パパ・パパゲーノ -78ページ目

ドレミの歌

 ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』でマリアが子どもたちに音階を教えるときに歌う歌です。映画では、ザルツブルクの、今は市役所(?)になっている場所の、庭の噴水のふちを回りながら歌うシーンがありました。


 英語では、


 do re mi fa so la ti do 

 ド  レ  ミ ファ ソ ラ ティ ド


と、シ(イタリア語では si シ)のところが、ティになっています。実際の発音は、


 ドウ レイ ミー ファー ソウ ラー ティー ドウ


となるようですから、歌詞は下のようです。子どもに覚えさせるためとは言え、相当乱暴なものです。


Doe, a deer, a female deer     ドウは鹿、メスの鹿

Ray, a drop of golden sun      レイは金の太陽のしずく

Me, a name I call myself       ミーは自分を呼ぶ名前

Far, a long long way to run     ファーは長く長く続く道

Sew, a needle pulling thread    ソウは糸を引っ張る針 

La, a note to follow so        ラーはソに続く音符

Tea, a drink with jam and bread   ティーはジャムパンと一緒に飲むもの

That will bring us back to do    それがドウへと連れ戻す


歌詞は記憶で、訳文は今でっちあげたもの。それにしてもヘンな歌詞ですね。ペギー葉山が歌った日本語の訳詩もびっくりするものでした。


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ライナス・ポーリング

 ライナス・ポーリング(Linus Pauling, 1901-1994)は、単独名義で2度ノーベル賞をもらった唯一の人として有名な化学者です。1954年にノーベル化学賞、1962年にノーベル平和賞。(キュリー夫人も2度受賞していますが初めの賞は夫と共同でもらった。)


 そんなに偉い先生ですが、大学生向けの教科書も書いています。『一般化学』。岩波書店から上下2巻で出ていましたが、今では絶版のようです。化学は進歩の著しい学問のようですから、時代に合わなくなっているのかもしれません。


 化学の試験で赤点をもらってしまって、この教科書で必死に勉強し、なんとか追試験に合格したことがあります。翻訳ですが、じつに分かりやすい教科書でした。今でもときどき講談社ブルーバックスなどの化学の入門書に手が出るのは、このときの一種の「達成感」を再体験してみたい気持が動くからです。追いつきませんけれど。


 ポーリング博士は、70年代に大いに流行った、ビタミンCによるガン療法の主導者でもありました。医学界からは相手にされず、晩節を汚したかのように言われたこともあります。


 ところが、ビタミンC療法の研究は細くはあってもずっと続けられていたらしい。最近、点滴の中に大量のビタミンCを入れて投与する方法でガン治療を施して成功している病院があるのだそうです。東京にある。副作用のことは前から言われていましたから、それがどんな形でか克服されたのでしょうね。朗報です。くわしいことが分かったらご報告します。


 ポーリング博士は93歳まで長命しましたが、亡くなったのは前立腺がんでだったそうです。


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チャリング・クロス

 ロンドンの中心地にチャリング・クロスロードという、ゆるい坂道がありました。いまでもあります。35年ほど前に、この通りの古本屋さんに行ったことがあります。買わなかったけれど。


 坂道を登りきったところに、パレス劇場というのがあって、そこで『ジーザス・クライスト・スーパースター』をやっていました。これを見た衝撃が後を引いて、ずっとミュージカルを観たり聴いたりしてきました。この劇場も、もちろん今でも健在のようです。


 オペラも好きになりましたが、こちらはある程度年をとってから親しむほうがよいか、と手前勝手に考えています。男と女が惹かれあったり反発したり、仲のよくない家族や王家の若い男女がひそかに恋に落ちたそのことが悲劇を生んだり、という、人の世に避けられない関係の劇、それを甘美なメロディーと大仕掛けなオーケストラで目の前に広げてくれるページェントの楽しみは、若いころには知らないものでした。


