偶然の旅行者:浮気と離婚:映画/ウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、ジーナ・デイヴィス

The Accidental Tourist

メイコンとサラの間は子供をなくして以来、なんとなく隙間風が吹いている。サラは別居を宣言して出ていった。
メイコンは仕事で出張するために飼い犬をシングルマザーの調教師ミュリエルに預ける。その後、ミュリエルとの関係が少しずつ深まっていく。
メイコンは再度出張となるが旅先で持病の腰痛が悪化する。サラか駆けつけてきて、夫婦仲が元に戻ったかに見えた。

製作年:1988年,監督:Lawrence Kasdan,脚本:Frank Galati,Lawrence Kasdan,原作:The Accidental Tourist(Anne Tyler) ■ はじめに

登場人物
　　メイコン・リアリー(ウィリアム・ハート) - The Accidental Touristの著者
　　サラ・リアリー(キャスリーン・ターナー) - メイコンの妻
　　ポーター・リアリー(デヴィッド・オグデン・スティアーズ) - メイコンの兄
　　チャールズ・リアリー(エド・ベグリー・ジュニア) - メイコンの兄
　　ローズ・リアリー(エイミー・ライト) - メイコンの妹
　　ミュリエル・プリチェット(ジーナ・デイヴィス) - 犬の調教師
　　アレクサンダー・プリチェット（ロバート・ゴーマン） - ミュリエルの息子
　　ジュリアン(ビル・プルマン) - メイコンを担当している出版社の社員

登場人物が少なく、また身近な関係である。

■ あらすじ

メイコンは、ビジネスパーソン向けの旅行ガイド「The Accidental Tourist」シリーズの著者。実用的なアドヴァイスが役に立つとの評判である。取材のために、いろいろと旅行している。一人息子のイーサンがキャンプ場での強盗事件で死亡してからは、妻のサラとは、なんとなく隙間風が吹いている。

メイコンの実家は、兄が二人と妹が住んでいる。世間からは隔絶した生活を送っている。兄二人は独身。またローズも兄の世話などで結婚をしそびれている。この家族は電話がかかってきても出ない。そのような生活である。

メイコンはサラから家から出ていくとの決意を告げられる。離婚への道である。しかしこの二人は言い争うようなことはない。たんたんとしている。

仕事で旅行に出るために、飼い犬のエドワードをミュリエルに預ける。アレルギー体質の7歳の子供アレクサンダーを持つシングルマザーだが、ミュリエルのユニークな性格が印象に残る。その後ミュリエルにエドワードの訓練を依頼するなど、関係が深まっていく。

メイコンは、一人でさみしい生活を送っていたが、エドワードが驚いたことがきっかけで骨折し、実家に戻って生活することになる。

この一家には少しずつ変化が現れる。打ち合わせのために実家に来たジュリアンがローズを好きになる。またメイコンとミュリエルが一緒に住むようになり、アレクサンダーとも仲良くなる。

ジュリアンとローズが結婚することになる。結婚式に来たサラは、気持ちが吹っ切れているようである。

しかしローズは結婚したと言うものの実家に戻ってしまった。それはジュリアンとの不仲ではなく、兄たちが心配なためである。ジュリアンには料理を作って届けている。メイコンはジュリアンに「ローズに別の仕事を」とアドヴァイスする。

さて新しい著書のためにメイコンはパリをはじめとしていくつかの都市を周ることになる。飛行機に乗ると、なんとミュリエルがいる。アレクサンダーは預けてきたそうである。口論になるが、ミュリエルの決意は固く、同じホテルを予約している。

さてメイコンは腰痛持ちである。ホテルの中で再発し動けなくなってしまった。予定を遂行できなくなってしまったメイコンは出版社に連絡するが、電話に出たのはローズである。

ローズは航空機やホテルの予約をキャンセルする。出版社の仕事をし始めて、生き生きとしているようである。

そしてサラがホテルに訪ねてきた。ローズの手配である。サラは親身になってメイコンの世話をし、二人の仲は元に戻った。

かに見えたが、次の朝メイコンは「やはり一緒にやっていけない」と言う。結果、二人はやはり別れることになる。

兄も同じだが、メイコンの問題点は「ものごとにまともに向き合わない」ことである。これはサラが指摘したとおりである。本作には、たびたびメイコンの著書の引用が入っており、それが旅行だけではなく人生の適切なアドヴァイスになっているのだが、メイコン自身はグダグダで決断がつかない。