高知県の海沿いで真田夢二(日村勇紀)は,焼肉店を営んでいた。
夢二は2人の弟とひとりの妹と暮らしていたが,早くから両親を亡くした真田家では,長男の夢二が親代わりとして兄妹たちを育ててきた。
夢二は婚活が上手く行っていないのが悩みだった。
三男の詩文(柄本時生)は,ガソリンスタンドで働いていたが,元同級生の宍戸(細田善彦)が学生時代に変なあだ名をつけられたことを恨み,嫌がらせを続けていた。
又,長女の想乃(伊藤沙莉)は,妊娠5ヶ月になっていたが,父親である神内(平田貴之)とは別れており,一人で産み育てることを決めていた。
それぞれに悩みのある兄弟だったが,次男の日出男(中村倫也)は,実は自分が土星人で,土星には存在しない「家族」とは何かを知るために1年間(地球では23年)の留学に来ていたと打ち明ける。
そのために兄妹たちの記憶を改ざんして家族として暮らしてきたが,その期限があと少しで終わってしまうと言う。
日出男は自分が土星人であることを証明するため,写真には写らない,首を回して振り向く事ができない,記憶を改ざんできる,透明になれる,Wi-Fiを繋げられる,ウナギと会話ができるなどの能力や特徴を説明する。
そして,宍戸の嫌がらせに困っていた詩文を助けるために能力を使い,宍戸と詩文を和解させる。
一方,想乃は妊娠を神内には知らせていなかったが,夢二は神内の無責任な行動が許せず,彼に決闘を申し込む。
夢二は日出男に手出し無用と告げていたが,神内はボクシング経験者であり,夢二はあっさりと倒されてしまう。
日出男はこっそりと能力を使って夢二に神内をノックアウトさせる。
日出男は神内の一連の記憶を消し,大好きなSNSを二度と使えないようにし,もっとひどいこともできると想乃に言ったが,彼女はは神内から自分の記憶を消すことだけを頼んだ。
日出男は帰還に備えて色々な思い出作りに励んでいたが,家族を1人土星に連れて帰らないといけないことを告げる。
そして連れていくと二度と地球には帰れないが,もし連れて帰らないと,自分は刑務所に230年入れられてしまうと言う。
結局,夢二がクジの細工を日出男に頼み,自分が行くことにする。
日出男と夢二は座椅子にしか見えない宇宙船に乗り込み,出発するが日出男は途中で夢二を突き落とし,「また会える」という言葉を残して1人で土星に帰っていった。
それから5ヶ月が過ぎ,想乃は無事赤ちゃんを生む。
大喜びの夢二は日出男の声を聞き,振り返りる。
日出男は想乃の赤ちゃんに生まれ変わったらしい。
ゆるゆるストーリーの映画で,肩の力を抜いて楽しめる。
とは言うものの,日村以外は名優揃いであり,このメンバーを集めて,このクオリティーというのは,かなりもったいない。
ほのぼのSFコメディを作るにしても,このメンバーなら,もう少し内容のあるものができたのではないか。