チャリング・クロス
ロンドンの中心地にチャリング・クロスロードという、ゆるい坂道がありました。いまでもあります。35年ほど前に、この通りの古本屋さんに行ったことがあります。買わなかったけれど。
坂道を登りきったところに、パレス劇場というのがあって、そこで『ジーザス・クライスト・スーパースター』をやっていました。これを見た衝撃が後を引いて、ずっとミュージカルを観たり聴いたりしてきました。この劇場も、もちろん今でも健在のようです。
オペラも好きになりましたが、こちらはある程度年をとってから親しむほうがよいか、と手前勝手に考えています。男と女が惹かれあったり反発したり、仲のよくない家族や王家の若い男女がひそかに恋に落ちたそのことが悲劇を生んだり、という、人の世に避けられない関係の劇、それを甘美なメロディーと大仕掛けなオーケストラで目の前に広げてくれるページェントの楽しみは、若いころには知らないものでした。
ロンドンにはコヴェント・ガーデンという場所に王立歌劇場があったのに、まだ行ったことがありません。
さて、チャリング・クロスという地名をタイトルにもつ素敵な作品があります。『チャリング・クロス街84番地』(中公文庫)。ヘレーン・ハンフというアメリカの女流作家の作。第2次大戦中の話だったと思います。ロンドンの古本屋のおじさんとアメリカ人の作家が交わす書簡が中心になっていました。
アンソニー・ホプキンズとアン・バンクロフトとが演じて映画にもなっています。
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