高校1年生の門松勝太(岸優太)は私立武華(たけはな)男子高校に転校してくる。

 元々ヤンキー校だったが,なぜか4つの女子高に囲まれたせいで入学希望者が増え,進学校になったという高校である。

 当然,女子校の生徒にはモテモテであり,勝太も「彼女を作りたい」と期待に胸をふくらませていた。

 ところが彼が入ったクラスは,元からいたヤンキーたちを集め,校舎から隔離され教師たちも怯える問題児集団・1年G組だった。

 

 

 荒れ果てた教室にはクセの強いヤンキーたちが集まり,勝太に凄みを効かせるが彼は意に介さず,彼女を作ることだけに興味を示す。

 

 肝田(矢本悠馬),梅田(森本慎太郎),薙(りんたろー。)たちを引き連れて女子に声を掛けまくるが全く相手にされない。

 

 だが進学クラスの生徒たちが,嫌がる女子にしつこく絡んでいるのを見た勝太はそいつらをあっさりとノックアウトする。

 彼らは八代(吉村界人)が率いる進学クラスの不良たちだった。

 八代はその女子を捕らえて殴り,瀬名(竜星涼)に勝太にやられたと言わせる。

 

 瀬名は進学クラスでトップの成績の上,ケンカも強く,すべての女子に分け隔てなく接するのでいつも女子たちが回りを取り囲んでいた。

 

 

 女子生徒が勝太に殴られたと聞いた瀬名は,勝太に殴りかかる。

 勝太は応戦しながらも,自分は女子を殴ったりはしないと言い続ける。

 やがて瀬名も勝太の言葉を信じ,真相を探る。

 

 

 その女子生徒は女暴走族グループの上城レイナ(恒松祐理)の姉だったが,レイナは姉が八代に脅されて嘘をついたことを聞く。

 レイナから真実を聞いた勝太と瀬名は八代たちに挑み,彼らをぶちのめす。

 

 その様子を校舎の屋上から見ていた3年の八神紅一(田中圭)と伊達薫(高良健吾)は,面白い男が入ってきたと期待する。

 

 勝太はレイナからGメンの話を聞く。

 

 

 かつてGメンと呼ばれた不良グループは,天王会と名乗る凶悪組織を死闘の末に壊滅させた。

 しかし,誰がメンバーなのかも分からず,最近は活動もないため,今では都市伝説だと言われている。

 

 1年G組の担任は渡辺という教師(星田英利)だったが,G組のあまりのでたらめぶりに体調を崩し,雨宮瞳(吉岡里帆)という女性教師が代わりに担任になった。

 雨宮は,エキセントリックな性格であり,クラス全員に自分がいかに美人で人気者かを力説し,彼女の年齢に触れる生徒は決して許さなかった。

 

 

 だが雨宮には,友則(落合モトキ)という元カレがストーカーになってつきまとっており,彼女は不安をごまかしながら暮らしていた。

 家に帰れない雨宮のために両親が海外にいて豪邸で一人暮らしの瀬名は,彼女を自宅に泊める。

 瀬名の父親がストックしていた高級酒を飲みまくり,派手に酔っ払った雨宮は,瀬名と勝太の前で自分の心の内をさらけ出す。

 

 一方,瀬名は勝太に子どもの頃,母親の浮気現場を見てしまってから,女性を見ても勃起しなくなったと打ち明ける。

 勝太は自分が前の学校でトラブルを起こして仲間を見捨てて逃げてきてしまったと打ち明ける。

 

 しばらくは何事もなかったが,ある日,雨宮は友則が雇ったチンピラに拉致される。

 瀬名が助けに行くが,劣勢だったところに勝太が駆けつけ,チンピラたちをぶちのめす。

 雨宮は友則をぶん殴る。

 

 瀬名は雨宮に抱きつかれたとき,自分が勃起していることに気づく。

 

 

 勝太に興味を持った3年の伊達は,彼を誘ってあちらこちらで遊び回る。

 

 

 ある日,伊達は勝太に自分がゲイであり,勝太のことが好きだと打ち明ける。

 

 

 勝太はそれを断るが,伊達に対する敬意は何も変わらないと告げる。

 

 八神と伊達は,天王会のリーダーだった加藤侠介(尾上松也)が出所したという話を聞き,また天王会が暴れ出すのではと心配をしていた。

 

 

 八神と伊達はGメンのメンバーであり,彼らのリーダーだった桜井(大東駿介)が抗争で重傷を負ったとき復讐を誓っていたが,桜井からそれでは加藤たちと同じになってしまってダサいと言われ,それ以上,天王会を攻撃することを止めていたのだった。

 

 

 天王会の松永(後藤剛範)は,レイナの暴走族グループに天王会に入るよう,しつこく誘っていた。

 

 レイナたちはケンカの強い勝太に味方になってもらおうと考え,レイナが色仕掛けで勝太に近づくが,男性経験のないレイナはちぐはぐな行動を取ってしまい,ふたりの仲は進まない。

 

 その内,レイナは松永にさらわれ天王会のアジトに監禁される。

 

 

 それを知った勝太はひとりで助けに行くが,瀬名や肝田,梅田,薙たちも駆けつける。

 それでも加藤にはなかなか勝てず,苦戦しているところに八神と伊達が乗り込み,勝太と加藤の一騎打ちをお膳立てする。

 

 

 勝太は加藤を倒し,八神と伊達は天王会を撲滅させようとするが,勝太はそれを止める。

 これ以上やったら,加藤と同じになってしまってダサいと言って。

 

 その勝太の言葉を聞いて八神と伊達は,自分たちの後を継ぐ者が出てきたと感じる。

 

 

 

 マンガ原作のヤンキーもの

 

 おっさんが高校の制服を着て殴り合う映画は,もうご勘弁というところだが,「今日から俺は!!」くらい笑えれば話は別。

 

 この映画では,田中圭も結構ぼけまくってはいるが滑り気味であり,吉岡里帆がひとりでその役を担っている。

 実際のところ,彼女が主役と言っても良いくらいの存在感だった。

 

 恒松祐理も期待していたのだが,「全裸監督」に出てからやる役ではないかな。