムの家に転がり込んだ。注、どこの部屋に?
さらにアダムス・ネルソンがガソリンスタンドを買うので金を欲しいと行ってくる。サムは新居購入の資金を貸してやる。
さてルシールは新居をいろいろ探しているのだが、ちょうどよい物件が見つかった。だがサムが資金を貸してしまったことが判明。購入できない事態となった。ルシールは泣き出した。
◆ 運命は逆回転を始めた
クレイトン一家の運命も尽きてしまったかと思えたが、ここで運命は逆回転をし始めた。諸行無常、人間万事塞翁が馬である。
クロードとシャーリーが恋人同士となった。
アダムスは買ったスタンドが高額で売れて、また別のスタンドを購入した。サムに1000ドルの利息をつけて戻した。
これでルシールが見つけた新居の費用を支払った。
クロードはアダムスのスタンドで働くことになった。
◆ だがしかしまた問題が..
クリスマスが近い。サムは自分の店舗で毎年行っているホームレスのために寄付活動をした。
多額の寄付金が集まり銀行に預けに行った。だが途中で病気を装った女に頭を殴られて寄付金を奪われてしまった。
埋め合わせに銀行に行って「金を貸してほしい」と頼んだが、サムのキャラクターを知っている担当者に断られた。
サムは酒場で酒を飲んだくれる。
◆ 再び幸運
ルシールは新居に引っ越すので、家具をすべて新しくようと、今ある家具をすべて救世軍に寄付をすることにした。救世軍が家具を持ち去った。
ルシールは新居に移った。そこへ融資を断った銀行員が「サムのような人に貸さなければ、誰に貸すのか?」と上司に叱られてやってきた。
さらにボーデン社長も訪ねてきて「サムを店長から副社長にする」と直々に知らせにきた。
◆ ラスト
だがしかし肝腎(最近は肝心?)のサムが行方不明である。
外から救世軍の楽隊の音が聞こえてきた。なんと、その中に酔っぱらったサムがいて、大声で歌っているではないかっ!
■ 出演作
◆ アン・シェリダン
(1939)無法者の群/Dodge City
(1938)汚れた顔の天使/Angels with Dirty Faces
(1950)ローラー・コースターの女/Woman On The Run
(1958)もう一度春が来た/Come Next Spring
◆ ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1935)オペラハット/Mr. Deeds Goes to Town
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1950)燃えつきた欲望/Bright Leaf
(1936)真珠の首飾り/Desire