■ The Man with Two Brains(1983)/記憶を他者の脳に移植する


製作年:1983、脚本:カール・ライナー、他、監督:カール・ライナー   予告編


■ あらすじのあらすじ

ドロレスは老人の夫から遺産を奪い取る作戦が失敗し道路に飛び出した。

そこで脳外科医マイケルの車にはねられた。脳を損傷したがマイケルが手術して全快。

二人は結婚したがドロレスは性生活を拒否。気分転換もかねてオーストリアに旅行。

当地でネセシターという学者と会った。ネセシターは多数の生きた脳をビンに入れていた。

脳から記憶を取り出して他の脳に移植する研究をしている。

マイケルはドロレスとうまく行かないこともあり、脳だけの存在のアンという女性に恋をした。


■ はじめに

本作はとんでもないバカ映画(←褒め言葉)なのでまじめに見てはいけない。ホラー+コメディのありえない映画。

登場人物
 マイケル(スティーヴ・マーティン)
 ドロレス(キャスリーン・ターナー)
 ネセシター(デイヴィッド・ワーナー)
 アン(?)
 


■ あらすじ

◆ マイケルとドロレスが結婚した

ドロレスは屋敷を飛び出した。「遺言を書き換えた」と老人の夫から言われて、遺産を奪い取る作戦が失敗したからである。しかしそこで車に跳ね飛ばされた。

ドロレスを跳ねたのはマイケル。マイケルは天才的な脳外科医、脳外科医の天才である。一年前に愛する妻のレベッカを亡くし、毎日悲嘆に暮れていた(はず)。

慌ててドロレスに駆け寄った。みると絶世の美女。たちまちレベッカのことを忘れてしまったかどうかは不明。ドロレスの脳が損傷したようである。

加害者が被害者を手術することには反対もあったが、他には適任者はおらず、マイケルがドロレスの手術をすることになった。成功。マイケルには失敗はありえない。

マイケルは大事に飾っていたレベッカの肖像画を物置にしまった。ドロレスにプロポーズする。ドロレスはプロポーズを受け入れて、二人は結婚する。

マイケルは幸福な結婚生活を期待したが、そうは展開しなかった。なにしろ相手が悪い。ドロレスである。ドロレスは性生活を拒否した。まだ車椅子だし頭も痛いらしい。しかし庭仕事に来た筋肉マンに色目を使ったりもしている。

こんな状態なのでマイケルは頭がおかしくなりそうだった。「マイケルの脳手術が必要かも?」という事態である。

◆ 二人はオーストリアへ

オーストリアから講演依頼がきていることもあり、二人でハネムーンを兼ねてオーストリアに行くことになった。一転してマイケルはウキウキ。

ホテルでは「エレヴェータ・キラー」が出るそうである。エレヴェータの中で襲われて殺される。

脳移植ついて講演会。今回の講演の目玉は回転式の脳の蓋。これをつけると簡単に開頭することができる。講演会の後にネセシターという人物から声をかけられた。「手を組みたい、私の研究室に」。

◆ 脳の記憶を他の脳に移植する研究

ネセシターの研究室には多数のビンがあった。その中には脳が入っていた。特殊な液体に浸かっており、生きているそうである。「脳から記憶を取り出して、他者の脳に移し替えることが目標」。

死体から脳を生きた状態で取り出すために、特殊な薬剤を注射する。注、それでは死体ではないと思うが..。

死体はエレヴェータ・キラーの被害者を死体安置所にワイロを渡して取得する。またエレヴェータ・キラーが出たとのことでネセシターは出かける。

◆ マイケルに遺産が

マイケルがホテルに戻るとドロレスが下着姿で男の前に立っている。「オサワリ15000ドルのバイト」だそうである。ずいぶんと高いな。マイケルが怒ると、ドロレスは「頭に血が上ったのね、嬉しいわ」と挑発。マイケルは離婚を言い渡して外に出る。

部屋に残ったドロレスにマイケル宛ての電話がかかる。「マイケルの姉妹が亡くなり、遺産の手続きが必要」とのこと。それを聞いてドロレスは笑顔。

◆ 脳だけの存在のアンがマイケルに...

一方、ドロレスとの未来を諦めたマイケルはネセシターの研究室でレベッカの人形を取り出して、じっと眺めている。次第に楽しい気分になってくる。すると声が聞こえてくる。レベッカの声かと思ったが違う。いや声ではなく、脳に直接入ってくる。テレパシー。それは21番のビンから聞こえてきた。

その脳は「アン・アーメルメヘイ」と名乗った。アンは自分が脳だけの存在であることを認識していないようである。ネセシターが戻ってくるが、アンの声は聞こえないようである。アンにもネセシターが認識できてない。

ネセシターは脳(の記憶)をゴリラに移植する話を持ち出した。ほとんど成功しているそうである。

◆ ドロレスの遺書を見つける、しかしアンからテレパシー

ホテルに帰るとドロレスの遺書があった。「私の保険金を譲る、お幸せに」とあった。ドロレスの悲鳴が聞こえたのでベランダに出ると、少し離れた別の部屋のベランダにドロレスがいた。身を乗り出している。「(自殺の)リハーサルなの」。マイケルは「離婚は止めた」とドロレスを説得。注、遺産はマイケルの姉妹の話なので、ご注意。

マイケルは、手に唾をつけて、その粘着力で壁を伝ってドロレスを助けに行く。ドロレスを抱いて、また唾の粘着力で戻っていく。唾が足りないのでドロレスの唾も譲りうける。必見の場面。

