東大阪で暮らす加藤俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)の兄妹は,子どもの頃,長距離トラックの運転手だった父(板橋駿谷)を事故で亡くしていた。
俊樹は工場で働き,フミ子は大学で事務をしている。
父の死後,母(安藤玉恵)と3人で支え合いながら暮らしていたが,フミ子(小野美音)が4歳のとき彼女は「自分はバスガイドをしていた重田喜代美(美南琴奈)だった」と言い出す。
小学生だった俊樹(田村塁希)は,フミ子にせがまれて母に内緒でフミ子の記憶の中にある彦根市へ一緒に行く。
フミ子は懐かしげに彦根の街を歩き,ついに喜代美の父仁(酒向芳)に出会う。
仁は,娘が事故で痛くて苦しんでいるときにお昼ご飯を呑気に食べていた自分を後悔し,それ以降,生きるために最低限しか口にできなくなっていた。
痩せ細った仁を見たフミ子は,俊樹にツツジの花で作った「花まんま」を渡して来てほしいと頼む。
それを見た仁は,喜代美が子どもの頃に作っていたのと全く同じ花まんまを見て涙を流す。
喜代美の兄宏一(六角精児)と姉房枝(キムラ緑子)は,天国の喜代美が食べれなくなったお父さんを心配しているのだと言ったが,仁は喜代美が生きてどこかにいると思い,俊樹を追い,駅で俊樹とフミ子に会う。
仁は,フミ子が喜代美だと確信し,喜代美と呼ぶが,俊樹は「この子はフミ子や。俺の妹や!」と強く拒絶する。
そして,帰った後,フミ子にもう仁たちとは会わないと約束させる。
その後,俊樹たちの母は過労で亡くなり,俊樹は更にフミ子の幸せだけを願って暮らすようになる。
やがてフミ子は,勤務先の大学で鳥類の会話を研究している中沢太郎(鈴鹿央士)と知り合い,彼と恋をして結婚をすることになる。
俊樹は頑固親父のように難癖をつけるものの中沢が誠実な人間であることは分かっており,結婚式に向けて話を進める。
一方,フミ子にはある不安があった。
それは,あれほど鮮明だった喜代美としての記憶が,だんだん薄れてきてしまったことだった。
フミ子は,喜代美としての記憶があることも俊樹には内緒で中沢に話しており,中沢はそれも受け入れていた。
フミ子は俊樹との約束を破り,中沢とふたりで彦根の仁の元へ向かう。
俊樹はフミ子が,自分に内緒で仁と手紙のやり取りをしていたことに気づき,フミ子を追う。
フミ子は彦根の駅に着いたものの,仁の家がどこにあるのかも分からなくなっていた。
同行した中沢は,フミ子から仁の家の特徴を聞き,鳥たちからその場所を教えてもらってようやく仁の家にたどり着く。
フミ子の希望は仁に自分の結婚式に出席してもらうことだった。
仁たち家族は喜ぶものの俊樹の気持ちも知っており迷っていた。
フミ子たちが仁の家を出た後,俊樹は仁の家に着き,絶対に出席は認めないと言う。
その後,かつてフミ子が仁に渡す花まんまを作った公園で,俊樹はフミ子に会う。
約束を破ったと怒る俊樹に対して,フミ子は手紙のやり取りをしただけで会ってないから約束は破ってないと答える。
フミ子は,父が幼いときに亡くなったので父親の思い出はなく,父親の娘に対する想いは,すべて仁との文通で知ったと話す。
その後,俊樹は仁たちを結婚式に招待することにするが,会場のホテルを勘違いしていたことで一騒動あり,かろうじて間に合う。
俊樹は,予定していた型どおりのスピーチではなく,母が亡くなったあと自分はフミ子の幸せだけを願って生きてきて,すべて自分の力でやってきたと思い込んでいたが,それが間違いだったとようやく気づいたと言う。
様々な人たちが自分たちを助けてくれたことへの感謝を述べる。
無事,結婚式が終わり,フミ子と中沢は招待客を送り出すが,フミ子は仁に向かって,どこから来てくれはったんですか?とたずねる。
彦根からと答える仁に,えらい遠くからありがとうございますと言うフミ子は,喜代美の記憶をすべて失っていた。
帰りの列車で仁たちはそのことを寂しく感じるが,引出物のひとつが花まんまであることに気づき涙を流す。
有村架純待望の関西弁作品だが,伊丹の彼女に西宮の鈴木亮平,ファーストサマーウイカにオール阪神・巨人と来れば関西弁警察の出番はない。
原作小説はフミ子に結婚がきまったところで終わっており,その後の物語はこの映画による創作とのことらしい。
それにしても有村架純は「月の満ち欠け」に続いてまたもや生まれ変わりストーリー。
「月の満ち欠け」が嫌な感じの多い話だったことに比べると今作は,いささかコテコテ感も強いが,ハートウォーミングで良いし,結婚式が終わって前世の記憶がすべて消えるという設定も悪くない。
又,その割り切りを花まんまの引出物で救うという回収も見事だと思う。


























































































































