先日記事にした大手町にある「杉本博司作オブジェ」。

双曲線関数を目に見えるように模型化したものですが、

具体的には、下の数式どおりに作るとこの立体ができあがります。

 

X=コサインu/ハイパーボリックコサインv(双曲線関数)

Y=サインu/ハイパーボリックサインv(双曲線関数)

Z=vーハイパーボリックタンジェントv(双曲線関数)

(0<=u<2π<=v<∞)

 

これと同じものが、江之浦測候所にもありました。

 

 

大手町:

(一番細い先端は5㎜。実際にはこの数式だと無限になるので、ミクロの世界までどんどん細くなりますが、便宜上、ある一定の所で打ち止め。残りの部分は頭の中で想像して楽しむというのが杉本さんの構想。)

 

 

江之浦測候所:

大手町と全く同じ数式に基づいて作られました。

ただし、基礎となる土台部分の材質が異なります。

 

 

 

大手町の作品タイトルは、「SUNDIAL」。

江之浦のほうは「数理模型0010 負の定曲率回転面」

背景は笹などが生い茂る林。

セッティングが全く異なります。

海外でも同じものを何か所かに設置しているようです。

 

 

 

こちらの基壇は、反射望遠鏡のために作られた光学硝子です。

江之浦測候所には、光学硝子使いの部分が何か所もありました。

杉本さんお気に入りの素材なのでしょうか。

 

 

 

敷地内には茶室もひとつあります。その名も「雨聴天」=うちょうてん。

千利休作と伝えられる「待庵」の本歌取りとして構想されたものである由。

 

「雨聴天」=うちょうてんというのは、なんだか白洲次郎・美智子さんの武相荘=ぶあいそうのような同お茶目な音異義語の発想のようにも思えますが、茶室のトタン屋根をたたく雨音からの連想だそう。

本トタン屋根はミカン畑にあった小屋を転用したものだったと記憶します。

 

 

 

 

杉本博司 臨書
夢窓国師 墨跡 来泉

 

 

 

さりげなく置かれていた沓脱石。

芸術的な硝子作品!

 

 

 

茶室前にある石造鳥居は古墳時代のもの。

英国ドーセット地方で見られる遺跡を想起します。

 

 

 

そぞろ歩きをしながら縦横無尽に様々な時代のものたちと出会う江之浦測候所。

ただ一か所だけ、いわゆる博物館になっている箇所がありました。

それがなかなかツボでした。

その”博物館”の話をも今後ぼちぼち書く予定。

 

 

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