読めない漢字 | パパ・パパゲーノ

読めない漢字

 前からうすうす感じていたのですが、コラムなどで「真逆」という漢字が出てくることがあって、意味は見当がつくのに、読みはなんだろうな、と思っていました。


 今週の『週刊朝日』の林真理子がホステスの対談に、柴本幸という女優がゲストになっていて、途中「真逆です」と発言しています。してみると、これは話し言葉なのか? 若い人たちに聞いたら、「まぎゃく」と読むのだと教えてくれました。ついでに、おじさんたちにも聞いてみたら、聞いた人はみんな「まぎゃく」と読みました。


 もはや、若者ことばとは言えないもののようです。なにを大げさな、とお思いでしょうね。でも、新しくできた漢語なのに、いわゆる「湯桶読み」になっているのはどんなものか、と、古い人間は思うわけです。「しんぎゃく」でいいではないか?


 「まっさかさま」という単語はむかし「真っ逆様」と書きました。今も、変換キーを押したらこう出てきた。「真逆様」という表記もありました。じつは、「真逆」という文字を見て、真っ先に浮かんだ読みは「まさか」でした。それだと音の続きがヘンだ、とは思っていたのです。


 テレビなどで、話し言葉として通用していて、あとから漢字ができるというのは珍しくないようなのです。知らなくても不便はないので、ほっとけばいいようなものですが、気になるとこうして書いてみたくなる。


 「家電」など、「家庭電化製品」の略語としてしか認識していなかったのに、文脈を見ると、ケータイ電話に対する、家庭の電話、しかも、またもや湯桶読みの「いえでん」だという。どうとでもしてくれい、と言いたくなります。