無事に部屋に戻った。ドロレスは感激。一転して結婚して初めてセックス。

二人で寝ていると、マイケルにアンのテレパシーが聞こえてくる。「助けて!」。マイケルはドロレスを放り出してアンのところへ急いだ。

◆ マイケルはアンの脳とデート

ネセシターは不在。アンのビンを探したが見つからない。ゴリラの檻からテレパシーが聞こえる。なんとアンの脳(の記憶)はゴリラに移植されていた。いや違った。ゴリラの檻の前にアンのビンがあった。ネセシターはアンの脳(の記憶)をゴリラに移植するつもりだったらしい。マイケルはアンのビンを大切に抱えて持ち出した。

ホテルに帰って長期休暇のための家を探した。ドロレスを伴って、そして秘密裏にアンも伴って新しい家に行った。ドロレスは帰宅させるつもり。マイケルはアンに満足しているで、ドロレスを放ってすぐに眠る。

次の日、ドロレスは町に出かける。マイケルとアンは二人きり。マイケルはアンを抱えてボートに乗った。しかし戻ってきたドロレスに目撃される。「あの脳と怪しいわ」と追及。「私よりも、あの脳の方が好きなの!?」。

◆ アンの脳がレンジに入れられる

例の遺産の件で再度電話がある。マイケルは前に電話があったことを知る。「ちょうど、君がやさしくなった日だ!」「金が目的だったのか?」と言うとドロレスは「他にどんな理由があるの?」。

マイケルは「今度こそ離婚だ」と言って出ていく準備をする。ドロレスは、その間にアンをレンジに入れて熱する。アンはテレパシーでマイケルを呼出す。マイケルはアンをレンジから取り出す。アンに「10数えろ」。しかしアンは9を抜かして数える。熱でイカレタらしい。

マイケルとドロレスが格闘となる。ドロレス優勢だったがマイケルはドロレスにタマ蹴り攻撃(!)をしてドロレスを倒す。

◆ マイケルはアンの脳の記憶を移す死体を探す

マイケルはアンを抱えてネセシターを訪ねる。「私を脳にしてほしい、アンと一緒のビンに」。対してネセシターは「アンの脳をゴリラに」と提案。マイケルが拒否すると「人間でもできる」。そしてネセシターは「エレヴェータ・キラーの死体を待てばよい」と言う。

マイケルは「それでは間に合わない」と死体を探しに出かける。

一方ドロレスは拳銃を調達する。

マイケルは事故の現場を目撃。いそいで駆け寄る。「まだ生きてる」と言われるが「いや死んでる」と言って首を絞める。しかし周りの人に阻止された。

マイケルは車で現場を走り去るが、ドロレスが乗った車が追いかける。マイケルは対象者を物色する。殺すつもりである。マイケルは対象者とホテルに入る。マイケルは注射器を取り出す。通りからドロレスが見張っている。マイケルは注射器を刺そうするが、最後の瞬間に躊躇する。

◆ ドロレスがエレヴェーターキラーに殺される

ドロレスがエレヴェータで上がってくる。マイケルが部屋から出てきてエレヴェータの前まで来る。ドロレスが倒れている。エレヴェータ・キラーの仕業である。

マイケルはドロレスの死体とアンのビンを抱えて、ネセシターのところへ急ぐ。アンは「もう眠い」と言っている。急ぐ必要がある。

途中でパトカーに止められて、ドロレスの死体が見つかるが、なんとか突破。パトカーが追跡してくる。ネセシターの研究所に到着。

◆ アンの記憶がドロレスの死体に移される

しかしマシンが故障している。だがマシンはゲーム機を改造したもので、コインが足りないだけだった。急いでコインを投入。事故が発生したが成功。アンの記憶がドロレスの死体に移動した。注、死体なら移しても意味ないと思うが、そこは不問にする。

しかし事故のせいでマイケルは6週間も気を失った。そして目が覚めた。ドロレスの体=アンと再会。その間にアンはやたらと食べて太ってしまった。それでもアンを抱えて、よろめきながら屋敷に入った。
 


■ 蛇足

レベッカとドロレスは、わりと似ている。マイケルはレベッカの肖像画に向かって「彼女は君を思い出させる」と言う。注、レベッカは肖像画と人形のみで登場する。

「二つの頭脳を持つ男」のタイトルは内容と合致しない。

デイヴィッド・ワーナー。「ジキル博士とハイド氏/Dr. Jekyll and Mr. Hyde(2002)」。
 

キャスリーン・ターナー
(1981)白いドレスの女/Body Heat
(1988)スイッチングチャンネル/Switching Channels
(1991)私がウォシャウスキー/V.I. Warshawski
(1983)二つの頭脳を持つ男/ The Man with Two Brains
(1984)ロマンシング・ストーン/Romancing the Stone
(1985)女と男の名誉/Prizzi's Honor
(1985)ナイルの宝石/The Jewel of the Nile
(1986)ペギー・スーの結婚/Peggy Sue Got Married
(1988)偶然の旅行者/The Accidental Tourist
(1989)ローズ家の戦争/The War of the Roses
(1992)心の扉/ハウス・オブ・カード/House Of Cards
(1993)アンダーカバーブルース/子連れで銃撃戦/子連れスパイ危機一発/UNDERCOVER BLUES
(1994/シリアル・ママ/Serial Mom
(1997)シンプル・ウィッシュ/Simple Wish
(1999)ベイビートーキング/ Baby Geniuses