パパ・パパゲーノ -116ページ目

ボタニック・ガーデン

  ちょっと季節はずれの話題です。きのう花の写真を貼り付けたので、ブルックリンのボタニック・ガーデン(植物園)で撮ったのもお見せしたくなりました。


 マンハッタンからイースト・リバーの下を地下鉄で通っていくつ目かの駅で降り、歩いて4,5分のところに、かなり大きな植物園がありました。現地時間7月4日(水)です。入場券(8ドル)を買おうと窓口へ近づいたら、そこには人がいなくて、ゲートのところにいたお姉さんが、水曜日はタダだと教えてくれました。こういうときの、儲かったという気分は格別です。ミミッチイような気もしますけれど。


 門の近くが日本庭園でした。この東屋に対面して池の中に鳥居が立っていました。ちょっと面妖な光景です。安芸の宮島を模したにしてはチャチにすぎました。


 





 上の写真のずっと右方向に資料館のようなビルがあって、その前にプールが造られています。ハスの花がたくさん咲いていました。
 ブルーのシャツを着た男子高校生たちが、課外授業なのでしょうか、たくさんいました。

 この日も日差しが強く暑い日でした。


 ここを見たあと、ブルックリン橋へ行き、そこでアイスクリームを食べた話は7月14日に書きました。

ブラシの花がまた咲いた

 5月20日の日記に「ブラシの花」の写真を貼り付けました。今日(8月25日)、この前写真に撮ったその花がまた咲いていました。くるい咲きなのかなあ。他のお宅でも同じ花が咲いていましたから、この木だけがくるったのではないらしい。下の写真が今日の撮影です。

 


 ムクゲももう終わるかと思ってから長い花ですね。ムクゲという花を知らなかったころ、芭蕉の発句、


  道ばたのむくげは馬に喰はれけり


を読んで、草の花だと思っていました。「道ばた」と聞けば、意識の視線は下に向きませんか? 馬が草をはんでいる様子を見たことがあるだけに余計にそうでした。馬がヒョイと首を曲げてムクゲの花を食うから、面白いのでしょうね。下のは「宋丹(そうたん)ムクゲ」という種類だと聞きました。



 百日紅の花も大好きです。花が長いのも好ましい。われながら幼稚なことだと感じますが、花は赤いのがよい。黄色が二番手です。さあ見てくれい、というような立派な百日紅が咲いていましたので1枚。



セミのなきがら

 暑さが続いたせいか、今年は道路にセミの死骸を例年より多く見かけるような気がします。


 ひっくりかえってるの、虫の息になって脚をヒクヒクさせているの、何かに押しつぶされてペシャンコになっているの、さまざまです。次の朝には、新鮮な(?)なきがらがころがっているようですから、カラスにでも食べられているのでしょうね。


 今年は、アメリカで、いわゆる17年周期のセミが大発生したようです。「素数ゼミ」という名で話題になりました。70億匹のセミが鳴いたそうです。どうやって数えたかは知りませんが。


 道路が舗装されてしまっているので、セミの死骸がつぶれているのを見るのは無惨なものです。同じように、ひからびてしまったミミズもたくさん見かけます。水分を求めて土からはい出したものの、帰るアナが見つからないままのびてしまうのでしょうね。むかしの田舎の、土の道路ではあんまり見た覚えがありません。


 さしもの熱暑もいくらかしのぎやすくなりました。ブリ返すかもしれないと、天気予報で言っていますが、もう秋へ入っていくのでしょう。この時期、一度は必ず思い出す和歌。藤原敏行。


  秋来ぬと目にはさやかに見えねども

   風の音にぞおどろかれぬる






 

刑事マディガン

 リチャード・ウィドマークというハリウッド・スターを覚えていませんか? 悪人顔で有名になったのではないかなあ。『アラモ』にもジョン・ウェインと出ていました。


 この人が主演した映画は何本もあるようですが、1968年の『刑事マディガン』というのが強く記憶に残っています。刑事が、人殺しにピストルを盗まれてしまう。必死になって、犯人のゆくえを探します。いま調べたら、この間訪れたブルックリンが舞台のようでした。


 刑事は、二人ひと組で動きますね。情報屋からたれ込みが入って、相方とたずねて行きます。のんべえの年寄りが、犯人をたしかに見かけたと言い張ります。結局は無駄足になる。ガセネタだったのです。


 相棒が、「あのオヤジ、なんでこんなネタを流したんだろう」と問いかけると、マディガン刑事がこう答えます。


 「彼もさびしかったんだよ」


 英語のセリフは覚えていませんが、年をとった情報屋のあわれさがよく分かるシーンでした。


 ウィドマークは1914年の生まれだそうですから、もう92か93歳です。


 彼よりこわい顔の悪役として選ばれたのが、あのジャック・パランスだと、ウィキペディアに出ていましたが、真偽のほどは分かりません。


 

読めない漢字

 前からうすうす感じていたのですが、コラムなどで「真逆」という漢字が出てくることがあって、意味は見当がつくのに、読みはなんだろうな、と思っていました。


 今週の『週刊朝日』の林真理子がホステスの対談に、柴本幸という女優がゲストになっていて、途中「真逆です」と発言しています。してみると、これは話し言葉なのか? 若い人たちに聞いたら、「まぎゃく」と読むのだと教えてくれました。ついでに、おじさんたちにも聞いてみたら、聞いた人はみんな「まぎゃく」と読みました。


 もはや、若者ことばとは言えないもののようです。なにを大げさな、とお思いでしょうね。でも、新しくできた漢語なのに、いわゆる「湯桶読み」になっているのはどんなものか、と、古い人間は思うわけです。「しんぎゃく」でいいではないか?


 「まっさかさま」という単語はむかし「真っ逆様」と書きました。今も、変換キーを押したらこう出てきた。「真逆様」という表記もありました。じつは、「真逆」という文字を見て、真っ先に浮かんだ読みは「まさか」でした。それだと音の続きがヘンだ、とは思っていたのです。


 テレビなどで、話し言葉として通用していて、あとから漢字ができるというのは珍しくないようなのです。知らなくても不便はないので、ほっとけばいいようなものですが、気になるとこうして書いてみたくなる。


 「家電」など、「家庭電化製品」の略語としてしか認識していなかったのに、文脈を見ると、ケータイ電話に対する、家庭の電話、しかも、またもや湯桶読みの「いえでん」だという。どうとでもしてくれい、と言いたくなります。