 ロンドンにはコヴェント・ガーデンという場所に王立歌劇場があったのに、まだ行ったことがありません。


 さて、チャリング・クロスという地名をタイトルにもつ素敵な作品があります。『チャリング・クロス街84番地』(中公文庫)。ヘレーン・ハンフというアメリカの女流作家の作。第2次大戦中の話だったと思います。ロンドンの古本屋のおじさんとアメリカ人の作家が交わす書簡が中心になっていました。


 アンソニー・ホプキンズとアン・バンクロフトとが演じて映画にもなっています。


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発ガン物質

 立花隆さんが『文藝春秋』4月号で「僕はガンの手術をした」という連載(?)を始めました。「同時進行ドキュメント」とうたってありますから、治療中の執筆です。膀胱ガン。医学にかんするルポもたくさん書いてきた人なので、分かりやすいのが助かります。何を書いても分かりやすい書き手ですが。


 その記事の中に、内視鏡でみただけで(すなわち、バイオプシー〔生検=細胞を調べる検査〕なしで)ガンの診断をくだした北村先生の談話がいくつか出ていますが、こういう箇所があります。


 《タバコは発ガン物質のデパートみたいなもので、六十種類以上入っていますから、あんなものもっと早く禁止すべきだった。……日本の場合それ〔タバコ〕より環境に無数にバラまかれている化学物質のほうがはるかに問題だと思っています。まず農薬ですよ。……それに自動車の排気ガス。あれがタバコと同じように発ガン物質だらけだ。……最近ふえているガンは、みんなそう環境毒素にかかわる〔毒素をこし取る生理的なフィルター〕部位のガンでしょう。膀胱以外にも大腸、肺、肝臓、みんなそうだ

 

 思わず長い引用になりましたが、ガンにかからないためには息をしないことが一番だ、という逆説的な事態がおきているということのようです。発ガン物質が必ずガンを誘発するのではないにしても。


 タバコは、吸っている人がやめれば(受動喫煙ということをやかましく言う方もいますけれど)、まず、発ガン物質を遠ざけることができますが、排気ガスはそうはいきません。


 ひと月ほど前、神田すずらん通りの東京堂書店で本を選んでいる立花さんをお見かけしましたが元気そうでした。しばらく書いたものを見なかったので、具合を悪くなさったのでなければいいが、と思っていたところでした。私がお見かけした時には、この文章からすれば、手術が終わってしばらくしてからだったのでしょう。相変わらずでっぷりしていましたけれど。


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カタカナ英語

 昨日(3月8日)の朝日新聞に池谷(いけがや)裕二さんの「カタカナ英語 工夫して『通じる発音』に」という署名原稿が載りました。


 英語をローマ字のまま日本語のように読んでも通じない、ひと工夫必要だという趣旨です。たとえば、


 animal はアニマルではなく エネモウ

 hospital はホスピタルではなく ハスペロウ

 Can I have .. はキャンアイハブではなく ケナヤブ


のように発音すれば、(アメリカでは少なくとも)文句なく通じる、という。


 池谷先生の本には、ルールと実例が出ているようですが、現物を見てはいません。アクセント(池谷式ではアクセン)の位置などはどうしているのか知りたいところです。ホームページには、英語でのように発音する音はみんなにしてしまう、というのが出ていました。エモウ(←アマル)のネもその一例。


 こういう工夫を面白がる人は多いらしくて、反応はたくさん寄せられているようです。ただし、むずかしいのは、この表記がルール化されると、新たにそのルールを覚えなければならないということです。それでも、日本語式に読めば通じるというのですから、一歩進んだ方法であることはたしかです。


 英語の発音指導は、中学校でも先生が苦労なさっているだろうと思います。ネイティブの先生が発音してみせて、それを生徒にマネをさせるやり方なのでしょうか。それだと、apple はアポーと聞こえるはずですから、池谷方式になる。それにしても、ラクに覚えられるものではない。


 日本語と違うタイプの子音や母音、音のつながり方などをキチンと教えて繰り返し練習させる、というオーソドックスな方法のほうが、結局は近道だという気がどうしてもします。


 ちなみに、私の場合は、大昔に中学・高校で教わった英語の発音法でガイジンに話しかけても大抵は通じました。むしろ、聞き取りができなくて、泣きたくなる思いをすることのほうが多かった。


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